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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

被爆を避けることの大切さ 2

2011-03-29 10:17:22 | 社会・生活
昨日に続き原子力資料室の情報を転載します。(以下引用)

被ばくを避けるためには、距離をとること、時間を短くすること、
呼吸や食べ物から取り込まないことなどが必要だ。距離をとると
言っても、誰もが避難できるわけでもない。
 また、環境の放射線が高くなりつつある中で、被ばくを避ける
ためにどうしたらよいのか、多くの人が直面している深刻な問題
だ。ここでは、無用な被ばくを少しでも避けるための自衛の方法
を具体的に考えてみたい。先に「放射線被ばくを考える」で自衛
のための被ばくの計算方法をお伝えした。これも参考にしてほしい。

①各都道府県が環境放射線のモニタリングデータを公表している。
これによって自分の住んでいる地域の大まかな環境放射線量を知る
ことができる。モニタリングの位置、福島原発と自分との距離など
を知るとよい。放射能は、一般には風下に薄まりながら広がっていく。

②天気予報を見る。天気と同時に風向きや風速を知るようにしよう。
海の方へ向って吹いていれば、放射能は飛んでこないと考えてよい。
一日中同じ風向きという状態はないが、主たる風向きを知ることは
大切だ。風速を知るのは、福島原発で再び火災が起きたり、爆発が
起きたりした時に、どれくらいの時間で到達するかを知ることがで
きる。

③雨に当たることを極力避けるようにしたい。雨が予想されるとき
には、降る前に予め買い物などを済ませておくとよい。どうしても
外出する必要があるときには、フード付きの服、マスク、傘などで
当たらないようにする。環境放射線の高い地域では、ゴミ袋を履い
て、両足をくるむようにするのもよい方法だと思う。

④晴れた日でも環境放射線が高い地域は、買い物など時間を短くし
て、マスクやフード付きの服を着ていくとよいだろう。

⑤帰宅したら外出に使用したコートやズボンを玄関の所定位置に掛
けておき、なるべく部屋に持ち込まないようにする。
                  (引用ここまで)

放射線は(放射能物質も)目には見えない。ある種のウイルスの
ように触れたからといってすぐに体に激しい症状が出るものでも
ない。直ちに影響の出ない、明確に因果関係が立証しにくいものに
ついて、政治がどれほど冷淡でいい加減かは私自身ギャンブル依存
症の問題に直面して思い知ったし、古くは水俣病やカネミ油症、さ
らに薬害エイズやB型肝炎の問題も根っこは同じ。
素人考えではあるが、放射能の人体への影響にしても過去にたくさん
の人が被害を受けた先例は原爆とチェルノブイリの事故くらいしかない。
ということは実はまだはっきり分かっていないことのほうが
多いのではないか。

前にも書いたが、今回の原発事故、最初は放射線(ミリシーベルトや
マイクロシーベルト)が洩れているという話から始まって、現在は
その放射線を出す放射性物質そのもの(ベクレル)が漏れ出している
事態になっている。さらにその放射性物質も、放射性ヨウ素、セシウム
から今日は更に毒性の強いプルトニウムへと刻一刻報道の内容が変わ
って明らかに事態はどんどん悪くなっている。報道される放射性物質の
種類や量がどうであれ今放射能物質が拡散しているという状況は変わ
っていないわけで、プルトニウムは重くて風で飛ばないからとか
言ってるような場合でもない。
そういう状況なのだから、私たち一般の人間の側で一番大事なこと
は被爆を防ぐために自衛を続けることだ。食品から取り込むのも
呼吸して吸い込むのも理屈は同じ。

ちなみに大気中に放射性ヨウ素が4200ベクレル/㎥の空気を
24時間吸い続けるとヨウ素剤を飲むための基準100ミリシー
ベルトに達する。TVで専門家の人が半減期がどうだとかいう
これまた普通の人間にはすぐには理解しづらい話をして「大丈夫」
みたいに言うけれどとにかくみんなが少しでも被爆しない努力を
継続する。それを呼びかけることは基本の基本ではないのだろうか。



被爆を避けることの大切さ

2011-03-28 09:28:43 | 社会・生活
放射線や放射能物質の拡散について
政府や東京電力からは新事実が連日報道されている。
平常なら一つでも重大ニュースになるような事象が
怒涛のように報道されていて
内容も一般人には簡単には理解できない数字や単位が並び
しかも報道の最後は必ず「直ちに影響はない」で締めくくられる。

