旅限無(りょげむ)

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偽札の名産地 

2007-08-12 07:20:52 | 社会問題・事件
■お隣の韓国は次の選挙での与野党逆転が確実視されて、与党から脱党者が続出する大騒ぎが起きるわ、野党側では大統領候補が一人に絞られず内紛が火を噴くわ、国会内は溶鉱炉のようでしたが、とうとう炉自体がメルトダウンを始めた模様ですなあ。レーム・ダック化した盧武鉉大統領は、さぞや寂しく暇な毎日を過ごしているのか、と思っていたら、突如として南北首脳会談を行うとの発表が有りました。裏側に米国の指示があるのは間違いないのでしょうが、寝耳に水に驚いた安部首相は完全な置いてけ堀を食わされるのは確実です。

■米国とIAEAを手玉に取った北朝鮮は、ポンコツ原子炉を精一杯勿体を付けてのろのろと停止させる振りをしただけで、韓国からは早々と5万トンの原油が送り届けられました。これも米国の許可が無ければ不可能なプレゼントのはずですから、6箇国協議参加者の誰も協力してくれない「拉致問題」の解決を虚しく掲げている日本は、どんどん北朝鮮問題の当事者ではなくなって行きそうですなあ。

■平壌で南北首脳会談が開催されるのなら、6カ国協議に参加している国の席順ががらりと変わります。議長国のチャイナは第3位に甘んじなければなりません。米国が韓国を便利に使って首位を確保しますから、自動的に韓国がナンバー2に席順を上げるでしょう。そうなれば日本はロシアと末席を争うことになりますが、6カ国協議の外側で密接な関係を持っているロシアですから、実質的に日本だけが最下位に落とされ、下手をしたら会議自体から廊下に追い出されて、ドアの中から出て来る「請求書」を待つだけの身になるかも?

■ミサイルが急速に高性能化する心配はなさそうなので、原爆と核物質製造設備の管理さえ成功すれば良しとしよう、それがブッシュ政権の希望になってしまったようですなあ。北朝鮮側はその米国の足元をしっかり見ていますから、あれほど大騒ぎしていた経済制裁や偽札問題がぱったりと聞こえなくなったのを見澄ましたかのように、偽札商品の「閉店大セール」を始めたのかも知れませんぞ。


今年3月から8月にかけ、岩手、東京、愛知、京都の4都府県で、聖徳太子が描かれた旧1万円札の偽札計約700枚が相次いで発見されていることが10日までに明らかになった。偽札は、透かしが入った精巧なもので、番号が連番になっている札も多いといい、今月タイ国内で見つかった偽札と特徴が似ているという。都内の金融機関に両替目的で持ち込まれており、警視庁捜査2課などは、偽造通貨行使容疑で調べている。

■「スーパーK」などの偽ドルが大量に摘発されて、日本でも手嶋さんが『ウルトラ・ダラー』なる小説?を発表したのは昨年の事でした。その中には60年代に日本から腕の良い印刷工が拉致されていた!という事実が書かれています。そして、タイは日本と共に北朝鮮による拉致犯罪を糾弾する姿勢を取っている珍しい国だというのも、無気味なものを感じさせる話です。


……聖徳“タイ”子が世間を騒がせている。今月初め、タイの首都・バンコクの古銭商に、タイ人が旧1万円札98枚を持ち込み、両替を求めたが、不審に思った店主が警察に通報。98枚すべてが偽札とみられることから、タイ警察が在バンコクの日本大使館に相談。同警察では、まだ数百枚が存在するとみて、入手経路や背後関係を調べている。それとほぼ同時期、同じような偽札が日本国内にも出現した。7月30日、東京都文京区の銀行に男が旧1万円札100枚の両替を依頼、銀行は気づかずに両替し渡してしまったが、後に偽札とわかり、警視庁に被害を届け出た。また8月2日には、名古屋市の銀行に男性が旧1万円札14枚を持ち込んだが、愛知県警に押収された。この男性は「タイから持ち込んだ」と話しているという。

■旧札の実物を知らない若い世代が増えた日本で、妙に真新しい「聖徳太子」が出回るというのは、見破られる危険が少ないと判断した悪い奴が居たことを推測させますが、タイから日本へと使用場所が移って来るのが、朝鮮総連の差し押さえ・詐欺事件が発覚する時期に重なるというも気味の悪い話ですなあ。まさか、詐欺師と組んで朝鮮総連を騙そうと思った元公安調査庁長官に、偽札を押し付けて騙そうとした凄腕が北朝鮮側に居たりしたのではないでしょうな?!


偽札はいずれも聖徳太子が描かれた旧1万円札で、赤っぽく、透かしのような印刷がされているといい、手触りではわかりづらい精巧な作りという。バンコク、文京区、名古屋市で見つかった偽札は番号のアルファベットなどが共通しており、番号が連番になっている札も多いという。偽札の特徴から、“発行元”の可能性があるタイでは現在、偽造紙幣が増加中。100万枚に5枚の割合で偽札が流通しているという。大使館では銀行や公設の両替所の使用を呼びかけている。……旧1万円札は1984年、偽札が多く出回ったことも一因となり新札へ切り替わった。今回、横行している偽札は当時のものという可能性もある。
8月11日 スポーツ報知

■よど号乗っ取り犯や、他の連合赤軍一派が出入りしていたと言われるタイですから、タイに「印刷所」が有るのではなくて、外交特権を悪用した運び屋が暗躍している可能性の方が高いのではないでしょうか?


タイのニット外相は1日、北朝鮮の朴宜春(パク・ウィチュン)外相と会談し、北朝鮮に拉致された疑いのあるタイ人行方不明者アノーチャさん(53)の兄スカムさんから金正日総書記にあてた手紙を手渡した。関係者によると、手紙はアノーチャさんを早く帰国させるよう訴えたものという。朴外相は「調査の結果そうした女性はいない」と答えたが、協議の継続は約束したという。
2007年8月2日 朝日新聞

■北朝鮮の偽札犯罪を米国が必死で摘発していた時、日本政府は専門家を派遣したり、積極的に協力態勢を取ったのでしょうか?「特定失踪者」の中に印刷関係の人物が含まれている事をしっかりと調査したのでしょうか?一人も拉致被害者を出していない米国にだけ、「拉致問題解決」を懇願する外交選択に間違いは無かったのでしょうか?今回の旧1万円札の偽造事件も、「真犯人」を逮捕するまでには至らないのでしょうなあ。拉致問題解決を期待されて就任した安部首相はお盆休みです。

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