■新年のご挨拶もせずに既に10日余りが過ぎてしまいました。暗澹たる気分のまま年末が過ぎて嫌な予感と共に新年を迎えねばならない最大の理由は、やはり現政権の混乱と迷走が醸し出す軽佻浮薄の雰囲気が全国に広まっているからでありましょう。聞くところに依りますと兎年は政治が混乱する年回りだそうで、幕末に大政奉還が起った1867年(慶応3年)が兎年で、明治時代には山縣有朋・若槻礼次郎の両内閣が総辞職、昭和の世では1939年(昭和14年)に第一次近衛文麿と平沼騏一郎内閣が同年中に連続して倒れ相次いで退陣しているそうですなあ。
■また、来日中のロシア皇太子が警備中の警察官に斬り付けられた「大津事件」やら、「ノモンハン事件」が起ったのも兎年だそうですし、天変地異でも浅間山が大噴火した1783年(天明3年)も、江戸が壊滅した安政大地震が発生した1855年(安政2年)も、死者7000人以上の濃尾大地震が起きた1891年(明治24年)も、3000人の犠牲が出た丹後地震の1927年(昭和2年)も、伊豆大島の三原山が大爆発した1951年(昭和26年)も、みんな兎年だそうで、特に大きな鉄道事故が起きているのも兎年だとか……。親方日の丸の権化だった国鉄(日本国有鉄道)が消滅した1987年(昭和62年)も兎年。
■「飛躍の年」とか何とか無理にこじつけて深刻な問題から目をそらすのも庶民の知恵なのではありましょうが、世界情勢が大きなうねりの中で急速に変化している歴史の節目に、あれこれと目に付くのは日本の周回遅れ状態で、元を質せば長過ぎた自民党政権が何だかんだと言い訳をしながら先送りし続けた歴史的責任に辿り着くのですが、折角の「政権交代」が起ってみれば大急ぎで周回遅れを取り戻す様子もなく、内政と外交の継続性を無視して乱暴で稚拙なやり方で中途半端にぶっ壊して回っては前言撤回を繰り返すばかりの民主党政権に対する嘆息と失望感ばかりが聞こえて来ます。
■菅アルイミ首相が最も情熱を傾けているのが「小沢切り」だそうで、政権交代が実現した議席数を揃えた最大の功労者を粛清しようと躍起になる一方で、次の総選挙は任期満了まで何の勝算も無いままに先送りして行けば、自分の首相在任日数が上積みされるて嬉しいなあ!などと一人悦に入って国家の危機を等閑に附しているように見えるのは錯覚でありましょうか?
漫画「タイガーマスク」の主人公・伊達直人を名乗った人物からのプレゼントが各地の児童養護施設などに贈られていることについて、細川律夫厚生労働相は11日の閣議後会見で「本当に温かい気持ちに感激している。一般の国民の皆さんも(施設で暮らす子供たちに)関心をもっていただくのはうれしい」と述べた。虐待や親の病気などの事情で児童養護施設や里親家庭で暮らす子供は全国で約4万人。少子化の中でも割合は増えており、大学進学率は一般家庭より低い。細川厚労相は「国としても懸命に取り組み、子供たちへの施策を充実させていく」と述べた。……
■社会全体で子育てを支援するとの美名の下に、寄り合い所帯の政党らしい選挙目当ての思い付きを寄せ集めて羅列した笑止千万な『マニフェスト』に大書された「子供手当て」を、唯一の目玉政策だと信じて帳尻合わせに大童(おおわらわ)の菅アルイミ政権ですから、既に選挙前に涼しい顔して「財源は幾らでもある!」と嘯(うそぶ)いていた舌の根もすっかりからからに乾いて、幻の財源話に関する検証も反省もせずに何となく消費税論議に世論を姑息に誘導して行くのも仕方がないのでしょうなあ。
■「子供手当て」は財源の問題に加えて支給対象世帯の所得制限も無上に、再来年度予算に組み込まれるかどうかも分からないという制度的な欠陥が指摘されておりますし、本当に子育て支援に役立てられるのか?という根本的な疑問も呈されているのですから、生煮え政策と申せましょう。その怪しい制度の所管大臣がタイガーマスク騒動に「感激している」というのは自分の職責と所属政党の責任能力を忘れた妄言のように聞こえます。行政府の大臣ならば「子供たちへの施策」の中身を具体的に提示してくれないと困りますが、既に官僚主導がすっかり板に付いてしまった菅アルイミ内閣は自民党時代よりも悪い役人の作文を暗記・棒読みする閣僚ばかりになっているとの指摘があるので、細川厚労相もアルイミ首相を見習って能天気なコメントを出してしまったのでしょう。
