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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

ネットとの上手な付き合い方を知ることの大切さ(1)

2014-04-30 07:45:45 | ネット依存症

このところ検査やら何やらでばたばたしていたのですが、その間 ヤフーの
ニュースで見かけたネット依存に関するニュースを紹介します。

まずは「女性自身」からの記事の要約で <ネット依存症広がるなか…「子供のIT断食」成功の掟6>

ネット依存の相談に取り組んでおられる成城墨岡クリニック・墨岡孝院長によれば 「当院では、
6年間でネット依存症の患者数が3倍以上に。最年少では10歳の患者もおり 低年齢化が進んでい
ます」ということだ。  

子供に広がるIT依存について、このブログでもリンクをしているエンジェルアイズの 代表者で
ネット依存アドバイザーの遠藤美季さんによると 「顔が見えない分、悪口も言いやすいため、
いじめの温床になりやすい。ネットの書き 込みでは饒舌なのに対面では話せなかったり、マ
ナーがわからない子も増えています」  

そこでこのお二人の話をもとに、家庭でもできる“子供のIT断食”成功の掟をまとめた。

【1】親がまずネットをやめる
「ネット依存に陥っている子供は、親も依存傾向にあるケースが少なくありません。母親
に話しかけても、スマホに夢中で『あとにして』と言われると、子供は自分よりスマホを
優先されたと傷つきます」(遠藤さん)

【2】ネット依存のデメリット(視力低下、学力低下など)を書き込んだカードを作る
 成城墨岡クリニックではカウンセリングでネットの弊害や、やめることのメリット を話
し合ったうえでカードに記載し、本人に持たせる。「これによって問題を『見える 化』し
意識づけをすることが目的です」(墨岡先生)

【3】1日のネットの使用
 時間を表にして見せる 。 こちらも、依存度合いを「見える化」するための作業。本人
が面倒がる場合は、親も 一緒にやってあげよう。

【4】1日のネット使用時間は2時間以内を目標に

断食と言っても、ゼロにする必要はない。
墨岡先生によれば、1日のネット利用時間の 目安は2時間以下という。「昨年文科省がお
こなった学力調査では、まったくネットを 利用しない子供より、1時間以下の利用をして
いる子供のほうが、正解率が高くなる傾 向も。適度な利用は好影響ももたらします」(遠藤さん)

【5】ネット以外のことを、家族で一緒にする時間をつくる  

ネットにハマる子供たちは、ほかの過ごし方を知らない場合も少なくない。「トラン プや
ウノなど、みんなで遊べるアナログなゲームは会話も生まれるのでおすすめ」(遠藤さん)

【6】いきなりネットを取り上げたり、強く叱ったりしない

「ネット依存はほかの依存症と同じです。いきなり取り上げると、無気力になったり、暴力
をふるうなど最悪のケースに」(墨岡先生) 親の小言はIT断食の大敵。しかしいっぽうで、し
っかり会話することが依存予防につながることもある。

「ネット依存の背景には、常に誰かとつながっていないと不安になる『きずな依存』や、
生活の目標がないために動画やブログを見続けて好奇心を満たす『コンテンツ接触依存』
が隠れています。子供の声に耳を傾け、将来の夢などを話し合うことで、子供もネットへ
の逃避を防ぎましょう」(墨岡先生)   <要約はここまで>

この記事を読んでいると大切なことがいくつか見えてきます。 まず今の時点では、専門家の
方も「依存症」という表現を極力使わないようにされている 点です。前にも書きましたが、
長い時間ネットをやっているから即依存症というわけではなく 依存している対象が何である
かによって依存の性格も変わってきます。ネット依存症の定義は、まだ専門家の間でも確立
されているわけではないのだと思います。

この6項目はあくまでもひとつの目安であって、もとよりこれを一度に全部実行しなければ
いけないというようなものではなく、特に(6)の保護者の高圧的な行為や強制については
専門家の方も、繰り返しやってはいけないこととして注意をうながされています。

