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旅限無(りょげむ)

歴史・外交・政治・書評・日記・映画

二つの敗北 その参

2008-01-28 10:59:25 | 日記・雑学
■相撲はいろいろな雑音混じりながらも白熱の千秋楽決戦となったのですが、同日に実施された大阪府知事選挙はまったく盛り上がらない一方的な勝負になってしまったようです。

大阪府知事選は27日投開票され、無所属新人のタレントで弁護士、橋下徹氏(38)=自民府連推薦、公明府本部支持=が、元大阪大大学院教授、熊谷貞俊氏(63)=民主、社民、国民新党推薦▽弁護士、梅田章二氏(57)=共産推薦=ら4人を大差で破り、初当選した。橋下氏は、183万票を獲得し、得票率は53.5%と圧勝した。全国最年少の知事となる橋下氏は、若さと抜群の知名度で、大阪の再生に挑む。

■得票率53.5%というのは、ほぼ同じタイミングで行われた米国の大統領予備選挙でオバマ候補がサウスカロライナ州で得た数値と酷似しています。あちらではヒラリー候補が27%で敗れたのは元大統領の夫クリントンがでしゃばり過ぎたのが敗因とか……。では、民主党が推した候補の敗因は何でしょう?国会の採決をスッぽかして応援に駆けつけた小沢代表の不遜な態度が致命傷だったのでしょうか?既に政局は「民主党敗れたり!」の一事で解散総選挙を望む声が掻き消されようとしているとの観測も出ているとか……。


33年ぶりに国政の与野党3極の対決となった府知事選で、与党が推した橋下氏の完勝は、年内に予想される衆院選にも影響しそうだ。投票率は48.95%で、過去最低だった前回(40.49%)を上回った。……橋下氏は1947年の知事公選制導入後では歴代3番目に若い知事で、30代の知事誕生は57年ぶり。現職の最年少知事は、高知県の尾崎正直知事(400)だった。また大阪府知事では、横山ノック氏に次ぐタレント出身者となる。得票数は横山氏の初当選時を約20万票上回った。

■投票率が半分に満たない!それでも民主選挙は成立します。前回が40%だったのですから、多少は有権者に変化が起こったのかも知れませんが、地方自治体の選挙自体、民意を反映しない恐ろしい事になっているのが心配ですなあ。投票しなかった半数の人は、一体、何をしていたのでしょう?


橋下氏は「2万%ない」と否定しながら一転出馬した経緯や、核武装などテレビ番組での発言なども問題視された。争点となった関西経済の浮揚策や全国最悪の水準にある府財政の再建で、指導力が問われる。公約に掲げた出産・子育て支援策も注目される。3選を目指した太田房江知事が「政治とカネ」問題で出馬を断念。79年以来続いた共産対非共産の構図が崩れ、国政の与野党3極の対決になった。

■30年前には全国各地に共産党の風が吹き捲っていたなどと、今からは想像もできませんが、大阪府にはその残滓が有ったというのも投票率の低さと関連しているのかも?これで自民党と公明党が息を吹き返して元気になるとも思えませんが、民主党の意気消沈は間違いないでしょう。政見や政策、それに党の運営方法など不満が山ほど溜まっている民主党は、小沢代表の選挙戦略と鳩山さんの資金力だけが頼りらしいので、何とか政党としてまとまっているという話も有りますから、小沢代表の神通力が消えた後は大混乱?あまり虐めると逆ギレして、大連立騒動の時に吐いた「力不足」発言が再爆発するかも知れませんぞ。


自民、公明は府レベルの推薦・支持にとどめた。一方で、自民は古賀誠選対委員長ら幹部が大阪入りし、水面下で関西財界に働きかけるなど党推薦と同等の態勢で支援した。熊谷氏は知名度不足のうえに太田知事との政策の類似点が目立ち、無党派層を取り込めなかった。民主は「衆院選の前哨戦」と位置づけ、小沢一郎代表らが応援に入り、昨年11月の大阪市長選に続く民主推薦候補の連勝を狙ったが、かなわなかった。梅田氏は大型事業の見直しなどを訴えたが、及ばなかった。
1月27日20 毎日新聞

■福田政権が発足する時に古賀さんが選挙を仕切る権力を独占したのが問題視されていましたが、これで発言力は揺ぎ無いものになるのでしょうなあ。それにしても、民主党は何を考えて「大学院教授」を候補者にしたのでしょう?世の中には職業柄、どうしても頭を下げられない体質を持ってしまう場合があるそうで、特に上から物を教える教育者や宗教者や医師など、何故かエライ人になってしまうのだそうですなあ。勿論、例外も多いのですが……。

二つの敗北 その弐

2008-01-28 10:58:57 | 日記・雑学
……土俵際まで寄り立てようとした時、筋力トレでパワーアップしていた朝青龍につり上げられそうになった。「危ない」。観客席の東通路で見守っていた育ての親、熊ケ谷親方(元幕内・竹葉山)の脳裏を最悪のシーンがよぎった。しかし、白鵬は「自分の力が入っていたので、(危ないとは)思わなかった」。最初のつりをこらえると、相手が2度目のつりに来たタイミングを見計らい、今度は左から投げを打ち土俵に1回転させた。

■「宮城野部屋」の横綱なのに、「育ての親」は熊ケ谷親方!こういうネジレ状態で運営されている相撲部屋の内部がどんな雰囲気になっているのか?この件は業界のタブーらしく、多くのマスコミは腫れ物に触るように扱うことになっているようです。それでも横綱を育てた相撲部屋として相撲協会からは大金が流れ込むのだそうですなあ。


朝青龍不在の場所でV2を果たしたが、復帰場所でいきなりライバルの優勝を許せば、連覇の価値もなくなるところだった。そのプレッシャーを白鵬は「横綱になった人しか分からないものだと思います」と説明した。前夜は午前0時30分にベッドに入ったが「いろいろ取組のことが浮かんできて、なかなか寝つけなかった」という。

■朝青龍も眠っている時も取組みを考えて夢の中でも体が動いているという話がありました。もしかすると、そこまで相撲に集中している日本人力士が居ないのではないか?と思ってしまう初場所でもありました。大雑把な印象として、モンゴル力士は「相撲をやっている」のに、多くの日本人力士は相撲をやる前に負けているような気がしました。何をしに土俵に上がったのだろう?と思うような取組みがとても多かったような気がします。注目力士が千秋楽にやっと勝ち越し!などという状態で、本当の相撲人気復活など叶うはずもありますまいなあ。


今場所、腰痛に苦しむ夫のために毎朝20~30分かけて腰をマッサージしていた紗代子夫人(21)も「場所中は私が朝青龍関の名前を口にできないほど意識している感じでした」と振り返った。それでも弱音は一度も漏らさなかった。場所中、朝稽古を休んだのは1日だけで、10日目に安馬に敗れた直後には、熊ケ谷親方に「休んでいた横綱には負けたくない。このまま最後まで突っ走ります」と自分自身を鼓舞するように宣言していた。

■モンゴル本国にも飛火して……というよりも、実際にはモンゴル国内での政治やビジネスとも絡んでいる二人の対立もあるという話もあるようです。それはモンゴル人力士が日本の大相撲を食い物にしているという事ではなくて、日本側が「国技」と言いながら競技人口が激減し、力士になる人材が払底しているから起こった奇妙な現象です。優勝の栄冠ばかりでなく、三賞もモンゴル人力士に間も無く独占されそうな勢いです。財団法人の相撲協会を管轄しているのは文科省だそうですが、体育教育で「国技」の相撲はどんな扱いを受けているのか?公立学校の設備に土俵が含まれているのか?などなど、相撲が日本の子供から取り上げられ、相撲ファンの多くが外国人力士が戦う姿を楽しむ日本人ということになってしまうのでしょうなあ。


相撲史に残る名勝負を制し、朝青龍の一強時代が終わったことを証明した。「3連覇という大きな目標を果たしたので、次は4連覇に向かって頑張るだけです」。重圧をはねのけ、さらなる高みに到達した覇者の目は早くも次の目標に向けられていた。
1月28日 スポーツニッポン

■「4連覇」宣言を白鵬がすれば、朝青龍は雪辱を宣言したのだそうです。では、期待の?大関陣は何か言ったのでしょうか?もう忘れられている話ですが……。


賜杯を争う力士の不戦敗で取組前に優勝が決まったのは、不戦勝制度が確立された昭和3年以降では初めて。白鵬は琴光喜に下手投げで敗れて12勝3敗に終わった。琴光喜は10勝目を挙げた。かど番を脱出した大関魁皇は千代大海からの不戦勝で9勝6敗。千代大海は11勝4敗。関脇安美錦は勝ち越し、小結安馬は10勝をマークした。三賞は殊勲賞が安馬、敢闘賞は把瑠都、技能賞は小結琴奨菊が受賞。……
2007年11月25日 産経ニュース

■昨年の九州場所に関する報道です。琴光喜が注目されたのは昔話になってしまいました。千代大海は目も当てられない連敗を喫して早々に休場。頼りの魁皇は怪我を押しての出場で、勝敗よりも健康が気になる取組みばかり……。力士の養成方法だけでなく、ルールそのものを見直したり、力士の体格と相撲内容が大きく変わっているのですからさっさと土俵を大きくするとか、大相撲を見ているのか病院のリハビリ病棟を見学しているのか分からない包帯(サポーター)だらけの取り組みを、一刻も早く解消する必要があるのでしょうなあ。

二つの敗北 その壱

2008-01-28 09:05:40 | 日記・雑学
■1月最後の日曜日は大相撲の千秋楽と大阪府知事選挙の投票日が重なりました。これで日本中のマスコミは結果はどうであろうと、数日間はネタ不足に悩まなくても済みそうですなあ。きっとマスコミはどうでも良い話を掻き集めて、勝者と敗者を分けた因果関係を「分析」したり、勝者にべたべたと擦り寄ってお祝いムードをせっせ作るのでしょう。でも、それは掌をくるりと返してバッシングを始めるまでの僅かな蜜月……。

大相撲初場所千秋楽は27日、東京・両国国技館で行われ、東の正横綱・白鵬(22=宮城野部屋)が相撲史に残る名勝負の末に問題横綱・朝青龍(27=高砂部屋)を破り、自身初の3連覇で通算6度目の優勝を飾った。日本中が注目し、両国国技館が今場所5度目の満員札止めとなる中、優等生横綱として期待を集めた男は豪快な上手投げで快勝。02年秋場所の武蔵丸―貴乃花戦以来の東西両横綱による千秋楽相星決戦を制し、ファンの期待に見事に応えた。

■疑惑と不評が渦巻いている宮城野親方の影がさらりと通り過ぎる「白鵬優勝」の記事です。北の海理事長が選挙目当てに自分の手下を強引に親方にして押し込んだとか、親方なのに白鵬が横綱に上り詰める間の指導などしていないとか、白鵬の名を傷つける異常事態が報道されていたようですが……。一種の終身雇用制が定着している相撲界ですから、名前だけの親方が居たり、千秋楽前日に「傷害致死容疑で逮捕」される元親方も居るのでしょう。それが伝統の負の遺産で朝青龍問題も結局は、親方・理事長の責任でもなく相撲協会という古い古い体質を維持している変な組織の問題なのだと、昨年の大騒ぎの中でバレてしまったのでした。


最大、最強のライバルを土俵に叩きつけ、東の正横綱の意地とプライドを見せつけた。だが、48本もの懸賞を受け取り、観客と握手を交わして東支度部屋に引き揚げてきた白鵬の表情は、大一番の激闘を物語るように硬くこわばったままでしばらく緩まなかった。