新しいニュースが出るたびに
ガソリンや灯油、水などの買いだめが起こるのは
みんなが次々に出てくる情報にどう対応していいか分からず
取りあえず場当たり的に反応していることの現われだろう。
政府や東電は「隠蔽した」という非難を避けるために
断片的な放射能拡散の情報を流し
でもパニックが起こると困るので
「直ちに影響はない」と結論づけている。

このところTVでも原子力の問題について
用語や数値、現状を分析解説するような番組が増えた。
ただいずれも結論の部分は上の意向を受けてか
「大したことはない」的なまとめ方で終るのは同じだ。

そんな状況の中で前に書いた原子力情報室のサイトで
専門家による原発の現状を分析し
どう対応すればいいかの情報が更新されているので
参考にしていただければと思う。
断片的な情報に振り回されず
今何に注意することが大切かという参考にしてほしい。
正直「直ちに影響はない」はあまり当てにはならない。
まずは原発からの距離がとか法線斜線量がというより
みんながとにかく被爆を避ける取り組みをすることが
最優先なのだと思う。

(以下同サイトより引用)

被ばく線量の推定には、本来ならどのような放射能がどれだけ放出された
のかという基礎的なデータが必要だが、これが公開されていない。そこで
今の段階では、かなり粗いものであっても、各個人が自分の被ばくを推測
して、判断する目安を得ることは有益だろう。

①単純に被ばくを計算する

例えば、住んでいる地域で20マイクロシーベルト/時の線量が測定された
と仮定しよう。この線量の状態が続くと仮定して、時間を掛けると、と
りあえず被ばく線量が出てくる。24時間では480マイクロシーベルトと
なる(20×24=480)

②内部被ばくを計算しよう

人間は呼吸をしているのだから放射能を体内に取り込む。この線量を計
算することは難しいが無視することはできない。初めに書いたようにど
の放射能がどれくらい出ているか分からないからだ。ここでは大まかに
2倍とする。そうすると、24時間で960マイクロシーベルトとなる
(480×2=960)

③乳幼児や子供は放射線への感受性が高い

乳幼児や子供、成長期の若者は放射線への感受性が高いと考えられている。
ここでは2倍とする(ヨウ素131では10倍になるとの評価もある)。

乳幼児や子供は、24時間で1,920マイクロシーベルトとなる(960×2=1920)。

④被ばくの影響を考えよう

専門家がいう「直ちに人体に影響を与える量」とは急性障害を与える量250
ミリシーベルト(250,000マイクロシーベルト)のことを意味しているよう
だ。あるいは、人によっては100ミリシーベル トの被ばくのことを意味して
いるように思われる。これを基準に考えることは高い被ばくを容認すること
になる。

微量な被ばくでも発がんのリスクを高める。発がんのリスクは被ばくの量に
応じて高くなる。例えば、国際放射線防護委員会は1ミリシーベル トの被ば
くで、将来10,000人に1人のガン発生が考えられるとしている。この評価に
は、倍くらい厳しく見るべ きとの意見もあり、その場合5,000人に1人となる。

⑤被ばくは極力避ける方が望ましい。が、少しの被ばくで大慌てする必要もない。

被ばくを低く抑えるには、①離れる、②時間を短くする、③身に付かない
(吸入しない)ようにすることが原則。モニターの値が高い時にはできる
だけ外出を控える、外出は短くする、マスクなどで防護する、などの対策
が考えられる。屋内は屋外に比べて、被ばくは2~3倍くらい少なくなる。

モニターの数値は首相官邸「平成23年東北地方太平洋沖地震への対応」で
得ることができる。

http://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/jisin/20110311miyagi/index.html

(引用ここまで)

放射線量の計算については前に書いたので間違ってはいないようだ。
ただ数値は風向きによって大きく変動するので一時間あるいは
24時間ずっと同じ線量を浴び続けることは現実には少ないと思う。
これはある地域で観測された線量も同じで、前日高くて翌日は低い
場合に当然風の影響があり、数値が下がったからといって放射線が無く
なったということにはならない。事故が一定の終息をみない限り放射線
の影響があることを念頭に、極力被爆を避ける努力を持続的に続けて
いくことが大切なのだと思う。更にここには書いてないが(TVでは
言っていた)妊婦さんや妊娠の可能性のある女性についても、乳幼児
や子どもと同じように普通の大人よりもより被爆を避けるように注意
したほうがよいと思う。


