goo blog サービス終了のお知らせ 

癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

一日も早く被災した人たちを助けてほしい

2011-05-29 07:45:19 | 原発事故
福島に仲のいい友だちがいる。
原発の事故の後一時避難していたが
その後福島に戻っている。

彼女からメールが来るたびに
原発から出ている放射能に対して
すごく不安を感じていることがひしひしと伝わってくる。
今福島で生活している人たちはみんな同じだと思う。
それでも全国的に景気も悪く他の土地で仕事を探して
一から出直すという選択をするのは容易ではない。
簡単に生活の場を捨てることはできないのだ。

奥さんとこどもだけ避難させる人も増えてきているらしい。
このブログでもずっと書いて来たが
原発の事故がまったく終息しておらず
今後の見通しも分からない現状では
最低限できることはまずこどもや若年層の被爆を防ぐこと
それしかないのだ。
けれどもこどもを守ろうとすれば
家族が別々に暮らさなければならないという
とんでもなく理不尽な状況になる。

何一つ前進しないうちにこうして
二次被害は静かに確実に増えていっている。
震災後全国の人たちが何とか被災者を助けたいという
善意で募金した1500億を超える義捐金も
まだほとんど被災者の元には届いてはいない。

自分が長い間そういう生活をしてきたから心配するのだが
被災した人や風評被害で生計が立てられなくなった人の中には
蓄えもなくて今日明日生活するお金にも困る
というような人もいるのではないか。
今日の暮らしにも困るというようなギリギリの状況は
ひどく人の心を蝕んでいく。
(社員の退職金や年金カットの話に「彼らにも退職後の生活が
ある」と言い放ち自らも退職金を貰えるうちにと
さっさと辞任を決めた東電の社長や天下りの顧問の人たちには
自分たち以外の人間の痛みや苦しみなど何一つ見えてはいない
としか思えない。しかもこういうまさに自分たちの利得だけ
しか頭にない人たちが原子力という人間の英知を超える
パワーを持つものをあやつっているかと思うと背筋が寒くなる)

何一つ解決の方向に向かっていないのに
政治家たちはまた政局だと騒ぎ始めた。
長い間政権の座にあって原発を推進してきた自民党も公明党も
それに正面きって異を唱えたわけでない民主党も連帯責任で
当分の間政局は棚上げにして全員で
何か一つでも前進するように行動するのが筋というものだろう。

福島の友人は「これでまた自民党とかなったら
また一からやり直し。それよりもまだ二ヶ月やってきた
民主党で少しづつでも前進するほうがまし」と語った。
事実例えば今回の地震からの流れで例えば自民党が与党だったとしても
もともと原発を推進してきた人たちなのだから
(それなのに政治家が原子力や放射能のことについては
まったくのど素人でしかも何の勉強もしてこなかったことも露呈した)
経過はほぼ同じだったはずだ。
決して民主党がいいと思っているわけではない。
けれども現地の人たちの状況はとにかくひっ迫しているのだ。

国会での総理が何か言ったとか言わないとかいうような的外れな論戦も
この状況で内閣不信任案とかいう危機感の無さも
被災地の人たちだけでなく普通の人間の神経をも逆なでする。
たとえ仮設がある程度できたとしても
東北の冬を仮設で過ごすのは難しいということだ。
これでまた政権が変わり組織の作り直しなんてことから
始めるような話にでもなって
放射能の被害が更に拡大し、生活に困窮する人が増え
病気、あるいは死者が出たりしたら
これはもう政治による犯罪であり殺人だというほかはない。



「ネットワークでつくる放射能汚染地図」の再放送

2011-05-25 22:28:52 | 社会・生活
先日NHK教育テレビで放送された
「ネットワークでつくる放射能汚染地図」が
5月28日(土)午後3時から再放送されます。
番組の内容を以下にコピーします。

