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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

通院日といつものブックオフ

2016-02-21 10:59:45 | 癌のこと
9日は通院日でした。
今の病院の緩和ケアに転院してちょうど一年。
告知を受けてからは、来月で丸2年になります。

今の病院に転院してからは、通院日の間隔が
前の大きな病院の時より短くなった分(大体ひと月に一度)
検査の回数も増えました。

で、先月撮ったCTの結果と、血液検査の結果。
肺や他の部位への転移は認められず、肝臓は微増。
左胸の患部は、自分で見ても分かるのですが
中央の、クレーター化している10センチくらいのしこりの回りで
皮膚の部分に少しづつ浸潤しているのが分かります。
あとは腋の転移部分に増加が認められるということでした。

そして、今診ていただいている主治医の先生
とても物分かりがいい、優しい先生なのですが
3月一杯で、他の病院に替わられるということで。
実は今の病院で、乳がんの臨床をされているのは
その先生だけなのです。
先生が替わられるのは、かなり遠くの病院のようで
「前に診てもらっていた病院に戻りますか」
という意味のことを聞かれました。

福岡くらいの規模の都市でも、乳がんに対応できる
乳腺関係の科がある病院は、かなり限られています。
その中で、私のように、抗がん剤をやらないと言っても
診てもらえる病院は、おそらくほとんどありません。
それが分かったので、緩和ケアへ移行しました。

私自身は、文字通りの緩和(痛みなどが出た場合の)でもいいと
覚悟を決めての転院だったので「もう転院はしません」と答えました。
前回の診察時に、先生が「やはり抗がん剤はされませんか」と聞かれました。
ステージⅣで、治らないということが決定している私の場合
ホルモン剤のみというのは、いわゆるエビデンスはない治療で
もしその効果が認められなくなったら
あとは抗がん剤か、無治療で緩和だけという2つの選択肢になります。

先生がそう聞かれたので「ん、ということはもう使えるホルモン剤が
なくなったってことかな」と思いましたが
「抗がん剤はやりません」ときっぱり言いました。
自分でも、つくづく可愛げのない患者だと思います。

けれど今回の診察で「アロマシンにして一年ですから
お薬替えてみますか」とたずねられました。
内心「あっ、まだあるんだ。ラッキー」と思って「はい!」と即答しました。
「それじゃあ、今月からフェマーラというお薬にしましょうね」

先生はおそらくこのタイミングで薬を替えておいたら
よほどの急変などがない限りは、またしばらくは経過観察でいけるだろうと判断されて
自分が診ている間に替えておいてあげようと思われたのではないかと。
本当にいい先生に巡り合えたと心から感謝しています。

診察を終えてお薬をもらって
足取りも軽く(チャリですけど)ブックオフへ。
欲しい本をメモっていったのですが
あったのは浦沢直樹さんのマンガ「Billy Bat」の13巻だけで
あとは、ドラマにもなった今野敏さんの「隠蔽捜査」が100円だったのでゲット。
あとは久々にローレンス・ブロックの、マット・スカダーシリーズの新刊
「償いの報酬」というのがあったので、それにしました。
入手できなかった分はまたアマゾンのお世話になります(懲りんなぁ)

生きている間は、読みたい本も、観たい映画も、聴きたい音楽も
これで終わりということはありません。
以前は「いい年をして、こんな浮世離れしたことだけではダメなんじゃないか」
という迷いもありましたが、自分が本当に好きなら
どれだけ馬鹿みたいに見えたって
それでいいのだということを、伊藤計劃さんに教わりました。
今からどれだけがんばっても、伊藤さんにはかないませんが
この年になっても「面白い!」と思えることが
こんなにたくさんあるのは、幸せなことだと思います。

ホルモン剤にも、飲み薬以外にも
前の病院で勧められた注射のお薬などがあるのは知っています。
でも副作用の中に「白内障」というのがあったので
反射的に「あっ、これは無理」と思いました。
ダンナにも「目に副作用が出るっていうのは絶対やらんよ」と宣言しています。
副作用が少ない分子標的薬があるのも知っていますが
こちらはかなり高額で、しかも抗がん剤と抱き合わせというケースが多いようです。
何%という確率しか分からない治療にお金を使うか
好きな本や映画に投資するかの選択には全く迷いはありません。
残りの時間は、自分が好きなことや、やりたいことに時間もお金も使いたいです。