福島原発の建屋の爆発について

2011-03-23 10:46:51 | 原発事故
話があっちに飛びこっちに飛びで申し訳ありません。
今回の原発事故では原子炉の格納容器の建屋の爆発が相次いだ。

爆発の映像と骨組みが露出して
素人目には完全に崩壊して見える建屋の映像は
あれで格納容器が大丈夫だと言われても
とても信じる気持ちにはならない。
チェルノブイリの原発事故は炉心が溶融して爆発した。
そのイメージがあるからよけいだ。
第一水素が爆発したんだと言われても
建屋の中になぜ爆発するような水素があるのか
そのメカニズムがさっぱり分からないから
その時点ですでに全部が吹っ飛んで
実はじゃんじゃん放射能が洩れているのではと
考えている人がかなりたくさんいるのではないかと思う。

それで爆発のことを説明している所はないかと
探していたら「原子力情報室」というサイトで
2011/3/17開催した緊急院内集会『福島原発の現状をどう見るか』
という講演の動画があった。

http://www.ustream.tv/recorded/13371747

専門家の話だから私のような無知な人間には一度には
理解できない。少しづつまとめていくことにする。

すでに報道されているように
地震と津波で原発は核燃料に水を入れ冷却する装置の全てが
非常用も含めて全ての電源が使えなくなったことで停止した。

冷却機能が失われたことで燃料が格納容器の中で高温の熱を出し
すでに入っている水が蒸発して水位が下がった。
燃料はジルコニウムと呼ばれる細い管に入っていて
この管が水面に出ることでその管の表面の金属が溶けて
その溶けた物質と水蒸気が反応して水素が発生して爆発した
とこういうことであるらしい。

だから爆発自体は核爆発を起こした(?)
チェルノブイリの場合とは何となく違うということは
かろうじて理解できた。
ただメカニズムが分かったことと格納容器が本当に
無事だったのかは別の問題で
爆発時やその後の格納容器の状態などの中の様子は
まったく分かっていなかった。
昨日からやっと電源が復旧して
どこがどうなっているのかが少しづつ分かってくるのは
これからのことになるのだろう。
放射性物質がどこからどんな状態で洩れているのかも。

今回の事故の経緯は専門的な内容が多過ぎて
私のような普通のおばさんには
簡単には理解できない。
もう少し丁寧な説明がなければ
ただ映像や断片的な情報を発信するだけでは
みんなの「こわい、こわい」という心理的なパニック状態を加速させ
風評被害や誤解を助長するだけになってしまう。

発表の仕方や報道の仕方を
たくさんの人が理解できるように工夫してほしい。
特に専門的な知識を持っている人たちは
いつも同じ紋切り型の説明を繰り返すのではなくて
何をどう説明すればより多くの人たちに
正確に理解してもらえるかを考えてほしい。

*このブログでは色々調べていくうちにわかったこともあって
以前に書いたところも後から訂正したり加筆したりしています。
どうかご了承ください。また明らかに間違っている点などあり
ましたらご指摘いただけるとありがたいです。
ちなみに今日の記事の中では管の金属の
ジルコニウムという物質が水蒸気と反応して水素が出るという
ことなのかというところがよく分かりませんでした。










食品と放射性物質

2011-03-21 16:16:18 | 社会・生活
食品や水から放射能物質が出たというニュースについて。

今まではマイクロシーベルトとかミリシーベルトと報道されていた
単位がベクレルになったり放射性の物質に汚染されている
食品は出荷停止の措置になったり。

原子力のことに疎い人間にとっては
何が危険なのかますます分からなくなってくる。
そこで初歩の初歩から分からないところを調べることにした。

まずは放射能について。

放射性物質:放射線を出している物質
放射線:高エネルギーを持った粒子
放射能:放射線を出す性質、或いはその強さ

現在は一般的な認識として、放射性物質=放射能とされることが多い。
 ちなみに「放射線漏れ」は放射性物質そのものは閉じ込められている
ので、距離を置けば安全だが「放射能漏れ」は放射性物質が放出されて
いるので、風に乗って放射性物質が飛んできたり、あまつさえ体内に入
ったりするのは大変危険。

次に放射能の単位について
 
放射性物質が、どのくらいの放射線を出しているのか、
人体にどのくらいの放射線が当たっているのかを計測した量の単位と
その意味(単位は国際単位系で、カッコ内は旧単位系)

