塚田盛彦のつれづれなるままにサッカー

世界中で親しまれているサッカー。このサッカーをフィルターとして、人間社会の構造に迫っていきたいと思います。

名門クラブの持つ気風(2)

2010-01-28 00:41:20 | 日記
 将来を嘱望された若手が中堅クラブから名門クラブへと移籍し、名門の気風に磨かれて名門に相応しい品格を備えるようになった例は幾つもあります。
 その一方で最初に入団したクラブがその国を代表するクラブであり、新人の時から現在に至るまで、選手自身がクラブと表裏一体になっているケースもあります。

 一例を挙げますと
 インテルとサネッティ。ユヴェントスとデル・ピエロ。そしてレアルとラウールがそうですね。

 彼らの共通事項と言えば、クラブの在籍年数が2桁に登る事、キャプテンとしてクラブのまとめ役であることが思い浮かびます。でもそれ以上に注目すべき点は、彼らがラフプレイで対戦相手にケガを負わせる、審判の判定に納得できず暴言を吐く、自身に対する批判記事を書いた記者を罵るといった、粗暴な態度を見せないことでしょう。
  
 本当は彼らだって怒り心頭に達するような、そんな境地の時だってあるでしょうし、敗戦に打ちのめされ、ファンや記者の問いかけに答えたくないと思う時だってあるはずです。
 
 でも彼らはそんな態度は取りませんね。どうしてでしょうか?

 もちろんキャプテンとしての立場もあると思います。勝利でも敗北でも指揮官とキャプテンは試合の内容について、記者からの質問に答えなくてはいけません。
 そして何より彼らは選手ならば誰もが羨むような、世界的名門の一員です。自分たちの述べた一言が、自分のクラブに不利益になる可能性があることを、彼らは体の芯から理解しているわけです。ですから記者からの心無い質問にも、時にはユーモアを交えて、時には皮肉を含みながらも真摯に答えているというわけです。

 どんなに選手として優れた技術を持っていても、人柄や人間性が備わっていなければ名門クラブでの活躍は見込めません。今僕が挙げた3人の選手は、人間性も実力も兼ね備えた稀有な存在といっていいでしょう。

 でも彼らだって最初から品格が備わっていたわけではありません。先輩や関係者の立ち居振る舞いや、メディアへの答弁など自分で学習しながら、時には指導を受けながら自分の人間性を磨いていったわけです。

 名門には名手を超名手に、粗野な選手を品格ある選手に成長させる土壌があると僕はいつも想っています。もしかしたその土壌こそが、タイトルの数以上に選手を惹き付ける要素なのかもしれません。
 
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