秋は、芸術の秋。
いろんな場所で演奏会や学校祭等のイベントが開かれ、ビデオ撮影を頼まれて行う。
私は映像は勿論だが、サウンドに対しても手を抜かない。
最高の録音を心がけている。
メインとなるマイクは4本だが、そのマイクスタンドの所はディジタル録音機材、自作電池ボックスとマイクとマイクからの配線で相当な重量物になるのだが、時として予想もしない事が起きる。
事前に例年と変わった事は無いですかと主催者に確認するのだが、主催者側はマイクなどの機材に対して気にしていないため、特段変わった事は無いと云うが、始まってみれば、突然会場全体が大きく変化を遂げる事がある。
昨年は、最後に300人位の生徒たちが一堂に舞台に集まって大合唱を始めると云って準備を始めた。
生徒たちの椅子は全て撤去され、大きな空間を作り出したので唖然とした。
周囲に設置してあったビデオカメラ数台と、録音機材を慌てて移動したが、録音機材はマイクと機材が接続されていて外して移動する訳にも行かず、やっとの想いで移動をした。
かと言って、録音や撮影をしない訳にもいかないので、カメラやマイクポジションも即座に判断して邪魔にならずに適切な録音・録画が出来る様に移動したが、冷や汗ものだった。
お蔭で、その300人の歌声は充分に録る事ができた。
この教訓を踏まえ、セット丸ごと移動できるシステムが必要だと感じて以前からどうすれば良いか考えていた。
そこで、今回作成したのがマイクスタンドと録音機材を丸ごと載せる事が出来るドリーを作った。
写真は完成した状態のもの。
材質は木が一番加工しやすいので良い。
ホームセンターに行くと、軽くてある程度強度もある合板を発見した。
それを三角に切り出して黒のスプレーをしたものがこれ。
裏側はキャスターが付いて移動が出来る様にして有る。
板だけでは、マイクスタンドがただ上に乗るだけになり、移動の際に倒れたりしては大変なので、固定する必要があった。
最初は1cm幅の市販の平輪ゴムでドリーとマイクスタンドの脚を固定しようかと思ったのですが、輪ゴムは2~3年で劣化して切れてしまいます。
そこでプロ根性で考えたのが、自転車のチューブ。
チューブの中にチューブを入れて輪っかにします。 重ね合わせは4cm位にしました。
それを重ね合わせた部分を平金具を上に載せて木ネジで締め付ける事により、力いっぱい引っぱてもチューブが裂けたりしませんし、自転車のチューブはなかなか劣化したりしません。
何時も思うのですが、土壇場になると沢山のアイディアが生まれ、最高の物が出来上がります。
常に頭の隅で考え続けて居る事が大切で、実現に向け土壇場でドーンとアイディアの花が開きます。
ママチャリ用のチューブだと太すぎて扱い辛いが、古いサイクリング車のパンクしたチューブは細くて丁度良い。
取って置いて良かった。
それで、機材を載せた感じが下の写真です。 スッキリして良いんじゃないでしょうか。バッチグー!
マイクスタンドの棒を持って持ち上げても機材を載せたまま全体を持ち上げる事が出来ました。
このマイクスタンドの上には4CH録音するためのご覧の様なマイクが乗り、バー等の部材含めると結構な重量になりますが、キャスター付きなのでそのまま何処へでもスムースに移動する事が可能になります。
マイクをどのように載せて録音するか詳細は企業秘密です・・・・
過去のブログに写真載ってますけどね。 マイク間隔や微妙な向きや録音レベル等々にノウハウがあります。 写真では分かりません。
ワンマンで、録音機材と6台のカメラを扱うのは並大抵の事ではできません。
随所にノウハウが蓄積されています。 いろんなトラブルも起きますし、それを全て克服して来た証です。
実際にやって見ないとその大変さは理解できないでしょう。
多くの人にプロを超えたアマチュアとよく云われますが、18年間それなりの努力は欠かしていません。