ベクレル[Bq](キュリー[Ci]:1Ci=3.7×1010Bq)
 放射能を表す単位。1Bqは、1秒間に1個の原子核が崩壊し、放射線
を放出している事を表す。

シーベルト[Sv](レム[rem]:1rem=0.01Sv)
 放射能物質から出る放射線の線量
 人間が放射線を浴びた時、どれだけの影響を受けるかを表した単位

  
「原子力を知ろう」というサイトの内容を参考にさせてもらった。

  www4.ocn.ne.jp/~tishiki/genshiryoku2.html

また以下は放射性物質と食品についてのQ&A

Q 放射性物質で汚染された食品を食べるとどうなるの?

A ヨウ素は甲状腺に取りこまれる性質があり、大量摂取は甲状
腺がんのリスクを高める。だが半減期(放射線量が半分になる時
期)は8日と短い。東京大付属病院の中川恵一准教授は「ヨウ素
は1カ月で16分の1に減り、3カ月もするとほぼゼロになる」
という。一方、放射性セシウムは半減期が30年と長い。環境へ
の長期の影響が心配されるが、「体内では排尿などで放出される
ので、100日程度で半分になる」(中川准教授)とい

Q 「ベクレル」って「シーベルト」との違いは?
A ベクレルは放射線を出す強さの単位で、体への影響を見
見るにはシーベルトに換算する必要がある。1キログラムあ
たり1万5020ベクレルのヨウ素が検出されたホウレンソ
ウを食べたときの影響は0.33ミリシーベルト。日本人の
1日の平均摂取量は約15グラムなので、実際の影響は0.
0049ミリシーベルト(4・9マイクロシーベルト)になる。
 
日本人は普段も摂取した魚や野菜などから年間0.3ミリシ
ーベルトを受けている。関澤純・元徳島大教授によると、ホ
ウレンソウは洗ったり、ゆでたりすれば放射性物質はかなり
減る。牛乳は「最も汚染されたもの(福島県の約1500ベ
クレル)でも、数回飲むくらいなら自然被ばくの10分の1
以下で、飲み続けなければ大丈夫」という。

Q 水道水は飲んでいいの?
A 水1リットル(1キログラム)当たりの摂取制限の指標は
ヨウ素で300ベクレル、セシウムで200ベクレル。福島県
内では17日、一時的に308ベクレルのヨウ素が検出された。
厚労省は指標を超えた場合、飲用は控えたほうがいいものの、
風呂や手洗いなどには問題ないとしている。飲用水がなければ
飲んでも差し支えないとの見解も示している。

Q 雨が降ってきたら?
A 文部科学省は全国の都道府県などに対し、地上に落ちたち
りや雨に含まれる放射能を調査し、可能な限り毎日、報告する
よう求めている。20日発表されたデータでは栃木や群馬、埼
玉などの都県で微量な放射性ヨウ素などが検出されているが、
雨にぬれても健康に影響はないと考えていいレベルだ。ただし
田中俊一・元原子力委員会委員長代理は「このまま大気中の放
射性物質濃度が高い状態が数カ月続くと、健康への影響が心配
になってくる」と話す。
 
できる限り被ばくを抑えたい人は(1)外出は雨がやんでからにする
(2)髪や皮膚がぬれないようにする(3)気になる場合は、流水で
洗うことを心がけたい

◇原発周辺住民向けの被ばく医療健康相談ホットライン(文部科学省)
 090・5582・3521
 090・4836・9386
 080・2078・3308
 090・7408・1074
 090・8591・0735
 080・2078・3307
 (午前10時~午後9時) 

つまり今までは事故現場から拡散する放射線の線量が報道されていたが
今回の野菜や牛乳水から検出されたのは放射性物質。
放射性物質が拡散している理由や経過については
まだよくわからないのでちゃんと調べてから
改めて書きます。
ちなみに上にコピーしたQ&Aのコメントは
政府の発表の「食べても直ちに人体への影響はない」という
コメントと連動しているような感じもするので
これが100%正しいという確信はない。
ベクレルをシーベルトに換算できる資料として読んでください。 

放射能の量について 2

2011-03-20 10:05:45 | 社会・生活
前のブログに書いた文科省発表の数値で
こんな続報が出た。(ソースは時事通信)