ちなみに子どもたちも、本と映画と音楽を与えておけば
何とかなるんじゃないかと思っているふしがあって
ですから「乳がん治療の経験がある先生がいなくなる」という話は
家族が気がつかない限り、当分内緒にしておこうと企んでいます。

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親と子のコミュニケーションの形

2016-02-19 16:22:50 | ネット依存症
前回書いた大阪スマホサミットの中で
高校生たちの感想が「小学生がヤバい」だったのには笑ってしまいましたが
たった4、5才しか年の違いがなくても
最近の、小学生のスマホ(ゲーム機器含め)保有率の高さや使い方について
高校生からさえ、そういう反応が起こるということは知っていただけたらと思います。

小学生や中学一年生で、スマホやゲーム機器を使う場合には
やはり最初に、使う時間や、いつ使うか、夜はどうするかなど
家庭のルールを決めておくことが大切です。

私の話は、相変わらずあちこち飛びますが
親子のコミュニケーションとひと口に言っても
親も子も、ひとりひとり違いますから
すべて同じようにこれというわけにはいかない難しさがあります。

親御さんがとても厳しく育てても、親の願いどおりに
本当にきちんと育っていくお子さんもいます。
これは多分、親御さんが子どもに愛情を注ぐツボみたいなものを
よく心得ておられて、子どもさんもそれを分かっている
理想的なコミュニケーションができているのだと思います。

けれど、私もそうでしたが、普通はなかなかそううまくはいきません。
気持ちがかみ合っていないのに、親が高圧的な態度で接すると
反抗的になるとか、表面だけ言うことを聞いているふりをして
問題が起きても親に言わないとか、嘘をついたりするようになります。

サミットの中にも「一方的に決められるのはいや。相談して決めているならいい」
という声がありました。
やはり、たとえ小学生でも「相談して決めてほしい」というのが本心なのだろうと思います。

そこで先日書いたクラフトのプログラムの「成功の秘訣」の

・ 相手よりも言葉数を少なくしましょう
・ 先回りして考えすぎないようにしましょう

などは子どもと話をする場合にも、役に立つ方法だと思います。
ネットやスマホについては、親御さんが心配になるような情報が多いです。
けれど「あれも、これも」と考えて、長々と話しても
小学生や中一くらいの子どもには理解できないし、下手をすると
一番大切なことは何なのかが分からなくなってしまう恐れがあります。

自分のご家庭の場合、どうしても守ってほしいことは何なのかを
小学生の場合なら、小学生に理解ができて、実行できそうな範囲で
中学生なら、もう少し幅広く、中学生が抱えそうな問題に対応できるレベルで
なるべくシンプルに、冷静に話し合っていただきたいと思います。

最初から全てを想定して、子どもにも理解させた上で
ルールを作るというのは現実的ではありません。
決め事が多すぎると、守れないことも増えますから
むしろ何か起きたら、それに応じてその都度
問題に対応できるルールを決めるほうが衝突や対立が少なくてすみます。

それよりもむしろ大切なのは、どう対処したらいいか分からない
問題が起きた時に、まずは親に相談をする
それができる環境を作ることだと思います。

スマホサミットでは、高校生から「親や先生に相談しても
有効な方法が教えてもらえない。あてにできない」という意見も出ています。
子どもたちが、ただ怒られるだけ、禁止されるだけだから
親にも先生にも相談できないと思ってしまうのは
何が起きるか分からないネットの世界に対応するのにも
例えば「自分は依存なんじゃないか」というような悩みを抱えた場合にも、大きな問題です。

ずっと家族の依存症や、依存の問題と関わってきて
まずは、自分の思っていることを、自分の身近な人に話せること。
ものすごくシンプルに考えれば
それがすべての基本のように思えるのです。
何か、すぐに役に立つ解決法を教えてほしいわけじゃない
ただ黙って、自分が悩んでいることや困っていることを聞いてほしい
そこを封じ込めてしまうと
様々な問題が、別の形で出てくるような気がします。


ですから、例えば子どもがスマホのことで困っている時に
まずは黙って聞いてあげて、分からないことだったら
一緒に調べてあげるとか、考えてあげることができれば
そこでいいコミュニケーションが出来るのではないかと思います。

