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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

クラフト勉強会 第3シーズン

2016-08-05 14:54:11 | クラフト
ぎりぎりになってしまいましたが
ジャパンマック福岡の、クラフト勉強会が来週から始まります。

クラフト勉強会 第3シーズン

日時 8月8日(月) 18:30~20:30

   8月から12月の第2月曜 全5回

場所 ジャパンマック福岡

費用 初回のみテキスト代として1500円

詳しくはこのブログでリンクしているジャパンマック福岡のサイトを見てください。

クラフトは、基本的には、依存症者の家族や友人が対応の仕方を勉強する
プログラムですが、夫婦や親子のコミュニケーションについても
学ぶところはたくさんあって、早い段階のスマホ依存やネット依存への対応
に応用できるような点も多いと思います。
どうしても全部の回に出席しなければならないというような、窮屈な勉強会
ではないので、興味があって、距離的に可能な方は参加してみてください。

クラフトの勉強会は結構好評のようで、3シーズン目になりました。
内容は大体前のシーズンと同じなのですが「一回聞いただけではわからないから」
と再受講されている方もおられました。

私は、というと、クラフト勉強会をほぼクリアしたら気が抜けて
このところセミナーもサボっています。
というか、福岡暑いです。いまや36度が当たり前になりつつあります。
生きてこの夏を越せるでしょうか。

なんて言いながら今週は「シン・ゴジラ」を観てきました。
私が観たいと思う映画は、大体人を誘いにくいです。
別に、スプラッターホラー大好きとかいうわけではありませんが
よく脳みそや内臓が飛び散ったりします。血も大量に出ます。
それでなければ、これでもかというくらい暗いです。

今回の「シン・ゴジラ」も、別の意味で不安材料があったので
ひとりで観に行くつもりでした。
ところが、子育て仲間のうち、ひとりだけ福岡にいる友だちが
珍しく電話をくれて、おしゃべりしているうちに「行こう」ということになりました。

彼女は、とても真面目で常識人でもあり
イメージからいうと、二宮くんが出た「母と暮らせば」とか「あん」とかを
好んで観そうなタイプなので、なんだか申し訳なかったです。
でもランチを食べて、映画を観て、「面白かったよ」と言ってくれたので
正直ホッとしました。特に、病気になってからは、みんな本当に優しいです。

感想は映画ブログのほうに書きました。
ひと言で言うと「ゴジラをイジメる奴は死ね!」です。
ゴジラが可哀そうで泣けました。
でもこの映画、小学生以下の子どもには難しい気がします。
あまりお勧めはできません。


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クラフト勉強会 誰かに話を聞いてもらう

2016-06-23 15:22:35 | クラフト
前回のクラフト勉強会のところで書いた
「あなた自身の生活を豊かにする」ために大切なもうひとつの点は
誰かに話を聞いてもらうです。

テキストから抜粋します。

「問題にに悩む家族の多くは、周囲から孤立しがちです。
親戚や友人に話しても、わかってもらえない。誰もがまちまちな助言をして、
かえって混乱する。家族がこんなことになっているなんて、恥ずかしくて
話せない。・・・こういうことが続くうちに、心を許せる相手がいなく
なってしまうのです。
 困難な問題に立ち向かうときには、誰か一人でも支えてくれる人が
必要です。自分だけで抱え込んでいると、いずれはどこかで限界に
なってしまいます」

誰かに話を聞いてもらうためには

1.まず自分の周囲にいる人で、自分の状況を理解してくれて
  支えになってくれそうな人を探す。

2・適任者が見つかったら、その人に何を望むのかを整理してみる。

  ・ 今まで誰にも話せなかった気持ちを聞いてほしい
  ・ つらさを理解し、支えてほしい
  ・ 暴力の問題が起きた時などに泊めてほしい
  ・ 相談に同行してほしい  などいろいろありますが

まずは、自分の状況や気持を聞いてもらうというのがスタートだと思います。

自分のことを振り返ってみても、うつ病のようになって
ダンナの借金のことなど、もうどうすることもできない
自分にできることはもう何もないという思いに捉われてしまっていた時に
黙って話を聞いてくれた、仲のいい友達がいてくれたこと
それが「もう一度だけがんばってみよう」と思える力をくれたのは間違いありません。

