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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

言葉について

2010-08-29 14:02:57 | 社会・生活
ここ数年邦画の興行成績が上昇している。
筋金入りの邦画ファンとしてはうれしいが
若者が邦画を好むのは「字幕を読むのがめんどうくさい」
「字幕が難しくて読めない」というのが理由だという話には
少なからずショックを受けた。

自国語の日本語がちゃんと読めない書けないというのは
実は相当に深刻な問題だと思う。
もしも言葉がなかったらと考えると世の中は
おそらく想像を絶するほど混沌としているだろう。
人間は長い時間をかけて言葉に共通の意味を与え
全ての秩序を維持するためのツールにしてきたのだから。

これは言葉の通じない相手と向き合う場面を想像してみればいい。
相手が何で怒っているのかわからない。
何が嬉しいのか悲しいのか、何が欲しいのかわからない。
相手の主張も感情も何も分からないのでは対処のしようがない。
今の日本で起こっている若者の引きこもりやコミュニケーション下手の
問題の根っこにあるのは案外そういうことなのではないか。

親は何はともあれそこそこ勉強さえしていればいいと
小さい時から子どもの心に関することには無関心。
兄弟の数も少ないし大勢の友人と遊ぶ機会も減って
わいわいと自己主張をしたり
幼いながらに上下関係があったりという
心を表現する言葉を使うことがない。
まして遊び相手がゲームなどモニターの画面では
しゃべる必要もなくしゃべっても返事は返ってこない。
これでは相手の気持ちを考える上でも自分の気持ちを表現するのにも
必要な言葉を使いこなす能力が身につくはずもない。
何も若者に限ったことではない。
依存症になったうちのダンナにしても
自分の気持ちを言葉にして表現するのがてんから苦手だし
家族の気持ちを思いやることもできなかった。
さらに悪いことに世の中にはゲームやパチンコ・スロットなど
そういう傾向を助長するようなものがあふれ返っている。
実は日本人の精神をとことん破壊しようという闇のプロジェクトみたいなものが
粛々と進行しているんじゃないかとまで考えてしまうのだ。



相手が何を感じどう考えているかを
自分の脳で言葉を使ってシミュレーションする能力や習慣は
成長していきなりできるようになるものではない。
小さい時からの親子、兄弟、友人との色々な経験と
それを補完する読んだり書いたりの繰り返しが一緒になって
徐々にコミュニケーションのレベルが上がっていく
そういうものではないかと思う。

かつてダンナに「子どもぼろぼろ産んで白い飯さえ食べさせて
おけばいいというもんじゃない」と言ったことがある。
ギャンブルにはまって家庭を破綻させたことについて
ひとりダンナだけの責任ではなく親も悪いと
今でも私は心の底で思っている。
学問があるとかないとかそういう問題でもない。
優しいだけでもダメ、厳しいだけでもダメ
というよりそういう表面的なことではなく生き様の問題なのだと思う。

「人間として何が一番大切か」
それをどういう形でどういう言葉で
こどもに伝えることができるのかできないのか
それはまた私自身が自分に突きつけられている問いでもある。
この前から書いているが、宗教に依存しているような人間は
その部分を全て他人が作った借り物で間に合わせている。
確かに簡単で楽でいいだろうが
本当にそれでいいのか、正しいのかといえば私は絶対にそうは思えない。

自分の心で感じること、自分の言葉で話すこと。
自分が今生きてあることの意味はそこにしかないと考えるからである。






猫がハゲた!

2010-08-08 10:13:18 | 依存症
日本全国猛暑で
連日もう熱いと変換したいくらい暑い!

そんな中久々の猫ネタ。
あまりの暑さに猫の毛がもうわけがわからないくらい
どさどさ抜けていたと思ったらなんとお尻のところにハゲが!
ピンク色の地肌が見えている。
「女の子なのに」「お嫁にいけなくなる」とか
人間でいえば100歳をとうに越えてる老猫を見ながら
馬鹿なことを考える飼い主だが
それよりも高齢すぎてこの暑さを乗り越えられるか
そのほうが心配だ。

我が家では姑戦争も継続中。
先日お中元のやりとりをしたら
早速お嫁さんのお母さんからお礼の電話がかかってきた。
私に対して
「お母さん、いろいろご心配されたでしょ」
「は、はぁ」
「でももう大丈夫ですよ」
「は、はぁ」
「人生の先輩としてしっかり見守っていきますからね」
(えぇ~、うち的には全然大丈夫じゃないしby心の声)