そしてスマホやネットの問題をきっかけに、小学生の時期から
親子で冷静に丁寧に話し合って、ひとつひとつの事柄に向き合うという
良いコミュニケーションを築くことができていれば
たとえばイジメなどの問題がおきてきた時でも
「親に相談すれば、何とかなるんじゃないか」と
子どもさんが思うようになってくれていれば、しめたものです。

「理想論を言うのは簡単だ。でも現実はそんなに甘くない」と皆さんに怒られそうですが
先日からクラフトのプログラムをやっていて
「自分が今までやってきたことは、行動や考え方は大きく間違ってはいないが
でもやり方がマズかった」ということを認識させられました。
子育てにしても同じで、方法は一つではありません。

厳しくてうまくいく場合もありますが
ずっとそのままうまくいくかといえば
中学までは大丈夫だったのに、高校に、あるいは大学に行ったら
社会人になったら、うまくいかなくなったという場合もあります。

厳しくしてもうまくいかない時は、他のやり方を試してみると
案外スムーズにいくこともあるのです。
自分の家庭に、親子に、夫婦に合うコミュニケーションの取り方を
柔軟な発想で色々試してみる、うまくいきそうなやり方を見つける
それがとても大切なのだろうと思います。


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最初が肝心! 小学生から知るネットとの付き合い方

2016-02-14 10:44:37 | ネット依存症
先週は、月曜がクラフト勉強会の2回目
火曜日が通院日、木曜と昨日は、子どもが家に来てと
珍しく色々あって、考えることもたくさんあったのですが
前回から、子どもさんのスマホのことについて書いていますので
しばらく続けていきたいと思います。

このブログでリンクをしている、河合塾の「キミのミライ発見」というサイトの
7.情報・モラルというところに
「15000人の青少年「スマホアンケート」驚きの結果」という記事が
アップされています。

これは2014年に、大阪府の中高生が
兵庫県立大学の、竹内和雄先生のサポートを受けて
大阪の15000人の小中高校生の、スマホ使用についてのアンケートを行い
その結果をもとに、中高生たち自身が
スマホの適切な使い方を議論し
そこから考えたスマホの使い方を
「OSAKAスマホ宣言」として発表した経過をまとめたものです。

これから、子どもさんにスマホを買おうと考えておられる方は
ぜひこの記事には目を通していただきたいと思います。
実際に、スマホを使っている子どもたちに
どういう問題が起きてきているのかを
アンケートの結果から知ることができます。

この記事の中で、特にポイントと思われる点を考えてみました。

まずは小学生のスマホ使用率です。
このアンケートでは、小学生の五人に一人がスマホを持っていました。
それと、スマホを持たなくても、ゲーム機や音楽プレーヤー(iPodなど)で
ネットに接続できる小学生が、小学生で半数以上に上りました。

この結果を見ると、スマホを含めて、ネットの使い方についての指導は
小学生の間にやるべきであり、小学校の3年生から4年生くらいまでには
ネットやスマホを使うための、最初のルールを作っておく必要があるということです。

このアンケートの結果を見ると、15000人の小中高生の中で
スマホを使っている子どものほうが、持っていない子どもやガラケーの子に比べて

・寝る時間が遅い(12時より遅くに寝る子が6割を超える)
  時間が遅くなる原因は「たくさんの人とラインをやっているから」や
  「モンスト、パズドラ、ツムツムなどのゲームをやっていると
   時間がどんどんたってしまう」というのが、圧倒的に多いようです。

・イライラする
 イライラする理由は「ラインの既読が気になる」というものや
 「寝るのが遅くなって、睡眠時間が少ないのでイライラする」などが上げられています。
 睡眠時間の減少や、夜遅くまでネットをやることの悪い影響は
 気分の問題だけでなく、頭痛とか肩こり、疲労感など、全体的な健康への悪い影響になります。

・勉強への影響
 おそらくは、これが一番親御さんにとっては関心が大きいかと思いますが
 スマホを使用している子どもの「勉強に自信がある」の割合は19.1%と
 持っていない子どもやガラケーの子に比べて、かなり低くなっています。