私は、両親は若い時に亡くなりましたし、兄弟もいません。
父は明治生まれで、しかも父自身も一人息子だったので
叔父叔母やいとこなどの係累もまったくありませんが
友人には本当に恵まれました。
私の話を黙って聞いてくれて「分かってるよ。大変だけどがんばって」と
心から応援してくれるような数人の友達に
ダンナの問題だけではなく、がんになってからもずっと支え続けてもらっています。

半世紀以上も生きてくれば、私の側だけではなく
お互いに、大なり小なり、いろいろな悩みや問題を抱えています。
だから、変な見栄を張ったり、体面を気にしたりせずに
お互い様で、悩みを言い合えるようにもなります。
こういうスキルは、男性よりも女性のほうが数段優っていると思います。
成長した子どもたちも、大体のことは理解してくれて
悩みは悩みとして率直に話すことができるようになったことも大きいです。

この章の最後には次のように書かれています。

「周囲に適任者が見つからなくても、ガックリしないでください。
 もしもあなたがまだ、治療・相談機関や自助グループなどに足を運んでいない
なら、ぜひ、行ってみることをおすすめします。同じ問題に取り組んでいる
仲間たちは、きっとあなたの支えになるはずです」

家族だけではなく、依存症者自身も

 一人で抱え込んで何とかしようと思ってもうまくいかないことのほうが多い

 同じ悩みを持つ人たちに話を聞いてもらう、あるいは話を聞くことには一定の効果がある


ことは実証されています。クラフトのプログラムも、マックのような相談機関も、自助グループも
このように本質的なところでは共通しています。

クラフトの勉強会は、黙ってお話を聞いてればいいのかと思っていたら
結構自分のことを話さなければいけないシチュエーションがありました。
私は、この通り、要領よく話すというのが苦手なので
「困ったな」とは思いましたが、何とかクリアできました。

そして、知らない人と話すのがあまり得意ではない私も
こうして、つらつらとブログを書いていると
共感していただける方たちとのつながりができます。
ですから、これもまた「誰かに話を聞いてもらう」の変化形ではないかと思っています。
ハイテクな社会も、悪いことばかりではありません。


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クラフト勉強会 自分が楽になる

2016-05-28 14:11:17 | クラフト
クラフト勉強会の5回目は
「あなた自身の生活を豊かにする」でした。

もともとクラフトプログラムの特徴の一つは
「たとえ依存症者が治療につながらなくても、問題行動が減ったり
家族がもっと楽に暮らせる効果がある」ことです。

具体的には自分をほめる
  私って、本当によくやってる
  人間だから間違うこともある。だけど今まで、できることを
  精いっぱいやってきたんだ
  今まで同じ場面を繰り返してきたが、別のやり方がないか
  考えられるようになった
という具合に、自分のいいところや進歩していると思えるところを見つけて
ちゃんと自分で自分をほめてあげるということです。

そして自分にごほうびをあげるでは
思いつく、自分が楽しいと思えることをやってみる。

  昼寝や友人とのおしゃべり、散歩や、ゆっくりお風呂につかる
  読書、家庭菜園やガーデニング、縫物や編み物、映画やカラオケ
  ランチ、美容院やエステ、服や化粧品を買う、旅行など

「本人の問題が解決しない限り、自分のことなんて考えられないし
考えてはいけない」というようなとらわれをやめて
「自分の好きなこと、楽しいこと、やりたいこと」に目を向け
実現できそうなことならば、一つでも二つでもやってみる。

依存症者の考え方を変えるのは、簡単なことではありませんが
まだ「頭がこわれちゃってない」家族なら、意識的に変えることができます。
依存症者は依存対象(薬物、アルコール、ギャンブル等々)で頭がいっぱい
家族は、依存症者の依存症の問題で頭がいっぱいという
依存の二重構造、負のスパイラルから
まずは家族が抜け出すことが大切で
それが家族の回復が重要で有効だと言われる理由です。

すこし前に、新聞の子育て相談に、息子さんのスマホゲーム依存について
相談を寄せられたお母さんのことがニュースになっていました。

一部引用すると


「私は怒りを10倍にして息子にぶつけ、ケンカになる。いつも、この繰り返し」
という状況で、さらに「息子を私の人生から抹消したいとさえ考え」ていて
本人にも直接「こんなクズ、産むんじゃなかった」
との言葉をぶつけているとも書かれている。

