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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

青少年とネットの問題

2014-06-28 09:57:18 | ネット依存症
3月にガンを告知されてから、さすがの私も
このところ、ブログに自分の思いを書き込むことがふえていたが
先日、また偶然「ネット依存」についての特集を見る機会がありました。

今回も全部見たわけではないのですが
どうやら高校生の男の子で、ネットにはまって不登校になり
治療機関を受診して回復に向かっているといった内容でした。

放送の中でお話をされていたのは、神奈川県の久里浜医療センターの先生で
「ネット依存」で検索してもトップに表示されていて
東京近郊であれば、ここがおそらく現在ネット依存の治療については
全国的に見てももっとも信頼のできる施設なのではないかと思います。

久里浜医療センターのネット依存治療部門(TIAR)のページにリンクしました。
同センターにはインターネット依存問題を抱える家族の会も設置されているよ
うです。

番組で放送された男子生徒の場合は、医師から「このままではまずいかも
しれないね」と言われたことが回復のきっかけになったと話していました。
「自分はネット依存かもしれない」という不安を持つこどもは
まず一日の中で、自分がどれくらいネットを使っているかを
ノートなどに書き出して、その時間が多すぎると自覚することで
その何割かを他のことをやる時間に移行させていくというやり方で
少しづつネットから離れる時間を作って回復につなげていきます。

依存から回復するのに、とても大切なことがあります。
それは今自分が何かに依存していることが
自分の日常や未来、つまり自分の人生そのものを
良くない方向にどんどん引っ張っているのだということを
本人が自覚できるかどうかです。
それを自覚できれば回復する可能性はかなり大きくなります。

ただ特に思春期真っ盛りというような子どもたちに対して
そこまでの道筋を親がつけるのは難しいものです。
親と子がそういうコミュニケーションがとれるためには
そこまでの親子関係も大きく影響してきます。
「ネットばっかりやってるから、成績が下がっただろう」
「もし受験に失敗して志望校にいけなかったらどうするの」
こういう論法では、子どもは激しく反発するか
親に対して心を閉ざし、自分の気持ちを言わなくなります。
もっと長い目で、人が生涯にわたって社会の中で自分の役割を
ちゃんと果たせることの大切さを子どもに理解してもらう必要が
あると思いますがこれは容易なことではありません。
自分の経験から言っても、親自身のアイデンティティーが
根本から問われるような展開になってきます。

このあたりを書くとまた話がそれていくので、別の機会にしますが
そんな生意気盛りの子どもでも、案外お医者さんというような
専門家の方が、真剣に話される言葉には耳を貸すものです。
親子だけで向き合わず、専門家の方に間に入ってもらうほうが
よいのではないかとお勧めする理由はそれです。
少し前ですが「ネット依存の相談にはまずは家族のカウンセリングから」
というような記事もネットで見かけました。
久里浜医療センターのサイトでも、ネット依存について
とてもていねいに解説されています。

またこのブログでリンクしている「ケータイの力学」というサイトでは
ITの専門家の方が、別の視点から高校生のネット利用について
最新の分析と解説を展開されています。
こうして考えてみると、ここでも結局子どもの問題以前に
親が何をどれだけ学んで、ネットという、現代ではもはやなくすことが
できなくなったツールに対する価値観を構築していくかが
問われていると思われてなりません。

最後にもう一つ、医療分野の専門家の方々は
現在起こっている様々な依存症の問題に的確に対応できるように
さらに勉強をしていただきたいと思います。
今日もギャンブル依存症関係で病院に行ったが、医師から
「ギャンブルは病気というよりも、嗜好の問題」と言われた
というような記事を見かけてがっくりしました。
専門家といわれるような方が、その程度の認識では
個々の医療機関の正確なことが分からない限り
ブログなどで無責任に紹介することもできません。

依存の問題を抱える人や、その家族たちが
一日も早く悲惨な状況から抜け出して
回復への希望を持つことができるように
医療の現場に携わる方々の更なる努力を願ってやみません。





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癌とカジノと

2014-06-12 09:55:20 | ギャンブル依存症
取りあえず新居探しが最優先課題になったので
ちょうど募集のあった市営住宅に申し込み、一発当選しました。
市営は何回も申し込まないと当たらないものだと思い込んでいたので
「ん、これで人生の運を全部使い果たしたか」とも思いましたが
気を取り直して、引っ越しまでがんばります。

引っ越し準備と並行して歯医者さんを受診。
長年の不摂生な生活で、癌だけではなくあちこちがボロボロ。
かなりのヘビースモーカーで、癌で受診した時の問診表にも
当然喫煙の項目はあり、さすがに一日一箱吸うと正直には書けず
「10本」と虚偽申告しましたが、診察では喫煙には
触れられず、胸をなでおろしました。
自慢ではありませんが、これまで体にいいことは何一つして
こなかったので、癌にせよ、虫歯にせよやっぱり自業自得です。

以前柳美里さん原作の「命」を映画化した作品で
トヨエツ演じる、劇作家で演出家の東由多加の「俺は癌で死ぬんだ。
煙草で死ぬんじゃない」というセリフにしびれました。
そんなこんなで、実は肺ガンだったらありかなと内心思って
いたのですが、まさかの乳がん。人生は分らないものです。