この3つのポイントは、すべてつながっていると思います。

「ネット(スマホ)をやる時間が長い→睡眠時間が短い→体の疲れやイライラ→集中力が落ちる」
という悪循環を、子どもたち自身も自覚していることが分かります。
こういう風に書くと「それは大変だ。スマホなんか絶対買わないぞ」と思われる
親御さんもおられるかもしれません。
けれど、子どもたち、特に小中学生がスマホを欲しがる一番の理由は
ラインやゲームを通じての、学校の友達とのつながりなのではないかと思います。
それを禁止することは、子どもの現実の人間関係に影響してきます。

とても悩ましいところですが
何度も書いているように、これからの時代は
こうした様々なIT機器と関わらずに暮らしていける社会ではありません。
どれだけ早い時期から、上手な付き合い方を身につけるかであり
スマホやネットを使うことで、起こってくるマイナス面を
子どもさん自身が、どれだけ自分で回避する、コントロールできる力を身につけるかだと思います。

親が一方的に命令をし、禁止をするというのは
有効なやり方ではなく、それによって生じてくる大きな問題があります。
このアンケートの中にある

「トラブルが起きた時『誰にも相談しない』という小学生が70%近く
いた」という結果です。ひごろの親との関係から、小学生の場合は
「親に言ったら怒られる、スマホやゲームを禁止される」という
不安や恐怖が一番に頭に浮かぶのでしょう。

勉強が、ということよりも、実はこうした点のほうが、より問題のように思います。
このあたりの、スマホやゲームについて、親はどんな風に対応するほうが良いのか
どういうルールを、どうやって作るべきかについては
次回に書いていこうと思います。

このあたりについては、やはりこのブログでリンクしている
ネット依存アドバイザーのトリーさんが
「ネット依存、スマホ依存から小中学生を守るために」のブログで
ご自身の家庭でのネットのルールや
実際に、小学生や中学生のお子さんと
どういうふうに話し合われているかを記事にしてくださっているので
ぜひそちらも参考にしていただけたらと思います。

2月から3月にかけてのこの時期は
子どもさんがおられるご家庭で
一番「スマホを買って」という話が出ているのではないかということを
念頭に置いて、この記事を書いています。
前回参加したクラフト勉強会で、講師の先生が
「依存症の治療も変化してきています」と言われました。
私もそれは感じています。
けれど、現実に依存の状態になってしまったら、回復することは
本人にとっても、家族にとっても容易なことではありません。

ですから、最初が何よりも肝心で
子どもさんと親御さんが、ちゃんと考えて話し合って
スマホやゲームと上手に付き合っていける環境を整える。
現在は、そのために、一番大切なのが、小学生の段階ということです。
ここできちんとした枠組みを作ることができれば
これから先に起こってくる問題をある程度は予防することができます。

もちろん中学の入学を機に、スマホを購入する予定というケースでも
知っておくほうがよいことがたくさんあります。
ですからこのブログだけではなく
ぜひ色々と勉強していただきたいと、心から願っています。



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子どもさんにスマホを買う前に

2016-02-06 15:36:19 | ネット依存症
先日配布された、福岡市の市政だよりで
市の精神保健福祉センターの
「アルコール・薬物・ギャンブルなどの依存症」の
電話相談、面接相談の告知の記事が目を引きました。

これまでアルコールと薬物に関する相談は
ほぼ毎月告知されていましたが
「ギャンブル依存症」と明記されたのは初めて見ました。
全国の都道府県の精神保健福祉センターのHPをチェックしても
「ギャンブル依存症」についての対応はバラバラなので
福岡市の取り組みは、先進的なのではないかと思います。

そこで、ネット依存の問題の相談も受け付けてもらえるかどうか
試しに電話をしてみました。
お聞きしたのは、相談を受け付けてもらえるのかということと
福岡市とその周辺で、ネット依存の相談ができる医療機関があるか、の2点でした。

私の質問に対する回答は
「ネットの場合は、どういう状況であれば依存症と判断できるかの
診断基準がまだ出ていません。同じ理由で、ネット依存に対応してもらえる
医療機関も、今の時点ではほとんどありません」ということでした。
ほぼ予想はしていたものの、がっかりしましたが
学校も含めて、公的な機関が、ネットやスマホの依存に対応するには
やはりまずは国の「診断基準」というお墨付きがない限り難しいということです。