■札止め「満員御礼」になって相撲協会は単純に喜んでいるのかも知れませんが、朝青龍VS白鵬の取り組みが異様な注目を集めているのは、単なる相撲人気ではなく、下手をしたら外交問題にまで発展し兼ねない政治問題でもあり、日本中が「品格」の定義を考えねばならなくなる騒動が引き起こした恥ずかしい現象でした。


「自分は巡業にも出てずっと稽古してきた。休んでいた横綱には負けられないという強い気持ちだけでした。仕切りの時も相手の目を見て気持ちだけは負けないようにと思っていました」立ち合い、朝青龍に見舞った“張り手”に今場所に懸ける思いが凝縮されていた。前回の対戦までは先輩横綱に敬意を表し、張り差しを狙ったことは一度もなかったが、今回は素早く右を差すために勝負に徹した。思惑通りに得意の右を差すと左上手も引き、がっぷり四つに組んだ。

■「休んでいた横綱に……」という発言は昨年から白鵬の口から繰り返し出ていました。朝青龍は「休んでいた」のではなく、「謹慎していた」のです。その前は「精神科の治療を受けていた」のでしたし、さらにその前は「折れた腰骨の治療をしていた」のでしたなあ。勿論、超人的な体力と精神力を持っている横綱・朝青龍は腰の激痛?を我慢して、親善サッカーを楽しんで見せたのでした。自称?主治医の怪しげな医師は「精神の病は完治した」と発言しているようですが、そもそも、病だったのか?という疑惑はますます深まったようです。

■朝青龍が元気になって相撲ファンが増え、相撲協会もマスコミも大喜びの様子ですが、腰や背骨を「本当に病んでいる人」や「適応障害」に苦しんでいる多くの人達が、周囲から「仮病」だの「軽症」だのと誤解される心配が有るのではないでしょうか?そもそも最初に「疲労性骨折」の診断書を書いて帰国の言い訳にさせてしまった医師や「鬱病寸前」とまで言い切った精神科の医師が、何故か責任を追求されることもなく、あれよあれよと思う間に「品格」と「伝統」の話に移り、最後は朝青龍個人の性格や資質ばかりが騒がれて、初場所が始まった時には悪役の朝青龍と善玉の白鵬という「品格」の欠片も無い騒ぎになってしまったのでした。

■「ヒメの虎退治」で選挙に当選した人が墓穴を掘っている恥ずかしい話を思い出すような、実に軽薄な舞台設定になってしまいました。これでは『水戸黄門』や『暴れん坊将軍』を楽しむのと同じことでしょう。

憂鬱な土曜の夜

2008-01-27 11:07:09 | 日記・雑学
 ■何と!ダボス会議に出向いた福田ホイホイ首相の演説を、皆様のNHKは26日午後10時から生中継しました。相当に緊張していたのか、「威厳」などと贅沢な物を要求する気はサラサラありませんが、落ち着きを欠いて熱心に工夫して書き上げたはずの「原稿」をツッカエつっかえ読んでいる姿は、既に痛々しい……。正視に堪えずにチャンネルを変えてみたら、TBSの『ブロード・キャスター』に引っ掛かり、日本はまだまだ大丈夫!というメッセージを送ろうとしているらしい話を放送中。プラスチックの成形加工で徹底的にマイクロ化技術に特化した樹研工業の社長さん、たしか松浦さん?の明るいインタヴューが流されていましたなあ。

■100万分の1g直径0.147mmの素人目には粉にしか見えない「パウダー歯車」で有名なナノ切削技術で新分野を開拓し続ける元気な株式会社樹研工業!というのは良いのですが、社長さんが「必ず部品はマイクロ化する」と先見の明を語っている肝腎な場面で、テレビ朝日のような?恥ずかしい間違いをTBSが犯したのでした。社長さんが自分の会社が「マイクロ化技術にシュウレンしたんだ」と語ると、最近大流行の念入りテロップが画面下部に浮かびまして、何と「……に修練した」と出て来ましたなあ。「修練」なら、「……を修練」となるはずですし、社長さんの語っている文脈からして業界内で自社の技術を特化させるために、マイクロ化技術に集中した、つまり「……に収斂」したと言っているはず!

■まさか「収斂」の「斂」という漢字が常用漢字に含まれて居ないのを理由に「修練」としたのか?言葉を乱暴に扱うテレビ局、テレビ番組にロクなものは無いようです。がっかりして再び皆様のNHKに戻って見たら、福田ホイホイ首相が25分間ものけッ躓き原稿棒読みスピーチが終わり、やれやれと思ったら、何とメディア利用の達人だったブレア前英国首相と並んで座ってしまいましたぞ。ご本人から三つも質問を受けるという大冒険!に挑んだ勇気は評価すべきでしょうが……。座り方がよろしくなかった!マイクを不自然にいじくり過ぎ!ヘッドファンを付けたり外したり、落ち着きが無い!側近が仕事をしていないのが良く分かるオドオド会見になっていましたなあ。

■棒読みが終わって不自然な拍手が起こっている会場が映りましたが、前列は全員、そのまま列の半ばまでは全員が日本人ではないのか?という風景が気になりました。民主党のブッテ姫が馬鹿馬鹿しい「告白本」の出版記念と称してアルバイト動員で盛況を演出したと笑われていますが、これも税金をつぎ込んだ立派な動員でしょうなあ。空席が目立ったら大変だ!と誰かさんが気を利かせたのでしょうが、ほとんどが日本人で満席になったら逆効果でしょうに!

■ブレア前首相が水を向けたのは、「アフリカ支援・環境問題・テロ対策」という世界が抱える三大問題に関する福田首相の所見でした。「原稿」無し!で一体、どう答えるのだろう?とハラハラしましたが、既に打ち合わせと練習が済んでいたらしく、実に福田さんらしい「無色不透明」の分かったような分からないような、要するに国際的な「協力」を「時間をかけて」行いましょう、という先送り発言しか出ませんでした。そんな返答を受けてその場を納めねばならないブレアさんが可哀想でもありました。

■まあ、福田首相の発言内容は翌日の報道で確認すればよいだろうと諦めて、もう少しマシな報道番組は無いかなあ?と思って再びTBSの『ブロードキャスター』を覗いてみると、NASAが公表した「火星人?の写真」の話題を取り上げて、選りによってタマ出版のトンデモ社長さんに空き放題なトンデモ話を垂れ流し!嗚呼。

■テレビのスイッチを入れた自分が一番悪いのですが……。それにしても週の締め括りに良質な報道番組が無い日本のテレビは絶望的かも?新聞のテレビ欄を見ても、動物・子供・霊視・グルメ……。あとはスポーツか映画か学芸会ドラマから視聴番組を選ばねばならないようです。頼みの衛星放送も、何故か土曜日は良質なドキュメンタリーやニュース番組が少ない構成になっているようですなあ。

■後知恵ですが、土曜の夜にテレビを観ている事自体が時代遅れなのか!と気付いた次第。でも、最近のテレビ報道?が取材責任を負わない「新聞代読」に依り掛かっているのですから、瞬間的に面白そうな「記事」を紹介し続ける乱雑さを中和するためにも、一週間の流れを落ち着いて振り返れば、情報の重要性を少しは冷静に振り分けられるでしょうし、取りこぼした重大なニュースも復活させられるはず……。NHKと民放、地方局も合わせれば相当な数に上るテレビ局が存在し、新聞も同様なのに、情報が偏って集中してしまう弊害が出ている事を反省する向きもあるようです。

■今回のダボス会議でも、欧米、特に欧州勢は「アフリカ問題」をとても重視している事に、日本の国民は違和感を持っているのではないでしょうか?スーダン内戦から始まった「アフリカ大戦」とも呼ばれる絶望の連鎖は国連でも大きく取り上げられている大問題なのに、何故か日本のマスコミはほとんど報道しないからです。「火星人の写真」やら「金星人の写真」を放送している場合ではないはずなのですが……。中には生きている人の「霊」を呼び出して、空き放題に「霊視」するような番組まで放送されているそうですなあ。
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「中東の笛」は北京でも響くか? その伍

2008-01-14 11:52:35 | 日記・雑学
■クウェートの王子としても、10年間も「投資」してやっと手に入れた自国チームの五輪出場権ですから、簡単に諦めるとも思えません。「石油しか無い国」には石油しか武器が無いのですから、石油のパワーを最大限に利用します。そのパワーに無条件に屈してしまう日本の姿が見え隠れしてしまうのは韓国が見せた凄まじい執念がと比較対照されてしまうからです。試合の前から負けているのが気になります。

……国際ハンドボール連盟(IHF)は、昨年の予選参加国に出場するかどうかをたずねた回答の期限を14日に延期した。だがクウェート、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)とカザフスタンの4カ国は12日、アジア連盟に不参加の通知を送り、日本と韓国の一騎打ちが確実。日本協会の市原則之副会長(66)は、韓国協会の鄭亨均副会長と会談し、日韓対決の場合は26、27日に開催したい意向をまとめた。……マイナー競技だったハンドボールが脚光を浴びてきた。すでに、日本協会のもとには、NHK、TBS、テレビ東京の3局が生中継を打診。今後、同協会は全局の話を聞き、開始時間を調整する。全国ネットでの生中継ですら異例で、ゴールデンなら日本ハンドボール史上初めての快挙になる。

■テレビ好きの人達はハンドボールの試合そのものを見たがっているのではなく、「中東の笛」の生中継を期待しているような気がして仕方がありません。どうしてNHKが手を挙げているのか?何故かTBSが動いているのは妙に納得できたりしますが……。放送ソフトが無い?テレビ東京は値段次第でしょうが……。さてさて、ろくにルールも知らない競技の中継番組をどれほどの人が観るのやら……。やり直し試合では「中東の笛」は鳴らないし、アラブの王子様が乱入してもくれないし、突然の停電も審判と選手との乱闘も期待出来ません。しかも、日韓対決となれば圧倒的に韓国が優勢というのですから、せっかくの土日開催の生中継でも大した視聴率にはならないかも知れません。試合が放送される頃は朝青龍の雪辱優勝がかかる千秋楽に重なりますからなあ。中には朝青龍「全勝優勝」と日本ハンドボール「予選敗退」のダブル・パンチで最悪の週末を過ごすことになるかも?