文部科学省は16日、福島県内各地で測定した放射線量を発表した。
福島第1原発から約60キロ北西にある福島県庁付近で同日午前、
1時間当たり18~20マイクロシーベルトを観測した。
 通常の約360~400倍に相当し、24時間屋外にいた場合、一般
の人が1年間に浴びる法律上の線量限度1000マイクロシーベルト
に2日間で達する計算になる。同省は「時間帯や風向きによって
数値が変動する可能性があり、さらに調査の必要がある」として
いる。庁舎内は1.5マイクロシーベルトで、屋外の約8%だった。
 同省は測定車両を用い、午前8時ごろから午後2時ごろにかけ18
カ所を調査した。屋内退避指示が出ている原発から20キロ余り離
れた地点では15日午後9時ごろ、最大で330マイクロシーベルトを
記録したが、16日に同様に20キロ余り離れた地点で観測した値は
10~13マイクロシーベルト。25~30キロ地点は7~80マイクロシ
ーベルト、30~60キロ地点では13~80マイクロシーベルトだった。
                 (引用ここまで)

報道ではしばしば数値が減ったことを強調しているふしがあるが
本当に大事なことはどうやら「風向き」のようだ。

【3月16日 AFP】東北地方太平洋沖地震による東京電力の福島第1原
子力発電所の事故を受け、世界の気象学者たちは放射性物質の拡散
に影響する原発付近の風向きを注視している。

 世界気象機関(World Meteorological Organization、WMO)によ
ると、福島第1原発で爆発が起きた12日と13日の風は、それぞれ北東
と東に向けて吹いていた。原発から太平洋に抜ける方向だ。「この
時の福島県沖の気象状況から判断すると、放射性物質は陸地の方向
には拡散しなかったとみられる」と、WMOの防災プログラムの責任
者は語る。

 米国海洋大気庁のモデリング・プログラムを用いて放射性物質が
飛散する可能性がある地域を予測した米国の気象学者、ジェフ・マ
スターズ氏は、放射性物質のほとんどは日本の東北地方の太平洋岸
にある福島第1原発から東の太平洋方向に拡散し、少なくとも5日間
は太平洋上空を浮遊するとみているが、人体に有害となる放射性物
質が7日間以上も大気中を浮遊し続けて2000マイル(約3200キロ)
を超えて拡散する可能性は、ほぼないだろうとみている。

 一方、フランス気象局予報部門のシリル・オノレ氏はAFPの取材に
「日本は温帯に位置するため、風はおおむね西から東に向かって吹く。
だが、気団(温度や湿度などがほぼ一定の空気のかたまり)や雲は
何かに囲われているわけではないので、乱気流が起きれば垂直方向
にも水平方向にも風の吹く方向に拡散していくだろう」と話し、
放射性物質を含んだ微細なちりが福島第1原発から広範囲に広がる恐
れがあると指摘した。(引用ここまで)

福島在住の友人も「問題は風だ」と話していて、数値の増減も拡散
する地域も常に風向きを考慮することが必要のようだ。
距離や放射能の量に加えて、その日の風向きで風下に位置する地
域では屋外での活動をなるべく控えることが大切と思われる。
更に前のブログでも触れたが風向きによって拡散が予想される
地域では特に妊婦さんや乳幼児は極力外気に触れない注意が必要
で雨や雪に濡れないことも。

風評被害とも言える状況で被災地に物資が届かないなどの問題が
生じているためかひどくあいまいな報道が行われているが
特に重要なことは知識のある専門家が丁寧に説明してほしい。

全てがうやむやなままに「野菜や牛乳から放射能」などという
報道をするとまたそこでみんなが精神的にパニックになって
際限のない疑心暗鬼に陥り、生産地や生産者が困窮するという
二次的、三次的な被害を次々に生み出していくのではないのか。
一般の人の放射能についてのイメージは原爆でありチェルノブイリ
であろう。みんなの心理が狼少年の話のようになっていくのは
とても恐いことだ。「放射能は恐い。被爆すれば死ぬ」と考えている
一般の人たちに、政府もメディアももう少し丁寧に誠実に向き合って
ほしいと心から願う。


放射能の量について

2011-03-16 15:13:27 | 社会・生活
国や東電などの会見で主に福島原発付近の
放射線の数値が報道されているが
専門的な知識のない人間には数字だけ並べられても
どこが危険なのか安全なのか判断がかなり難しい。