今週は、引退した有名プロ野球選手の薬物問題が大々的に報道されていました。
番組によっては、依存症についての解説もしていましたから
依存症が「やめようと思ってもやめることができない病気」
「欲求や衝動が起きると、脳が自分の行動をコントロールする力を失うコントロール障害」
なのだということが、少し分かっていただけたのではないかと思います。

この依存症の性質は、薬物やアルコールだけでなく
ギャンブルやスマホやパソコン、買い物など
依存の対象がなんであれ共通しています。
薬物だけが特別ということではありません。
そして前にも書きましたが
私は、どんな依存症でも、その広がりには
社会的な要因が大きく関係していると思います。

後藤恵先生が、動機づけ面接法のセミナーの時に
「最初にアルコール依存症の自助グループである
アルコホーリクス・アノニマス(AA)が
作られた1935年当時は、お酒はたいへん高価なもので
アルコール依存症になる人はお金持ちに限られていた。
それが、安い蒸留酒(ウィスキーやバーボンなど)が作られ
簡単に手に入るようになって、アルコール依存症が一気に広がった」と話されました。

それはギャンブル依存症も同じで
特に日本で、500万人を超えるギャンブル依存症者を生み出したのは
日本中至るところ、それこそ津々浦々まで賭博場があるということが
大きな要因であることは間違いありません。

そして、パソコンやスマホなどのIT機器。
これは、パチンコ屋などのギャンブル場よりも
さらに身近にあり、24時間やろうと思えばいつでもやれる。
しかも、小中学生はもとより、最近では幼児でも
そうしたものに触れることができる環境になっています。
けれどそうした社会的な要因は、個人の力で変えることはできません。
個人に出来るのは、そういう社会の中で
自分に出来ることは何かを知ることなんだろうと思います。

これからは、進級や進学の季節です。
そうした区切りで「スマホを買って」という話が出ているご家庭も多いかと思いますが
何事も最初が肝心です。
子どもたちがスマホを上手に使うために
親子で知っておかなければいけないことや
話し合っておくべきことは、依存の問題だけでなく、とてもたくさんあります。

子どもがスマホを使う上で、知っておかなければならないことを書いた
信頼の置けるガイドブックも何点か発売されています。
子どもさんにスマホを買い与える前に
ぜひそうした書籍に目を通されてください。

私はダンナのギャンブル依存症と20年以上付き合ってきたせいで
どうしても依存症の話が中心になってしまうのですが
早期発見早期治療ももちろん大切ですが
予防ができるものなら、予防は何よりも大切です。

日本は依存症についての理解も、対応できる人や施設も
欧米に比べて半世紀以上遅れています。
今回の薬物事件も、欧米であれば、かなり以前から
「処罰よりも治療を」という認識が定着していますから
薬物依存が疑われた段階で
周囲の人が、本人にリハビリ施設に行って治療を受けるように勧め
リハビリのできる施設もありますから
入院治療を受けることができたのではないかと思います。

けれど日本では、本人の周囲にそういう知識を持った人もおらず
有名人が、法に問われない形で、治療できるような施設があるのかどうかも
ほとんど知られていません。

警察は、薬物依存の可能性をつかんだ後も
長い間尾行し、行動確認をした上で、ああいう形で逮捕する。
もちろん薬物を使うことは悪いことですが
こうしたやり方はとても残酷だと思います。
前のミュージシャンの時もそうでしたが
「見せしめ」として大々的に報道することで
薬物の使用への抑止力にしたいという思惑なのでしょうか。

ともあれ日本は薬物の問題でさえこのように
とても先進国などとは言えないのが現状なので
自分や家族を守るためには
必要な知識を持って、予防できるものは予防する
早期発見、早期治療、そしてなってしまったら
どうすれば回復できるのかまで
ひとりひとりが、自分でできることをやっていく。
そういう社会なのだということを分かっていただければと思います。

「なのに、なぜ「ニコチン依存症」だけ、大々的にCMするんじゃ。
タバコ吸ったからって、人殺したりする人間おらんやろうが。バッカじゃないの」と
TVを相手に毒づく私を見て「また始まった」とばかりに
ニヤニヤ笑っているダンナ。
そう、私のストレス発散は、怒っても実害のないものに八つ当たりすることです。
そして、未だにタバコを完全にはやめれていない私。
禁煙外来いこうかしらん。トホホ

