昨日の、555のDCDC昇圧回路。スイッチング動作
の周りをもうちょっと見直してみる。
とりあえずやっぱ、まずはパワTRを論理反転させて
スイッチングを行う部分の回路を考え直す。
反転するってことは、デジタル回路なら普通に
インバータ使えばいいんだけど、インバータって、
内部回路は複数の半導体素子で組み合わさって
できてるので、それをディスクリートでやると
なると、部品いっぱいになっちゃう。
必要なのは、パワTRをオンしたいときだけベース
に電流流し込んで、それ以外は完全に絞ること。
でも、555と出力側の電源電圧が異なってるので、
単純にはいかない。
NPNで反転させようとすると、パワTRオフにしたい
時にはベース電流分を捨てるような動作になっちゃう。
じゃぁ、ベース電流を制御するTRをPNPにしたら?
と思うと、また元の木阿弥に戻っちゃう。
方向性を大きく変更してみる。出力電圧をフィード
バックするときに、強弱(高低)を反転できないかな?
と。
反転するだけなら簡単なんだろうけど、555のCV端子の
内部回路を踏まえて動作させないとうまくいかない
だろうと思うので、しばし熟考。
NPNトランジスタのVbe電圧を境目にして、うまいこと
反転させる方向性で考えてみる。
できた回路がこれ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/0e/8a653acb1a0a892db96a6d7229011d7f.png)
例によって、これらを3つに分割したのがこれら。
まず左側。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/b5/440bae3dbb34586c0d0eb012aa080d08.png)
真ん中。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/9f/be9d849b73875bf8e85bc7bbac6dad7e.png)
右側。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/d8/7c504d62a5fe6d8727fffb43688b3486.png)
真ん中の図の右端あたりが、電圧のフィードバック
を行うための部分。
出力電圧を、ここでは13kと1kで分圧して、この分圧
した電圧がVbeより高くなればTRがオン、低い間は
TRはオフとなり、結果、TRのコレクタ側はそれぞれ
その逆の動作となる…はず。
ひとまずNE555を想定して、コレクタ側には5kの抵抗
をくっつけておく。(MOS版のLMC555の場合は、ここは
100kΩにする)
これで、CV端子には、電圧が高いときには低く、
低い場合には高い電圧になって入力されることに。
結果、電圧が高い場合には短いパルスが、低い場合
には長いパルスが出るはず。
これで、パワTRの制御は反転が不要で、そのまま
オン/オフすればいいので、NPNのパワトラを直接
ドライブするように変更。
動かしてみる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/8c/2cb44fd302ecd9e7ff114dccc08ff03d.png)
こんな感じ。
赤は例によってインダクタを流れる電流。青は
隠れちゃってるけど左側の555からの矩形波。
緑は出力電圧。
そして水色は、中央の555のOUT端子出力。
定常状態になってからの波形をアップにしてみると、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/ef/21129862b63c9454fbb0d847b1b90c2c.png)
こんな感じ。
昨日のと比べると、水色の波形が反転してるのが
わかる。
つまり、青の立下りをトリガにして、水色のワンショット
の波形が出力されて、それによってパワTRがオンに
なってインダクタに電流が流れて(赤色の上昇)、
少し経つとワンショットパルスがオフになると、
パワTRはオフになって、インダクタに溜まってた
磁束が電流になって流れ出す。流れきると止まる。
といった動作。うん。お手本のようだ!
うまいことに、Vbeを境にして、リニアな制御される
わけじゃなく、非線形な感じで働くので、電圧が
設定値に近づくまでは結構急速に近づいて、設定値
付近になったらピタリと収束していく感じ。
単なるP制御(電圧の差に比例したパルス幅)ではなく、
非線形な感じになったおかげで、設定電圧に至る
までの時間が短くなったな。イイカンジだ。
なんといっても、555以外の能動素子はNPNトランジスタ
が2個だけ。しかも、だいたい汎用品で大丈夫。
パワTRは、2SC2120とか使えると便利なんだけど、
シミュレーションのグラフ見る限り、もうちょっと
大電流流せるTRが欲しいところだな。
(というか555の出力端子に繋いだ300Ω抵抗
次第だけど…)
1Wくらい取り出すなら、大き目のトランジスタ
必要だけど、0.2~0.3Wくらいなら、2SC2120程度
でも十分だろうって気がする。800mA流せるし。
もう1個の、フィードバック部分のトランジスタは
2SC1815でもなんでもいいと思う。電流は殆ど
流れないので。Vbeが1V前後のトランジスタから
適当に。
パワTRのほうは、ある程度の大電流が流せれば、
別になにを使っても構わないと思うんだけど、
いくつか考慮点が。
ダーリントンTRを使っちゃうと、電流制限抵抗の
300Ω抵抗(555のOUT端子についてるやつ)では
小さすぎて、始動直後のスイッチで大電流が
流れすぎちゃう気がする…。
電源の容量を超えて搾り出すようだとまずいので、
hFEを加味して、流れすぎない定数設定が必要かな、
という気がする。
あと、いまは30kHzくらいで発振させてるんだけど、
ワンショットパルスの出し方変えたので、もっと
周波数上げちゃって、インダクタも22uとか33uとか
で一気に大電流流し込めるようにして、ガンガン
動かしたほうが大出力に対応しやすいだろうな、と。
逆に、オペアンプ1個だけ動かしたい、みたいな
小出力でいいなら、今の構成でも十分かなぁと。
この定数、殆どそのまま使ってみても、1Wくらい
(12Vで100mAくらい)なら普通に取り出せる感じ。
うん。なんかイイカンジになってきたぞ。
これなら、一度回路組んでみて(定数はいろいろ
とっかえひっかえできるようにして)、実験回路
動かしてみたい気がしてきた。
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