■考えようによっては「子供手当て」政策に対する大いなる疑念と拒否を示す動きが具体的に表われたとも言えそうですし、また、自民党時代の高齢者重視・未成年者軽視の露骨な選挙目当て政治に対する遅まきながらの批判も含まれているのかも知れません。軽薄なマスコミに同調して素朴に「感激」しているようでは、大臣としての資質に問題がありそうですが、内閣改造後も留任しそうな気配であります。でも、元々、法学部出身で弁護士でもある人ですから本来なら法務大臣になるべき人材で、2010年10月13日の予算委員会で、自民党議員から子ども手当の支給額と支給の時期について質問されても「事前の質問通告がなかった」からという理由で答弁できずに赤っ恥を掻く必要もなかったのでしょうが、長妻大臣の後釜に副大臣から自動的に繰り上がった悲喜劇も菅アルイミ内閣らしい人事ではありました。
……アニメで伊達直人の声を担当したことがある声優の森功至(かつじ)さん(65)は「40年たったこの時代に突然、伊達の名前がよみがえったようで不思議な感じです」とした上で「伊達の名前による寄付が今後も続いてよいものか、複雑な気持ちもあります」
2011年1月11日 毎日新聞
■原作者の梶原一騎氏が亡くなっているので、声優の森功至さんを引っ張り出そうと考えるのは日本のマスコミが暇なのか構想力が枯渇してしまっているのか?どうせなら格闘家の佐山サトル氏にでもマイクを向けたら如何でしょう?民主党政権に対して激烈な批判コメントが貰えたでしょうに……。未だに寄付した人がタイガーマスク(伊達直人)を名乗った理由は、尖閣衝突事件の映像証拠を流出させた「sengoku 38」の名と同様に不明なのですが、最初のランドセルが群馬県の施設に届いたのが昨年のクリスマスだったのですから、本当は単に寅(虎)年からの連想でタイガーマスク=伊達直人と名乗っただけのことかも?真相がどうであれ、あまり騒ぎ過ぎない方が良いでしょうなあ。
■マスコミがまったく取り上げない地道な慈善活動を続けている人も多いでしょうし、付和雷同式にこの種の寄付行為が流行すると犯罪行為で得た表に出せないカネが美談の資金になる可能性も出て来るかも知れませんからなあ。閣僚の皆さんばかりでなく、国民全体で経済大国だと言われながら子供の貧困率が非常に高い日本の実情を改めて考える切っ掛けにした方が良いのではないでしょうか?
■また、来日中のロシア皇太子が警備中の警察官に斬り付けられた「大津事件」やら、「ノモンハン事件」が起ったのも兎年だそうですし、天変地異でも浅間山が大噴火した1783年(天明3年)も、江戸が壊滅した安政大地震が発生した1855年(安政2年)も、死者7000人以上の濃尾大地震が起きた1891年(明治24年)も、3000人の犠牲が出た丹後地震の1927年(昭和2年)も、伊豆大島の三原山が大爆発した1951年(昭和26年)も、みんな兎年だそうで、特に大きな鉄道事故が起きているのも兎年だとか……。親方日の丸の権化だった国鉄(日本国有鉄道)が消滅した1987年(昭和62年)も兎年。
■「飛躍の年」とか何とか無理にこじつけて深刻な問題から目をそらすのも庶民の知恵なのではありましょうが、世界情勢が大きなうねりの中で急速に変化している歴史の節目に、あれこれと目に付くのは日本の周回遅れ状態で、元を質せば長過ぎた自民党政権が何だかんだと言い訳をしながら先送りし続けた歴史的責任に辿り着くのですが、折角の「政権交代」が起ってみれば大急ぎで周回遅れを取り戻す様子もなく、内政と外交の継続性を無視して乱暴で稚拙なやり方で中途半端にぶっ壊して回っては前言撤回を繰り返すばかりの民主党政権に対する嘆息と失望感ばかりが聞こえて来ます。
■菅アルイミ首相が最も情熱を傾けているのが「小沢切り」だそうで、政権交代が実現した議席数を揃えた最大の功労者を粛清しようと躍起になる一方で、次の総選挙は任期満了まで何の勝算も無いままに先送りして行けば、自分の首相在任日数が上積みされるて嬉しいなあ!などと一人悦に入って国家の危機を等閑に附しているように見えるのは錯覚でありましょうか?