回答者の答えは相談者の息子さんへの姿勢について「尋常ではありません」と指摘し
「即刻あなたの心と態度を改めるべき」
「息子さんへの接し方について率直にあやまってください」というものでしたが
今、子どもさんのスマホの使い方について
同じようなバトルを繰り広げているご家庭は結構あると思われ
そうでなくても、長い子育ての中で、思うにまかせないことのほうが多く
「あんなに苦労して育てたのに」「子どもなんかいないほうがよかった」と
思うのは、そんなに特殊で異常なことなのでしょうか。

この相談を見る限り、お母さんは息子さんのスマホゲームのことで
毎回注意をし、小言を言い、叱責し、親子ゲンカになる。
それを際限なく繰り返すうちに次第に「息子を抹消したい」という
まさにドツボのマイナー思考に陥ったもののように思えます。
どうやらご家庭には、息子さんのこと以外でも様々な困難があり
そのストレスや怒りのほこさきが、スマホの問題をきっかけに
すべて息子さんに向いてしまって、どんどん悪化しているように感じました。

クラフトのテキストに、こういう文章があります。

相手を全否定していたらコミュニケーションは生まれません

これは依存症の人に「やさしい態度を取るのはよくないと思いこんでいる人もいます」
というお話の続きです。
「優しくすると認めることになるのではないか」という不安や
「優しくしたらつけあがる」というような過激な考え方もありますが
そうした考え方ややり方が、効果がないばかりか
状況を悪くしていると感じたらやり方を変えてみる、それがクラフトです。

まずはコミュニケーションが取れるように態度や話し方を変えてみる。
すぐにはうまくいかなくても、依存している人の問題から
自分の思考を開放して、まずは自分が少しでも楽に生きることができるようになる。
「なまぬるい」と感じられるかも知れませんが
日々の生活の中で、夫婦や親子がうまくコミュニケーションを取れるようになるのは
結構難しいものです。相当に高度なスキルが必要だと分かりました。

優しくするとなると、配偶者や子どもを怒らせないように
はれ物に触るような対応になる。結果何も言えなくなってしまう。
それはそれでマズいので、相手が何を考えているかを話してくれるようにする。
自分がどうして欲しいのか、何を考えているか冷静に伝えることができるようにする。

とまあ言うは易し、行うは難しではありますが
特に子どもさんのスマホの問題に悩んでおられるような親御さんには
こういうやり方、考え方があることを、頭の隅に止めていていただければ
そしてわが子を「抹消したく」なる前に
だめもとで試していただきたい方法ではあります。



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クラフト勉強会 アサーティブに伝えるとは

2016-05-02 16:55:15 | クラフト
クラフトのテキストにはこう書かれています。

「CRAFT(クラフト)のコミュニケーション法は
アサーティブネスの考え方を下敷きにしています」

アサーティブネスって何?ということでググッてみました。

「アサーティブ(Assertive)」の訳語は「自己主張すること」
しかし、アサーティブであることは、自分の意見を押し通すことではなく
自分の要求や意見を、相手の権利を侵害することなく、誠実に、率直に、対等に
表現することを意味する」と説明されていましたが
これではちょっと難しい。

自分の考え方や気持ちを「アサーティブ」に伝えるためには
「お互いの人権を尊重した上で、価値観の異なる人と向き合って
攻撃するのでも黙るのでもなく、粘り強く対話をしていくことが
大切なのです」と書かれていて、こちらのほうがすんなり理解できました。

コミュニケーションがうまくいかない2つのパターンを考えてみました。

一つは「自己主張だけをする人」です。(タイプA)
相手が何を考えているかをまったく考慮せずに
自分の思ったことや、言いたいことを一方的に話す人。
頭ごなしに命令や叱責をする人もこのタイプです。

もう一つは「回りの人の思惑ばかり気にして沈黙する人」です。(タイプB)
こちらは、自分の気持ちを的確に表現できる言葉を持っていない場合もありますが
周囲の反応をあれこれ考えて、自分が言いたいことや
本当は言わなければいけないことまで我慢してしまうような人です。