「ETV特集では1954年のビキニ事件以来放射線観測の
第一線に立ち続けてきた元理化学研究所の岡野眞治博
士の全面的な協力のもと、元独立行政法人労働安全衛生
総合研究所の研究官・木村真三博士、京都大学、広島大学
長崎大学の放射線観測、放射線医学を専門とする科学者
達のネットワークと連係し、震災の3日後から放射能
の測定を始め汚染地図を作成してきた。観測チームは
周辺地域の土壌、植物、空気中の粒子を採取し放射線
量を計測する一方、岡野博士が開発した計測機を自動
車に搭載して、福島県内の道路2000キロを走破した。
この計測器はビデオで撮った現場映像とともにGPS情報
放射線量、放射性核種のスペクトルを、同時記録してゆく
ことができる世界唯一の機器であり、チェルノブイ
リ事故での計測により国際的な評価を得ている」

避難区域を示すあの同心円は実はあれだけでは不完全
なのだということや、なぜ原発から300キロも離れた
地域のお茶の葉から放射能が検出されたのかというような
ことを理解するためにとても役に立つと思う。
更に体感できない放射能の拡散の仕組みを知ることで
被爆を避け続けることの大切さを知ることもできる
ものと思う。

国はあてにはならない

2011-05-22 13:16:25 | 社会・生活
5/15 共同通信の記事によれば

「メルトダウン(全炉心溶融)が判明した福島第1原発1号機で
東京電力は15日、地震から約5時間後の3月11日午後7時半
には燃料の損傷が始まり、16時間後の翌12日午前6時50分
ごろには大部分の燃料が原炉圧力容器の底に溶け落ちていたとの
暫定評価を発表した」

原子力保安院が発表している原発の状況では3/11 16:36 に
非常用炉心冷却装置が注水不能になったとある。それから3時間後に
燃料の損傷が始まったわけだ。この数日3/12の海水注入を管さんが
止めたとか止めないとか、それに関連して原子力安全委員長が「自
分は再臨界なんて言ってない」と激怒したとか、的外れな話ばかり
がニュースで流れる。

まず問題の一つは12日の早朝に1号機がメルトダウンしたという
ことを東電の関係者や政府がいつ把握したのかだろう。2ヶ月経っ
てからなどという話なら全国にある原発を即刻停止してもらいたい
と思う。保安院の報告には10条通報、15条事象という文言があ
るから少なくとも冷却不能の状態に陥っていることは11日の内には
政府や東電は分かっていて12日午前中には燃料損傷の恐れがある
という発表をした。さらに11日の夜には1号機の建屋内で高濃度の
放射能が確認されて、圧力容器や格納容器が破損している可能性が
大きいことも予想はできたはずだ。なぜ国民は何も知らされなかったか。

電源を喪失して計器類も使えず東電がその後の状況を把握できなかった
ということも言い訳のひとつではあるだろう。基本的に理系の人という
のは事実と認識できること以外は話せないところがある。憶測や推測
に意味を感じない実証主義で、推測で言ったことが事実と違った時に
非難されるのが嫌なのだろう。

しかし原子力に関することは、国民の生命や健康や生活や財産に直接
関係する重大な事柄なのだ。最悪を想定し被害を回避するのは当然な
のではないか。原子力行政に関わるたくさんの機関や組織やそこで仕
事をしている専門家たちが誰一人そんな風に考えていないのだとした
らやはりすべての原発は即刻止めるべきだと思う。

数日前東電の副社長の会見を見ていて、この期に及んでもなお地震で
原発の設備が壊れたことをあまりおおっぴらにしたくない。できれば
あくまで想定外の津波で冷却機能が喪失したことが今回の事故の主要因
と印象づけたいという感じが見うけられた。そのあたりには前に書いた
原発を売りたい国(日本も含めてアメリカやフランスや韓国など)に
とって「原発は壊れる。原発は危険」という印象はもたれたくないのだ。
ただ容器が壊れているのでなければ注水した水があんなにじゃんじゃん
建屋の中にもれてくるのはおかしいと、そろそろ小学生でも気がつくように
なっている。

今さら前のことを蒸し返してもと感じる人は多いかもしれない。しかし
原発事故はまったく終息はしていない。専門家の中には水蒸気爆発の可
能性を示唆する人もいる。今度また何か起こった時に政府や保安院が
今までとうって変わってちゃんとやるなんて到底思えない。繰り返すが
とにかく大人の何倍も放射能の影響を受けやすい子どもや若年層の被爆
には常に留意してほしい。