日本協会の川上専務理事は「試合時間は、こっちで決めることになる。やっぱりたくさんの人に見てもらいたいから」と話し、放送権料など条件次第では、中継は昼間に限らないとの見方を示した。参加国数が決まり次第、日程を詰め、早ければ15日の実行委員会で決定することになる。……仮に26日開催となれば、サッカーの岡田ジャパンの初戦となるチリ戦(午後7時10分キックオフ)とガチンコ勝負となる。……。
1月13日 日刊スポーツ

■話題満載の大相撲に加えてサッカー試合も同日開催となれば、いよいよハンドボール試合は苦しい立場になりそうです。大相撲はモンゴル大会でサッカーは南米大会、そこにハンドボールが韓国大会になるようならスポーツ・ファンにとっては悪夢のような週末になるでしょう。でも、話はそれだけでは終わらず、予選の後に本試合の北京五輪が控えている事の方が重大でしょうなあ。


ハンドボールの北京五輪男女アジア予選がやり直しになった問題で、この決定を下したパリでの国際連盟(IHF)理事会に出席した日本協会の渡辺佳英会長が20日帰国し、中国での再開催をIHFに要望したことを明らかにした。渡辺会長は、中東勢と東アジア勢との試合で不可解な判定が相次いだため「一番中立は中国。IHF会長に中国で開くようお願いした」と述べた。また渡辺会長は、韓国側の働き掛けを受けた国際オリンピック委員会(IOC)がIHFを動かし、やり直しにつながったとの見方を示した。
2007年12月20日 日刊スポーツ

■小さな記事ですが、この後の展開を見れば渡辺会長は大きな勘違いをしていたのは明らかです。再試合は「韓国のお蔭」という認識を持っている正直さが尚更悲しい……。


日本ハンドボール協会の市原則之副会長は25日、やり直しとなった北京五輪アジア予選について、国際連盟が開催国に推薦した中国が経費負担に問題を訴えた場合、日本協会が協賛企業などを募って中国協会に紹介する考えを持っていることを明らかにした。市原副会長は、いったんは男子の五輪出場権を獲得したクウェートら中東勢の出方を警戒し「中立国の中国が財政的な問題を指摘するならばサポートする」と話した。
2007年12月25日 日刊スポーツ

■選手には「報奨金」を出す話は前から決まっていたのでしょうが、北京政府に対する「資金サポート」の話は明らかにテレビ中継が決まった後の話です。こちら下手に出て金銭の話をするのは、相手を考えないと大火傷の元ですぞ!何でもカネで解決しようと前のめりになるのは感心しませんなあ。相手は国威発揚に必死の社会主義一党独裁体制の政府です。「特色ある市場経済」で内部矛盾が深刻化している苦しい立場なのですから、それこそ手段を選ばず地元開催の利点を活かしてメダル漁りをしようと虎視眈々のはず。旧ソ連などの社会主義諸国が完成した五輪戦術の上に、米国が編み出した五輪商売のノウハウが結び付いた恐ろしい大会になると考えておかねばなりません。

■「平和の祭典」などは眼中に無く国威発揚に役立つか儲けになるかの尺度だけで疾走している北京政府に、妙な期待を持っては行けません。


……国際連盟(IHF)が開催地として望ましいとしていた中国が、開催を断る意向をIHFに伝えていたことが26日分かった。中国協会の彭寧事務局長は「もう準備も間に合わないし、費用も15万ドルかかると見られ負担が大きい」と話した。IHFは同予選を来年1月末までに実施することとし、中立国として中国を推薦。日本も中国開催を望んでいた。彭寧事務局長は「費用を国際連盟などが負担し、時期ももっとあとでよければ開催を検討してもいい」としている。
2007年12月27日 朝日新聞

■早期開催を熱望している日韓両国の気分を熟知した上での「間に合わない」発言はさすが!でありますなあ。中東産油国の機嫌を損ねるような馬鹿馬鹿しい騒動に巻き込まれる危険を冒す気などさらさら無いのが北京政府の資源獲得戦略なのでしょう。見事にスポーツと外交が連携しているのは心憎いばかり……。更に、昨年4月9日に香港で国際ハンドボール招待試合が開催されていて、その決勝戦で中国男子チームが25対24の僅差ながら、強豪ドイツを下して優勝していて、同じく2006年12月13日にドーハで開催されたアジア大会では、ハンドボールの女子3位決定戦で日本が25-22で中国を破って銅メダルを獲得しているのだそうです。

■つまり、「中東の笛」で予選を抜け出しただけのクウェートに出場してもらって、まずは実力で撃破するか自滅を誘う。いざとなったら「北京の笛」で加勢して男子チームを上位に押し上げる!同大会で日本の男子チームは5、6位決定戦でシリアに31-34で敗れていますから「中東の笛」が響かない予選は要警戒でしょうし、韓国の執念はもっと手強いとなれば、本心ではAHFの主張に賛同したいところではないでしょうか?

■これまでの夏季五輪大会でのメダル獲得総数を単純に比較しますと、中華人民共和国は金112個、銀96個、銅78個で総合12位。その上の11位が金114個、銀106個、銅78個を獲得している日本!何とその上の第10位がオーストラリアで金117個、銀122個、銅147個を獲得していますから、先ずは日本を抜き去って「アジアの盟主」になり、出来ればオーストラリも抜いてオセアニアを加えた東半球の王者になる!のも夢ではありません。1位の米国から9位のスウェーデンまでは参加出場回数で圧倒的に有利な欧米諸国ですから、こちらはじっくりと長期戦で各個を撃破して行くのでしょうなあ。その頃、日本は現在21位の韓国よりも上に居られるのでしょうか?

■年末年始に突如として上がったハンドボール人気から、いろいろな事を考えさせられたというお話でした。取り合えずは、頑張れ、ニッポン!ということです。大相撲初場所の初日、朝青龍は初白星だったそうですなあ。
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「中東の笛」は北京でも響くか? その参

2008-01-14 10:53:35 | 日記・雑学
■五輪大会が巨大化すると参加する選手の何十倍何百倍の「関係者」が生み出され、さらにスポーツが国威発揚の道具になってしまうと各国が税金と役人と投入して戦争の代替行為として熱心になります。でも、それが代替行為の枠を乗り越えて戦争そのものに転化するのに時間は掛からなかったのでした。戦争で大儲けする企業が有るように五輪大会を商機にしようと鎬(しのぎ)を削る企業が増えるのも、戦争と同じです。情報戦・作戦参謀部・物量作戦・精鋭部隊・総力戦……本物の戦争と同じ道具立てが揃えば、諜報戦・謀略戦・買収・掠奪……何でもあり!という究極の真理「勝てば官軍」へと疾走する国が揃います。

■今は大スキャンダルや犯罪扱いされる「ドーピング」も、旧社会主義圏では徹底した人体改造として堂々と行われていたものです。彼らは国威発揚の英雄(道具)として命懸けの訓練と投薬・注射に人生を懸けていたとか……。国は現役時代ばかりでなく訓練時代から引退後の生活までを丸抱えで援助を約束していたので、アマチュアかプロか?などという問題を超越していました。そう言えば、中東諸国は旧ソ連との交流が続いていましたなあ。


国際ハンドボール連盟(IHF)が17日の理事会で、北京五輪アジア予選を再試合にする前代未聞の決定を下した。近年のアジア連盟はクウェートの王族が事実上支配。今年の五輪予選でも審判員の構成や中東寄りの判定でトラブルが相次ぎ、日本の選手からは「いつになったら、まともな試合ができるのか」との声も上がっていた。日本協会幹部は12月上旬、IHFのムスタファ会長に直談判し、再試合を要求した。韓国も全加盟国に不可解な判定を集めたDVDを配布。世界選手権と五輪大陸予選はIHFの直接管理で実施すべきとの要望書を提出し、受け入れられない場合はアジア連盟の東西分割も辞さない構えで訴えた。

■「アジアは一つ」と言ったのは岡倉天心でしたが、実際には欧州側から見て「東の方」という極めて大雑把な地理概念に基づいている名称ですから、広大なアジアが一つにまとまるのは無理なのです。北の大森林地帯・その下の大乾燥地帯・南の湿潤地帯と南北三層に分かれている広大な大陸に、イスラム・ヒンズー・仏教・儒教などの精神文化が大雑把な棲み分け状態になっていて、言語も生活習慣も多様です。そこに20世紀の世界を変えた石油という要素が絡みついていますから、ますます「アジアはばらばら」状態になっております。

■アジアの東の端に位置する日本と韓国でさえ、歴史と文化が近過ぎるからか、なかなか一致協力は難しく、今回のハンドボール問題で力を合わせて動いているのが嬉しいほどです。でも、新聞記事を落ち着いて読み直すと、日本は「協会幹部が直談判」しただけなのに、韓国は「DVDを作成し配布」という外堀を埋める作戦を展開し、IHFという本丸に「要望書」を持って攻め込んでいます。トドメに「アジア連盟の東西分割」案という講和条件まで用意しているのですから、さすがは「国連事務総長」を出す国は違うなあ、と自国の外交とついつい比較してしまうのであります。


……一度は五輪の夢を絶たれた男子代表チームはリマニッチ監督の退任を発表しており、来年1月末までに行われる再試合に向け、後任監督選びなど早急な対応策が求められる。日本ハンドボール協会の川上憲太専務理事は「もう一度、代表チームを組み直し、早急に対策を練らないといけない」と話す。また、今回の決定を受け、同協会の市原則之副会長は「最後はやはり正義が勝つ。再試合は日本と韓国の要求が通った形だ。理事会では欧州が味方に付いてくれたようだ」、蒲生晴明協会強化本部長は「日本協会70年の歴史で最大のニュース。朗報どころか、大変なこと。いろいろな努力が実った形だ」と喜びを隠しきれなかった。
12月18日 産経ニュース

■「正義が勝つ」という信念が本物なら、「監督交代」という話は変ですなあ。韓国の外交戦略に便乗している虚しい言葉のような響きがあるのが残念です。韓国チームも監督を解任しているのでしょうか?同じ「要求」でも韓国と日本との動きを比較すれば天地の差が有るようです。「日本協会70年の歴史」の最後の10年、協会関係者は何をしていたいのでしょう?そちらの方が大問題ですし、万が一、外交でも位負けしている韓国のチームに試合でも負けたりしたら、どうするつもりなのでしょうなあ。本当は「再試合」の決定に困惑しているのではないでしょうか?

■韓国が「東西分割」にまで言及してる「アジア連盟」の方は態度を硬化させたままのようですから、韓国の風下に立たされている日本は風見鳥になっていなければならないかも?


……問題が混乱した背景には、IHFの中途半端な裁定が影響している。IHFはやり直し予選の監督責任を持つ一方で、開催地や会期はクウェートの王族が事実上、支配するAHFで決定するよう求めた。だが、AHFでは、IHFの決定そのものを拒否。その拒否を決めた5日のAHF常任理事会に、メンバーの渡辺会長は連絡をもらえず、出席できなかった。その常任理事会自体、6人の構成員中、3人がクウェート出身で、「中東の笛」と呼ばれる不可解な判定で、男子の五輪出場権を獲得したのがクウェートだ。さらにIHFのムスタファ会長はエジプト人。……予選の開催時期も当初の1月末から2月末以降に延期されたほか、開催地も決まらないなど、代表選手の間にも動揺が広がり始めている。
1月8日 産経新聞

■AHFは反省する気はまったく無いようで、どんなに「中東の笛」が有名になっても特に恥ずかしいとも思っていないようでもあります。そもそも、どうして「中東の笛」が10年間も鳴り続けていたのか?という疑問を解くには、この10年間の五輪大会ハンドボール競技の成績を見れば大方の見当はつきそうです。

「中東の笛」は北京でも響くか? その弐

2008-01-13 22:55:26 | 日記・雑学
■表向きはお上品に取り澄まして「教育的効果」をアッピールしながら文科省からの補助金などを頂いているスポーツ関連の諸々協会は。たまたま?渡辺ジュニア行革担当大臣のターゲットにはならなかったようですが、国際化の激流を泳ぎ渡る術(すべ)も知らないのなら、百害有って一利無しの石潰し機関になっているかも?という重大な疑惑を引っ張り出してくれただけでも、今回のハンド・ボール「中東の笛」問題は大きな意義が有りそうです。

■しかも、アルカーイダが跋扈する現代世界に埋め込まれている「十字軍の呪い」にまで話がつながるとしたら、ますます腐り切った近代五輪大会にも存在意義が有りそうなのが面白い!つらつら考えますに、フランスの貴族クーベルタン男爵が考案したオリンピックは、今のEU加盟国の半分にも満たない当時の国家群を集めて呑気に古代ギリシアを偲ぶ平和の祭典を「勉強する」場だったようです。それがベルリン五輪で爆発的に「現代化」されて戦後の大騒ぎに到っているのですから、イスラム諸国やアフリカなど、クーベルタン伯爵時代には「世界」に含まれていなかった国々から不満や疑問が呈されても不思議ではありません。

