どこ吹く風

旅のことを主に書く。

寒冷地

2007年12月25日 09時01分50秒 | オーロラ
 写真説明から始めます。イエローナイフのオールドタウンに面した湖です、氷の厚さが1.5mになると車両通行ができるそうです。奥地とのトラックによる輸送が可能となるのでこの期間に必要な物資を運ぶ。下記は飛行機に頼るので輸送コストが割高になるとのこと。

 普段暖かい地域に住んでいると寒冷地の様子が分からない、本を読んでいても実感が湧かない。例えば私たちは寒いのはイヤだろうと思うが、イヌイットは冬が来るのを待ち望んでいると書いている。

 フランス人の人類学者が1938年の夏に極北の地を旅した記録を随分前に読んだ。ハドソン湾とかマッケンジー河とかいう名前が出てくるけどそれが何処なのか知りません。イヌイットの思考・生活がよく描かれた本で、書いた時期が古いとはいえ貴重な話が詰まっている。その中に冬になり凍った世界が訪れると移動がラクになるのでいそいそと準備を始める様子がある。また食事風景、子供が裸で飛び回っていることや妻の貸し借りなど人種学者の目を通して知ることができる。

 今回のオーロラ観賞の旅は人との接触ではなく自然現象を見に行くので人類学者が力を入れてページを割いた部分は参考にならなかったが、移動の様子や生活の面は物見遊山の旅に役立った。でもその本「極北の放浪者」の著者”ゴントラン・ド・ポンサン”はオーロラのことに触れていない。私が読み落としのかな。
もしかしてオーロラの出現に気付かず、雲としか目に映らなかったのかもしれない。あるいはオーロラに興味を持つ時代ではなかったのかもしれない。オーロラは旧約聖書や日本書紀に記述があるというので存在は知られていたであろう。しかし見える範囲が限られるので人々の話題や興味を引くに至らなかったと思われる。これも推測だがカラー写真の無い時代なので色の美しさに気付かなかったのだろう。白黒写真は当然として、肉眼でも見る人が見たら色が付いている程度なので今の人がカラーで見るのとは訳が違う。

 極地のことを書こうとして脱線してしまった。
犬橇での旅話も出てくるがイヌの扱いが、現代で見聞きするのととでは大違いでイヌをわけも無くぶっ叩く場面が度々出てくる。そうするのが趣味であるかのような印象さえ受ける。ああいう極限世界ではそうせざるを得ないのか、冒険家植村もいざとなるとイヌを撃ち殺して食料にすると述べている。動物愛護の皆さんはギャーギャー喚くだろうが私は彼の決意を賞賛したい。
また脱線したので今日はこれにてオワル。お題と内容が離れてしまった。

イエローナイフの項はこれにてオシマイにします。

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