一説によると50を過ぎれば放射線の影響はかなり
少なくなるらしい。年を取ったら放射能にでも勝てるってことは
人間は意外と凄いのかもしれないとこのところ
妙な感心の仕方をしている。

水素爆発と水蒸気爆発・緊迫する3号機の状況

2011-05-18 08:19:38 | 社会・生活
原発の事故が起こってからたびたび出てきた言葉に
「水素爆発」と「水蒸気爆発」というのがある。
政府(東電と保安院も含む)は今までに起こった全ての爆発が
水素爆発だと発表した。前に水素爆発を調べて、燃料を覆っている
ジルコニウムという金属が溶けて水と反応し水素が発生して
爆発したというメカニズムは何となく理解できたが
実は圧力容器の中で発生した水素が何故建屋の中にたまって
爆発したのか、水素はどこから建屋にもれたかは未だによく理解できていない。

更に水蒸気爆発。ただ何となく水蒸気爆発は水素爆発に比べて
何倍も危険なものだというイメージはあっても
具体的な意味や水蒸気爆発のメカニズムがわからずにいた。
そしたら小出先生の発言まとめサイトに
音楽プロデューサー小林武史さんとの対談があってその中で
こう説明されていた。

「炉心と言われている部分の燃料棒は4メートルあります。
例えば1号炉について言うと、東京電力は昨日の段階で70%
損傷していると発表していました。燃料棒がずらっと並んで
いる構造なので、上の方はボロボロになって下の方に崩れ落
ちていくという、そういう状態だと思うんです。それから炉
心部というところにウランの大部分は残っている状態で、一
部が溶け始めているといわれている。ここで冷却に失敗して
全体が溶けてしまえば、溶けて落ちる、いわゆるメルトダウ
ンということになってしまうんですね。その時に炉心はどこ
にあるのかというと原子炉圧力容器という巨大な圧力釜があ
るのですがそのなかに入っているんですね。厚さが16cmくら
いの鋼鉄の容器ですけれども。炉心がもし溶けて落ちるとき
に、圧力容器の底に水が残っているとすると水の上に溶けた
溶融体が落ちていくということになる。そういう時に水蒸気
爆発が起きるんです。そうすると圧力容器が壊れると私は思
っていますし、圧力容器のすぐ外側には放射性物質を閉じ込
める最後の擁壁である格納容器というのがあるのですが、そ
れは比較的ペラペラの容器ですのでそれも壊れると思います」

これは4月28日の記事なのでメルトダウンは起こってないと
いう前提で対話されている。しかしここで示唆されているのは
メルトダウンが起これば水蒸気爆発は起こりうるということだ。
この数日政府は1号機から3号機の全てでメルトダウンが起きた
可能性があると発表した。それなら3月の12日から15日の
間に1号機から4号機で立て続けに起こった爆発は全て本当に
水素爆発だったのか。特に15日に各地で高い放射能が計測
されたことや、最終的にレベル7と認定するに至った何万テラ
という単位の大量の放射能は、いつどこから何故放出されたのか。

今朝これを書いたあとに3号機で注水した水が十分に燃料に
届いてない可能性があると報じられた。3号機では先日から
炉内の温度が上昇する状態が続いていて「この状態が続いた
場合、燃料が発する高熱によって、圧力容器の底が抜ける可
能性がある深刻な事態」になっているという。
地震後にメルトダウンや水素爆発が起こった時期は、風が
太平洋の方向に吹いていたことが、大量の放射性物質の、
陸地への拡散を回避できたのだという。ただ風はいつも
海へ向かって吹くわけではない。重大な危機はまだ続いて
いて予断を許さない状況は変わっていないと思う。

重大なことを政府が直ちに国民に伝えるわけではないことが
はっきり分かった以上、原発からの距離に関わらず乳幼児や子ども、
妊娠中の女性はできる限り被爆を防ぐ努力を続けてほしいし
それ以外の人も拡散予測や風の向きに留意して雨に濡れないなどの
被爆を避ける注意を続けていってほしいと思う。