 すでにそういう取り組みも始まっているようですが、比較的年齢の低い子どもさんの場合
(小学生とか中学なら1年生くらいまででしょうか)こどもとコミュニケーションが取れて
例えば夜何時以降から翌朝までは親に携帯を預けておくというようなことができるならば
それほど神経質になることはないような気がします。ただし子どもが納得していないのに
それを無理強いするようなことはやはり避けるべきだと思います。あくまでも話し合う
ことが基本で、それも親の意見を主張するのではなく、子どもが正直な気持ちを話して
くれるのが理想ですが、これもまた理想どおりにはいきません。これは親子に限らず
夫婦でも、ペットとの関係でも、気持ちが通じ合うようになるために必要なのは
やはり忍耐と寛容、これにつきるのではないかと私は痛感しています。

ネット依存の問題は、他の依存症のようにネットをやめればよいという単純な話ではありま
せん。昨日も試験的に授業でタブレット端末を導入しているという高校のニュースが報じら
れ 国立大学では授業を受けるのに、マイPCを持つことが義務づけられたというように すで
に社会はITなしでは勉強することもできないようになってきています。
そういう 中で、子どもたちや若者がネット依存に陥ることなく、どれだけ上手にネットと
付き合っていけるかという方法を見つけることが、直近の 最大の課題になっているのだと
思います。(4)で「IT断食といってもゼロにする必要 はない、適度な利用は好影響をもたら
す」と、一見矛盾するように思える指摘が あるのはつまりそういうことなのです。


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乳癌の告知(その2)

2014-04-28 08:46:42 | 癌のこと

このブログを書き始めたのは2008年のG.Wの頃でした。
それから山あり谷ありで、そろそろ7年目に入ります。
初めはダンナのギャンブル癖と繰り返す借金に疲れ果てて
「王様の耳はロバの耳」ではないけれど どこにも吐き出しようのない気持ちを吐き出す場所として
ブログを書いていました。

ダンナの借金 を司法書士さんにお願いして任意整理をしてもらい完済できたのが2年前。
その間ずっと考え続けたのが、ギャンブル依存症はこれほど深刻な問題なのに
なぜほとんど有効な 対策がこうじられておらず、広く知られてもいないのかという疑問と怒りでした。

 それで個人の力でできることはほんのわずかですが、最近2年ほどは、
家族のギャンブルの問題で 苦しんでおられる方や
ギャンブル以外でもアルコールや最近ではネットなど様々な依存症のことで
悩んでおられる方のために、少しでも具体的に役に立つ情報を
発信できるようなブログにしよう と心がけてきました。

そして先日私自身のことで、癌を告知されるという大きな変化がありました。
 紹介を受けた総 合病院で、MRIやらCTやらフルコースの検査を受けて
先週の金曜日に家族と一緒に検査の結果を聞 きにいきました。

 左腋のリンパ節とあとは肝臓にそれらしき転移がパラパラ。
癌のステージとしてはⅣ、いちおう末期ということになります。
 ただ腫瘍マーカーの値は正常値であるとか、 患部以外の部分は
健康なので生活は普通にしていいとか、なかなか微妙な判定ではありました。

 現時点では手術はできない、まずは患部を小さくし、転移を防ぐためにと
お医者さんが強く勧められた、というかそれ以外には選択肢がないという風に
言われた効ガン剤治療(それも体が健康な 今のうちに強力なやつをというの
にはちょっとビビりました)については家族全員が反対ということで意見が一致しているので
そこはホッとしています。

 治療が効果をあげる確率はおおよそ30%程度。10人のうち3人のほうに入るか、
ダメな7人のほうに入るかは「やってみなければ分からない」のだということは
説明してくれたのが まだ若い女の先生だったので、漠然とではあるけれど認めていました。
 家族に対しても、とても心 配してくれる友人や職場の人に対しても、こうなるまで放置した
ことについてはまさに土下座でもして謝るしかありません。

 正直に言えば私が積極的な癌治療をしないという選択をしようとしている根底には
依存症の問題や 震災や原発事故を通じて感じ続けた、今の社会を動かしている上層部の人たちに
対する強い不信感や 怒りがあることも事実です。けれどそれが一番大きな動機というわけではありません。