それで今報道されている数値やウィキペディアを参考に
普通の人が理解できそうな基準をまとめてみた。

最初はTVでも報道されている放射線量の目安。

<実効線量 内訳(単位はミリシーベルト)>ソースはウィキペディア

0.05 原子力発電所の事業所境界での1年間の線量。

0.1 - 0.3 胸部X線撮影。

1 一般公衆が1年間にさらされてよい放射線の限度

2.4 一年間に自然環境から人が受ける放射線の世界平均。
4 胃のX線撮影。
7 - 20 X線CTによる撮像。
50 放射線業務従事者が1年間にさらされてよい放射線の限度

250 白血球の減少。(一度にまとめて受けた場合、以下同じ)
500 リンパ球の減少。

次に放射線量を表す単位だが
1マイクロシーベルトは1ミリシーベルトの1000分の1

これらを元に今発表されている数値が安全なのかそうでないのか
を理解できるニュースがある。(文部科学省の発表)

16日、福島第1原発から約20キロの距離にあり、住民に屋内
退避指示が出されている福島県浪江町周辺で、1時間当たり195
~330マイクロシーベルトの放射線量を観測したと発表した。
最大で平常値の約6600倍に当たる高い数値で、同省は政府の
災害対策本部に報告した。
24時間屋外にいた場合、13~21日で健康に影響が出る可能
性がある100ミリシーベルト(10万マイクロシーベルト)に
達する。


マイクロシーベルト、ミリシーベルトは毎時の単位なので
24時間屋外にいるという仮定の上でおおまかに計算すると
200マイクロシーベルト×24×21=100800マイクロシーベルト
で発ガン性が増すとされる100ミリシーベルトのラインを約20日
で超えることになる。
一日4時間屋外にいるとすれば
ボーダーラインは120日後(約4ヶ月)ということになる。

これが20マイクロシーベルトだったら300日つまり一年弱
2マイクロシーベルトだったら3000日(8年ちょっと)と
いうことになるだろうか。
夕方官房長官の談話では「ただちに体に影響がでるわけではない」と
「ただちに」という点を強調していたが
この場合の「ただちに」というのは
どのあたりの健康被害を想定しているのだろうか。

放射線の量の人体への影響については
その放射線を浴びている時間や期間との関係を一緒に
考える必要があるということだ。
だから自然環境から一年間で浴びる2・4マイクロシーベルトと
一日で2マイクロシーベルトを浴びるのを
同等に論じて「だから安全です」と結論づけるのは
少しおかしいのではないかと思う。

また発表されている数値は
ある地点でのある時刻のもので風の向きなどによって
常に大きく変動していく。
こうしたことを念等に置いて報道の数字を見ると
自分でもそれが安全なのかどうかとてもおおまかにではあるが
判断できると思う。

(自分で勉強しながらまとめているので
誤りがあるかもしれません。おかしいと思われる
点があればネットの情報などで検証していただければと
思います)



福島の原発事故

2011-03-15 13:28:01 | 社会・生活
今朝のTVを見ると原発事故は
まったく予断を許さない状況が続いています。
またネットでは不確実な情報やいたずらに不安をあおるような
書き込みも見られ混乱しています。

以下にコピーしたのは東電の原発に関する直近の報告で
「東京電力」のHPの原子力情報のサイトでは
地震発生から現在までの報告の全容が見られます。

<福島第一原子力発電所プラント状況等のお知らせ>
(3月14日 午後11時30分現在)
平成23年3月14日
東京電力株式会社
福島第一原子力発電所
福島第一原子力発電所は全号機(1~6号機)停止しております。
1号機(停止中)
・原子炉は停止しておりますが、3月12日午後3時36分頃、直下
型の大きな揺れが発生し、1号機付近で大きな音があり白煙が発
生しました。水素爆発を起こした可能性が考えられますが、現在、
調査中です。

原子炉内に海水を注入しております。

2号機(停止中)
・原子炉は停止しており、原子炉隔離時冷却系による給水を行っ
ていましたが、原子炉隔離時冷却系の停止により、原子炉水位が
低下、原子炉圧力が上昇しました。国の指示により、安全を十分
確認した上で、原子炉格納容器内の圧力を降下させる措置を行っ
たこと、原子炉内に海水を注水したことから、原子炉水位や原子
炉圧力は回復しました。引き続き、原子炉に海水を注入しております。