*一部分を抜粋しましたがこのサイトでリンクしている小出先生の
発言まとめサイトの小林氏との対談では原発事故のことが
丁寧に解説されています。ぜひ一読してください
また福島原発の現状のサイトの保安院発表のデータは
信憑性に疑問があると感じました。拡散予測などは
海外のデータも確認していただけるようにお願いします。

本当のことが分からない怖さ

2011-05-17 08:15:19 | 社会・生活
福島原発1号機で地震の当日にメルトダウンが起こり
燃料の大半が溶融していたことがわかった。
これに関連する共同通信の記事

「東京電力福島第1原発1号機の原子炉建屋内で東日本大震災発生
当日の3月11日夜、毎時300ミリシーベルト相当の高い放射線
量が検出されていたことが14日、東電関係者への取材で分かった。
高い線量は原子炉の燃料の放射性物質が大量に漏れていたためとみ
られる。

 1号機では、津波による電源喪失によって冷却ができなくなり、原
子炉圧力容器から高濃度の放射性物質を含む蒸気が漏れたとされてい
たが、原子炉内の圧力が高まって配管などが破損したと仮定するには
あまりに短時間で建屋内に充満したことになる
東電関係者は「地震の揺れで圧力容器や配管に損傷があったかもしれ
ない」と、津波より前に重要設備が被害を受けていた可能性を認めた。

関係者によると、3月11日夜、1号機の状態を確認するため作業員
が原子炉建屋に入ったところ、線量計のアラームが数秒で鳴った。建
屋内には高線量の蒸気が充満していたとみられ、作業員は退避。線量計
の数値から放射線量は毎時300ミリシーベルト程度だったと推定さ
れる」

つまり少なくとも東電の関係者は地震の起きた11日の夜には1号機
の圧力容器が損傷している可能性を知っていたということなのか。

このブログでリンクしている「福島原発の現状のデータ」のサイトは
保安院の発表に基づいているが、1号機の原子炉の水位はずっと
1.70メートル(28.3%)露出となっていて昨日も変わっていない。
「全ての燃料が溶けて圧力容器の底にたまっている」と発表があった
のにこれは一体どういうことなのか。

こうしたいろんな疑問について小出先生のサイトに次のような問答
が掲載された。

(リスナーから、今回の1号機のメルトダウン報道に関連し、東電は
地震直後から分かっていて隠してきたのではないかという意見。どうか?)

この事故における東電のデータの出し方には二つの問題。一つは知りなが
ら隠していたこと。二つ目は東電も事態があまりにひどくて知りえないま
まだったことがあること。東電が分かっていて隠していたのか、正確な
データを用いなかったために判断を間違えたか、どちらか。

・(東電も知り得なかったとしたら?)

そちらの方が余計に深刻。どちらも深刻なこと。

・(東電も事態が分かっていなかったとしたら、お手上げ状態というこ
とではないか?)

そうだ。専門家にとっては信頼できるデータがすべてであり、命だ。
1号機の水位について東電は燃料棒上端から1700ミリとずっと言
い続けており、それに基づいて私は分析してきた。そしてこれまでの
推測はそれに基づいたものだった。それが今回、全部露出していたと
言い出した。

・圧力容器の底に穴があいていると思う。溶けた燃料がそこから格
納容器に落ちているはず。東電が今言っている、水位がとても低く
て燃料がすべて露出していたということ自体も、信用していいのか
どうか分からない。

・(細野さんは2号機、3号機もメルトダウンしている可能性を前
提に工程表を見直すとしているが?)

当然だ。2号機も3号機も溶け落ちている可能性はあると思う。

・(3月11日に観測された放射線量から爆発の可能性は判断でき
なかったか?)

当時1時間あたり300ミリシーベルトという情報もあったと聞く。
そのような数字が出ていたのであれば、水素爆発の予想はできたはず。
それは周辺住民に言わなければいわなかった。私も含め、そういうデ
ータを知らなかったため、爆発の様子を見て驚愕した。本来であれば
データを時々刻々提供しなければいけなかった。

・(これを隠さずに出していれば、逃げるべき人たちが逃げられた?)