■日本国は欧米限定「世界」が驚嘆する近代化を達成したので、常に警戒の対象になっていたわけで、時々、日本が金メダルを独占しそうになった種目が現われると電光石火の速さで「ルール変更」を断行して断固として日本の台頭を阻止するのも近代五輪の姿であります。どんどん種目数が増え続ける五輪大会は、イスラム側から見ればどんどんメダル獲得が遠退く陰謀のように見えているはずなのです。ほんの150年前まで、人前で「水泳」など絶対に出来なかった日本が、「ビーチバレー」を楽しむようになっていたり、歴史上一度も実戦に使った事もない「フェンシング」の選手まで出しているわけですから、実に無気味な存在でしょう。文科省の失政で「野球」以外のスポーツ能力が失われた日本は、すっかり観光観戦客を供給する国となって良い食い物になっているようですが……。

■遠い昔に大日本帝国がロシア帝国の軍隊を破った事があります。世界最強と言われたロシア帝国陸軍を旅順要塞と奉天の原野で壊滅させ、同時に日本海海戦で世界最強最大のバルチック艦隊を文字通りの海の藻屑にしてしまった日露戦争です。まあ、世界の軍事関係者は当時の日本に比べれば、今の日本は「異国」だと思っているようですが……。あの大祖国防衛戦争の大勝利は、アジアからアフリカへと伝わって大騒ぎが起こったのだそうです。中でもエジプトでは愛唱歌が作られて老若男女が歌っていたのでした。

■さて、それから百数十年が経過してた2004年のアテネ五輪での話です。その年の8月26日に男子レスリングのグレコローマン96キロ級で、エジプトのカラム・イブラヒム選手が優勝しました。何と、これがエジプトにとってはロンドン五輪(1948年)以来の2つ目の金メダルだっただそうです。日本のマスコミは五輪大会となると、自国の選手を応援するあまり、競技直前まで残酷で無責任な皮算用を盛り上げては、選手をプレッシャーで押し潰してボロボロにして商売にしているわけですが、少しは「アジア」の仲間が五輪大会の度にどんな気分を味わっているのかを想像してみるのも意味が有るのではないでしょうか?

■宗教上の戒律と文化の制限が有るイスラム諸国と、欧米諸国の植民地支配の歴史が長かったアフリカや中南米の国々も、4年に1回はナショナリズムに燃え上がっているのです。ちょっと気になって「イスラム諸国」と「アラブ諸国」という視点で先のアテネ五輪の結果を見直してみました。以下、金メダル獲得数と総メダル獲得数です。


トルコ=3-10・イラン=2-6・ウズベキスタン=2-5
モロッコ=2-3・カザフスタン=1-8・エジプト=1-5
インドネシア=1-4・アラブ首長国連邦=1-1

■五輪ファンは多い日本ですが、このようにイスラム諸国が金メダルを獲得している種目を詳細に記憶している人は極めて少ないはずです。1984年のロサンゼルス五輪で、世界の山下選手(柔道)が金メダルを争った相手がエジプトのモハメド・ラシュワン選手だった話は有名ですが……。女性が体の線や肌を露骨に見せられない文化を持ち、男達も首から下の体毛を人目に晒すのを嫌う文化を持っている人達には参加し辛い種目が実に多いのが五輪大会なのです。

■それとは別に、イスラエルを建国したユダヤ人が世界大会に出場できない時代が長く続いてユダヤ人だけの五輪大会を地道に開催していたという歴史が有ります。そのイスラエルを宿敵とするアラブ諸国も、何故かアラブ圏だけの五輪大会を開催している事は誰も知らないかも?イスラエルは映画や小説に描かれたミュンヘン五輪大会での「黒い9月事件」で、複雑な事情を世界が知ったという事も有りますが、一方のアラブ側はスポーツ界では日陰者のままのようで……。


2007年11月17日付 Al-Ahram紙
エジプト、第11回アラブ・オリンピックのメダル争いで首位を独走!
● 新たなメダル39個、サッカーのエジプト選抜チームはスーダンを5-0で下す。

■こんな話は日本ではほとんど報道されませんが、グローバル時代を象徴するサッカー・ワールド・カップに参加するようになって、日本は初めて生の「アジア」を知ったのかも知れませんなあ。なかなか味わい深い記事なので引用します。


2007年11月17日付アル・アハラーム紙(エジプト)

現在エジプトで行われている第11回アラブ・オリンピックの5日目にあたる昨日、レスリング、射撃、乗馬、アーチェリー、重量挙げ、ボート、テニス、体操でエジプト人選手の活躍が続いた。様々な競技で新たに39個のメダルが生まれ、エジプトの合計メダル数は金62個、銀45個、銅46個の153個にのぼり、計67個のメダルを獲得してエジプトに次ぐ二位のチュニジアを大きく引き離して大会単独首位に立った。三位には合計54個でアルジェリアが続く。

■記事の中に、「男女」の競技区分が無いところが面白いでしょうし、報道されている種目の偏り方にも興味が湧きますなあ。


明日からの決勝リーグに備えて今日ボクシングの試合が行われ、同じくスカッシュ男子個人、女子個人の準々決勝と準決勝が行われる。また男子、女子50メートル射撃の決勝と、フェンシング男子団体とフェンシング・サーブル女子の試合も行われる。

■前身を防具で覆う「フェンシング」に女子種目が設定されているのは興味深いところで、全体的に「格闘技」に偏っているのも面白いですなあ。


アスユートではレスリング・フリースタイル84キロ級および120キロ級と、レスリング・グレコローマンスタイル66キロ級および96キロ級の決勝が行われる。他方、昨日イスマイリーヤで行われたサッカーの試合でエジプト代表チームはスーダン代表に5-0で勝利し、リビア代表はアラブ首長国連邦代表に2-0で勝利した。

■このように、「アラブ五輪」が11回も続いている事を考えれば、参加国の皆さんは欧米(十字軍時代のフランク)が主催する五輪大会やワールド冠でも大活躍したいのだろうなあ、という事は想像できます。一説には、昔のオスマン・トルコ帝国の全盛期以来、イスラム諸国は負け続けているとか……。歴史的・文化的な制約で勝てないのなら、二度に亘って世界中を恐慌状態に陥れた「石油の力」を利用して勝利を演出・創造したくなるのも、その気持ちは分かるような気がします。思い出せば、今も泥沼状態が続く「イラン戦争」でも、首都のバグダッドが陥落する直前まで、「我々は勝っている!」と国防大臣が叫んでいたのでした。それを報道しているテレビ画面では、大臣の背後を米軍のエイブラハム戦車が駆け抜けるというハリウッド製のコメディ映画も作れないブラックさが光っていたのでした。

「中東の笛」は北京でも響くか? その壱

2008-01-13 18:46:33 | 日記・雑学
■競技のの内容は相当に過激なのに、何故かマスコミの扱いが地味な事で有名な?ハンドボールが変な注目を浴びています。学生時代に体育の授業で体験した人なら、その種目の厳しさは身に沁みて分かっていると思います。虐められっ子だった人は問答無用でゴールキーパーをやらされて痛い目に遭ったとか……。あるいはゴールではなくゴールキーパーの顔面を狙って硬いボールを投げ続ける意地悪な奴が居たとか……。

■バスケット・ボールよりも体の接触が多い種目なので、危険な行為はびしびし取り締まらないと大変な事になるスポーツですから、アメリカンフットボールほどではなくても、素人には軽量の防具が必要ではないか?と思うほどであります。「中東の笛」という魔法の呪文のような言葉がハンドボール界では10年以上も囁かれていたのだそうですなあ。事態の酷さを考えますと、これまでマスコミがまったく報道していなかったのは石油の輸入を心配する政治的な圧力でも有ったのか?と思えるほどです。


ハンドボールの日本協会がクウェートなど中東諸国に有利な「中東の笛」を問題視し始めたのは94年広島アジア大会からという。03年にアテネ五輪アジア予選が神戸で行われた際には、実態を世界にアピールするため、IHF理事会も同時に誘致。だが、「ガチンコでは勝てない中東勢は大会を欠場した」と関係者は打ち明ける。

■これは産経新聞の記事ですが、新聞社でも「中東の笛」を伝聞記事として書かねばならない!後から後から出て来る「中東の笛」の魔法に関する話は実に面白い?ものです。試合中に審判が交代させられる!試合会場の照明が突如として消える!中東チームのファールは絶対に取られない!単なる見世物の興行としてなら、なかなか笑えそうですなあ。でも、真剣にスポーツに取り組んでいる選手としては耐えられない地獄の責め苦です。


アジア連盟に東アジアからの理事は1人しかおらず、数の力の前に屈してきた。状況を打開したのが、韓国の国を挙げた運動だった。韓国オリンピック委員会を始め、大使館までも協力したという。さらにすべての連盟加盟国に不可解判定が38カ所も収録された試合のDVDを送った。日本協会もサポート。9月に愛知県豊田市で行われたアジア予選に、IHF幹部を視察に招き、実態を知らしめる努力を行った。

■IHF理事会のメンバーというのは以下の通りだそうです。

会長= Dr Hassan MOUSTAFA (エジプト)
アフリカ副会長= Christophe YAPO ACHY(国籍不明)
アジア副会長= Bader AL-THEYAB (クウェート)
欧州副会長= Tor LIAN(国籍不明)
パンナム副会長= Manoel Luiz OLIVEIRA (ブラジル)
オセアニア副会長= Vernon WINITANA (NZ)
Peter MUHLEMATTER (スイス)・Miguel ROCA MAS (スペイン)・Alexander KOZHUKHOV (ロシア)・Christer AHL (米国)
Naser ABU MARZOUQ (クウェート)・Francois GNAMIAN (アイボリーコースト)・Carin NILSSON GREEN (スウェーデン)・Mansourou AREMOU (ベナン)・渡辺佳英(日本)・Jean BRIHAULT (フランス)・Mario Garcia DE LA TORRE (メキシコ)

■日本の渡辺佳英さんは日本のハンドボール協会の会長で、大崎電気工業という会社の社長さんだそうです。理事会に入っていない韓国が在外公館の協力も得て国内のオリンピック委員会が頑張ったのに比べて、日本は韓国の尻馬に乗っただけのような、ちょっと割り切れない動きしかしていないようです。IHF理事会のメンバーを、産油国・輸入国・貧困国と分けてみれば、万が一、石油マネーをばら撒いたら……。更に凄まじいのがAHF(アジア・ハンドボール協会)だそうで、常任理事会の6人のうち3人はクウェート出身である上に、AHF理事会の会長はクウェートのアハマド王子!しかも会計担当もクウェート人!理事にカタール、バーレーン、オマーンなどの石油成金国の名前が並んでいたりします。嗚呼

■「カネで買えない物は無い!」と言い切ったのはホリエモン君でしたが、世界はそれを前提に動いているのなら困りますなあ。


審判をめぐっては、今年9月に行われたレスリングの世界選手権でも、不可解判定が頻発。日本連盟の福田富昭会長は、即座に抗議。当該審判3人は、北京五輪から外される処分を受けている。福田会長は「泣き寝入りしなかったのが、良かった。日本は外交が下手だが、強い姿勢を示さないとなめられる」と指摘する。今後の中東勢の“反抗”は予測できないが、毅然とした態度をとり続けることが重要だ。
12月18日 産経新聞

■ 日本レスリング協会会長福田富昭さんは、1965フリースタイル世界選手権バンタム級の優勝者で、五輪大会の総監督や選手強化部長を歴任している人物。JOCの幹部で、世界的レスリング組織「FILA」の副会長も務めているという。2007年には発足したばかりの日本総合格闘技協会会長までやっているそうなので、「戦闘能力」は抜群?同じ格闘技でも柔道界では疑惑の判定が続出しても、じっと我慢の子が多いようですから、これが球技となったら喧嘩のやり方も分からないお公家さんが協会の理事になっていたりするのかも知れませんなあ。

日本中でタガが外れる。 その弐

2008-01-09 12:28:01 | 日記・雑学
■「気の緩み」、日本中が苛立ち、疲れ、変なところで弛緩しているような感じがします。年明け早々に外れてはいけないパズルのピースがぽろぽろ落ちているのが気になります。

8日午前10時5分ごろ、千葉県木更津市吾妻の陸上自衛隊木更津駐屯地の沖合約150メートルの東京湾で、同駐屯地第1ヘリコプター団所属の輸送ヘリ「CH-47」から貨物室のドア1枚が落下した。けが人はなく……ドアはグラスファイバー製で縦約1.6メートル、横約2.3メートル、重さ約33キロ。ヘリは雑誌社のカメラマンらによる写真撮影のため、高度約60メートルでホバリング中だったという。乗員4人、雑誌関係者ら17人、駐屯地関係者3人の24人が搭乗していた。……午前11時ごろまで駐屯地周辺で撮影飛行する予定だったが、乗員が落下に気付き着陸した。落下したドアは干潟で見つかり、回収された。
1月8日 毎日新聞

■住宅地の上でなかったから小さな扱いで済んでいますが、落ちどころが悪ければ大惨事でした。軍事的な有事でなくても大規模な天災が起こったら国民の命の綱となるヘリコプターですから、整備不良など有ってはならない立場の人達が、大きな勘違いをしている可能性も有りそうです。それが杞憂であってくれれば幸いですが、同日のほぼ同時刻に似たような事故が起きていますぞ!