 幸い私の乳癌は患部以外の他の部分はわりに普通です。

超のつく肉体労働だった仕事を辞めてからは体もずいぶん楽になったし、

特に辛い症状も今のところはありません。

ならばその健康な部分を 大切にして、自分がやろうとしていることや

やりたいことをやりながら今日一日を有意義に過ごし ていきたい。

 前にも書きましたが、依存者の家族との生活は、本当に「今日がなにごともなく 平穏に終わった」
という、そういう毎日の積み重ねでした。一年後、三年後、あるいは五年後 を想定することはできません。
それは依存者本人も同じで、今日一日ギャンブルをせず、平穏に 心身ともに健康に過ごせたことが
すなわち回復なのです。

 それで私なりにいろいろ考えた結果改めてこのブログのタイトルを「癌と生きる依存症と生きる」 にしました。
心ある方からは「そんなヤなものとばっかり生きないで、ほらもっとおいしいものを 食べるとか
おしゃれをするとか、楽しい生き方が他にいくらでもあるじゃない」と諭されそうですが
こればかりは持って生まれた自分の性癖というか何というか。

「癌を告知された」と話した時にダンナは最初「自分の責任だ」と言っていましたが 私としては
こうして自分が考えてみてもどうなるものでもないようなことをいっぱい抱え込んで ああでもない
こうでもないとあれこれ考えるせいでいつも頭の中が重たい、それも原因の一 つかなと思えるので
ダンナに責任転嫁をするつもりはありません。

 

 

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乳癌の告知(その1)

2014-04-20 08:08:28 | 癌のこと
先月の中旬に乳癌を告知されました。
長い間ダンナのギャンブル依存症に悩まされ、7年前に病気のことを知って
同時に司法書士さんにお願いして債務整理をし、2年前にその返済も終わって、
今後に向けて少しづつ生活を立て直しはじめたその矢先。

 今年の正月に読んだ高村薫さんの「冷血」の中の「巷には、俗に言う『ツキ
のない人生というやつがごろごろしているが、ここまで絵に描いたように不運
が続く男はほんとうに珍しかった」という一文が思わずフラッシュバックして
しまいました。

 その「絵に描いたように不運が続く男」戸田吉生は、クリスマスの前夜に歯
科医師宅に押し入り、幼い子供を含めた一家四人を惨殺した犯人のひとり。子
どもの頃から歯が悪く、長じて犯罪者となってからも、刑務所と歯医者通いを
反復する人生。
 殺人で逮捕されてからも、事情聴取よりまずは歯科の治療という状態だった
戸田に、追い打ちをかけるように歯肉癌が見つかったというくだりでした。
まったくこのブログを読まれている方からは「えっ、ネタじゃないの?」と思
われそうな展開になってしまいましたが事実です。

 左胸にかなり大きな腫瘍があるのに気づいたのは昨年の五月。「あれ、これ
は何?」とは思いましたが、たぶん子どもにおっぱいをやっていた時にかかっ
た乳腺炎の名残が、更年期になって慢性化したんだろうと思って、取り合えず
湿布をして放置してました。

 が、その内に表面が破れて何だかすごいことになってきました。さすがに
「ばい菌でも入ったら」と不安になって病院にいったら、いきなりの癌告知。
「左の乳癌で腋のリンパ節に転移。手術はできない」とのこと。
 実は私はそもそも「癌」というのは、体の奥深くにこそっと出来ていて、
精密検査みたいなことをしない限りみつからないものだと確信していたので、
乳癌に半年以上せっせとサロンシップを貼っていたバカ女ということになり
ます。