そうだ。

・(情報の出し方に大きな原因があった?)

先ほど言った一つ目の隠すという方の典型だ。

この小出先生の分析でほぼ正しいのではないかと思う。東電も
政府も、原発の事故に様々な思惑をからめて、それらを国民の
安全より何より優先させたということなのだろう。
それにしても公表されているデータの適当さは一体どういうこと
か。保安院は「東電が言ったんだから」と責任を転嫁し、東電は
そもそも「自分たちは国策に基づいて国の言った通りにやってきた
んだ」と責任逃れをし、最後の負担は結局税金や電気料の形で
国民が負担することになるのだろう。どうせリスクを負わなければ
ならないのなら命のリスクまで背負わされる原発はいらないんじゃ
ないかと心から思ってしまう。

薬害エイズ、B型肝炎、ギャンブル依存症、どれも自分たちの
利権を最優先し、問題が起こっても責任を取らない。非を認めない。
そういう人たちが社会の上にいて、こういう事態に対しても
「すぐにどうこうというわけじゃないんだから、なんか問題が出た
時だけやっておけばいいんじゃないの」
そんな感じで子どもたちの被爆も、現場で作業をしている人たちの
安全管理も、原発で被害を受けた人たちへの保障も、まさにその場
しのぎの対応に終始し、今後さらに重大な事象が起きた時の被害や
様々な形での二次被害を拡大させ続けていくのではないかととても
危惧している。




 

福島原発3号機続報

2011-05-10 15:39:06 | 原発事故
昨日のブログで紹介した小出裕章先生の
発言をまとめてあるブログ(ブックマークに追加)で
8日未明の3号機の黒煙について言及されているので
転載します。()内は質問者の発言だが途中中断があったらしい。

(3号機の温度が上昇している。これは何か?東電は原因不明
としている。先日夜中に煙が上がった。)【音声中断】

333度ということだが、通常運転中も二百何十度にしかな
らない。300度以上は異常。温度は発熱と除熱のバランス
で決まる。これまで何とか維持してきた温度が上がっている
のは異常なことが起きているということ。水が入っていない
可能性もある。東電はそう推測している。が、333度は尋
常でない。たとえば原子力学会が推測するように、溶けたウ
ランが圧力容器の底にきているとしたら、その部分の温度が
上がるというのは考えられる。

また昨日から疑問に思っていた建屋の二重扉開放に伴う
5億ベクレルの放射性物質の放出についても同ブログに
質疑が掲載された。

(福島第一原発1号機で建屋の二重扉を開け、それにより5
億ベクレルの放射性物質を含む空気が大気に放出されたこと
について、東電は環境への影響は少ないと言っているが?)

放射能はどんな意味でも危険。だから5億ベクレルの放出も
当然危険。ただ、これまでに放出された放射性物質の単位は
兆でも京でもなく、その何十倍、何百倍の何十京、何百京と
いうもの。だから、今回の5億ベクレルだけを取り上げて危
険だというような事態ではない。既にとてつもない量が出て
いる。今回も危険であることは確かだが、今回だけを問題と
するようなことではない。

(二重扉を開放する際に、事後ではなく事前に十分な通知を
すべきでは?)

今回は、既にものすごい量の放出があり、周辺住民も既に
避難させられている。だから、今回の放出については事前
に発表したところで意味がないような状態にすでに至って
しまっている。

またジャーナリストの木下黄太氏が3号機の黒煙についての
小出裕章氏のコメントをブログに掲載されていて

「深夜に大量に水蒸気が上がっていた事から始まり、
ここ数日3号機のいろんな部分が温度上昇を続けている事。
注水量を増やしても、止められていない事は間違いなく、
このままの状況が一両日続くと、シビアな局面も想定さ
れる事態になっています。とにかく、3号機はもともと
爆発の状況からも、最も破損がひどいと考えるほうが、
ごく自然な見方であって、一ヶ月以上、外部から大きな
変化が見えない事が、安心材料になっていました。今回
そうした安心材料が消えて、突然温度上昇が始まってい
ることは、懸念するしかありません。何か事が起こるの
かどうかを、事前に予知できませんが、数値を毎日、
チェックし続ける事と、周辺のモニタリングポストや個
人のガイガーカウンターの中継、緊急のニュースが流れ
るかどうかなどの情報を、精査し続けるしかないと思います」
とのこと。

