「朝鮮族2人による濃縮ウラン密売」事件について、中国の捜査当局が「ウランでも朝鮮族でもない」とし、前言を翻した。北京の公安関係者は23日、「濃縮ウラン1キロを売ろうとした中国人2人を逮捕した」という20日の中国マスコミの報道について、「犯人は朝鮮族でロシアのものとみられる濃縮ウランを押収した」と語っていた。しかし24日にこれを確認した朝鮮日報の報道で波紋が広がると、公安関係者は「2人の犯人が中身を濃縮ウランと誤解して証言したことが誤って外部に伝えられた」と語った。当地の人民検察院の斉捷氏も当時は「上から一切の取材に応じるなとの指示を受けた。朝鮮族でもウランでもない」と言葉を変えた。しかし後に「濃縮ウラン1キロを売ろうとした中国人2人を逮捕した」との情報を直接提供した人物が斉氏であることが確認された。
朝鮮日報 10月26日
■ほんの1箇月前の報道ですが、この続報は無いようです。北朝鮮の物資不足は極限状態だと言われていまして、電気エネルギーなどの動力源は断続的にしか供給されず、やっと電気が来ても工場の機械は部品を盗んで売り飛ばす者が跡を絶たないので、出勤している人達も最初から生産活動をする心算がないとか……。中には、核関連施設で働いている者の中にも、自分達が扱っている物の恐ろしさを知らずに、部品ばかりかウランの粉末をちょろまかして中朝国境で売り捌こうとしているという怖い噂も絶えません。いよいよそれが実際に摘発されたか?と思ったら、「誤報」だと言うのですから、著(いちじる)しく怪しい話ですなあ。
■もしかすると、摘発されたのが中国人だったのが不味かったのかも知れません。「核拡散」の尻尾を捕まれては大変ですからなあ。本当に北朝鮮から流出している物騒な放射性物資は何処にどれほど有るのか分かったものではありません。勿論、完成品の小型原爆となればロシアから幾つも行方不明になっているとの、もっぱらの噂です。まあ、このニュースが本当でも誤報でも、「摘発」したのですから安心ということでしょうなあ。
韓国国防省が、北朝鮮が50キロに達するプルトニウムを抽出した可能性があり、弾道ミサイルに搭載するために核兵器を小型化しようと努力している、との報告書を作成していたことが明らかになった。Song Young-sun議員が26日、メディアに公表した。報告書は、それだけの量のプルトニウムがあれば、7~8個の核兵器を作ることが可能だ、としている。同議員によると、報告書は、北朝鮮はおそらく重量が2~3トンの核爆弾を作る能力を持っているが、それをミサイルに搭載するためには、1トン以下に小型化する必要がある、と指摘している。韓国国防省は、報告書の内容についてコメントを拒否したものの、報告書が10月10日に国防省や軍司令官の会合で議論されたことは確認した。
ロイター - 10月27日
■これは今でも概(おおむ)ねそのまま信じられている話です。実験に使用されたのはプルトニウム型の原爆だという事も大気のサンプル調査で確認されたと言われています。何よりもミサイルの大型化に専心努力して来たという実態があるのですから、弾頭に載せるための核兵器を開発していると考えない方が非常識でしょう。
スイス政府が国連安全保障理事会決議1718号による対北制裁に26日、取りかかった。 核兵器、ミサイルなど大量破壊武器(WMD)開発に使われる可能性のある物品はもちろん、高級時計など各種ぜいたく品取引も全面中断する方針だ。スイス連邦経済省のオスマ・ビス輸出入統制、制裁担当官は25日「米国の声(VOA)」放送とのインタビューで「今回の制裁によって軍事物資はもちろん軍事、民間用ですべて使うことができる『二重用途』物品の輸出入も規制される」と明らかにした。しかし彼は「スイスが8年間、コンピューターソフトウェア、機械工具など二重用途物品を北朝鮮に輸出した実績は40万ドル未満」とし」「実際の影響は大きくない」と付け加えた。……ロレックスを含むスイス製高級時計などぜいたく品供給中断が北朝鮮最高指導部に大きな打撃を与えるものとみられる。
■将軍様からの御褒美や贈り物には日本製を含む舶来品が愛用されているという話は有名で、時計も将軍様の名前入りの特製品が渡されるとの証言も有ります。最初は海外勤務の役人が金日成を喜ばせるために調達して献上した物が、点数稼ぎの競争を呼んで膨大な量が溜まってしまい、いつの間にか御下賜の品に転用されたのが習慣化したのかも知れませんが、国内経済が破綻して飢餓を避ける食糧輸入に当てる資金も底をついても、将軍様だけは贅沢品を大量にストックしているというのは、体制の末期症状の典型です。
ビス担当官は「時計を含みキャビア、ワイン、タバコ香水、高級衣類、カーペット、毛皮、ダイヤモンド、電子製品、自動車、音響器機、芸術品などが輸出禁止対象」と明らかにした。核心はやはり時計だ。ビス担当官は「昨年北朝鮮に輸出されたぜいたく品は23万7000ドル分水準」と明らかにした。しかし米ワシントンに本部を置いた「自由アジア放送(RFA)」はスイス時計産業連合資料を引用して「北朝鮮は1995年から2004年まで2400万ドル分のスイス時計を買い付けた」と報道した。
■10年間に「2400万ドル」なら年平均で240万ドルです。日本円で2億5千万円ほどになるでしょう。1箇で数百万円というのもザラに有るスイス製高級時計でも、毎年、200箇も300箇も買える金額になります。軍部や取り巻きに加えて、海外の工作員や綺麗なオネエチャンに渡し続ければ、その程度の数になるのでしょうなあ。案外、本物のスイス製時計が貰えなくなったという噂が広まると権力中枢に動揺が広がるかも知れませんぞ。宝石や高級時計は、いざという時に亡命した先でも換金できますからなあ。