漫画「タイガーマスク」の主人公・伊達直人を名乗った人物からのプレゼントが各地の児童養護施設などに贈られていることについて、細川律夫厚生労働相は11日の閣議後会見で「本当に温かい気持ちに感激している。一般の国民の皆さんも(施設で暮らす子供たちに)関心をもっていただくのはうれしい」と述べた。虐待や親の病気などの事情で児童養護施設や里親家庭で暮らす子供は全国で約4万人。少子化の中でも割合は増えており、大学進学率は一般家庭より低い。細川厚労相は「国としても懸命に取り組み、子供たちへの施策を充実させていく」と述べた。……
■社会全体で子育てを支援するとの美名の下に、寄り合い所帯の政党らしい選挙目当ての思い付きを寄せ集めて羅列した笑止千万な『マニフェスト』に大書された「子供手当て」を、唯一の目玉政策だと信じて帳尻合わせに大童(おおわらわ)の菅アルイミ政権ですから、既に選挙前に涼しい顔して「財源は幾らでもある!」と嘯(うそぶ)いていた舌の根もすっかりからからに乾いて、幻の財源話に関する検証も反省もせずに何となく消費税論議に世論を姑息に誘導して行くのも仕方がないのでしょうなあ。
■「子供手当て」は財源の問題に加えて支給対象世帯の所得制限も無上に、再来年度予算に組み込まれるかどうかも分からないという制度的な欠陥が指摘されておりますし、本当に子育て支援に役立てられるのか?という根本的な疑問も呈されているのですから、生煮え政策と申せましょう。その怪しい制度の所管大臣がタイガーマスク騒動に「感激している」というのは自分の職責と所属政党の責任能力を忘れた妄言のように聞こえます。行政府の大臣ならば「子供たちへの施策」の中身を具体的に提示してくれないと困りますが、既に官僚主導がすっかり板に付いてしまった菅アルイミ内閣は自民党時代よりも悪い役人の作文を暗記・棒読みする閣僚ばかりになっているとの指摘があるので、細川厚労相もアルイミ首相を見習って能天気なコメントを出してしまったのでしょう。
■考えようによっては「子供手当て」政策に対する大いなる疑念と拒否を示す動きが具体的に表われたとも言えそうですし、また、自民党時代の高齢者重視・未成年者軽視の露骨な選挙目当て政治に対する遅まきながらの批判も含まれているのかも知れません。軽薄なマスコミに同調して素朴に「感激」しているようでは、大臣としての資質に問題がありそうですが、内閣改造後も留任しそうな気配であります。でも、元々、法学部出身で弁護士でもある人ですから本来なら法務大臣になるべき人材で、2010年10月13日の予算委員会で、自民党議員から子ども手当の支給額と支給の時期について質問されても「事前の質問通告がなかった」からという理由で答弁できずに赤っ恥を掻く必要もなかったのでしょうが、長妻大臣の後釜に副大臣から自動的に繰り上がった悲喜劇も菅アルイミ内閣らしい人事ではありました。
……アニメで伊達直人の声を担当したことがある声優の森功至(かつじ)さん(65)は「40年たったこの時代に突然、伊達の名前がよみがえったようで不思議な感じです」とした上で「伊達の名前による寄付が今後も続いてよいものか、複雑な気持ちもあります」
2011年1月11日 毎日新聞
■原作者の梶原一騎氏が亡くなっているので、声優の森功至さんを引っ張り出そうと考えるのは日本のマスコミが暇なのか構想力が枯渇してしまっているのか?どうせなら格闘家の佐山サトル氏にでもマイクを向けたら如何でしょう?民主党政権に対して激烈な批判コメントが貰えたでしょうに……。未だに寄付した人がタイガーマスク(伊達直人)を名乗った理由は、尖閣衝突事件の映像証拠を流出させた「sengoku 38」の名と同様に不明なのですが、最初のランドセルが群馬県の施設に届いたのが昨年のクリスマスだったのですから、本当は単に寅(虎)年からの連想でタイガーマスク=伊達直人と名乗っただけのことかも?真相がどうであれ、あまり騒ぎ過ぎない方が良いでしょうなあ。
■マスコミがまったく取り上げない地道な慈善活動を続けている人も多いでしょうし、付和雷同式にこの種の寄付行為が流行すると犯罪行為で得た表に出せないカネが美談の資金になる可能性も出て来るかも知れませんからなあ。閣僚の皆さんばかりでなく、国民全体で経済大国だと言われながら子供の貧困率が非常に高い日本の実情を改めて考える切っ掛けにした方が良いのではないでしょうか?