またこのところ1号機の環境に前進が見られるという報道
ばかりが流れているがこの点についても木下氏は

僕の友人の技術者は「3号機の解はまだないから、リスク
の高い3号機よりも、可能性がある1号機から作業を始め
るのは技術屋の常道。ただし、1号機が終わるまで、3号
機が持つ担保をどう見るのかは、難しいね。ただ、3号機
から手をつけて、いきなり詰んだらそこで「終了」だから。
そうするよりは、先が見える可能性がある1号機から着手
したい。ゴールデンウィーク明けから、本格作業の流れじ
ゃないと現場のモチベーションもあがんないだろうし」
と話されたという。
ただこの時期に避難区域への一時帰宅の日程が組まれた
ことについては「1号機は、扉を開ける時間が夜になり
ましたので、周辺のモニタリングポストは、深夜早朝か
ら注意を継続するしかないと思います。GWへの影響は
遅れたため結果的に少なくなりましたが、周辺のエリア
の一時帰宅の日程を前にして、この状況が展開するスケ
ジュールの感覚はある意味、僕には、すごい感じさえし
ています。何が大切のでしょうか」と述べられている。

福島の原発は1号機から4号機まで現段階では最悪を
回避している状態で、状況が改善されてきているわけではない。
しかしマスコミは原発関連のニュースを次第にほんの一部分しか
報道しなくなってきている。それでみんなが「もう大丈夫なのだ」
と錯覚するのはとても恐ろしいことだ。
それでなくても原発に関することは問題が多岐に渡りすぎて
報道されていないことが実はたくさんあると思うのだが、
時間が経つにつれて当事者以外の人たちの感覚が
「ああ、また原発か」くらいに軽く聞き流すようになって
いきそうなのを深く危惧している。







福島原発 3号機で爆発?黒煙

2011-05-09 13:23:08 | 社会・生活
昨日福島にいる友人からメールが来て
8日の未明に原発の3号機から黒煙があがったとのこと。
さっそくネットで見てみると
確かに爆発と思われる画像がいくつかあった。

これ以前に<3号機の圧力容器温度が大幅上昇 底に燃料落下?>
というニュースがあってそれによると

「福島第1原発3号機で、燃料を入れた原子炉圧力容器の温度が
大幅な上昇傾向を示し、8日には容器上部で206度に達した。
東京電力は、差し迫った危険はないとの見方だが「燃料が崩れて
(圧力容器の)底に落ちた可能性も否定できない」として、温度
の監視を強め原因を分析している。

4月末、圧力容器上部の温度は80度台で推移。多少の上下はあ
るが比較的安定していた。 5月に入り上昇傾向が顕著になった
ため、東電は4日、圧力容器への注水量を毎時7トンから9ト
ンに増やした。 しかし上昇は収まらず、5日朝には144度に。
さらに7日夜には202度に跳ね上がり、その後も“高止まり”
の状況だ。圧力容器下部の温度も上昇傾向を示している。

東電は既に、3号機の燃料は約30%損傷したとの推定を示して
いるが、ここにきて燃料が圧力容器の底に落下したとすれば、
過熱が進み、溶融が再度起きた可能性がある」

もともとレベル7と認定されるほどの大量の放射性物質の放出が
いつどこで何故起こったのかというのは
ど素人の私がずっと疑問に思っていたことだった。
3/12 1号機原子炉建屋で水素爆発
3/14 3号機原子炉建屋で水素爆発
3/15 2号機で爆発音。この後3号機付近で400ミリシーベルト
    /毎時という高い放射線量が計測されている。
   2号機圧力抑制プールが損傷。4号機でも爆発


地震のあと電源喪失によってほとんど全てのデータが計測不能に陥って
いた。もとより人間は近づけないから、原子炉建屋の中で何が起こった
のか分からずに次々に爆発が続いていた。この時期には何も分からない
まま被爆した人がかなりいたという声も専門家の中からは出ている。