らちもない与太話を書いていますが
ニュースを見ていると毎日「う~ん」と考え込むことばかり。
一昨日NHKではカジノ解禁に向けて企業の動きが活発になっている
と報じていました。少し前に今国会でのカジノ法案の成立は
見送られるというニュースで少し安心したばかりだったので
水面下で解禁に向けた準備が着々と進んでいる様子に
結構衝撃を受けました。

長年ギャンブルの問題では想像を絶するほどひどい目に会ったので
ほんのわずかでもギャンブルが絡むことには敏感です。
見るからにうさんくさいパチンコのCMもそうですし
ドラマや映画でもパチンコのシーンが出てくると
心臓がきゅっと縮むような感じがして気分が悪くなります。
ドラマの「ストロベリー・ナイト」も
パチンコのシーンが出たので、1,2回見てやめました。

回復をめざしている依存症本人さんのブログでも
パチンコのシーンを見ると、記憶がフラッシュバックして
衝動が起きると書いてありました。
なので「ギャンブル依存症」を社会問題として取り上げる
報道にパチンコのシーンをはさむなんてのは無神経の極みです。

全世界の実に70%のとばく場があって
600万人近いギャンブル依存症者がいて
しかも公的な治療の体制が何もないこの国に
この上さらにカジノを作ろうとは、この国を動かしている
人たちは正気かと思ってしまいます。

最近は抗がん剤や、特にその使い方について
懐疑的な考え方をする人たちも増え
ネットで様々な意見を知る機会が増えました。
それで疑問に思ったのは、標準治療を勧める医師たちは
自分たちの治療に疑問を感じることはないのだろうかと
いうことでしたが「人類の悲願であるがんの撲滅」という
崇高かつ壮大な理想や理念が、目の前の患者さんの
苦しみや死に目をつぶらせることができるということを
知ってなるほどねと思いました。

カジノ構想で総理は「我が国の更なる成長戦略に不可欠」と
力説していました。ここでも「更なる成長戦略」という
魅力的で壮大なスローガンが掲げられています。

近年私が傾倒している某作家さんの小説の中に
こういう一文がありました。
「「国家」や「民族」という抽象を現実としてイメージできる
人たちがいる。(中略)国家を生々しくイメージできる人たち
が、ぼくのかわりに世界のことを考えてくれる」
けれどそういう人たちは、おそらく心や体や家族を持つ
名もなきひとりひとりの生きた人間の、苦しみや悲しみを
イメージするのは苦手なのでしょう。

余談ですがその作家さんは、2009年に癌のため34才という
若さで亡くなられました。ほんとに私のようななんの取り柄もない
ただのおばちゃんの命でよければ、3年分でも5年分でもその方に
振り替えて、新しい作品を世に出してほしかった。
本当に人生はままならないものです。




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ラストライフに向けて

2014-06-05 10:25:52 | 依存症
実は私は、まだ癌を告知される前、今年の
始めくらいから、自分のセカンドライフの夢を持っていました。
それは初歩的なものでよいからカウンセラーの資格を取って
依存症を含む、何らかの精神的な障害に悩む患者さんや
家族の方の助けになりたいということ。

ダンナの依存症のおかげで大変な目に会い続けた二十年でしたが
その体験や、そこから分かったことを
今辛い悲しい思いをされている方と分かち合いながら
最悪を回避できる手助けができるなら
自分が生きてきたことにも少しは意味があるのではないかと
思い上がりかもしれませんがそんな風に考えていました。

それが予想外の展開となり
もうあんまり悠長なことは行っていられないかもしれません。
何しろもういい年なので、記憶力なども衰えていますから
資格を取るといっても若い人のようなわけにはいきません。
それではどうしたらいいかということを現在思案中です。

当面私が仕事を辞めたことで
今のアパートの家賃は大きな負担なので
新しい住まいを捜しているところでもあります。
そうしてこれからの生活設計を考えつつも
依存症の問題とこれからどんなふうに関わっていくか
何をしたらいいかを模索しているところです。
ブログにしても何をどんな風に書いたらよいかを
毎回試行錯誤を続けながら書いているのが現実です。

前々回薬物とギャンブルの依存について
かなり悲観的なことを書きましたが
あれはあくまで「依存症になるものには近づかない」
という予防を目的として書いたものです。

依存症は治癒することはないけれども
回復することはできる病気です。
これは依存症者との生活によって疲れ果て
文字通りボロボロになってしまった家族も同じです。
まず依存症というものを正確に理解し
正しい回復の方法を見つけることで
依存者も家族も回復することはできるのです。
そして回復することができるということが
依存症に関わるすべての人たちの希望だと私は思います。

そのあたりをもう少し具体的にていねいに
書いていくことができるようにがんばりたいと考えています。
期せずしてセカンドライフならぬラストライフの目標に
なりそうな予感もしますが。

最近人間が丸くなって(まだ言うか)
こうして一見淡々と書いているように見えますが
実は私はいつもすごく怒っています。

今の社会では金がすべてという価値観や仕組みが
本当は地道に平穏に生きていきたいと願っている
たくさんの人たちの頭や心を狂わせ
その結果さらに多くの人たちの不幸を生んでいると感じます。

大切な自分たちの家族や暮らしや命を守るためには
もはや誰かにゆだねたり頼ったりするのではなく
自分たちが学んで考えて行動する段階にきているのでしょう。
怒りはストレスになるから癌には良くないかもしれませんが
一方大きなエネルギーになって
私に生きる気力を補給してくれているようにも感じますので
まあプラスマイナスゼロというところでしょうか。



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