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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

人間として

2009-07-28 13:57:48 | 社会・生活
ずっと政治のことを調べたり書いたりしていると
あまりにも暗い未来しか見えなくて
段々欝のモードに入ってきます。

それで気分転換に他の話題を。
日曜日の朝日新聞の「おやじのせなか」というコラムは
舞踏家の田中泯(たなかみん)氏の談話でした。
田中泯氏は山梨県白州町で舞踊資源研究所/花水を運営するかたわら
俳優としても活躍しておられます。
私はTV版「ハゲタカ」のレンズ職人加藤幸夫役でファンになり
その後映画「メゾン・ド・ヒミコ」で
老ゲイ卑弥呼を演じた田中泯氏を観ました。

何が凄いのか。抽象的な言い方ですが
人としてのたたずまいとでも言いましょうか。
人間性や純粋さは数値で表すことができないのですが
それでもゆるぎない信念を持って生きてきた人というのは
年を取ってからそういうオーラをまとっているように思います。

反対に頭の中が常に金のことだけで占められているような人間は
自然と人品卑しい風貌になっていくものです。
横領や詐欺などの事件で逮捕された人物には
そういう人相の人が多いような気がします。
もちろん政治家や役人、企業のトップにも見られます。
ギャンブルに取り付かれた人間も同じです。
勝っても金、負けても金、金以外にどんな価値観もない
泥の底を這い回るような生き様になったら
本当に人間は終わりだなと思います。
そういう人は自分の人生の最後に
一体何を思うのでしょう。

私は情緒的な言葉で
人に何かを訴えるのが苦手な人間ですが
昨年ダンナの母が亡くなった時には
「お母さんが生きている間
借金やらギャンブルやらで心配をかけ続けて
何一つ親孝行もせず親の葬式の香典まで
お兄さんに借りるような始末だったのだから
これからはせめて
死んだ親がこんな子供を生んで育てるのではなかったと
お墓の下で涙を流すようなことにはならないように
人生をやり直してほしい」と話しました。
そういう言葉がどれほど効果があるかはわかりませんが
人に賞賛されるような人生でなくていいから
せめて自分の回りの人間を不幸にするような生き方は
改めてほしいというのが正直な気持ちなのです。




パチンコ店放火事件その2

2009-07-15 16:16:10 | 社会・生活
7月12日付けの朝日新聞にパチンコ店放火事件の続報が掲載された。
逮捕された容疑者はかつて結婚もしていてこどももいたらしいが
1999年頃に離婚しそれからは転職を繰り返した。
2007年ごろにはすでに多額の借金を抱えていたが
「スロットにのめりこみ数万円負けても
まだ借りられるから大丈夫と話していた」と書かれている。
やはり、という感じだった。
容疑者は明白な依存症患者だったのだと思う。

前々回のブログに「誰でもよかった」という話は
第三者の脚色かもしれないと書いたが
もう一つの可能性は容疑者自身がウソをついたということだ。
ギャンブル依存症の最大の特徴は「嘘と借金」なのだが
自分に都合の悪いことではけして本当のことを言わない。
だからあるいは容疑者自身が
多額の借金の原因を隠したいために
秋葉原事件のような
多発している無差別殺人を装った可能性も否定はできない。

このように依存症をこのまま放置すれば
「嘘をつく」特性のために
自分が病気であることを
自覚しない限りは人に相談をすることができない。
正常な判断力が失われているので
借金の問題をまともな方法で解決することができない。
家族からも見放されてヤミ金に走り
追い詰められて犯罪を犯すという図式が
これからもずっと繰り返されることになる。

昨今は女性や高齢者の依存者も激増している。
今回の事件の被害者も多くが高齢だった。

こうした負のスパイラルを止めるためには
ギャンブル依存症とは何かを
一人でも多くの人が正確に認知して
自分はもちろん自分の家族も
病気の原因となるものに近づかない
軽い気持ちで関わらないということが
何よりも大事なのだと思う。

パチンコ店放火事件

2009-07-07 17:58:49 | 社会・生活
昨日大阪のパチンコ店で放火事件があり
死傷者が出て犯人の男は山口県の警察に出頭
逮捕されたというニュースが報じられました。

男は犯行の動機について
「仕事も金もなく誰でもいいから殺したかった」と話し
消費者金融に多額の借金があったことも分かりました。

この報道についてちょっと疑問に感じたのが
動機の「誰でもいいから殺したかった。たくさん人がいるので
パチンコ屋を狙った」という部分です。
借金の原因については詳しい報道はされていません。
気をつけてニュースを見ていると分かるのですが
原因が「パチンコ」であっても
それを明言する報道は皆無と言っていいと思います。
大抵は「ギャンブル」あるいは「ギャンブルや飲食」といった
ぼかした表現になっています。

自動車業界や電機産業は経営が苦しく
いまやマスコミの有数のスポンサーは
パチンコ機器メーカーといっても過言ではありません。
何にせよその上得意を怒らせるようなことは
絶対に回避しなければならないのだろうなあと感じます。
さらにその情況を強力にバックアップしているのが
他ならぬ日本の警察です。

<以下ウィキペディアの「パチンコ」から引用>

警察との癒着
警察庁は、パチンコ業界の監督官庁として、その外郭団体である
保安電子通信技術協会で遊技機の仕様が適正であるかどうかを調
べる試験を行ったり、さらに、試験に通過した機種を実際に営業
に供して良いかどうかの検定を各都道府県の公安委員会で行った
り、あるいは店舗営業の許可を与えたりするなど、業界の生殺与
奪の権を握る立場にあるため、癒着が発生し易い関係にある。例
えば、遊技機の型式試験を行う保安電子通信技術協会の前会長は
前警察庁長官であった山本鎮彦であり、職員の1/3を警察出身者が
占めることや、パチンコメーカー・アルゼでは前警視総監である
前田健治を常勤顧問として迎え入れていたなど、関連団体や企業
への天下りとも解釈できる例が見られる。(引用ここまで)

「誰でもいいから殺したかった」という動機が本当に犯人の口から
語られたものなのか、それとも業界を擁護したい何者かの脚色なのか。
もし犯人がパチンコで多額の借金を作ったのなら
単純に自分の人生を破滅させたパチンコ屋を怨んでいたはずであり
また病的なパチンコ依存症であったなら
自分は金がなくパチンコができないのに
みんなが楽しそうにパチンコをしているのが許せなかったという
思考に陥った末の犯行というほうがよほど理にかなっているように
思えるのですが。