今はある程度計器類も回復しているはずだ。昨夜の爆発は本当に重大
な事故ではないのか。スピーディーの時にも言ったが、一般の人たちの
被爆を少しでも防ぐために、迅速で正確な情報を公開してほしい。













小佐古敏荘教授の辞任

2011-05-04 08:18:13 | 社会・生活
4月29日、東京大学大学院教授の小佐古敏荘氏が
4月30日付で内閣官房参与を辞任する意向を表明した。小佐古氏は
チェルノブイリ原発事故の研究家としても国際的に認知されている方で
3月16日に原子力災害の収束に向けた問題に関して、菅直人首相を
補佐するために内閣官房参与に任命された。

小佐古氏の辞任の大きな理由は、原発事故への政府の対応に対する抗議で
ある。同時に辞任の理由が文書で公表された。少し長いが一部を下記に
引用する。

「この1ケ月半、様々な「提言」をしてまいりましたが、その中でも、とりわけ
思いますのは、 「原子力災害対策も他の災害対策と同様に、原子力災害対策
に関連する法律や原子力防災指針、原子力防災マニュアルにその手順、対策
が定められており、それに則って進めるのが基本だ」ということです。
しかしながら、今回の原子力災害に対して、官邸および行政機関は、そのこ
とを軽視して、その場かぎりで「臨機応変な対応」を行い、事態収束を遅らせ
ているように見えます。
 とりわけ原子力安全委員会は、原子力災害対策において、技術的な指導・
助言の中核をなすべき組織ですが、法に基づく手順遂行、放射線防護の基
本に基づく判断に随分欠けた所があるよう見受けました。例えば、住民の
放射線被ばく線量(既に被ばくしたもの、これから被曝すると予測される
もの)は、緊急時迅速放射能予測ネットワークシステム(SPEEDI)によりな
されるべきものでありますが、それが法令等に定められている手順どお
りに運用されていない。法令、指針等には放射能放出の線源項の決定が
困難であることを前提にした定めがあるが、この手順はとられず、その
計算結果は使用できる環境下にありながらきちんと活用されなかった。
また、公衆の被ばくの状沢もSPEEDIにより迅速に評価できるようになっ
ているが、その結果も迅速に公表されていない」
                     (引用ここまで)

TVでは小佐古教授の涙ながらの会見の模様が報道された。

これに先立って国際放射線防護委員会(ICRP)が、3月21日
に緊急的に日本人の、一般人の年間被ばく限度を20~100ミ
リシーベルトの範囲に引き上げるよう勧告を出したという経緯がある。
ICRPの勧告では原発事故が収束したとしても、原発周辺地域
に汚染が残るという分析から地域住民がふるさとを捨てず、住み
続けることができるよう、線量限度を20~1ミリシーベルトの
範囲で設定し、長期的に1ミリシーベルトを目標とすることを提案した。
これを受けて政府がこの数値を乳児、幼児、児童にもあてはめて
拡大解釈したことを小佐古氏は「とうてい容認できるものではない」
と厳しく非難しておられた。

すでに緊急時ということで原発での作業に従事する人たちの規定値も
大幅に引き上げられている。規制を緩和しなければ作業がすすまない
からであり、それではいつまでたっても終息が見込めないからだ。
一般の人の被爆量にしても、福島県内は事故後だいたい線量が
2~3マイクロシーベルト/時で推移しているので単純な積算
(一日24時間屋外にいたとしての計算)では線量は
一年で17ミリシーベルトに達してしまう。福島県民がすべて県外に
避難することは現実的に困難だし、子どもだけ避難させることも無理が
ある。そこで規定値のほうを大幅に引き上げることになってものと思う。
政府はICRPのお墨付きがあるから後々責任を負わなくていい。
そういう図式なのだろうと思う。しかし平常時が年間1ミリシーベルトと
いう規制値をいきなり20倍までO.Kにして、1~2週間ならともかく
長期にわたってこどもにまで適用することの異常さを小佐古氏は
国民に訴えられたのだと思う。


