心と神経の哲学/あるいは/脳と精神の哲学

心の哲学と美学、その他なんでもあり

哲学A1 文章講義(第37回目)

2021-07-03 10:27:00 | 哲学

今日から第7章「情報の存在論的意味」に入る。

 

この章の構成は次のようになっている。

 

はじめに

1 物と心の間としての情報

2 informationの本来的意味

3 プラトンのイデアとアリストテレスのエイドス

4 能産的自然の自己組織性とinformationの秩序形成機能

5 情報の存在論的意味

 

まず、毎回のことながら、内容を一気に理解しようとせずに、全体の構成と話の流れをしっかり掴むこと。

それから、節ごとに理解していくのだ。

要するに、部分に分けて理解していくのだ。

そうすれば、主題の「情報の存在論的意味」というものが分かってくる。

順序を追って理解していくのだ。

これは勉強と理解の定石である。

 

まず「はじめに」を読もう。

これは序であり、この章の趣旨を述べている。

なぜ、「情報」の存在論的意味を問うのか、その理由が書いてある。

まず、これをしっかり把握しよう。

 

そのためには情報を単にニュースや知らせや知識のような「心的なもの」ではなくて、物質の秩序を形成する原理でもある、ということを頭に叩き込んでおくことが要求される。

序にはこのことがしっかり書いてある。

その際、生物と人間の細胞の核内にある遺伝物質DNAに触れている。

なぜ、これが取り上げられるのか、よく読みこんで、理解しておこう。

 

それから、哲学の二大分野に存在論と認識論があるが、「情報」はたいてい認識論的に取り扱われる。

しかし、これは間違いであり、より重要なのは情報と存在論の関係である。

さらに踏み込んで言うと、情報は認識論と存在論の間に橋を架け、両者の統合する地点で主題となるべきものなのである。

このことをプラトンとアリストテレスが2600年前に既に気づいていたことに注意を払わなければならない。

プラトンのイデアとアリストテレスのエイドス(形相)は、存在論的なinformation概念の原型なのである。

 

とにかく、この章を理解するためには、自分がこれまでもっていた「情報」のイメージを一旦括弧で括って、英語のinformationの原意に目覚めなければならない。

つまり、物ごとにform(形態と本質と秩序)をもたらす、システム形成機能としての意味に。

君たちの思考と意識、身体の形、生理的機能すべてに「情報」物質たるDNAが関与しているのだ。

 

僕もDNAが元になって形成された物質であり、情報の意味を考える心的存在でもあるんだにゃ。

      全くその通りだにゃ。でも窮屈だにゃ。


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