航空自衛隊百里基地(茨城県小美玉市)で8日、訓練を終えて帰還した同基地所属のF15戦闘機の水平尾翼の一部(長さ約2メートル、幅約40センチ、厚さ約8センチ、約10キロ)がちぎれているのが見つかった。同基地は周辺を捜索したが、発見できなかった。けが人や家屋の被害は確認されていない。……同機は同日午前11時50分ごろ、基地を離陸。鹿島灘沖の上空で要撃戦闘訓練を行い、午後0時50分ごろ帰還した。操縦士は破損に気づかず、飛行にも支障はなかった。
1月9日 産経新聞

■「破損に気付かない」という事は警報センサーが通っていない部分が外れたのでしょう。機体を安定させる水平尾翼が破損すれば何らかの衝撃や振動が有りそうなものですが……。F15は新しい機体ではないでしょうが、それよりも古いファントムも元気に飛んでいるのですから、百里基地でも整備に問題が有りそうですなあ。年末から防衛省に対する風当たりが厳しくなっているのも原因の一つだとしたら、日本の空から変な物が落ちてくる危険はどんどん大きくなって来そうです。防衛省の上層部では貴重な防衛費を好き放題に無駄遣いしたり横流ししたり、もっとひどいのは天下り組と山分け!現場で危険な任務に就いている隊員の心が動揺したり、時々注意が散漫になるのも分かりますが……。

■日本の空が危ないかと思っていたら、目では見えないくらい高い所では500億円もの税金がゴミになって浮いているそうです。


全世界の2万5000分の1の地図(基本図)の作成を主目的とした宇宙航空研究開発機構の陸域観測衛星「だいち」の画像データが、予想以上の誤差やノイズ(乱れ)の影響で、基本図を単独で作るには精度不足であることが8日、明らかになった。国土地理院は、この画像データを、基本図の修正・更新の際に使う構想だったが、現地測量を追加しなくてはならないため、約4300面ある日本の基本図のうち完成したのは硫黄島など52面にとどまっている。……日本全土は高度6000メートルからの航空写真を使って作製しているが、道路建設など土地変化の情報を随時反映させなければならない。国土地理院はこのため、同衛星が2006年10月に運用を開始してから年間700面のペースで画像を利用する予定だった。
1月9日 読売新聞

■「だいち」は地震や気象変動に関する重要な調査をする観測衛星だそうで、1年前に打ち上げられた物です。550億円もの予算が注ぎ込まれているというのに、計画通りに仕事ができないとなると税金の無駄遣いになります。別の報道によりますと誤差が発生したのは衛星本体に問題があったのではなく、打ち上げた後、軌道に乗せる時に姿勢制御に失敗したのが原因なのだそうです。地上波デジタルだのナビゲーションだの、民間の放送技術は日進月歩だというのに、国営の技術開発はダメなようですなあ。以前も北朝鮮の軍事動向を監視するのだと莫大な予算を使って作った監視衛星が打ち上げに失敗して木っ端微塵になった事もありました。技術大国を自任していた日本が、遠い昔の物語になる前兆でない事を祈るばかりでありますが、続く若い世代は「理科が大嫌い!」の大合唱をしている
とか……。宇宙開発も教育も、文科省の管轄でしたなあ。
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雲来末・風来末(うんらいまつふうらいまつ) テツガク的旅行記
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チベット語になった『坊っちゃん』―中国・青海省 草原に播かれた日本語の種

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チベット語にな

日本中でタガが外れる。 その壱

2008-01-09 11:56:09 | 日記・雑学
■東京ディズニーランドでパレードの山車(だし)に立っていた重さ300キロの飾りが落下する事故が起きたそうで、現場近くにNHKの職員が家族と一緒に居合わせたとかでNHKとしては貴重な映像を入手したとて嬉しそうに?放送していました。幸い沿道の見物人には届かず怪我人は出なかったのですが、一本の支柱に太陽系を模して大きな惑星が付いている構造は一見して強風に煽られればポキリと折れてしまいそうに見えます。でも、設計の専門家は難しい数式や数値を並べて「安全だ」と太鼓判を捺すのかも知れません。ディズニーランドを作ったウォルト・ディズニーという人は「騒々しくて危険な」場所だった遊園地を安全な夢の世界に作り変えようとしたと言われていますから、安全性を最優先に考えているはずです。でも、そんな所でも事故は起きるという貴重な教訓が得られそうです。

■安全神話が次々と破られて日本の生活は油断も隙も無い殺伐としたものになってしまうかも知れません。どうか本年は銃の乱射事件や悲惨な交通事故など起こらないようにと秘かに祈っていたところ、東京都品川区では青年が包丁を振り回して「誰でもよいから皆殺し」と意味不明の通り魔事件が発生しましたし、福岡県の裁判所では酔っ払い運転常習者が大喜びしそうな判決が飛び出して、日本の道を歩くにしても運転するにしても、危険が潜んでいる事を考えておかねばならないようです。


配達中に下見した民家に侵入し女性を暴行したとして、茨城県警捜査1課と鹿嶋署は8日、強姦と住居侵入の疑いで、千葉県銚子市豊里台、ヤマト運輸運転手佐久間清孝容疑者(38)を逮捕した。容疑を認めている。佐久間容疑者は「(暴行は)ほかにも十数件やった」と供述。荷物の配達先で好みの女性に目を付け、休みの日に侵入していたという。……佐久間容疑者は2006年12月下旬、茨城県神栖市の民家に無施錠の窓から侵入し、寝ていた20歳代の女性にアイマスクをかぶせて目隠しをした上、「騒いだら殺す」などと脅して暴行した疑い。同市内では、05年5月から昨年11月ごろまでの間、同様の手口で20~30代の女性が狙われる事件が十数件発生しており、同課は関連を調べている。
1月8日 時事通信

■一人暮らしの女性が窓に鍵も掛けずに眠っているというのも不思議な話ですが、宅急便を受け取る度に「品定め」されるのは止められないですなあ。忙しく配達している方でも、感じの良いお客さんに出会えるのは小さな楽しみでもあるでしょうし、ほのかな恋心が湧き上がる事も有り得るでしょう。でも、悲しいことに利用者側としては玄関先で窃盗や強姦の下見をされる危険性もあると覚悟しなければなりません。泉下でクロネコ宅急便を作り上げた故人の小倉さんは悲しんでいるでしょうが……。正に「蟻の一穴」で、一人の馬鹿者が巨大な業績を台無しにしてしまうのは残念な事です。


北九州市八幡西区御開(おひらき)の工業用水道の送水管工事現場で3人が死亡した事故で、現場の横穴内で当時、ガソリン式発電機を使って作業をしていたことが市水道局などの調べで分かった。3人のうち1人の死因は一酸化炭素中毒と判明。福岡県警折尾署は3人の遺体を司法解剖するとともに、換気設備の能力が十分だったかを調べている。 ……事故があったのは深さ約13メートルの立て坑につながる横穴(直径約1.1メートル、長さ約230メートル)内で、工業用水道の送水管を敷設する工事をしていた。……3人は7日、横穴のカーブが設計に比べて少しずれたため、修正する作業をしていた。掘削機などは地上から操作することになっており、同局は発電機をどんな用途で使っていたのかを調べている。密閉された横穴内で酸素を大量に使う発電機を使うことは、通常では考えられないという。市消防局の7日の調査では現場で送風機1台が確認されている。……
1月8日 毎日新聞

■水道だけでなく日本中の地下には生活に欠かせないインフラが埋設されていて、ガス管・送電線・電話線などなど短時間でも止まったら大変な工事になる文字通りの縁の下の力持ち!当たり前のように水や電気が使えるのも、人知れず管理しているたくさんの人が活躍しているからです。有り難いことです。この不思議な事故は完全な人災だったと翌朝には判明したようです。この種の作業には欠かせない「送風機」が、置いてあっただけで稼動していなかった!どんなに小さな工事でも、現場の責任者が立ち会っているはずですから、法的な処置は簡単に済むでしょう。しかし、送風したとしても地下でガソリン発電機を動かしたら練炭自殺と変わらない状況になりますぞ!工事現場には「安全第一」と緑色で書かれているものですが、それが飾り物になっている場所では必ず事故が起きるという教訓でしょうなあ。

「今年」の予兆 その壱拾

2008-01-06 01:59:27 | 日記・雑学
■思えば昭和の30年代、正に『三丁目の夕陽』が輝いていた頃に、元気な通産省の役人が「もはや戦後ではない」などと、戦争の大きさも知らずに白書に書き付けた時から、本当の戦後処理は置き去りにされていたのでしょうなあ。あれだけの大戦争を実施したら、その後始末には戦時中の何倍ものエネルギーが必要だという事さえも、史上初の敗戦だったので誰も気付かなかったのだとは思いますが、学校の義務教育で教えて貰ってもいない戦時中の話が蒸し返される度に税金を積み増されては堪ったものではありません。旧満洲に(誰が埋めたか分からない)毒ガスが大量に廃棄されているとて、日中友好と平和憲法が奇怪に結び付いての処理騒ぎ、全貌も知らないまま経費を負担すると恰好を付けた馬鹿な政治家と役人の失点から、予算は幾何級数的に膨らみ続けているようです。

福田康夫首相は30日午前、今回の訪中の成果について「大変内容のある訪問だった。中国の指導者と突っ込んだ話をしたが、やはり日中が協力すると両国(だけ)以上の力が発揮できる」と述べ、引き続き日中関係の強化に努める考えを示した。視察先の山東省曲阜で、記者団に語った。……「(両国の)協力関係がないとこの地域、世界全体にとって決していいことはない。(首脳会談では)お互い協力していこうという話をした」と強調。「両国国民が深くお互いを理解し、どこで協力し合うか具体的に考えていくことが必要だ。国民同士の交流を具体的に考えていきたい」と述べた。 
12月30日 時事通信

