今日から第7章「情報の存在論的意味」に入る。
この章の構成は次のようになっている。
はじめに
1 物と心の間としての情報
2 informationの本来的意味
3 プラトンのイデアとアリストテレスのエイドス
4 能産的自然の自己組織性とinformationの秩序形成機能
5 情報の存在論的意味
まず、毎回のことながら、内容を一気に理解しようとせずに、全体の構成と話の流れをしっかり掴むこと。
それから、節ごとに理解していくのだ。
要するに、部分に分けて理解していくのだ。
そうすれば、主題の「情報の存在論的意味」というものが分かってくる。
順序を追って理解していくのだ。
これは勉強と理解の定石である。
まず「はじめに」を読もう。
これは序であり、この章の趣旨を述べている。
なぜ、「情報」の存在論的意味を問うのか、その理由が書いてある。
まず、これをしっかり把握しよう。
そのためには情報を単にニュースや知らせや知識のような「心的なもの」ではなくて、物質の秩序を形成する原理でもある、ということを頭に叩き込んでおくことが要求される。
序にはこのことがしっかり書いてある。
その際、生物と人間の細胞の核内にある遺伝物質DNAに触れている。
なぜ、これが取り上げられるのか、よく読みこんで、理解しておこう。
それから、哲学の二大分野に存在論と認識論があるが、「情報」はたいてい認識論的に取り扱われる。
しかし、これは間違いであり、より重要なのは情報と存在論の関係である。
さらに踏み込んで言うと、情報は認識論と存在論の間に橋を架け、両者の統合する地点で主題となるべきものなのである。
このことをプラトンとアリストテレスが2600年前に既に気づいていたことに注意を払わなければならない。
プラトンのイデアとアリストテレスのエイドス(形相)は、存在論的なinformation概念の原型なのである。
とにかく、この章を理解するためには、自分がこれまでもっていた「情報」のイメージを一旦括弧で括って、英語のinformationの原意に目覚めなければならない。
つまり、物ごとにform(形態と本質と秩序)をもたらす、システム形成機能としての意味に。
君たちの思考と意識、身体の形、生理的機能すべてに「情報」物質たるDNAが関与しているのだ。
僕もDNAが元になって形成された物質であり、情報の意味を考える心的存在でもあるんだにゃ。
全くその通りだにゃ。でも窮屈だにゃ。