前に作家で精神科医の帚木蓬生さんの書かれた
依存症患者の家族についての文章を
引用したことがあります。
ギャンブル依存症の患者の家族は
ほとんどの場合多重債務に追われ
何度やり直そうとしても繰り返す借金に
疲れ果てています。
しかしこの病気の特徴で患者自身は
脳に変化が起こっているので
家族に何を言われても
まるでひとごとのようにしか感じていません。
相手が激怒していたりすると
「二度とギャンブル(借金)はしない」といった
その場しのぎの嘘で取り繕いますが
心の中ではそんなことは
これっぽっちも思ってはいません。
善悪の判断とか人間らしい気持ちのありようとか
そういうものはとっくに失われているのです。
この病気の最大の特徴は「嘘と借金」で
しかも表面上はごく普通のまともな人間に見える。
なんと厄介なそして恐ろしい病気でしょう。
うちの事情を少し知っている友達に話しても
「ええっ、ご主人、全然普通に見えるのにねぇ」という
反応が返ってきます。
変化は脳のある部分でのみ起きているので
これは仕方のないことなのかもしれません。
私自身、長年今度こそわかってもらえるはずと信じて
借金を借り替えたり、こんこんと説得をしたりという
無駄な努力を延々と繰り返してきたのですから。
だから今まともなところからは
どこからもお金を借りることができなくなって
一日の生活費が千円もないという暮らしに向かい合って
「何とか自分で治そうと思っている」というダンナの言葉を
無条件に信じられるかというと
そんなことはまったくありません。
完治はしないのですから「治す」ことはできないわけで
ただ「今日一日は行かない」という毎日を
死ぬまで続けていくしかないわけです。
患者自身よりもむしろ家族にとって
なんて過酷な未来なのだろうと
たまにどうしようもなく絶望的な気持ちになるのです。
依存症患者の家族についての文章を
引用したことがあります。
ギャンブル依存症の患者の家族は
ほとんどの場合多重債務に追われ
何度やり直そうとしても繰り返す借金に
疲れ果てています。

しかしこの病気の特徴で患者自身は
脳に変化が起こっているので
家族に何を言われても
まるでひとごとのようにしか感じていません。
相手が激怒していたりすると
「二度とギャンブル(借金)はしない」といった
その場しのぎの嘘で取り繕いますが
心の中ではそんなことは
これっぽっちも思ってはいません。
善悪の判断とか人間らしい気持ちのありようとか
そういうものはとっくに失われているのです。
この病気の最大の特徴は「嘘と借金」で
しかも表面上はごく普通のまともな人間に見える。
なんと厄介なそして恐ろしい病気でしょう。

うちの事情を少し知っている友達に話しても
「ええっ、ご主人、全然普通に見えるのにねぇ」という
反応が返ってきます。
変化は脳のある部分でのみ起きているので
これは仕方のないことなのかもしれません。
私自身、長年今度こそわかってもらえるはずと信じて
借金を借り替えたり、こんこんと説得をしたりという
無駄な努力を延々と繰り返してきたのですから。
だから今まともなところからは
どこからもお金を借りることができなくなって
一日の生活費が千円もないという暮らしに向かい合って
「何とか自分で治そうと思っている」というダンナの言葉を
無条件に信じられるかというと
そんなことはまったくありません。
完治はしないのですから「治す」ことはできないわけで
ただ「今日一日は行かない」という毎日を
死ぬまで続けていくしかないわけです。
患者自身よりもむしろ家族にとって
なんて過酷な未来なのだろうと
たまにどうしようもなく絶望的な気持ちになるのです。
