冤罪に思う。

2007年02月26日 | 日々のこと
冤罪の話が報道される機会がある度に、子供たちにいい聞かせたものである。「もし万が一無実の罪で逮捕されるようなことがあっても、決して安易に自白をしてはならない、必ず弁護士をお願いしますといいなさいと。」

またその一方で「もし交通事故を起しても、絶対逃げてはいけない。」

当たり前のことなのだが、誰しも自分が罪を犯すことも交通事故を起すということも、仮定の中にない。みんな善意の市民であるから。

それは昔、高校2年の夏休み明け、私は自動二輪の無免許運転でつかまったことがある。別にオートバイが乗りたかった訳ではない。ただ65ccのナンバーもついていないバイクが我が家に来てしまったのである。

返すわけにもいかないので、私が乗るわということになったのだと思う。夏休みの間に試験場の外来で教習を受けいよいよ試験まであと1週間という夜であった。

300メートル離れた友人の所へ本を借りに行こうと出かけ間際、2階から見た裏の我が家の敷地が賑やかだなと思った。「取り締まり」をしていたらしい。
外にでて、バイクの練習などしない内は暗くても歩くことが当たり前だったのに、味をしめてしまった私はバイクで行こうと思い立った。まるで魔がさしたように。

家から乗り出してわずか15メートルばかりで、目の前にオレンジの棒が差し出されたのである。それが何なのかを理解するのにいかばかりの時間が必要だった。
逃げたい。逃げ出したいと思った。事実私はUターンしようとしたのである。
おまわりさんに「お家に帰ります」位のことを言ったと思う。15メートル戻れば我が家だったから。

ほろのかかった車に乗せられて調書がとられた。体中が震えが止まらなかった。
最後にサインをしてと言われた時「書けません」といったら「なぜだ」と強く言われた「震えて書けません」に穏やかな声になった。

その時、二度とバイクには乗らないし、免許も取らないと言ったら、おまわりさんが免許は取りなさい。そうでないと無免許をするからと言ってくれたが、その時はとてもそんな状態ではなかった。

非日常に陥った時すごい恐怖とそこから逃げ出したいと人間は思うものだと知った。だから日頃から子供に教えるべきと、恥ずかしい経験とともに話している。



                     美恵子

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