家庭であれ、学校であれ、職場であれ、タイプAやタイプBの人は
周囲とうまくコミュニケーションを取ることができず
タイプBの人が、タイプAの被害者になって、激しいストレスにさらされたり
タイプAの人が、集団の中で孤立したり、疎外されたりということにもなります。

ですから、アサーティブに伝える技術というのは
これを習得することで「つい部下を口やかましく怒ってしまい
部下に煙たがられている上司」も「上司や先輩に叱られるのが怖くて
自分の希望を何一つ言えない部下」も
うまくコミュニケーションを取ることができるようになるというものです。

この「アサーティブ」が、依存症の問題とどう関わってくるかというと
依存症者の家族は、イネイプリングをしているとか、共依存だとか指摘されて
それまでにやってきた行為(よかれと思ってしてきた尻拭いや監視
小言や叱責)などをやめるように言われます。

すると「イネイプリングをやめること=よけいなことを言わずに黙っていること」
となって「家族は本人に向けて語る言葉を失い、双方の距離が広がる」ことになります。
私は「イネイプリング」とか「共依存」といった心理分析の分野には
あまり深入りしたくないほうなので、そのあたりはよく分かりませんが
長年ダンナに対しては
「何が楽しくて、お金を捨てるだけのギャンブルなんか。馬鹿じゃねえの」と
心の中では軽蔑しきって、さじを投げていたことは事実で
ですから、コミュニケーションが完全に取れなくなっていました。

けれど依存症という病気は
そういう理屈でどうこうできるような病気ではないことが分かって
自分が、こうして学んだ技術を使って
コミュニケーションを変えることで、ダンナの何かが変わるのであれば
それはありかなと思えます。

そして、クラフトの学習会を続けてきて
漠然とですが、感じていることがあります。
それは、依存症の問題を抱える家族に向き合うためには
親子だとか夫婦だとかいう家族の関係や感情とは別に
回復を支える援助者という
第三者的な視点やアプローチが必要なのではないかということ。

「アサーティブ」のほうにあった

価値観の異なる人と向き合って
攻撃するのでも黙るのでもなく、粘り強く対話をしていくこと


多分それが全ての人間関係の基本なのだろうと思います。
そこが失われているからこそ、混沌として、争いが絶えないこの社会の中で
まあ、そんなものはただの理想論だよと言われてしまえば、それまでですが。

しかし、前にも書きましたが、本当に禅かなにかの修業みたいです。
同じ仏教なら、その源泉ともいえる
高村薫さんが「究極のニヒリズム」と表現された
釈尊の教え「全ては無であり、空である」というほうに魅力を感じます。


「人間も、人生も、つまるところは無であり、空であるがゆえに
物欲や色欲や、あらゆる欲望には意味がなく
そういう意味がない欲望に捉われることで人は苦しむんだよ。
もうここいらで悟っちゃえ」なんてダンナに講釈しても
どうなるものでもないことは分かっているので
クラフト勉強会、残り2回がんばります。


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クラフト勉強会 簡潔に言う

2016-04-10 15:59:51 | クラフト
クラフト勉強会の参加者は、毎回12,3名。
その内男性は、2,3人といったところ。
私以外は、皆さん子どもさんの依存の問題を抱えておられます。

前回の「コミュニケーションを変える」のお話の途中で
一人のお父さんが言われました。
「こういうお話を聞いても、実は自分たちは
親からそんなふうにして育てられてはいないものですから」

確かに「子どもを甘やかしたらだめ」「悪いことをしたら叱る」
そういうのは、伝統的に受け継がれてきた価値観で
昔の親たちも、大体そんな感じで子育てをしてきて
そんなに困ったことにはならなかったわけです。

ネットの、知恵袋などに寄せられた「子どもがネット依存で」というような
相談に対する回答も「甘やかしたらだめ」「親はビシッと対応すべき」
という、従来からある価値観に添ったものもたくさんあります。
勉強会で質問をされたお父さんも
「これまで正しいとされてきたやり方でやってきたのに
なぜうまくいかないんだろう」と戸惑われているようです。

前にも書きましたが、本当にケースバイケースで
厳しく接して、うまくいく場合は
それで全然問題はないのだと思います。
ただ、それでうまくいかなくなった時には
効果の出ない、時には逆効果になることもある
同じやり方に固執するのではなく、アプローチの仕方を変えてみる
その柔軟性が必要で、クラフトはその中の一つの方法です。

