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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

新年早々ネット依存の話題で

2018-01-10 14:12:17 | ネット依存症
あららという間に松の内も過ぎ、十日になってしまいました。
遅ればせながら、今年もよろしくお願いいたします。
どうも体調が思わしくないので
2日に娘が顔を出してくれた以外は
ダンナと二人、普段とほとんど変わらない毎日を過ごしました。

新年早々ではありますが、ネット依存関連のニュースを二つ。
一つは、トリーさんも朝日デジタルの記事をシェアしてくださっていますが

「世界保健機関 ネットゲーム依存を疾病指定へ」

「世界保健機関(WHO)が、2018年疾病の世界的な統一基準である
国際疾病分類(ICD)に「ゲーム障害(持続、または反復する
ゲーム行動)」を盛り込む方針を決定」というもので
ゲームを含むネット依存は、これまで統一的な定義がなく
国際的な統計もなかったが、WHOが疾病分類に加えることで
日本の厚労省も、数年後には新しいICDの基準を導入することになる。

つまりWHOの基準がないから、厚労省もネット依存の具体策はなく
(予防教育には一応取り組まれているが)相談窓口もないという現状が
数年後に若干前進するかもしれないということですかね。
毎度のことながら、なんともまあ、悠長な話ではあります。
(体はヨロヨロですが、憎まれ口は叩けます。
この性格の悪さからしても、病気が改善するのは夢のまた夢です)

もう一つのニュースは、ツイッターでフォローしている
エンジェルアイズがシェアしてくださったもので

「スマホ依存で米中高生の自殺率が急増」という
かなりショッキングなものです。

米国でサンディエゴ州立大学のTwenge氏らの研究チームが
米国の中学2年生~高校3年生の男女50万人超を対象に
抑うつ症状や自殺念慮の経験と、インターネットでの
ソーシャルメディアの使用状況を調査した結果
2010年から2015年までに、中高生の自殺率が
31%上昇という調査結果が出た。特にスマホ・PCなどの
使用時間が長くなるほど、自殺念慮や自殺企図といった
経験が急増していた(5時間以上だと48%)

エンジェルアイズは、次のようなコメントを添えられています。
「思春期の児童にスマホが与える影響と、大人への影響は違う
ことを大人は理解して使わせないと、リスクは大人の想定を
超えることは今後もおきてしまいます」

学齢期のスマホ利用が、即自殺念慮ということではないと思います。
長時間のスマホで、睡眠時間の不足、成績の悪化、体調不良などが
重なり、抑うつ状態にという経過をたどるのではないでしょうか。
さらに、その不安や落ち込みから逃げるためにまたスマホへという
悪循環を繰り返して、最悪の結果を招いてしまうということ
なのだろうと思います。

「スマホばっかりして」「こんな成績でどうするの」という
叱責や説教ではなかなか反抗期の子供の心には届きません。
けれど「こういうショッキングなニュースがある」ということを
家庭で話題にしたり、たとえ子供がそっぽを向いていても
両親で話題にして話してみるというのは大切な気がします。

WHOがなぜネット依存を「ゲーム障害」だけに限定されたのかは
分かりませんが、ゲームに限らず、長時間スマホをやっていると
体や心に様々な不調が生じ、脳の機能にも変化が起きて
正常な思考や判断力が働かなくなるのは明らかです。

お正月や、新年度の区切りで
お子さんにせがまれていたスマホの購入を
検討されるご家庭が多いかと思いますが
スマホの使い方のルールを決めるためには
親御さんも、子供さんも、スマホの望ましい使い方や
その危険性、リスクについて
様々な情報を知り、家庭で話題にしていくことが大切かと思います。

ずいぶん前に、脳の働きについて書いたことがありますが
その中でも、一番大切な働きをする前頭葉
その前頭葉が成熟するのは25才ごろなのだそうです。
人間の脳が長い時間をかけて成熟していくその過程で
こんなに大量のテクノロジーに接触するのは
人類にとって初めてのことです。
それは、問題に対処するための蓄積されたデータはなく
解決法はゼロから探さなければならないということでもあります。

けれども問題と思われる点や、どう対応すればいいかも
少しづつではありますが、分かり始めています。
依存症全般に言えることですが、政治や医療が何かしてくれるのを
待っているのでは絶対に間に合いません。
書籍や、メディアやネットの信頼のおける情報を参考にしたり
父兄会などでの情報交換、あるいは講演会などを聞いて
自分はどうするか、我が家ではどうすればいいかを
親御さんも子供さんも一緒に真剣に考えていただけたらと思います。