それでなくても関係者が繰り返す「直ちに」という言葉が、すべての
責任の免罪符になっている感がある。「十年後、二十年後は知らないよ。
でもいますぐ死んだりはしないから」ということなのだろう。

前からこのブログで書いているSPEEDI(スピーディー)については昨日
改めてニュースでも報じられ、やっと公開もされたらしい。
ギャンブル依存症の問題を通じて、この国の上の人間たちは実は
国民のことなんか真剣に考えてはいないんだと鬱病の妄想を書き続けて
きたが、今回の原発事故とその後の経緯は、もしかしたらそれは妄想
ではないのかもしれないと今ぼんやりと思い始めている。



石原知事の発言

2011-05-01 07:56:39 | 依存症
先日の都知事選で圧勝した石原慎太郎氏
自分の思うところをストレートに発言するので
何かと物議をかもすことも多くどうもワンマン体質ならではの
失敗もあるがそれでも知事選で大勝した。

選挙終盤の9日まで震災対応の公務を優先していた
石原氏が初の街頭演説で自販機とパチンコ業界の消費電力に触れ
さらに10日夜の当選後も、各社のインタビューで熱弁を振るった。

それによれば自販機とパチンコの両業界で年間の電力消費が
それぞれ450万キロワットで、合わせて1000万キロワット近い
電力が浪費されていると強調。これは、福島第1原発とほぼ同
じ電力消費だとした。そして、国は、オイルショック時に出
したように、節電のための政令を出せばよいとまで言い切った。
業界はこの数値は間違っていると反論。

しかし東電管内にあるパチンコ店4000店の2009年度における
ピーク時の消費電力は84万キロワット。仮に各店舗の営業時
間が10~23時として、消費電力を84万キロワットとすれば、
1日1092万キロワット時となる。ちなみに東京ドームでナイ
ターが開催された場合、1日の電力量は4万5000キロワット時
(東京ドーム広報IR室)ということなので、どれだけ大きな
電力が消費されているかがわかる。東電管内だけでそうなの
だから全国となるとこれはもう天文学的な数字?
確かにそこをスルーして製造業や流通や、野球界など他の
業界に自粛自粛というのはとんでもなく変な片手落ちの話だ。

さらに25日に東京都の公式ウェブサイトに掲載されたビデオ
メッセージでも約6分30秒にわたって節電の重要性を強調。
韓国では一時導入されて人気になったが「これは人間を怠惰にして
人生を狂わせるということで、当局が乗り出して全廃された」
という点にも言及した。

韓国でパチンコが禁止され店舗も撤去されたことについては
前にも書いたが、メデイアはこの点についてはほとんど触れない。
それは新聞やテレビが業界からの多額の広告収入に頼っている
からだし、それ以外のお金も当然動いているのだろう。

もし地震が起こらなければおそらく総理の問責辞任問題にまで
発展していたであろう外国人からの献金問題。献金していた
人物は横浜市の地元でパチンコや不動産など幅広く事業を展
開していたと週間朝日は報じた。菅首相は日本人だと思って
いたと弁明した。
基本民主党は激しくそっち寄りだとは思っていたが「パチンコ議連」
に名前のなかった管さんなんかももらってたってことはもうずぶずぶ
どろどろ?

そんな中電力不足、節電とのからみで石原知事が業界への規制
を強化すべくがんばってくれることはとても心強い。色々あって
も石原さんを支持してくれた東京都民の英断にも感謝したい。

400万人もの依存症を生み出して、誰もこの問題を正面きって
論じようとしなかったことのほうが異常なのだ。石原さんは過激
な発言で非難攻撃されることも多いが、自分たちの利得と保身の
みに染まった政治家や官僚の中で、人間としてしごくまっとうな
ことを言われることも多い。

ただあの業界は、今の社会の中で攻撃することがタブーにされている
いくつかの中のひとつで、そこをつつくと必ずやった人のスキャンダル
なんかが公表されてやぶへびにもなり兼ねない。おそろしいことだが
世の中はそういう風になっている。どうか知事自身の身辺の諸事を
もう一度洗いなおして、返り討ちにあったりしないように十分気を
つけてもらいたいと思う。