クラフトの「コミュニケーションを変える」の
ポイントの3は「簡潔にいう」です。
ここは、勉強会の中では、さらっと流された項目なのですが
私が一番身に覚えがあるところなので、紹介しておきます。


私は、ダンナがパチンコに行くことを、その都度怒ったり、文句を言ったりは
しなかったのですが、たまに借金などが発覚すると
日頃たまりにたまった恨みつらみが全部出ます。

そうなると、家庭の経済状況から、子どもたちの将来のことから
ダンナのこれまでの行状から、もうあれもこれもと
最後には自分でも何が言いたいのか分からなくなるような状態でした。
ダンナも何を言われているのか分からなかったでしょう。

テキストにはこう書かれています。

「何を言いたいのかを明確にし、一度に一つのことを言うのがコツです。
長さは1~2フレーズまでにしましょう」

次のような例文とコメントが書かれています。

「日曜日にあんなに飲むから、いつも週の初めに会社を休むことに
なるんでしょう。しかもそのたびに私に電話をかけさせて!(中略)
ほんとに恥ずかしい。だいたい私、あなたと結婚してから、どれだけ
周りの人たちに言い訳してきたか、あのときだって…

これでは何を言いたいのかわかりません。相手も途中で聞く気を
失ってしまいます」

読んでいて思わず笑ってしまいますが、でもバッチリ身に覚えがあります。

この例の場合を簡潔に言うためには、自分が一番言いたいのは
「日曜日に飲む量を減らしてほしい」なのか「言い訳の電話を
かけるのはやめたい」なのか、考えてどちらかを選ぶわけです。

このように、クラフトのプログラムは、依存症の人の家族向けではありますが
日常の、子どもさんとのコミュニケーションに生かせる部分も多いと思います。
例えば、子どもさんのスマホの使い方を注意したいのに
話がどんどん広がって、学校の成績やら、日常の生活態度やら
てんこ盛りになってしまうのは、効果的ではありません。
「一番やってほしいこと」あるいは「一番やめてほしいこと」は何かを
頭の中で整理してから、簡潔に言うことにチャレンジしてみてはどうでしょう。

こうした説明を聞いて理解することはできますが
実際にそれをやる、1~2フレーズで言うとなると
結構難しいものです。しかも、それを高圧的にではなく
相手を肯定しながら、共感を持って話すことができるようになれば
かなりハイレベルなコミュニケーションのスキルということになります。
いやぁ、最初はもっと軽く考えていましたが正直難しいです。

相変わらずあちこち話が飛んでしまってすみません。
しかも、久しぶりに区の図書館に行けたので
調子に乗って、7冊も単行本を借りてしまいましたが
ハッと気づけば返却期限は2週間。
2日に1冊のペースで読まなければ、間に合いません。

「天使のナイフ」「犯罪小説家」「鬼談百景」
「ソロモンの偽証」(1~3)そして「死への祈り」と
健康な人でも病気になりそうな、陰鬱なラインナップを
現在まさに死に物狂いで読破しています。
そんなわけで私の脳の中は、相変わらず汚部屋状態です。


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CRAFT(クラフト)勉強会 コミュニケーションを変える

2016-03-03 16:44:50 | クラフト
2回目のクラフト勉強会は
2月8日(月)でした。

2回目のテーマは「コミュニケーションを変える」の前半です。

まず最初に「今日は早く帰ってきてね」から始まって
「なんで早く帰ってこれんの?」(不信感)になって
「いいから早く家に帰っておいで!」(怒り)になって
「最後の空欄に、あなたはどんな言葉を入れますか」で
皆さんが答えを書き込み、一人の方が発表。

「もう、帰ってこんでいい!」(絶望}

はい、私の書いた答えもまったく同じで
たぶん他の方もだったのでしょう。大きな笑いが起こりました。
でも考えられる答えはこれしかない(笑)

で、この思考回路と言いかたを変えるには?