■日本の首相が日本語を不正確に使っては行けません!「内容」というのは中身のことですから、「訪問」という「入れ物」しか見えない外交イベントを自画自賛するにしても「内容があった」と言っては行けません!ましてや「突っ込んだ話」などと極端な形容詞を使って貰うのも困りますなあ。「何を話したのか?」「何をしたのか?」それは大した問題ではないとホイホイ首相はお考えのようです。「具体的」という待ちに待った言葉が出たかと思えば、「考えていくことが必要だ……」と続けられては開いた口も塞がりませんぞ!国家の最高責任者として総理大臣が乗り込んで行って、帰国間際に「これから頑張りましょう」としか言えないのなら、今回の訪中モ内容など何も無い大失敗で、注ぎ込んだ税金を耳を揃えて返済して欲しいくらいの話です。

■御本人は洞爺湖サミットも北京五輪も総理大臣の身分で参加する心算のようですが、京都議定書の枠外に居続けたい!でも五輪大会は盛大に催したい!などという虫の良い魂胆の北京政府としては、ホイホイ福田さんは恰好の「提灯持ち」には違い有りません。まあ、仮に大失敗に終わっても、「私は日本の首相ですよ。分かりますか?ネッ?だから余所の国の事は関係ないんです」ぐらいの空っ風コメントを吐きそうです。福田さんのホイホイ会見を耳にする度に「沈香も焚かず屁もひらず」という諺を思い出す昨今でありますが、北京滞在中に「沈香を焚く」言質を取られてしまったのかどうか、それだけが気懸かりですなあ。

■麻生さんと総裁選挙を戦った時に、「ねえ、キャラが立つってどんな意味?」と群馬県のナイい諸君ががっかりするような質問をした事が報道されてしまった福田さんですから、以下のニュースの意味などさっぱり分からない可能性が大なのであります。


8月に開かれる北京五輪で、開閉会式の文化芸術顧問に就任予定だった、米映画監督スティーブン・スピルバーグ氏の“降板”が濃厚となった。スピルバーグ氏はこれまでにも、中国政府によるスーダン・ダルフール紛争への対応を不満とし、辞退を示唆してきたが、北京五輪組織委員会の幹部は「開閉会式演出案の知的財産権の帰属を巡って、そもそも合意できていない。最近は連絡も取っていない」と明かす。 文化芸術顧問は、開閉会式の総合プロデューサーを務める映画監督の張芸謀氏に、演出のアドバイスをする立場で、スピルバーグ氏は2006年4月に就任を要請された。だが、スーダン・ダルフール紛争を巡って中国の姿勢を批判している、女優でユニセフ親善大使のミア・ファローさんら活動家から、「中国(の五輪)を支援するのか」と批判されたことを受け、スピルバーグ氏は07年7月、広報を通じ、「中国政府のスーダン政策に改善が見られなければ、(顧問の就任)辞退も検討する」と示唆していた。
1月5日 読売新聞

■『ローズマリーの赤ちゃん』『ジョンとメリー』『フォロー・ミー』『華麗なるギャツビー』等々、ミア・ファローが出演した映画をどれほどホイホイ福田さんが御覧になっているかは存じませんが、日本のトット黒柳親善大使とは同じユニセフ大使でもミア・ファローは一味も二味も違うようですぞ!チベット地域に生息している白黒パンダを愛する余りか、中国問題には鈍感なトット大使では勝負になりませんが……。能天気にチャイナ贔屓の民主党支持者が多いハリウッドですから、スピルバーグがうっかり北京五輪の(名前だけ)文化芸術顧問を承諾してしまった本人も迂闊でしたが、少なくとも『シンドラーのリスト』をチャイナ版に焼直せば大躍進・文革と惨劇のモチーフに満ち溢れている現代史を抱え込んでいるお国柄を考えるべきでしたでしょう。

■それにしても総合プロデューサーが映画監督の張芸謀氏なのですなあ。時代は変わった!と世界中に宣伝したい気持ちが満ち溢れているようです。米国らしく銭カネの問題にすり替えて「お断り」するのもお国柄ですから、米中関係はそれで済みそうですが、うっかり「アジアが誇るハリウッド・スター」とか何とか言われて渡辺謙さん辺りが担ぎ出されない事を祈るばかりであります。まさか張芸謀監督との「言葉を越えた友情」とか何とか言われて高倉健さんが引っ張り出されたりしないでしょうな?!勘違い国際女優の中野良子さんが何をしようと誰も気にもしないでしょうが、我らがケンさんが晩節を汚すようなウッカリはちょっと心配です。ホイホイ首相が故小渕総理の真似をしてホイホイ電話などをして来ても上手に断って欲しいものです。






「今年」の予兆 その壱拾壱■かくして北京五輪大会には徐々に暗雲が垂れ込め始めて年が明けたという具合なのですが、おそらく、ホイホイ首相は「全力で」五輪大会の大成功に協力します!と言わされて来たはずですから、洞爺湖サミットと連動するイメージで「アジアの時代」を大いにアッピールしてパパ福田首相の『福田ドクトリン』を21世紀版に拡張しようと皮算用をしているのでしょうなあ。

中国を訪問中の福田康夫首相は29日夜、済南市内のホテルで同行記者団に対し、来年1月の通常国会召集前の内閣改造について「正月が終わって、来年の日程などをよく考えた上で考えたい」と述べ、前向きに検討する意向を明らかにした。衆院解散・総選挙については、来年7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)以後に先送りする考えを示した。

■「内閣改造」については、年明け早々にホイホイ「話し合い」で町村官房長官の処遇が問題となってホイホイ「処方箋」が書けずに断念されたと報道されていますから、見事なホイホイぶりですなあ。出来もしない事をホイホイ言ったりやったりしては、あっさり諦めてホイホイと知らん振りするのが福田流です。だから誰も信じてくれないのでしょうなあ。これは決して群馬県人の特性ではないと思えますから、東京都内で育ったのが原因なのでしょうか?まあ、そんな複雑な精神分析は不要だというのがホイホイ福田さんのキャラクターなのでしょう。「竹を横に切ったような」味も素っ気もなく、使い道も見つからないところが特徴のようで……。


政府・与党は通常国会を来月18日に召集する方向で調整している。内閣改造は日程的には厳しいが、断行するなら同13、14日ごろを念頭に最終判断するとみられる。自民党内では、森喜朗元首相らが内閣改造を唱えている。首相は「今は全くの白紙」としながらも、「党内にはいろいろ意見があるし、ごもっともなこともある」と述べた。
2007年12月29日 時事通信

■「ごもっともなこと」を順番に聞いて行ったら何も決められないし変えられません。誰の意見も聞かないのも困りますが、ホイホイ御用聞きをやっているだけなら子供でも出来ます。役人が示すスケジュールをホイホイこなしているだけなら、タイゾー君でも総理は務まりそうです。頼りない総理が自分の派閥から出てくれたので、森元首相も自分が記録した歴史的な低支持率の恥も忘れて、昔ながらのポスト配分の気配り目配り……。

■不倶戴天の「大連立」相手となった民主党の小沢代表は、新年早々お伊勢様に「選挙必勝祈願」に行ったとか……。ナショナリズムの発露なのか、自民党時代の習慣なのかは知りませんが、無責任な机上の空論を書き連ねた「対案」を審議不可能な時間切れのタイミングで出しておいての神頼みで勝てるほど、今の日本の政局は甘くはないと思うのですが……。1年前の自民党では「安倍でなければ選挙は勝てない!」という悲痛な叫びが木霊していた事を思えば、馬鹿馬鹿しい大連立騒動の後に「それでも小沢でなければ選挙は戦えない」と支持者を二度も裏切った民主党にも勝ち目は無さそうです。そうなれば必然的に「勝ち馬に乗りたい!」有象無象が考えるのは新党結成!の四文字でしょうなあ。


民主党が来年1月16日の党大会で提案する07年度活動報告案、08年度活動方針案に、自民党との「大連立」構想に対する反省を盛り込んでいることが30日分かった。大連立は小沢一郎代表と福田康夫首相が模索したが、民主党内の大勢が否定。小沢氏はいまも「一石三鳥」「政権を取る近道」と大連立構想を正当化しており、党方針と代表発言の食い違いが浮かんだ形だ。活動報告案は「民主党は自民党との連立を否定、総選挙で自民党を打ち倒すことを全党で確認した」と宣言。そのうえで、小沢氏の辞意騒動に発展した党内の混乱などを念頭に「支持者に多大な心配をかけたことを深く反省し、教訓にする」と振り返っている。……

■三が日を過ぎて民主党が年頭に発したメッセージがこれです!今更「教訓」を掻き集めてどうするのでしょう?参議院の第一党が揃いも揃ってタイゾー君ならば分かる話ですが、当選回数を重ねてマスコミに出ては御高説を述べている百戦錬磨の議員が集まって、一体、何を言っているのでしょう?「多大な心配」などをしている選挙民は皆無に等しいはずですし、自民党に止めを刺すはずの民主党が今頃になって「反省」しているようでは、浮動票も逃げて行くでしょう。

■小沢代表が言っている「一石三鳥」などというメチャクチャナ日本語も大問題です。慣用句にある「一石二鳥」は文字通りの奇跡を意味する重大な意味を持っているというのに、それを上回る美味しい話となれば、それは「詐欺話」と世間では言うのです。グリコだって「一粒で二度美味しい」のですから、三度も美味しかったら味がゴチャゴチャになって不味いだけでしょうに!そんな開き直りを通していたら、次の戦術は「一石四鳥」とならなければ話が続きません。嗚呼、馬鹿馬鹿しい。これでは「増税不要のバラマキ政策」が選挙目当てのホラ話だと自白しているようなものですぞ!


活動方針案はこれに念を押すように「総選挙で民主党中心の政権を樹立する」「自力で勝利をつかむことを確認する」と、次期衆院選での政権交代を目指すことを強調。具体的には「選挙集中財政」を掲げ、参院選での躍進を背景に個人献金、企業・団体からの寄付拡大を進め、選挙対策につぎ込む方針を示した。
12月31日 毎日新聞

■「選挙集中財政」?何だか共産党の「民主集中制」みたいな語感ですなあ。小沢さんが自民党の幹事長時代に財界人を呼び付けて露骨に脅迫して選挙資金を掻き集めたという武勇伝を思い出してしまいます。「寄付拡大」の前にマニュフェストの書き直しに精を出した方がよいと思いますがなあ。これでは民主党の中身を大昔の自民党に変えるだけでしょう。日本の「賞味期限」問題はとうとう国会にも広まった模様ですなあ。
 
 
松坂屋本店(名古屋市中区)が販売した福袋の一部に、うたい文句にしていたブランド品が入っていなかったことが4日、わかった。……ドイツの有名ブランド「ピカード」のバッグや革小物の入った福袋。2万円と1万円の2種類計20点が2日から店頭に並んだ。しかし、2日午後、購入した客から「ピカードの商品が入っていない」と指摘があり、発覚した。すでに11点が販売され、残り9点のうち、5点にピカードの商品が全く入っていなかった。商品は業者が入れたが、店側も中身を確認しなかったという。同店は4日までに、購入客5人に対して返金や商品の交換を行った。残りの6人についても、ピカードの商品が入っていない可能性があるという。
1月5日 読売新聞

■単純に言ってしまえば天下の松坂屋も「偽装表示」をしていたという話ですが、元々、中身が分からないお得な客引き商品だった「福袋」が、いつの間にか中身が分かる「特売品」になってしまったのが変なのです。それなら「お正月セール」にした方がすっきりします。何処かのレンタル屋さんが3日と空けずに「半額クーポン」を携帯メールに送りつけるようなややこしい事は止めた方が良いのです。「相場」を見失った消費者ほど始末に負えない者は有りませんぞ!

