いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

米国経済影響力。 economical effect and power of usa

2017-11-12 15:30:19 | 日記
 (1)トランプ大統領のアジア歴訪は、日本での安倍首相との個人的なつながりを強調したゴルフ会談に中国での紫禁城を使った皇帝並みの破格の待遇とアジアをけん引する国から歓待を受けて、ベトナムで開催されているAPEC首脳会議に出席しても話題の中心にいる。

 「あの」トランプ大統領に各主要国首脳が気を使うのも政治的リーダーシップではなく、次元の違う米国経済力が背景にあるからだ。

 (2)GDPでは2位の中国に「桁」違いの大きさを見せて、情報化時代をけん引するインターネット産業革命では絶えず先端的な情報技術発信源となっている。
 トランプ大統領が米国で問題発言、行動を続けて批判を受けながらも政権を維持しているのは、米国が政治はワシントン、経済はニューヨークと役割が明確になっていて政治の失敗が経済にダメージを与えない仕組みになっているからだ。

 これが日本のように政治、経済、社会の中心がすべて東京に集積されている国ではそうはいかない。政治の失敗は経済に直結して、経済の失敗は政治にダメージを与えることになる。

 (3)「その」トランプ大統領はAPEC首脳会議でベトナム入りしても言いたい放題が続いている。中国訪問での習主席を「毛沢東以来の最強の指導者。毛より力を持っていると言う人もいる(原文)」(報道)と持ち上げた。

 よほど中国での皇帝並みの歓迎に満足したのか、双方意見の相違などはそっちのけの習礼賛だ。

 (4)トランプ大統領は一貫して米国第一主義で2国間経済貿易協定を主張しているのに対して、ベトナム会合でも習主席は「多国間主義を堅持する」(報道)と相反する主張を堂々と述べている。

 北朝鮮政策でも軍事経済圧力を強化するトランプ大統領に、習主席は国連安保理制裁決議に賛成して経済制裁は履行するとしているがあくまで話し合い解決を主張しており、相容れない状況が続いている。

 (5)米中間に秘密裏の合意があるはずもなく、しかも国内権力基盤を強固に固めた習主席にはトランプ大統領に遠慮する、追随する必要などはない。大国を意識してそれをカムフラージュ(camouflage)する訪中トランプ大統領の皇帝並みの歓迎だったのだろうか。

 トランプ大統領も中国と対峙する同盟インド礼賛も忘れてはいない。同じベトナムで「自由で開かれたインド太平洋地域を目指す」(報道)として南シナ海をを領域化する中国をけん制して「インドは経済開放で驚異的な成長を遂げた」(同)と評価して他国に経済貿易開放を求めた。

 (6)これに対してインドでは「予期しない称賛を得た」(報道)と好意的だ。ここまでくるとトランプ礼賛が鼻につく始末で、トランプ大統領もどこまで正気で話しているのかわからないところがあり、同じ自由主義圏のEU首脳が不安、距離を置く中で安倍首相のトランプ大統領べったり追随外交が気がかりなところだ。

 しかし今回のトランプ大統領のアジア歴訪、APEC首脳会議出席の中で各国首脳がトランプ大統領に相当気を使っていることがわかり、米国経済力の強大さと影響力の大きさ(economical effect and power of usa)そしてパラドックス(paradox)としての政治の貧困を痛感させられる。

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