最初の練習は「「わたし」を主語にする」です。

例えば「またパチンコしてきたんやろう」
「もう、勉強せんでゲームばっかりしてだめじゃない」
「お酒ばっかり飲んで、私の話なんかちゃんと聞いてくれないよね」
こういう言い方の主語は<あなたは>なわけです。

普通日本語では、話をする時に主語を省略します。
だから、私たちは、こういう言い方や考え方に慣れてしまっています。
ところがこの言い方だと自分でも気づかないうちに
会話が、相手に対する指示とか、命令とか、非難とかになってしまうわけです。

だから「私」はどう思っているか、「私」はどうしたいか
という言い方に変える練習をします。
最初の「もう帰ってこんでいい」だったら
「晩ごはんくらいは一緒に食べようよ」という具合です。

模範解答では「(私は)一緒にご飯が食べられたらうれしいな」になりますが
実際それを口にすることを想像したら、なにやら背中がかゆくなります。
それはさておき、こんな風に
「パチンコをするにしても、休みの日とかに決めててほしいな」
「ゲームもいいけど、睡眠はちゃんと取ってほしいな」
「お酒を飲んでない時に、これからの、子どもたちの話とかしたいな」
と、あくまでも「私」の思い、「私」の願い
という言い回しができるようになるように練習をするわけです。

テキストには「意識的に言い換える練習をすることは
自分の感情や望みに気づくことにもなるのです」と書かれています。

次の練習は「肯定的な言い方をする」です。

たとえば、子どもがゲームをする時間を決めていたのに守らないというような場合

否定的な言い方だと
「約束したのに、いつも約束を破って。もうあなたの言うことなんか
全然信用できない」という感じになります。

これを肯定的な言い方にするとしたら
「(お母さんは)あなたの言葉を信じたいと思ってる。
でも、約束どおりにできないのはどうしてだと思う?」という感じでしょうか。

要点はとてもシンプルなのですが
これを日々の家族関係の中で、ずっと続けていくためには
やはり意識的な練習や訓練が必要なのだと実感しています。

「日本人はコミュニケーションが苦手」というのは
テキストの著者である吉田先生も言われています。
日本人には「男は黙って○○○」とか「あうんの呼吸」とか
「以心伝心」とか、あるいは「子どもは甘やかしたらいけない。厳しく」とか
いろいろな、伝統的な「言わなくてもわかる」的な価値観もあって
「たくさんの言葉を使って、ていねいにコミュニケーションを取る」ことに
あまり慣れていないわけです。

けれど、これは「動機づけ」のお話のほうで出てきたことですが
配偶者にしろ、子どもにしろ
片方が正論で相手を従わせて「私の言うとおりにすればいいのよ」的な
対応を続けると、本人は、自分の行動に責任を取らなくなり
自分が思い通りにいかないと「怒る」とか「暴れる」あるいは
「お酒とか薬物、ギャンブル、ゲームなどに逃避する」という
まるで、幼いだだっ子のような思考回路に陥ります。

ですからクラフトでは、対立や衝突をしない対応の仕方を学んで

「本人が落ち着いて考える」
「どうすればよいのかを自分で考える」
環境を作るということなのだと思います。

青少年の場合は、反抗期もからんで
怒られたり、命令されたりすると
頭に血が上って逆上したり、内向的なタイプでは
ほとんどしゃべらなくなったりします。
これでは、状況をいいほうへ変えていくことはできませんから
親御さんが、コミュニケーションを取るための
専門知識を学んで活用して、子どもさんの自主性を引き出すわけで
甘やかしていることとは違います。


クラフトの目的の一つは
「本人を治療につなげる」ことですが
何度も書いているように、ネットやスマホで起きてくる問題は
治療どころか、相談できるところすら、ほとんどないのが現状です。
ですからできる限り、予防をする必要があり
深刻な状況にならないように
なるべく早い時期での、適切な対応もとても大切になってきます。

「顔さえ合わせたら、親子でスマホやゲームのことで喧嘩」という状態のご家族にも
このクラフトの考え方や方法は役に立つことがあるかもしれません。
今ご紹介している内容を読んで納得していただけるなら
ご家庭でも試してみられてはいかがでしょうか。