■ミートホープが製造していた怪しげな格安ハンバーグも、考えてみたら「福袋」みたいなもので、中身を知らない愚かな消費者を食い物にして暴利を貪ろうと思ったら商売は底なしに汚くなります。しかし、表示されている材料を勘案してみれば原価を割っている価格が付いている商品を喜んで買っている消費者には責任が無いのか?と言われると考えてしまいます。市場原理に従えば、希少価値のある商品が高いのが当たり前で、名前だけが高級で中身がぼろぼろでも納得してしまう消費者がいる限りは、不真面目な商売は無くならないのでしょうなあ。

■今年も偽装に驚かされたり泣かされたりするのは確実なので、いろいろと知恵を仕込みつつ覚悟を決めて生きて行かねばならないようです。食費ばかりでなく、タイゾー議員を当選させた有権者は、亀田兄弟を応援していた俄かボクシングファンと同様に、次の機会には正気に戻ろうと思っているはずですが、怪しげな「運命」商売や「霊視」癒しが仰々しくテレビの電波に乗っている日本ですから、どさくさ紛れに当選できるとタカを括っている議員も居るかも知れませんが、どんなに愚かで心優しい日本人でも、今年は正気を取り戻して白黒を付けそうな気がするのですが……。


福田康夫首相は4日午前、首相官邸で年頭の記者会見を行い、自身が検討するとしていた今月18日予定の通常国会召集前の内閣改造について「今の閣僚には引き続いてやっていただきたい」と述べ……今月初会合を開く「社会保障国民会議」については「夏ぐらいまでに中間報告、秋までに最終報告を出してもらいたい」と述べ、今秋までに年金制度改革の具体案を示すと表明した。

■去年の事はすっかり忘れるのが江戸っ子で、「宵越しの銭はもたねえぜ」と粋がっていた人も居たそうですが、選挙中の「3月までに!」の絶叫はどうなったのでしょう?3月の約束がホイホイと夏になり秋に先送りされてしまいましたぞ。こうなったら体調も回復したらしい安倍前総理の「証人喚問」が必要ですぞ!


内閣改造に関し、首相は昨年12月29日に訪問先の中国で「来年の日程などをよく考えた上で考えたい」と語り、自民党内の改造待望論などを踏まえ前向きに検討する意向を示していた。しかし、この発言に関する各報道について、首相は4日の会見で「わたしの意に反する」と強調。15日の今国会会期末から通常国会開会まで日程的に窮屈であることを指摘するとともに、「正直に言って、今の閣僚は一生懸命、政策課題に取り組んでいる。就任してまだ日にちが浅い方もいる」として、現体制のまま通常国会に臨むことを明言した。
2008年1月5日 時事通信

■「意に反する」というのは決してマスコミを一方的に責めている言葉ではありません。大切なのはその前に「わたしの」が付いている点です。ホイホイ首相のホイホイ発言を真に受けて、政治日程に合わせてあれこれと先読みして報道してはダメだよ、という親切な発言なのでしょう。とは言え「正直言って」という日本語は、若い新弟子を巡業先で殴り殺した相撲部屋の親方がマスコミ相手に繰り返したものですから、政治家の皆さんは使わない方が良いでしょうなあ。でも、閣僚が「政治課題」に「一生懸命取り組む」のは当たり前の話ですから、そんな理由で内閣改造を延期したという話は非常に変ですし、「就任して間もない」絆創膏農水大臣があっさり辞任したのは記憶に新しいのですから、ホイホイ首相の手下に相応しい放言ナルシスト厚労相がクビになっても、誰も驚きも怒りもしないはずです。他にも……。まあ、年が変わっても何も変わっていないような気がするのは、決して地球温暖化のせいではないという事のようですなあ。
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「今年」の予兆 その九

2008-01-06 01:58:57 | 日記・雑学
■何もかも、ホイホイ首相にとっては「そんな事は私に関係ないでしょ?ね?そうでしょ?えっ?」とぶら下り取材に集まる記者諸君に言いたくなるような事柄ばかりですが、防衛省と厚労省から噴き出した毒々しい黒煙は、ちょっとやそっとの冬の嵐や雪崩ぐらいでは消えませんぞ!

福岡県苅田(かんだ)町の海底で発見された毒ガス弾の処理方法を決めるための調査業務を巡り、旧防衛庁が入札前の03年初め、社団法人「日米平和・文化交流協会」の受注に便宜を図っていたことが、関係者の証言で分かった。協会の秋山直紀専務理事(58)に対し、同庁側が受注に不可欠な調査の専門家を紹介するなどしたため、協会が落札に成功したとされる。発注者側が特定の業者の受注を促す不可解な構図が浮上した。

■「自民党をぶっ壊します!」と啖呵を切ってみせて大人気だった小泉さんは、三代続けての防衛族に連なる政治家と言われています。何が何だか分からないまま就任して辞任してしまった安倍前首相は本当に何もしなかったのですから、今吹く出している不祥事を放置していたのは小泉元首相の責任に帰すべき事柄が大半を占めているはず……。不思議なことに日本のマスコミはそれを追求するのも忘れて「小泉再登板」の怪しげな噂を膨らませて喜んでいる節が有りますぞ!


毒ガス弾は00年11月に見つかり、防衛庁は03年1月、無害化処理に関する調査業務の一般競争入札に参加する業者を公募。調査方法や報告書の内容を評価・審査するため、専門家による「評価委員会」を設置することが参加条件だった。同庁が秋山氏に紹介した専門家は化学兵器に精通する同庁OB。証言によると、OBは入札前の03年初め、秋山氏から電話で「防衛庁から(あなたを)推薦してもらった。評価委員になってほしい」と依頼された。OBが拒むと、今度は同庁の担当者から電話があり「早期に処理したいので協力してくれないか」と頼まれた。このためOBは委員就任を承諾したという。

■旧満州の731部隊の問題を隠蔽したばかりか、その残党が結成した怪しげな血液会社のミドリ十字に政治家も役人も寄生していたのは明白で、そのくせオウム真理教による毒ガスを使用した都市型テロの後でも、こんな「毒ガス処理」方法しかないというのでは、隣の国からメチャクチャナ「正しい歴史認識」攻撃を受けてもきっちり返す言葉が準備できませんぞ!


03年2月24日の入札には協会と東京都渋谷区の印刷会社が参加。1回目の入札額がともに予定価格(上限価格)を上回ったため2回目に移行した。ここで印刷会社が辞退し、協会が単独で応札した2~3回目もこれを上回り、4回目の約865万円でやっと下回ったため協会が落札した。協会はその後、OBら4人で評価委員会を組織。委員会の指導を受けながら調査を行い、翌月31日に調査報告書を完成させた。……調査報告書提出から約8カ月後の03年11月には実際の処理業務の入札があり、大手メーカーが20億6000万円で落札。防衛専門商社「山田洋行」は無害化処理装置の部品の納入やダイバー手配を下請け受注した。同社元専務、宮崎元伸容疑者(69)=贈賄容疑で再逮捕=は東京地検特捜部の調べに対し「秋山氏に受注を依頼し、見返りに1億円を送った」と供述していることが判明している。
12月30日 毎日新聞

■「OB」だの「印刷会社」だの「大手メーカー」だの、正体不明の人物が交錯するややこしい話ですが、間も無く、どこかの週刊誌が記事中のモザイクを外してすっきりと解説してくれるかも知れません。防衛省関連の納入品となると、アイテム数が30万とか50万とか言われているようですから、こうしたチョット大口の入札ならば目に付くのでしょうが、膨大な小口商品から始まって中口商品を経て大口のチョト手前までを網羅したら、日米相乱れて何が高いのか安いのかまったく分からない仕掛けになっているのでしょうなあ。

■昔の表現なら「お国のために」の一言で、戦争をしない約束に隠れて呑気な高い買い物を続けて来たのが平和憲法を律儀に遵守する国の姿なのかも知れません。一端、そこに食い込めれば、後は野となれ山となれ、年金制度に頼らずに済む黄金の老後が待っている?美味い事を言われて命を的にさせられる最前線の兵隊は、平和憲法が有ろうと無かろうと、いつの世でも貧乏籤を引かされるのなら悲しい話で、これまた昔の表現で「銃後の守り」を押し付けられて、あれこれと大切な物を供出させられる庶民は知らない間にエライ軍人さんに苦しめられる構造は変わらないのかも知れません。
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「今年」の予兆 その八

2008-01-06 01:58:27 | 日記・雑学
■年末年始の関東地方は快晴続きで、しみじみと地球温暖化を思いつつも、原油の高騰を恨むお正月だったようです。取り敢えずは民営化への一歩を踏み出した郵政公社に何がしかの期待を持った人が多かったのか、はたまた教育危機と日本語文化の危機を肌で感じた方が増えたのか……絵文字メール文化が蔓延したからなのか、郵便ハガキの年賀状が増えたという話が流れていますなあ。でも、墨を摺って毛筆を巧みに操る人は文科省の策略が図に当たって減少の一途と思われますから、デジタル写真を多用した自作のビジュアル作品として年賀状を作って送る方も多いかも?

■郵政民営化が日本国の将来にどれほどの好影響を与えるのか、今のところはさっぱり分かりませんから、時々、マラリアみたいに湧き起こる小泉再登板の騒ぎも、どれほど実の有る話なのか分かりません。安部首相は小泉政権が放り出していた大きな課題を一挙に片付けて「美しい国」を作るんだと張り切っていましたが、「小泉改革の継承!」と叫ばないと参議院選挙が戦えないと誰かさんに思い込まされてしまったのが運の尽きでしたなあ。結局、郵政民営化の是非は安倍前首相の口から聞くことは適わず、讀賣新聞主筆のお墨付きを貰っていたホイホイ福田首相は改革を進めるつもりは無いらしく、かと言って「小泉改革をぶっ壊します!」とも言いません。

■自分では何もする気が無いくせに、前政権までに積み上げた負の遺産に対しては露骨に「迷惑顔」を見せてしまう元官房長官の福田さんなのでありますなあ。自分が役人を取りまとめる「番頭役」が最適だと知っていながら、地元の要望とマスコミのドンを自認するプロ野球をぼろぼろにしてしまった人を見る目がぜんぜんない自称ジャーナリストあたりに持ち上げられて、偶々、元総理大臣の長男坊として生まれたばかりに群馬県出身の総理大臣をもう一人増やす役を押し付けられただけ……。

■このまま面白くも可笑しくもない自民党政権維持だけを任されてだらだらと洞爺湖サミットまで続いたりしますと、全派閥一致して担いだ神輿の「揺り戻し」は相当に大きいと思われます。支持率が底を打つ前に自民党内から六甲下ろしならぬ「福田下ろし」の烈風が吹き荒れるに違いなく、その時にホイホイ首相が言いそうな台詞を考えますと、今は亡き横山やすし師匠を思い出してしまいます。酒と暴力の失敗談をネタにしてウソと真をない交ぜにした芸風が、親子揃っての刑事事件に発展した時でした。世間のバッシングを受けて切羽詰った時に、「芸人になりたくてなったんとチャウ!」と、言っては行けない事を口走ってしまったのでしたなあ。「ホンマは船頭になりたかっただけやネン」とも言ったと記憶しております。

■相方のキヨシさんは参議院議員になっていて、随分と悲惨な「天才芸人」の末路を日本中のファンに晒した晩年となったわけですが、ホイホイ首相もイザとなったら、「総理大臣になんかなりたくなかったんですよ」「政治家にもなりたくなかった」等々、日本の憲政史上初の本音を吐いてしまいそうなのが心配なのです。上州名物が「カカア殿下と空っ風」と言われるように、パパ福田首相がベタ惚れして結婚したというやり手の奥様と、パパが残した人脈に乗った半生が21世紀の日本国にとって必要だったのかどうか?10年間に10人の総理大臣が交代した自民党の末期には、もしかしたら相応しい人物なのかも知れませんなあ。

