■ギリシア神話に出て来る「ミダス王」は、手に触れるすべての物体を黄金に変えられる超能力を持っていたそうであります。何んでも昔、昔、ディオニューソスの教師兼養父のシーレーノスが酔っ払って行方不明になってしまった時、ミダス王が身柄を保護して10日間も手厚くもてなして帰宅させてくれたことに感謝したディオニューソスは、ミダス王に「どんな願いも叶えてあげるよ」と言ったそうで、王は酔っ払っていたのか?うっかり「自分が触れるものすべてが黄金に変わればよいなあ」と言ってしまい、石ころや棒切れが黄金に変わるのを喜んだものの、飲食物までこちこちの黄金になってしまって餓死寸前になってしまい……。という物語なのですが、ミダス王は何でも手に触れる物を黄金に変えてしまいましたが、我が国の菅アルイミ首相は自分の舌に乗せたすべての事柄をウソか悪い冗談に変えてしまう能力を持っているのは実に困ったことでありますなあ。
■不倶戴天の政敵だったクラッシャー小沢を抱きこんで政権交代が実現すると「政治とカネの問題」を言い立てて「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い!」とばかりに小沢一派を干し上げておいて、自分の身にも違法な政治献金の問題やら怪しげな団体に寄付を続けていた事等が発覚すると、ぴたりと「政治とカネの問題」を語らなくなりました。念願の総理大臣になっての初陣となった参議院選挙に際しては「消費税10%!」と唐突に言い出して惨敗し、衆参ネジレ現象を生み出してしまっても知らん振り。自分の口には「消費税」を封印して、旧自民・旧立ち上がれ日本から増税論者の与謝野氏を一本釣りして腹話術の人形みたいに喋らせておりますなあ。
■「平成の開国!」と笛や太鼓で囃し立てたTPP問題も党の内外から反対意見が飛び出して来たら、やっぱり玩具に飽きた幼児のように先送りしてうやむやにしてしまいました。一時はベトナムに原発を売り付けたと人の手柄を横取りして胸を張っていたのに、いよいよ総理大臣の座を石もて追われる身になると、唐突に「脱・原発依存」と言い出したのでした。どれもこれも国家100年の計を定める重要な案件なのですが、菅アルイミ首相が言及した瞬間に陳腐な「思い付き」に変わってしまう。それが1年以上も続いているというのは本当に異常で悲しいことであります。
■不信任案に身内からも賛成者が出そうな気配に驚いて「一定のメドがついたら、若い世代にバトンタッチする」と、誰が聞いても辞意表明としか解釈できない奇妙な言い回しで憲政史上最も愚かと評価が定まった鳩山サセテイタダク前首相を4度目のペテンに掛けて窮地を脱すると、国会審議の場で自民党の石破サンパクガン政調会長の質問に対して「辞めると言ったことはない」としれっと答弁して鳩山サセテイタダク前首相の面子を御丁寧に再び踏み付けにして見せたのでした。既に国民の多くが忘れかけている選挙用『マニフェスト』も菅アルイミ政権の1年間ですっかりウソの塊と化して、ウソの純度をどんどん上げているようにも見えます。官邸で役人を怒鳴り付ける時の定番が「俺は聞いてない!」なのだそうですが、公の場ではもっぱら「俺は言っていない!」が決まり文句になっているようです。どうやら難解な菅アルイミ首相の発言には通訳や解釈人が必要のようなのですが……。
■枝野幸男官房長官は14日の記者会見で、前日に菅直人首相が開いた「都合のよい時だけの記者会見」について、「首相は脱原発依存とは言っていない!」と弁護士らしい珍説を強弁したようです。どんな凶悪犯でも「殺意は無かった!」と言い張る困った弁護士がいることを思い出す話であります。枝野(弁護士)官房長官の解釈・通訳によりますと「原発に依存しない社会を目指す」という菅アルイミ首相の言葉は「遠い将来の希望」を語っただけなのだそうです。これは民主党両院総会で原稿無しで熱弁を振るった「遠い将来の辞任」にも通じる解釈でありましょうか?何だか昨夜見た夢を記者会見を開いて開陳したようなもので、福島第一原発の大事故の後、誰が考えても日本の原発行政は根本的に変更せざるを得ないのですから、「変える!」と最初に言ったのは俺だぜ!と御本人が計画しているという10年後に上梓される『回想録』に、一つくらいは格好のよいネタが無いと困るから何の政策的裏付けもない「個人的な思い」を公共の電波と新聞を私用に使ってみただけだったのかも知れません。