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CRAFT(クラフト)勉強会 クラフトとは何か

2016-01-16 16:36:25 | クラフト
1月11日(月)に、ジャパンマック福岡で行われた
クラフト勉強会の1回目に参加してきました。

CRAFT(クラフト)とは、アメリカのロバート・J・メイヤーズ教授らが
開発した、アルコール・薬物依存症者と家族のためのプログラムです。

使用するテキストは
「アルコール・薬物・ギャンブルで悩む家族のための7つの対処法 クラフト」
    (出版元 アスク・ヒューマン・ケア)
    著者 吉田精次 + ASK(アルコール薬物問題全国市民協会) 税抜 1000円
それと、ジャパンマック福岡で作成された「CRAFT勉強会テキストブック」です。

このプログラムの目的は次のようなものです。(テキストから抜粋)

1家族など依存症者の周囲にいる人が
 自らのコミュニケーションを変えることで、対立を招かず
 治療につなげることが可能になる

2家族の「すでに持っているけれど効果的に使えてない力」が
 使えるようトレーニングする

3たとえ依存症者が治療につながらなくても、問題行動が減ったり
 家族がもっと楽に暮らせる(感情、身体、対人関係面で)効果がある

最初に、クラフトとは何かについて、20分ほどのDVDを観ました。
テキストの著者である吉田先生がおられる徳島の藍里病院での
クラフトの勉強会の模様(50名~60名ほどの家族が参加)
そして、松本俊彦先生と、薬物依存症の自助グループダルクの方による
クラフトの説明でした。

このテキストは、家族のための自習用ワークブックとして作られていて
それほど難しい専門用語などは使われておらず
誰にでも読みやすく、たいへん分かりやすく書かれていると思いました。

今回は第1回目だったので、テキストの1「状況をはっきりさせよう」をやりました。

ワークの1は「何がきっかけになっている?」で
本人は、どんなきっかけで飲酒・薬物・ギャンブルを始めるのか
どんなことがあると、ストップがきかなくなるのか
例えば <職場でイヤなことがあったとき> とか
<心配事があるとき>とか<疲れたとき>といった14の項目があって
思い当たるものがあればチェックをし
それ以外の理由がある場合は、テキストに書き込み
記入後に、講師の方と参加者で、簡単に討論をするという感じで
「兆候を整理する」「飲酒・薬物・ギャンブルの影響(本人・家族)」
「1週間にどれぐらい?」という順序で、現在の状況を
客観的に把握して、テキストに書き出すことで情報を整理するという作業をしました。

うちの場合は、パチンコに行くという行動は止まっているのですが
「過去に起きたことでよいので、書いてみてください」と言われました。

その後「流れをつかむ」のワークでは、依存症の問題を抱える家庭で
何度も繰り返される、同じようなトラブル
「やらないって言ったのに」「うるさい」という感じの
売り言葉に買い言葉で、状況がよくなるどころかむしろ悪くなることもある
そういうことがこれまでにあったがどうかを検証しました。

そして最後のワーク「シナリオを変える」では
トラブルになるやり取りの、どのセリフ、どの行動を変えたら
まずい結果になるのを避けられそうかを考えてみるというものでした。
参加されたのは、援助職の方がお一人、あとは私を含めて家族の方が12名ほどでした。
説明を聞いて、ワークを書くという厳格な雰囲気なんかでは全然なく
皆さん、ご自身の体験なども交えて自由に発言もされていました。

まだ1回目に参加しただけなので、さわりだけしか分かっていませんので
続きは、またその都度書きついでいきたいと思います。

「家族が変われば」というような話になると
真面目な方ほど「それでは家族に問題があったのか、自分の対応が悪かったのか」と
悩まれますが、このクラフトの考え方は、そういうスタンスではありません。
私はもともと、よほど極端な問題がない限り
「過去のトラウマが」というような考え方が好きではありません。
ほとんどの家族は、毎日自分たちにできることを一生懸命にやって
普通に生きています。それでも依存の問題は起こります。
ですから、依存や依存症を引き起こす一番大きな原因は
やはり社会の環境にあるという考え方は変わりません。

けれどそこは一個人の力ではどうすることもできませんから
それでは家族がやれることがあるならチャレンジしてみよう
そのための手段の一つとして、クラフトを勉強してみたいと思ったわけです。
このテキストは、ネットでも、書店でも、なければ注文すれば買えるはずですから
子どもさんのスマホ依存、ネット依存などがあって
家族の接し方を勉強してみようと思われる方は、どうかチャレンジしてみてください。

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