3号機(停止中)
・原子炉は停止しておりますが、3月14日午前11時1分頃、1号
機同様大きな音とともに白煙が発生したことから、水素爆発を起
こした可能性があり、現在調査中です。
・また、原子炉に海水を注入しておりますが、現在中断しております。

4号機(定期検査で停止中)
・原子炉は停止しており、安全上の問題がない原子炉水位を確保
しております。・現時点において、原子炉格納容器内での冷却材
漏洩はないと考えております。

5号機(定期検査で停止中)
・原子炉は停止しており、安全上の問題がない原子炉水位を確保
しております。・現時点において、原子炉格納容器内での冷却材
漏洩はないと考えております。

6号機(定期検査で停止中)
・原子炉は停止しており、安全上の問題がない原子炉水位を確保
しております。・現時点において、原子炉格納容器内での冷却材
漏洩はないと考えております。

負傷者等
・地震発生当初、発電所構内において協力企業作業員2名に負
傷が発生し、病院に搬送・当社社員1名が左胸を押さえて立て
ない状態であったため、救急車にて病院に搬送・免震重要棟近
傍にいた協力企業作業員1名の意識がないため、救急車で病院
へ搬送・原子炉建屋内で作業していた当社社員1名の線量が
100mSvを超過し、病院へ搬送・当社社員2名が1、2
号機中央制御室での全面マスク着用作業中に不調を訴え、福
島第二原子力発電所の産業医が受診することになり、福島第
二原子力発電所へ搬送・1号機付近で大きな音があり白煙が
発生した際に4名が負傷し、病院へ搬送・3号機付近で大き
な音があり白煙が発生した際に11名が負傷し、福島第二原子
力発電所等へ搬送。・当社社員2名が現場において、所在不明

その他
・現在、1号機の使用済燃料プールに冷却水を確保すること
について、関係各所と調整を進めております。・モニタリン
グカーによる発電所構内(屋外)の放射性物質(ヨウ素等)
の測定値が通常値より上昇しており、以下のとおり、原子力
災害対策特別措置法第15条第1項の規定に基づく特定事象
(敷地境界放射線量異常上昇)が発生したと判断しています。
・3月12日午後4時17分に判断(MP4付近)
・3月13日午前8時56分に判断(MP4付近)
・3月13日午後2時15分に判断(MP4付近)
・3月14日午前3時50分に判断(MP6付近)
・3月14日午前4時15分に判断(MP2付近)(以上、お知らせ済み)
・3月14日午前9時27分に判断(MP3付近)
・3月14日午後9時37分に判断(発電所正門付近)
引き続き、原子力災害対策特別措置法第15条第1項の規定に
基づく特定事象(敷地境界放射線量異常上昇)が発生した場
合、同様にお知らせしてまいります。
・放射性物質放出の恐れがあるため、半径20km以内の地域
住民に対して国から避難指示が出されています。
・安全の確保に向け全力を尽くしてまいるとともに、引き続
き周辺環境のモニタリングを継続・監視してまいります
以 上
(お問い合わせ先)
福島第一原子力発電所
広報部
TEL 0240-32-2101(代)
(引用ここまで)

この後2号炉、4号炉で立て続けに異常がおこり新しい
報告は行われていない。前のブログで東電は信用できない
と書いたが、この資料で分かるのは現場での負傷者など
の情報がTVで発表されているのとかなり違っているの
ではないかということ。それと使用済燃料プールを冷却
できなくなっていることがうかがえるという2点で、今朝の
4号機で起きた火災はこれを裏付けているものと思われる。


行政もメディアも今回の地震の津波の経験を教訓にして
起こりうる最悪の状況を想定して
もっと指示なり対策なりをだしてほしい。
最悪が起こらなくても事前に予防ができるのであれば
誰も怒りはしないのではないか。
放射能の飛散は風の影響なども当然あるわけだから
雨や雪には濡れない、特に乳幼児は放射能に接触しないなどの情報を
該当する地域の想定できる最大範囲も含めて
パニックが起こらないように冷静かつ論理的に
もっとみんなに分かるように出してほしいと思う。

東日本地震

2011-03-14 13:54:09 | 社会・生活
まず初めに今回の東日本地震で
被害に会われたたくさんの皆様に
心からお見舞いを申し上げます。
また亡くなられた皆様のご冥福を
心からお祈りいたします。