■御本人は年末にチャイナ訪問を強行させられ、「外交の福田」を喧伝できたと勘違いしているようなのですが、国民は苦いお屠蘇気分を味わいながら、重苦しい新年の幕開けを不安と不満を我慢しながら迎えております。気分転換に外れてばかりの気象庁の予報とは言いながら、天気図を見れば荒天と分かり切っている冬山に登らねば済まない人も居るし、バカ高いガソリンを給油して大馬力の4WDでスキー場に憂さ晴らしに行かねばならない人も多かったようです。幸か不幸か好天に恵まれた関東地方では、ディズニーランドに足を運んだ人達も多かったようですが、そこでは犠牲者は出なかったものの開園以来初のボヤ騒ぎが起こったとか……。

「今年」の予兆 その七

2008-01-05 13:39:49 | 日記・雑学
■東南アジアと北朝鮮が細々と経済交流を進めるとして、決済通貨は何になるのでしょう?まさかいきなり人民元を導入するわけには行きませんから、とりあえず米国ドルを使うのでしょうか?それとも、中東諸国などの動きに合わせて欧州ユーロを採用するのでしょうか?北朝鮮が腕を磨いた偽札印刷技術なら、ユーロを刷ることも可能でしょうが、これまでに刷り上げた高品質の偽ドルはどうなってしまうのでしょう?昨年の為替市場では、米ドルが激しく乱高下しまして、日本国内でもFXという新型の博打で大儲けした人が現われましたが、もしや!偽ドル札を秘密裏に始末している影響が出ているわけではないでしょうな?表向きは国際的な金利差を利用した利鞘稼ぎが横行したのが原因だと言われていますが……。

■東南アジアに怪しげな偽札が大量に持ち込まれている模様ですから、原油を高騰させている各種の大型ファンドの中に金正日将軍様の「お小遣」が紛れ込んでいたら、ガソリン代を支払う気も失せるというものです。勿論、米国のブッシュ一族は大儲け!不思議な巡り合わせで石油で儲かった泡銭がビンラディンの手元にも流れ込むはずですから、高い燃料費に苦しめられるだけの愚かな庶民としては、非常に割り切れないものを感じます。


07年の円相場は米国の低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題に翻弄された。年前半は日米金利差を背景に1ドル=120円台まで緩やかな円安・ドル高が進んだが、サブプライム問題が表面化した夏以降は急転換。11月には1ドル=110円を上回って円高が進んだ。その後も不安定な状態が続いており、市場では「来春には円高が再燃し、1ドル=100~105円台まで上昇する」(三菱東京UFJ銀行の高島修氏)との見方もある。

■これは年末の予想ですが、本当に年明け早々にドルは110円代を軽々と割って下がり続けているようです。サブプライム汚染は世界中に広がっていると推測されているのですから、特別に日本の金融機関の信頼度が高いとも思えません。バブル崩壊の時に日本の機関投資家がみっちりと経済を学び直したと思われているのなら、一方的な円高が続くとも思えないのですが……。


……07年前半は日本と欧米との金利差が専らの関心となり、円はドルやユーロなど主要通貨に対し「独歩安」の展開となった。超低金利の円を借りて高金利通貨国に投資する「円キャリートレード」も円安に拍車をかけ、円相場は6月後半、約4年半ぶりの円安・ドル高水準となる1ドル=124円台まで下落した。対ユーロでも7月には1ユーロ=169円と、99年のユーロ導入以来の最安値を記録。円安は日本の輸出企業の収益を押し上げ、景気拡大を下支えした。

■この時期に巨額の脱税をしたくなるほど大儲けした為替長者が生まれたのでしたが、恐れを知らない「10倍博打」にのめり込んで逃げ遅れてしまった人達は、バカ高くなってしまった円を買い戻せず、10倍の負け分を支払わねばならないのでしょうなあ。好調な時には校長先生でも脱税するほど儲かったのですから、損をする時は命の危険さえ出て来るのでしょう。しばらく円高基調が続けば、1月から2月にかけて、「為替破産」が話題になりかも知れませんぞ。


しかし、8月に仏金融大手のBNPパリバがサブプライム関連資産を運用するファンドの凍結を発表すると、様相は一変。欧米金融機関やファンドの資金繰り不安と米景気の先行き懸念が広がり、為替は円高・ドル安に急激に振れた。「円キャリートレード」の解消も加速し、円は11月下旬、約2年5カ月ぶりの円高・ドル安水準となる1ドル=107円台まで急騰した。シティグループなど米大手金融機関の巨額損失発表や米景気失速懸念の高まりで、市場では「投資家のドル資産離れ」もささやかれた。

■米国の場合は大統領の「顔」と「頭」という大問題も有りますから、現政権がサブプライム問題を解決できると思っている人は非常に少ないでしょう。ブッシュ政権最後の半年に、米国の人々は家を失い自動車にも乗れない悪夢を体験することになるのでしょうなあ。北朝鮮は安い食糧を売ってくれる国を探さねばなりませんが、米国はサブプライム問題で空いた巨大な穴を埋めるカネを貸してくれる相手を探さねばなりません。「戦争なんかやっている場合か?!」という真っ当な意見が大勢を占めれば、史上初の女性大統領か黒人大統領が誕生するというわけです。まあ、それだけで米国人は半年か1年は甘い夢を楽しめるのでしょうが、他国の人々はそんな馬鹿馬鹿しい夢を共有など出来ないでしょうなあ。


12月には欧米の5中央銀行が協調して資金供給に踏みきり、年末にはサブプライム問題への懸念がやや後退。ドルが買い戻され、円相場は1ドル=113~114円台まで下落した。ただ、サブプライム問題の収束はまだ見通せないうえ、米景気失速懸念も消えておらず、市場にはドル売り圧力がくすぶっている。更に「来秋の大統領選を控え、米政府が輸出企業支援のドル安容認姿勢に傾く」との思惑もあり、円高再燃観測は根強い。
12月29日 毎日新聞

■武器と食糧とエンターテインメントしか売り物が無くなってしまった米国は、自動車を含めた生活必需品のほとんどを輸入しなければ生活が成り立たないわけですが、それでも貿易収支を安定させるには生産物を輸出しなければなりません。でも、一体、何を売るのでしょう?気が付けば、日本人の身の回りにはメイド・イン・USAが消えてしまい。メイド・イン・チャイナに取り囲まれてしまっております。

■あれよあれよと言う間に日本国も米国と同じ轍をばりばりと踏んで歩いて来てしまいました。日本はまるで「食糧が無い米国」のようになってしまったかのようです。おまけに原油も無ければウランも有りません。せめて、安全な水と食糧ぐらいは自給したいものであります。「はあ、何とかしましょうね」などと軽く生返事をするホイホイ福田さんでは、国家100年の計を組み立てる事など不可能ですし、政権奪取以外には何も考えていない民主党の小沢代表ならば尚更の事です。米国の虚しい大統領選挙の空騒ぎをせせら笑っている場合ではありませんなあ。
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「今年」の予兆 その六

2008-01-05 13:38:45 | 日記・雑学
■善悪は無視して北朝鮮は外交上手な国ですから、既にブッシュ政権の次しか考えていないでしょう。約束を反故にして「正確な申告」を平気で「越年」させてしまうのはその証拠。年明け早々に候補者選びの大騒ぎが始まって、米国の有権者は北朝鮮どころかイラクもアフガニスタンも忘れてしまうのは恒例の事ですから、ほんの少しだけ身構えてさえいれば、サブプライム問題ですっかり内向きになった米国が北朝鮮を標的にして軍事的に「民主化」しようとはしないと誰かさんは見澄ましているのでしょうなあ。まったく恐ろしいことに、誰も米国を怖れないばかりか信じないという流れが明らかになって行く新年……不思議に北朝鮮と親しくなりたがる国が多いみたいですなあ。

東南アジア諸国連合(ASEAN)の後発加盟4カ国のベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマーが北朝鮮との関係を急速に強化している。北朝鮮は10月から11月にかけて、異例の大訪問団を東南アジアに派遣し、各国と交流協定などを次々に締結した。国際的な孤立を回避し、食糧確保を目指す北朝鮮と、農産品などの輸出先確保を目指す各国と思惑が一致した形だ。

■何処かの国は恥も外聞も無く手段を選ばず世界中からエネルギーと食糧を買い集めていますが、北朝鮮もそれを見習って失礼ながら「安かろう悪かろう」段階の食糧を買い集め始める模様です。脅迫手段で入手できる援助食糧ではとうとう間に合わなくなり、渋々ながらカネを支払って買い入れるつもりなのでしょうが、支払いに使うのは偽札ではないでしょうなあ。東南アジアの某所とは、長年、麻薬原料の取り引きをしているので、交渉は順調に進むかも?


ベトナム共産党の最高指導者ノン・ドク・マイン書記長は10月、同国最高指導者としては50年ぶりに訪朝し、金正日労働党総書記と会談した。東アジアへの影響力拡大を目指すベトナムは、北朝鮮に対するコメ2000トンの無償援助を表明。金総書記はマイン書記長からのベトナム訪問の要請を受諾したとされる。その9日後には、北朝鮮の金英逸首相と閣僚ら約30人がベトナムを訪問。両国は農業技術共有などの覚書に署名した。

■気候がまったく違う地域間で、どんな「農業技術」を共有できるのか甚だ疑問では有ります。おそらく、ベトナムは北朝鮮が誇る「千里馬」運動は採用しないでしょうし、北朝鮮側としても熱帯雨林を禿山と荒地に一変させる乱開発を勧めるとも思えませんなあ。まさか、気象条件を無視して米の二期作を真似するのではないでしょうな?!


また、シアヌーク前国王とシハモニ国王が平壌に滞在した経験があるカンボジアは11月、北朝鮮と投資奨励・保護協定などを結び、親密な関係を一段と強化した。ラオスも同月、北朝鮮と文化教育の覚書に署名した。

■カンボジアの王族が北京や平壌に「滞在」したのは、決して平和な友好関係を確認するためではなく、自国が戦争と内戦で亡命生活を強いられたからでしたなあ。恐怖のポルポト政権と手を結んだり喧嘩したり、なかなか忙しい王族でしたが……。カンボジアと北朝鮮のどちらがどちらに投資するのか?また、ラオスと北朝鮮、どちら側が相手を援助できるほどの「文化教育」を持っているのか?なかなか思い切った決断をしたものだと感心します。


ミャンマーは4月、韓国の閣僚らが北朝鮮工作員にヤンゴン(当時のラングーン)で爆殺された事件を契機に断交した北朝鮮と24年ぶりに国交を回復した。国交回復は北朝鮮側が働き掛けていたという。
12月30日 時事通信

■ミャンマーの軍事政権の裏には北京政府が控えているので、北朝鮮が暴発しないように「お友達」を作らせて時間稼ぎをしている可能性は有ります。まるで手が着けられない暴れん坊を預かった保育園の先生みたいですが、「朱に交われば紅くなる」という諺もありますから、国際常識を無視する悪い性格が東南アジア地域に伝染するのは困ります。北朝鮮が手を伸ばしている国々に対して、日本政府は道路などのインフラ整備を援助する大計画を発表していますが、今のホイホイ福田首相ならば、東南アジアの国を仲介にして北朝鮮との国交回復を計画しているかも知れませんぞ。どんどん拉致問題が遠ざかりますなあ。