 その初診の日、エコーとマンモと生検というのをやって支払いが2万円。
「来週MRIを」と言われたので「それ、幾らですか?」と聞いたら「3万円
くらい」と言われて愕然としました。
「次の検査は月末にお給料が出てからではだめですか?」と言ったら、医師
は信じられないという表情で「経済的に厳しいなら生活保護ということも考
えたら」みたいなことを言いました。
 私としてはこの一連のやり取りにもの凄く違和感がありました。
 その日もし食事をしてなかったら、いやおうなくMRIまでやらされていた
はずで「何?この前のめりな感じは」と思いました。しかも数分前に癌を告
知した人間に「生活保護」という言葉を発する無神経が信じられなかったの
です。

 ダンナは普通に働いていますから治療のために保護を受けるとなれば、離
婚するか、ダンナが仕事を辞めて無職になるかというような話なわけです。
目の前にいるのは、家族もあって生活もある心と体を持った一人の人間なの
です。それを無視した「まずは治療ありき」の医師のこの姿勢は、普通の人
間の常識ではあり得ないと思えてしまったわけです。

 結局経済的な問題なども相談に乗ってもらえるという総合病院に紹介して
もらうという選択をして紹介状を書いてもらい、医師の苦虫を噛み潰したよ
うな顔をものともせず、そこを受診するのは次の給料が出てからという希望
を押し通して初診を受けたその病院とは縁を切りました。

 次の受診までには半月近く間があるので、いつものことながら癌という病
気についてや、治療法についてなどを主にネットでざっくりと調べました。
まず癌という病気自体が、個人の細胞もっと言えば遺伝子というレベルの、
とても個体差の大きな病気なのではないのかということです。

 病気の原因となるものも特定されているわけではなく、私のように進行
していれば、これなら大丈夫という確定した治療方法があるわけでもない。
 というより、すでに治癒という次元はとっくに超えて、延命をどうする
というレベルなのです。そしてどういう治療を選択してもすべてケースバ
イケースで、まさにやってみなければ分らないのだという当たりまではな
んとなく理解できました。

 そこで現在の癌治療は主に手術や抗ガン剤、放射線によって癌細胞にダ
メージをあたえ、他の臓器への転移や再発を防ぐことで、病気の広がりを抑
えるという治療方法なのだと思います。けれど癌の細胞にダメージを与える
ほどの治療は、当然健康な細胞にも影響を及ぼすはずです。つまり治療のメ
リットとデメリットは、私のような進行癌の場合はハーフハーフ、これまた
やってみなければ分からないわけです。

 だからこそ、有名人の人で、手術にしろ治療にしろ、最高水準の治療を
受けたはずの方が術後数ヶ月、あるいは一年未満で亡くなるというような
事例が起こるのだと思いました。

 そうこうする内に吉野実香さんという方の「癌と闘わずに。。」という
ブログに出会いました。吉野さんは乳癌を治療せず、すでに余命宣告され
た期間も過ぎておられますがとても自然体で、やさしいご主人とお子さんと、
3匹の猫ちゃんたちと、毎日を楽しく充実した時間を過ごしておられる。
 
 その感じが今の自分の思いに一番ぴったりきました。いろいろ見たり聞
いたりしても、私には医学的な難しい理屈はわかりません。でも同じ時間
とエネルギーを使うのであれば、それは癌という病気と、勝敗の分からない
闘いをやるよりも、自分がやりたいこと、やろうと思っていることのため
に使いたいたいとすんなりとそう思えました。

 けれどこの決断と結果はあくまでも自己責任です。それであとあと死ぬ
ほど苦しまないという保障は、これまたどこにもありません。
 自分ではそれを納得できても、たとえば家族に、同僚に、あるいは親し
い友人に何をどう伝えるかが悩ましいところではありました。(続く)

第1回ステップセミナーに参加して

2014-04-13 08:21:56 | 依存症
前のブログでご紹介をしたジャパンマック福岡の、第1回ステップセミナーに
参加しました。以前GA(ギャンブラーズ・アノニマス)に参加した時には年配の男性が十人ほど
で、回復者の女性がひとりという少人数で、福岡のような規模の都市でこれだけかという思いが
あったのですが、今回は100人くらい収容できる講堂が満席で、補助椅子を入れるほどの
盛況でした。参加者も、男性女性、20代の若者から上は70代、80代と幅広く、医療関係者
と思われる方の参加や、かなり遠方から来られてる方もおられるようでした。