地震が起きたことを知ったのは
金曜日仕事中に店のお客さんの話でだった。
帰宅後TVで関東から東北の広い範囲で
巨大な地震が起こりたくさんの方が地震や津波の
被害に会われたとを知った。

TVに繰り返し映し出されるのは
ものすごくたくさんの人が
津波の犠牲になっって命を失った瞬間で
そのあまりにも理不尽で残酷な現実に
激しい無力感に襲われた。

自分が生きて普通に暮らしていることが何か
ひどく不遜なことのように感じてしまい
当分文章を書くなどということが
できないようにも感じた。

私は福島に古くからの友人がいる。
幸い友人とその家族が無事であることが
土曜日の夕方にわかって
全身の力が抜けるほどほっとしたが
彼女は当然のことながら
一連の福島の原発事故と放射能の影響に
強い不安を抱いていた。

この問題に対しての政府や東電の対応は
ネットでもたくさん指摘されているように
あまりにも信頼性にかける。
ずっと依存症問題を考えてきた立場からすると
政府や東電の会見での発言はとても信用できると思えない。

過去に薬害エイズやB型肝炎やギャンブル依存症を生み
それでもあくまでも自分たちの利得や保身を
最優先にする人たちの集団なのだ。
放射線は目に見えるものではなく
素人には簡単には理解できない数値を並べて
「安全だ」「安全だ」と言われても
それを鵜呑みにすることができるわけがない。

これまでも大きな問題は五年十年のタイムラグがあって
その後に具体化している。
だが原発事故による放射能被害となれば
問題は更に深刻かつ重大になる。
私は原子力について専門的な知識は皆無だ。
だから今の段階では正確なことは何も言えないが
ネットで少しづつ信頼の置けそうな情報を集めて
発信していくつもりでいる。

明けない夜はないというけれど

2011-03-07 12:19:52 | 社会・生活
不正な献金の責任を取って
前原外相が辞任というニュースが報じられた。

鳩山さんが辞任した時に
「今度総理が替わったら海外からは
日本はもう国の体をなしていないとみなされる」
と誰かがニュースで言っていた。

ギャンブル依存症の問題だけで言えば
年明けの国会でアノ業界に対する大幅な規制緩和を
行うための法案提出を目指してた民主党が
今年度予算の関連法案の成立すらおぼつかないほど
ガタガタになってきたのは喜ばしいことなのだが…

ここでまた総理が替わるとか選挙とかになったら
一体どうなるんだろう。

中東やアジアではイデオロギー的には
国民が独裁政治を批判し民主化を望んでいるために
混乱が起きているように言われているが
戦後すでに半世紀以上選挙が行われ
表面的には議会制民主主義のもとで
政治が行われているはずの日本でこの状況。

なぜこんなことになるのだろう。
2008年の福田総理以降
ずっと続いている参院と衆院のねじれ状態。
それはおそらく有権者に防衛本能みたいなものがあって
自・公にせよ民主にせよ
どっちかの好き勝手にされたらちょっと恐いという気持ちが
無意識のうちに働いているように思われる。

けれどもそれが何一つ決まらない
前に進まないという悪循環を生んで八方塞がり。
上の人たちはどう感じているのか知らないけれど
特に地方都市では
景気も雇用も何ひとつ良くなってはおらず
むしろ更に不況が進行している。
私たちは今ここで選挙をされても
一体何を選べばいいのかわからなくなっているのではないか。

取り合えず「あれもしてあげるこれもしてあげる」みたいな
甘いことばや餌でつろうとするのはとても怪しい。
それを言う人たちはそのために自分の腹が
痛むわけではなくむしろ当選すれば
自分の利益になることのほうが多いから
無責任にそういうことが言えるのだ。

そのための財源は私たちが納める税金か国債という
国の借金なんだからすでに800兆もの借金があるこの国で
そのつけは遠くない将来必ず私たちに回ってくることになる。

政治家や官僚だけでなく
私たち一人一人が自分の利益になることだけに固執して
賛成だ反対だと際限のない綱引きを続けていたら
これだけ流動的な世界の大きな動きにとてもついてはいけず
いずれすべてが破綻するという結果を招くのではないか。

濁流だ濁流だと叫び流れゆく末は泥土か夜明けか知らぬ 
                 (『魚歌』昭和15)

これは私の好きな斉藤史(さいとうふみ)という波乱の生涯
を送った女流歌人の歌。この頃はまだ日本の将来に
夜明けという希望の言葉を使えたことが羨ましかったりする。