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ネット依存問題は家族会の設立を

2017-11-16 16:23:13 | ネット依存症
ダンナのパチンコ依存と借金が発端で
「ギャンブル依存症」という病気があることを知ってから
そろそろ十数年になります。

その間、ギャンブル以外にも、様々な種類の依存があることや
日本の依存症を取り巻く現状と、アメリカやヨーロッパの依存症への対応の違い
依存症から回復するためには、どういう方法があるかなど
自分なりに学んできた私が、一番危機感を持ったのが、ネット依存の問題でした。

ギャンブル依存症でさえ、表面化してすでに30年近くなるのに
それが脳の病気であることや、どうすれば回復できるかの正確な情報が
多くの人にいきわたっているかというと、全然そんなことはありません。

そんな状態で広がってきたネット(スマホ)依存。
「ネトゲ廃人」(芦崎治著)という本が出たのは2009年ですから
こちらもそろそろ10年になります。
その間に、PCよりもさらに手軽で、24時間身近にあり
対象の年齢も小中学生から、下手をすれば幼児まで含まれる
携帯、スマホ、タブレット、ゲーム機が怒涛のように普及したことで
当然の結果なのですが、そうしたIT機器への依存の問題が多発しています。

そして、こうしたネット依存のことを相談できるようなところがあるかというと
精神福祉センターの方の答えさえ「国の診断基準が確立されていないので」
という、なんとも心もとない状態なのです。
他の依存症でもそうなのですが、上の人たちが何とかしてくれることは
あまり期待できそうにありません。そういう状況の中で
やはり大切なのは、自分たちで、なるべく多くの、信頼できる情報を集めて
それをシェアしていくことだと思います。

大きな危機感はあっても、私は子育ての現役世代ではなく
自分自身が、子供のネット依存の問題に直面しているわけではないので
本やネットで知った内容をコピペするだけでは、今ひとつ説得力がありません。
というわけで、ネット依存の問題についてはこのブログで
ブックマークをしているネット依存関連のサイトで
より正確な情報を入手していただけたらと思います。

その中のひとつ「ネット依存、ゲーム依存、スマホ依存から小中学生を
守るために」のブログ主のトリーさん

遠藤美季さんが主宰される、ネット依存の予防啓発に取り組まれている
民間団体「エンジェルアイズ」が開講されている「ネット依存アドバイザー養成
講座」を受講して、アドバイザーの資格を取得。高校生と中学生
二人の息子さんたちのお母さんでもあります。
最近、子どもたちにスマホを買ってあげる時期や、
家庭でのスマホのルール作りのポイントなど
具体的な対処法について、ブログでていねいに書いておられます。

子どもたちのネット依存については、トリーさんのように
問題意識を持った先生や親御さんが、書籍や講習などで知識を習得し
その知識をシェアするという、自分たちの側からの啓蒙活動を広げていくほうが
国や政治が何かしてくれるのを待つよりも、よほど早くて効果的な気がします。

言うだけだと、どこぞの政治家さんではないけれど「言うだけ番長」だし
「それならお前がやれ~」と怒られそうですが、今、一番急がれるのは
ネット依存問題を抱える家族の会、家族会の設立ではないかと思います。
個人で悩んでおられる方は相当数おられるものと思われ
依存の程度も様々なので、軽度の依存、依存の初期への対応で
どれでも解決できるわけではありません。
そういう情報を、リアルに交換できる場所が早急に必要だと思います。

最近更新が減ってきています。
時々原因不明の熱が出ることや、最近は腰痛など
どうしようもない不調ではないけれど、プチ不調が重なって
家事を済ませると、うとうとしてしまうようなことも増えました。
できることが、少しづつ減ってきている気がしますが
まだまだ何もできないというわけではないので
少なくとも、脳に変調が起こらない限り
こうして、日々思うことを言葉に、形にしていきたいと思っています。






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子育てにネットを利用するのはよいか悪いか

2017-02-21 11:34:41 | ネット依存症
数日前ネットニュースで
「ネット子守りは是か非か」という意味の記事を読みました。
お母さんが忙しくて手が離せない、ご飯の用意をしている時や
美容院とか病院とか、幼児を連れて行ってぐずられたら困るという時に
スマホやタブレットで、幼児に動画を見せたり、ゲームをさせたりする
それが良いことなのか悪いことなのかという話でした。

私も以前歯医者さんで、お母さんが
3,4才くらいの男の子にタブレットを持たせ
待合室で待たせているのを見て「時代が変わったなあ」と思ったことがあります。
けれど前回の記事で、心療内科の先生が
子どものゲーム依存を予防するには
小学校の低学年まではゲームをさせないことを推奨されていると書いたので
改めて、幼児とIT機器の関係を考えてみました。