ステップセミナーというのは、現在AA(アルコール・アノニマス)やGA、あるいはNA(ナルコテ
ィクス・アノニマス:薬物依存者の自助グループ)で回復するための原理として用いられている
12ステッププログラムを実践し、回復を続けている当事者の方たちの体験を発表するものです。
なので、アルコール依存、ギャンブル依存、薬物依存といった様々な依存に苦しみ、最終的に
ジャパンマックのような回復施設や、GA、AA,、NAといった回復者同士の自助グループにたどり
ついた色んな方のお話を聴くことができました。

ほとんどの方が、自分が依存症になった経緯や、依存した動機、依存症になったことで何が起き
たかについて話をされました。ひとりひとりの話がとても内容が濃く、聞いていて胸が痛くなる
ようなものでした。それでも、それぞれが自分の辛い過去を自分なりに振り返り、自分自身の
言葉であれほど大勢の人の前で話す、その行動そのものが、回復のひとつの形なのだという
ことは理解できたような気がします。

多くの方が、依存症に陥った精神的な理由として<生き辛さ>をあげておられました。自分を
取り巻くさまざまな人間関係(親子とか友人とか同僚など)がうまく構築できない。周囲と
コミュニケーションを取ることが苦手。ストレスをうまく解消できないなどで、こうした
ことの背景には、本人の家族関係や生育暦などのたくさんの原因があると思います。

しかしこのセミナーを通して私が感じた一番大きなことは「自分は回復することができるのだ
という希望を持つことの大切さ」でした。私は結構ひねくれた人間なので、今まで「希望」
という言葉の持つどこかあいまいな感じが好きではありませんでした。けれど「依存」という
抗いがたい欲求に逆らい、依存しないで生きるというかなり難しい生き方を実現するには
目標とか目的とかいう現実的な感覚ではなくて、もっと大きなものを心の中心にドカン
とすえることが大事で、それが「希望」かなと思ったわけです。

そしてその希望を実現するために、セミナーでは発表者の方たちから、とてもよい言葉が
たくさん提示されました。
たとえば「自分に正直になること」「自分が心から信頼できる人に自分の本当の思いを
聞いてもらうこと」「自分を好きになること」そして「仲間や友人の大切さ」などです。
しかし彼等がそうした思いを持つようになるまでの道のりは決して平坦なものではありま
せんでした。もともと自分をさらけだすことも、他人を受け入れることも苦手だからこそ
依存症になってしまったということがあるので、人に自分の考えていることを正直に
話して、同じ依存症に悩む仲間の話をどんな偏見も持たずに受け入れて、お互いの思いを
自分の思いとして分かち合う、そのひとつひとつのプロセスが、ものすごく大変だった
だろうことは想像にかたくありません。さらには回復に取り組むようになってからも、
度重なる挫折があり葛藤があって、それでもお互いに支えあうことで回復するための道
を一歩ずつ歩く。
依存するものが何であれ、依存者同士のコミュニティーとしての自助グループが
どうして回復のための大きな力になることができるのかがやっと少しだけ理解できました。

「言いっ放し」で「聞きっ放し」。特に誰かのアドバイスがあるわけでもなく、ただ何となく
皆で自分の話をするだけ。これに何の意味があるのか、これでどうすれば依存症がよくなる
というのかという違和感を感じた方は、体験者の中にも多かったようです。けれども仲間
とのそうしたミーティングを重ねる中で、自分のことを他人に相談することができなかった人が
悩みを人に話すことができるようになる。たとえスリップしてアルコールやギャンブルを
やってしまっても、それを責められるのではなく、また一から回復をやり直そうと
仲間に温かく声をかけてもらえる。自分の居場所があるというその安心感が
生き直そう、依存しない人生を生きようという思いにつながるのだろうなとも感じました。