■弁護士の耳を持たない高木義明文部科学相などは15日の閣議後の会見で、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について「廃止とか単純に継続とかではなく、そういうものを含めた全体的なエネルギー政策の中でどうするかという結論が、おのずとでてくるのではないかと思う。……(今回の福島原発での)重大な事故。これを踏まえて改めて議論することは当然だと思う」とうっかり述べてしまい。報道機関が一斉に「開発中止を検討!」と大々的に報じたのに驚いた官僚達が騒ぎ出し、役所内で吊るし上げられたのか?高木文科相は同日の夕方、「中止なんて一言も言っていない!」と懸命に言い訳していたのだそうです。内閣総理大臣を見習って意味不明の発言をしておいて、都合の悪い解釈をされたと言い立てて「俺は言ってないぞ!」と慌てて前言を撤回する。ミダス王ならぬ菅アルイミ首相の超能力が内閣中に伝染しているのかも知れませんぞ。
政府は15日、東日本大震災の復興財源を検討する関係閣僚会合の議論をスタートさせた。10兆円超の復興費用を賄うために発行する復興債の償還財源が焦点。税収の大きい所得税や法人税、消費税など基幹税の臨時増税が軸となる見通しだが、政府・民主党内には増税議論先行への反発もあり、難航は必至だ。同日の会合では、2011年度の第3次補正予算案の指針となる復興基本方針の月内決定に向け議論した。臨時増税には「補正を人質に取って増税しなければという発想はやめるべきだ」(片山善博総務相)との異論が閣内にもある。党側も消費税率10%への引き上げを決めた「社会保障と税の一体改革」に猛反発が広がった直後だけに、「税の話はもうこりごりだ」(政調幹部)と及び腰。本格的な税の議論は「8月以降になる」(平野達男復興担当相)との指摘もあり、基本方針にどこまで書き込めるかは不透明だ。
2011年7月15日(金) 時事通信
■二次補正予算・赤字公債・再生エネルギーの三点セットが成立したら、それを「一定のメド」として辞めるかも?と菅アルイミ首相は言っているのだと、民主党内やマスコミ各社は解釈しているようですが、これも土壇場で「俺は言っていない!」と菅アルイミ首相が切り札?を出せばうやむやの空手形になってしまう可能性がありそうです。本来なら次の首相が責任を持って編成すべき「第3次補正予算案」を内閣の体を成していない今の菅アルイミ政権が作ってしまってよいのでしょうかな?!それこそ次期首相も「俺は聞いてないぞ!」などと言い出したら、第3次補正は来年度予算と重なってしまいますぞ。政権交代の当初から常に財源問題が民主党政権のアキレツ腱でありましたが、言及する事柄をすべてウソにしてしまう菅アルイミ首相の超能力が発揮されて「社会保障と税の一体改革」も壮大なウソの作文になってしまいそうです。あの参議院選挙で「消費税は10%にする!」と啖呵を切った見せたら予想外の怨嗟の声が返って来て、「10%とは言っていない」「免税措置も考える」「すぐに上げるとは言っていない」などと主張が後退して何が何だかさっぱり分からない選挙公約になってしまった大失敗を、誰も責任を取らないように反省もせず再検討もしないで無為に過ごしてしまった1年は、実に空疎で長い長い時間でありました。「何も知らない、何も出来ない」人物を代表・首相に選んだのは誰なのでしょう?
■不倶戴天の政敵だったクラッシャー小沢を抱きこんで政権交代が実現すると「政治とカネの問題」を言い立てて「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い!」とばかりに小沢一派を干し上げておいて、自分の身にも違法な政治献金の問題やら怪しげな団体に寄付を続けていた事等が発覚すると、ぴたりと「政治とカネの問題」を語らなくなりました。念願の総理大臣になっての初陣となった参議院選挙に際しては「消費税10%!」と唐突に言い出して惨敗し、衆参ネジレ現象を生み出してしまっても知らん振り。自分の口には「消費税」を封印して、旧自民・旧立ち上がれ日本から増税論者の与謝野氏を一本釣りして腹話術の人形みたいに喋らせておりますなあ。
■「平成の開国!」と笛や太鼓で囃し立てたTPP問題も党の内外から反対意見が飛び出して来たら、やっぱり玩具に飽きた幼児のように先送りしてうやむやにしてしまいました。一時はベトナムに原発を売り付けたと人の手柄を横取りして胸を張っていたのに、いよいよ総理大臣の座を石もて追われる身になると、唐突に「脱・原発依存」と言い出したのでした。どれもこれも国家100年の計を定める重要な案件なのですが、菅アルイミ首相が言及した瞬間に陳腐な「思い付き」に変わってしまう。それが1年以上も続いているというのは本当に異常で悲しいことであります。
■不信任案に身内からも賛成者が出そうな気配に驚いて「一定のメドがついたら、若い世代にバトンタッチする」と、誰が聞いても辞意表明としか解釈できない奇妙な言い回しで憲政史上最も愚かと評価が定まった鳩山サセテイタダク前首相を4度目のペテンに掛けて窮地を脱すると、国会審議の場で自民党の石破サンパクガン政調会長の質問に対して「辞めると言ったことはない」としれっと答弁して鳩山サセテイタダク前首相の面子を御丁寧に再び踏み付けにして見せたのでした。既に国民の多くが忘れかけている選挙用『マニフェスト』も菅アルイミ政権の1年間ですっかりウソの塊と化して、ウソの純度をどんどん上げているようにも見えます。官邸で役人を怒鳴り付ける時の定番が「俺は聞いてない!」なのだそうですが、公の場ではもっぱら「俺は言っていない!」が決まり文句になっているようです。どうやら難解な菅アルイミ首相の発言には通訳や解釈人が必要のようなのですが……。
