森林税「搬出間伐に充当」

2012年05月30日 | 信州の木材
昨日の新聞の2面の、首相「正面突破」を模索と小沢一郎氏との会談のインタビュー記事の隣に、森林税「搬出間伐に充当」の記事を見つけた。

 ようやくそうなったかと、首相の話より先にこちらの記事を読んだ。

 長野県が森林税を導入したのは平成20年から、里山も含めて、山は荒れているという言葉でしか表現できなかったから、森林税はとにかくいい方向だと思えた。

 しかしその使い道は「みんなで支える里山事業」や「地域で進める里山集約化事業」等申し分なかったが、ただ気に入らなかったのは、それが「切捨て間伐」だったからである。

 京都議定書以来、二酸化炭素削減に森林整備による削減がかなりのボリュゥムになっていたから分からないことはなかったが、しかし単に切捨てて朽ちるまで放置では、植林をしてきた先人たちの苦労に報いえないではないか。

 バーチャルウォーターと同じように他国の木を使い、国内では切捨てではあんまりである。

 ここ3年ほどの間に、ロシアからの輸入事情が変わり、一番木材を消費する合板工場の動きが日本の山を変えた・・・・それも劇的に。

 まあ戦後植林された木が間伐から皆伐しなければならない時期になってきたから、ロシアの動きは日本の山にとってもよかったのかもしれない。

 しかし、市場原理の世界である。必要な量というのは確実にあるから、穏やかに山の事情を考えたり、森林整備でもなければ環境でもなく、山の木が伐られ始めたのではないだろうか。

 伐った後をどうするか、自然更新という耳障りのいい言葉を聞く度に思う。今山の木を伐るというのは、きこりというイメージなどまったくない、大型の機械の世界である。車が入る道路も当然つくられる・・・・これなくして森林整備など出来ないから。

 重機がはいった土地が自然更新するのだろうか・・・・私の一番の疑問。

 確かに唐松や杉や桧の単層林よりも複合林が好ましいと言われる。環境から考えるならば動植物も人間にもいいだろう。

 しかし資源とはなりえまい。

 日本人ほど、木材を消費する国はあるまい。その使い方は消費より浪費であったかもしれない。30年で建替える家を作り続けてきた。それも外国の山を禿山にしてかも。

 木材循環は60年位かな。この差をどうするか、おそらくよその国の木を我が物のように使うことは、もう世界が許さないだろう。お金持ちの日本だったからできたかもしれないが、後30年建った時のことを想像してみよう。

 計算では日本の山の木の備蓄量は年々増えている。先人たちは偉かったと思う、山の峰まで植林をしていたのだから。しかし山の木を伐る方法が変わり峰の木を搬出する事は不可能だと思う。

 備蓄はあくまで計算の世界だし、不在地主等民有林の山には現状では手が入りにくい。奥山は無理して山を荒らすよりもこれこそ自然更新の世界だろう。

 木の絶対量が無ければ無計画のままに木は伐られ、その後植林せず自然更新という名目のもと放置される山は増えていくだろう。禿山では保水にもならない、そして表面の土がなくなったところから、山は荒れ草木の生えないこととなる。

 今までの森林税の間伐は切捨て間伐だった。それを搬出間伐にするという「県地方税制研究会」の知事に向けられた報告書である。

 今年度で終了する森林税を来年度以降も継続を視野に「切捨間伐」の交付も認めるが、経済的刺激はゼロだから、可能なかぎり搬出間伐の財源にあてたいということらしい。

 それでも一歩前進ということか・・・・・。

                            依田美恵子

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