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どういう対応が有効なのか

2016-02-03 11:06:31 | 依存症
前回家族が依存をやめさせようとして
おちいる悪循環(小言、叱責、嘆願など)がやればやるほど
失敗に終わる、その原因を書きました。

それでは、失敗の原因となる傾向を改善し
効果が期待できる方法とはどんなものか
こちらも、ジャパンマック福岡の資料から転記します。

<成功の秘訣>

1 先々口出ししないで、何事も後出しにしましょう
2 相手よりも言葉数を少なくしましょう
3 人は正しいことを言われても変わらないと悟りましょう
4 答えを出すのはいつも相手だと心得ましょう
5 相手のアラ(粗)は見えてもいいが、指摘は慎重にしましょう
6 先回りして考えすぎないようにしましょう
7 「相手は感情的、こちらは理性的」と自分に言い聞かせましょう
8 事が起きてから動くようにしましょう
9 相手に分かるように事実を見せるようにしましょう

クラフトのプログラムの目標は
家族がそれまでの、硬直した考え方や行動を変えることで
最終的には依存症の本人を治療につなげることです。

親子や夫婦の関係も、すべてが均一ではありません。
例えば、そこまでどちらかが一方的に命令や指示を与えるという
関係性を続けてきて、そのパターンが定着している場合には
一度にこういう正反対の対応ができるわけではありません。

資料にはこんな風に書かれています。
「パターンがわかり、すべきこともはっきりしたとしても
実行するのはまた別の問題です。水泳と同じで、泳ぐ理屈は
分かっても、実際に泳げるようになるには練習が必要です」

なるほどと思いました。<成功の秘訣>を文字で読んで
頭では「ああ、分かった」と思いますが
実際にダンナとのやり取りの、どういう場面で
どういう言い方をするのが良いのかについては
具体的にやり方を勉強する必要があります。
本を読んで「ああ、分かった」と思っていても
人間はなかなか自分の思考の方法や行動を変えることはできないものですから。

そして、クラフトのテキストを読んでいて
これは次回の「コミュニケーションのやり方」で習うところですが
以前に聞いた、依存症の支援者(医療関係者やカウンセラーなど)向けの
「動機づけ面接」の手法と共通点が多いことも知りました。

このプログラムは、一部の医療機関では
「引きこもり」の人の家族支援にも応用されているようです。
ただ、がんの治療でも感じますが
最先端の治療を導入、実施できる病院や施設というのはほんのわずかです。
私は、このプログラムは
各種の依存症だけではなく、不登校や引きこもりなど
色々な精神的な問題を抱える人の家族の支援に
有効だと思いますが、今のところ実施している機関は
ごくごく限られていて
しかも対象が、薬物とかアルコールの依存症に限られていたりします。

なので、まずは今家族の依存の問題を抱え、悩まれている方や
こういう問題に、高い問題意識を持たれている方に
知っていただき、一人でも二人でも、それをシェアしていただけたらと思います。

実は私は、中学3年の秋から2年ほど
子どもの不登校の問題を抱えました。
ただ、私は自分が高圧的な言い方や叱責が大嫌いです。
どういう問題についても、ああでもないこうでもないと
山のように色々なことを考えてしまい
何かを断言するということができません。

そんな性格ですから、ダンナに対しても子どもに対しても
命令とか指示といった言いかたをしたことはほとんどなく
ただただ見守るしかありませんでした。
ダンナについては、もういい年をした大人なんだから
自分のことくらい自分で考えてくれと思っていました。

しかも親が思ってもいないのに
安易に気休めみたいなことを言うと
思春期の子どもというものは、そういう親の偽善みたいなのには
妙に敏感ですから、腫れものに触るような対応にキレられて
本当に「どうすりゃいいのよ」と途方に暮れたこともあります。

ですから私のように、何も言えなくなるケースの場合は
どうすればよいのかということも
しっかり勉強したいと思います。
子どもたちには常々「どんな知識でも、経験でも、生きていくのに
役に立たないことはないと思う」と伝えていて
末期ガンの私が、こういうことを続けていることについては
苦笑いをしながらも、理解は示してくれているように思います。




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