今朝は私にに任意整理のことを教えてくれた古い友人と
電話でゆっくりおしゃべりできてうれしかった。
彼女がいなかったら今の私は多分いなかったと思う。

パチンコ問題については
政治とのからみで当分よい方向にはいきそうもない。
(悪い方向へいくことはあっても)
そうなればあとは自衛をするしか手段はない。
すなわち借金を法的に正当な手段で解決すること。
そうすればもうまともな所からはどこからも借金はできなくなるので
それをきっかけに、本人や家族にとって破滅の未来しかない
ギャンブルとはきっぱり縁をきること。
ギャンブルをやって自分や周囲の人間が
不幸になることはあっても幸せになることは100%ありえない。
精神科医の蓬木帚生氏は「ギャンブル依存症患者の末路は
刑務所か精神病院だ」と断定されている。
本人は自業自得といえなくもないが
家族をそんな人生の道連れにすることだけは止めて欲しい。

政治とパチンコ換金合法化

2010-08-01 08:38:57 | 依存症
この秋にカジノ法案の成立と同時に法制化が検討されている
パチンコ換金合法化。
前にこの法案の成立をもくろむ「カジノ議連」には
民主、自民、公明、みんな(の党)と超党派で
100人近い議員が参加していることを書いたが
これに関して民主党石井一参院議員の
2007年の対談記事を見かけたので引用する。
(「商業界」2007年12月号別冊より)

新法提出の時期についてのインタビューアーの問いに対して

石井 パチンコの新法やカジノ新法の問題は、民主党と自民党が
腹を合わせれば一気にできちゃう問題なんですよ。そんなに喧々
諤々たる議論を繰り返して、国会で時間をかけるような必要はな
いし。全ての審議を省略して、一挙に法律ができる性格のものですから。(略)

――パチンコホール企業の上場の問題はどうお考えでしょうか?

石井 雇用人口、企業形態からしても、私はもうパチンコホール
の上場の条件は99%そろっていると思うんです。三店方式が引っ
掛かるのか、あるいは、国籍の違う経営者が多いからどうのこう
のというような話もありますが、パチンコホールで働いている何
十万人の人々の雇用安定や生活の問題を考えた場合、上場企業に
なれない今の制約から一日も早く外してやらなければいけないと
おもいます。場合によっては、新法ができるまで待たずとも、別
に東証一部でなくてもいいから上場を可能にする、ということは
あってしかるべきだと思います。その辺の問題については、研究
を重ね、問題の追及をしてやろうと思っています。とにかく、ド
ラスティックな変革を行うには、政権交代が一番効力を発揮する
わけで、今までできていなかったことを全部滞貨一掃するには、
民主党政権ができた方がはるかに速い。(略)パチンコ関連の問
題にしても、次の総選挙で政権交代が起これば、一気に進む可能
性があると予言しておきたいですね。


この対談を掲載されている「カジノとパチンコの論理学」というサイトは
日本の政治とカジノやパチンコの問題を
極めて冷静に客観的に検証されている。
ブックマークに追加するので興味がある方は読んでみてください。

昨日「鉄の骨」というNHK土曜ドラマの最終回を見ていた。
大手のゼネコンによる談合や政界との癒着を描いて
ドラマの世界では利権の仲立ちをする最大手ゼネコンの顧問が
東京地検に逮捕され利権をむさぼる政治家も総裁選出馬を断念してと
サクサクと問題が解決していくが
現実はまったくそんな風にはならない。
これだけパチンコホールの経営や雇用に気配りするなら
もっと普通の人たちの生活がまともに成り立つように
頭をしぼってほしいと思ってもそんなことをしても彼らの
懐には一円も入らないからそんな無駄な労力は使わない。

不況で日常的に経営の危機にひんしている中小企業の苦渋も
難航を極める新卒の就職も
リストラされた中高年の人たちやパートの不安も
彼らの目にも耳にも入らない。
合法化によってパチンコ関連企業の上場が解禁になり
創業者には莫大な利益が還元され
そこからまた多額の金が政治家たちに流れる。
これまで警察が独占してきた業界の利権が政治家に渡る
そのために彼らは知恵をしぼっているわけだ。
けれども要するにその金の出所となる一般人が
はやくこういう馬鹿げた仕組みに気づいて
あの機械に自ら苦労して稼いだお金を
捨てる行為をやめること
それが小さな第一歩なのだと心から思うのだ。