■枝野幸男官房長官は14日の記者会見で、前日に菅直人首相が開いた「都合のよい時だけの記者会見」について、「首相は脱原発依存とは言っていない!」と弁護士らしい珍説を強弁したようです。どんな凶悪犯でも「殺意は無かった!」と言い張る困った弁護士がいることを思い出す話であります。枝野(弁護士)官房長官の解釈・通訳によりますと「原発に依存しない社会を目指す」という菅アルイミ首相の言葉は「遠い将来の希望」を語っただけなのだそうです。これは民主党両院総会で原稿無しで熱弁を振るった「遠い将来の辞任」にも通じる解釈でありましょうか?何だか昨夜見た夢を記者会見を開いて開陳したようなもので、福島第一原発の大事故の後、誰が考えても日本の原発行政は根本的に変更せざるを得ないのですから、「変える!」と最初に言ったのは俺だぜ!と御本人が計画しているという10年後に上梓される『回想録』に、一つくらいは格好のよいネタが無いと困るから何の政策的裏付けもない「個人的な思い」を公共の電波と新聞を私用に使ってみただけだったのかも知れません。
■弁護士の耳を持たない高木義明文部科学相などは15日の閣議後の会見で、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について「廃止とか単純に継続とかではなく、そういうものを含めた全体的なエネルギー政策の中でどうするかという結論が、おのずとでてくるのではないかと思う。……(今回の福島原発での)重大な事故。これを踏まえて改めて議論することは当然だと思う」とうっかり述べてしまい。報道機関が一斉に「開発中止を検討!」と大々的に報じたのに驚いた官僚達が騒ぎ出し、役所内で吊るし上げられたのか?高木文科相は同日の夕方、「中止なんて一言も言っていない!」と懸命に言い訳していたのだそうです。内閣総理大臣を見習って意味不明の発言をしておいて、都合の悪い解釈をされたと言い立てて「俺は言ってないぞ!」と慌てて前言を撤回する。ミダス王ならぬ菅アルイミ首相の超能力が内閣中に伝染しているのかも知れませんぞ。
政府は15日、東日本大震災の復興財源を検討する関係閣僚会合の議論をスタートさせた。10兆円超の復興費用を賄うために発行する復興債の償還財源が焦点。税収の大きい所得税や法人税、消費税など基幹税の臨時増税が軸となる見通しだが、政府・民主党内には増税議論先行への反発もあり、難航は必至だ。同日の会合では、2011年度の第3次補正予算案の指針となる復興基本方針の月内決定に向け議論した。臨時増税には「補正を人質に取って増税しなければという発想はやめるべきだ」(片山善博総務相)との異論が閣内にもある。党側も消費税率10%への引き上げを決めた「社会保障と税の一体改革」に猛反発が広がった直後だけに、「税の話はもうこりごりだ」(政調幹部)と及び腰。本格的な税の議論は「8月以降になる」(平野達男復興担当相)との指摘もあり、基本方針にどこまで書き込めるかは不透明だ。
2011年7月15日(金) 時事通信
■二次補正予算・赤字公債・再生エネルギーの三点セットが成立したら、それを「一定のメド」として辞めるかも?と菅アルイミ首相は言っているのだと、民主党内やマスコミ各社は解釈しているようですが、これも土壇場で「俺は言っていない!」と菅アルイミ首相が切り札?を出せばうやむやの空手形になってしまう可能性がありそうです。本来なら次の首相が責任を持って編成すべき「第3次補正予算案」を内閣の体を成していない今の菅アルイミ政権が作ってしまってよいのでしょうかな?!それこそ次期首相も「俺は聞いてないぞ!」などと言い出したら、第3次補正は来年度予算と重なってしまいますぞ。政権交代の当初から常に財源問題が民主党政権のアキレツ腱でありましたが、言及する事柄をすべてウソにしてしまう菅アルイミ首相の超能力が発揮されて「社会保障と税の一体改革」も壮大なウソの作文になってしまいそうです。あの参議院選挙で「消費税は10%にする!」と啖呵を切った見せたら予想外の怨嗟の声が返って来て、「10%とは言っていない」「免税措置も考える」「すぐに上げるとは言っていない」などと主張が後退して何が何だかさっぱり分からない選挙公約になってしまった大失敗を、誰も責任を取らないように反省もせず再検討もしないで無為に過ごしてしまった1年は、実に空疎で長い長い時間でありました。「何も知らない、何も出来ない」人物を代表・首相に選んだのは誰なのでしょう?