うちのダンナは今でもGAに行ったこともないし、依存の問題に関しては目をそむけている
ように感じます。現実問題として、ギャンブルに費やすようなお金はないので6年くらい
前からギャンブルは止まっているという言葉は嘘ではないのかもしれません。しかし
依存の対象がお酒とかネットとかに移行しているのではないかという漠然とした危惧
はあります。それでも私がブログを書いたり、今回セミナーに参加したりして感じたこと
を話すと「前は自分にあてつけられているように感じていたが、今はそういう風には
思っていない」とコメントしていました。そして私や子供たちのことを気づかうといった
人間性の部分では、ギャンブルと借金を重ねていた頃からすると、全然良くなっている
普通になってきているとは思えます。けれどこれが本当の意味での回復なのかどうかは
未だ未知数ではあるのです。そして最近、私自身のことで大きな変化がありました。
このことについてはまた次回、稿を改めて書こうと思います。

明日ジャパンマック福岡第1回ステップセミナーが開催されます

2014-04-05 14:56:49 | 依存症
先日このブログでも紹介したジャパンマック福岡の、第一回ステップセミナーが
明日開催されます。

このセミナーの概要をパンフレットから転載します。

日時   平成26年4月6日(日曜日)/10時~16時(開場9時半)

場所   あいれふ 10階講堂 福岡市中央区舞鶴2-5-1 ※会場は飲食禁止です

       ●高速道路:福岡高速1号線天神北出口近く
       ●福岡市営地下鉄空港線「赤坂駅」より徒歩4分


ゲストスピーカー 荒木 弘幸氏
        (千鳥橋病院・医療ソーシャルワーカー)

         山本 晋一氏
        (アルコール依存症回復者・みのわマック元所長)
       
        上記2名の講演および、依存症の回復体験談


対象  依存症に関心・興味のある方ならどなたでも(予約はいりません。参加費無料)

問い合わせ:ジャパンマック福岡 TEL:092-292-0182 FAX:092-292-0183

主催:ジャパンマック福岡 

後援:福岡市精神保健福祉センター、福岡市社会福祉協議会、医療法人社団飯盛会倉光病院


昨年10月に開設したジャパンマック福岡も半年を迎えることができました。こ
れもひとえに皆様のご支援・ご協力のたまものと思っております。アルコール依存
症者に限らず、さまざまな依存症者が12ステップを活用したマックプログラムに
より回復を目指し、本人、家族、職員が一体となり取り組んでいます。
 依存症の問題は、アルコール、ギャンブルから買い物、ゲーム、インターネットとい
うように、さまざまな分野で顕在化しています。
 今般、ジャパンマック福岡では依存症からの回復体験講演会として、本人そして
医療からの回復のメッセージをお届けするためにステップセミナーを開催致します。
依存症ご本人はもちろんのこと、ご家族、関係機関などからもご参加いただきます
ようご案内致します。皆様のご参加を心よりお待ちしています。(転載ここまで)

おりしも昨日福岡市が「飲酒運転撲滅条例」を制定してから二年ということで
長年福岡市でアルコール依存症の治療に携わっておられる雁の巣病院の先生が
インタビューに応じておられました。
市では飲酒運転で逮捕された人に対して、こうした医療機関を受診して治療を
受けるように勧告しているとのことですが、受診する人はほとんどおらず、再犯の
場合でも半分も治療にとりかかっていないのが現状です。前に書いた知人のご主人の
場合も、飲酒運転で事故を起こしたにもかかわらず、現在はまた事故を起こした時と
まったく同じ状態(昼間から飲酒)に戻っています。家族が怒ると一時的に禁酒します
が、一週間もするともとに戻るのの繰り返しです。

「やめることはできるがやめ続けることができない」それが依存症です。そして
アルコール、ギャンブル、薬物(問題になっている脱法ハーブなども)ネット
と、今や依存症は決して特別なものではなく、私たちのすぐ身近にいくらでもある
病気になっているのです。本人や家族が病気であることを認識し、それがどういう
病気なのかを理解して、正しい方法で回復に向かう努力をすることが何よりも
大切です。どうかこのような機会を通じて、依存症というものを少しでも理解して
いただけたらと、心から思います。