子育てをしている時には
どうしても子供をかまってやれないことはたびたびあります。
まとわりつく子どもを叱りながら家事をやるよりは
一時的に、テレビやネットなどを見せることで
効率よく家事を済ませたり、回りに迷惑をかけずに
病院の診察を終わらせるといったことは、ありかなと思います。
かつてはテレビだったものが、今はネットに変わってきたわけですから。

これらをまとめてみると
子育てとネットの関係を考える上で、大切なポイントがいくつかあります。

それは

 子育てにネットを利用するのは、やむを得ない場合に限り
 なし崩しに利用しない
ことであり

増田先生のアドバイスにもあるように、少なくとも小学校の低学年までは

 子供専用の機器を買い与えないこと ゲームをやらせないことです。

どうして、改めてこういうことを書いているかというと
仕事もし、家事もしという状況で子育てをすることの大変さ
身近に気軽に幼児を預けることのできる実家や
仲のいい友達がいない中での子育ての大変さを
私自身も、ひと通り経験してきているからです。

「テレビやネットに子育てをまかせるのは良くない」「子どもに悪い影響がある」と
理想論をいうのは簡単ですが、それは「3か月までは母乳育児で」とか
「乳幼児を保育園に預けるのはだめ」とか「一人っ子はかわいそう」とかいうのと同じで
だめだと言われても
そういう現実に向きあいながら子育てをしているお母さんはたくさんいるわけで
あれもだめ、これもだめというだけでは、全然建設的ではありません。
だから、もしも利用するとしたら、どういうやり方がいいのか
どういうことはやってはいけないのかをちゃんと理解して
上手に利用してほしいと考え、ポイントをまとめました。

ゲームに関しては、ネットの他のコンテンツ(動画やSNSなど)よりも依存性が高く
低年齢であるほど依存の状態になりやすいということが分かってきているので
小学校の低学年までは、できればやらないほうがよく
やるとしても1日30分程度というのは、前回の記事でも書きました。

菅原ますみさんというお茶の水大学の子どもの発達心理学の先生のお話によれば
「テレビの視聴時間の長短が、子どもの問題行動に結び付くという因果関係は
証明できず、むしろ内容の影響のほうが大きい。乳幼児の発達に影響を与えるのは
本の読み聞かせや、遊びを通じての人とのコミュニケーションだ」ということで
この考え方は、子育てにネットを利用する時にも、参考になるのではないかと思います。

子育てにネットを使うことの是非、特にそのマイナス面だけにこだわるのではなく
ネットを上手に使いながらも、過度にそれに頼らず
やらせてはいけないことは何かを、きちんと理解して
普段の子育てでの、子どもとのリアルなコミュニケーションを大切にし
充実させる努力をすることのほうが重要なのだろうと思います。
ですから、親のほうがスマホに夢中で子どもをほったらかし、なんていうのは
これはもう、ネット育児がどうとかいう以前の、親としての資質の問題です。
子どもと向き合うのが嫌い、面倒くさいというような人は
親になるべきではないと、私は思います。


余談ですが、子どもたちが赤ちゃんの頃
ご飯の支度を始めるとぐずりだすので、終わるまでおんぶをして
邪魔されないように背中にくくりつけていました。

けれどそのうちに、おんぶひもを持ちだしてくると
子どもが逃げるようになってしまいました。
あれでぶらさげられると、なにもできなくなるということを
幼いなりに学習したのだと思います。
「母の背中のぬくもりと、ふれあうチャンスを与えてやってるのに
逃げるなんて、この野郎(心の声)」と思いましたが
それ以降、私が忙しい時は、さほどぐずらなくなっていった気がするので
おんぶひもが、意外にも抑止力になることを発見しました。
まあ、今日び、そんな原始的な子育てをする
お母さんというのも、いなくなったのでしょうが。

子育ては勝敗のないバトルだと、私は今でも思っています。
特に最初は親も子もど素人ですから、完全に試行錯誤の手探り状態で
「ああでもない、こうでもない」と悪戦苦闘の連続です。
模範解答なんかどこにもなく、ぶっつけでやっていくしかありません。
うちの場合は、そこに最悪な性格の猫までが加わって
すったもんだ、四つ巴の二十数年でしたが
終わってみれば、楽しくなかったというわけでもありません。
子どもと猫は「何一つこちらの思い通りにはならない」という点で
同じ種類の動物です。
その、意味不明な動物を、どうにかこうにか人間と呼べるまでに
たどりつかせるのが子育ての大変さでもあり、面白さでもあります。
時代は変わって、子育ての在り様もずいぶん様変わりしましたが
それでも子育てが、オンリーワンであることに変わりはありません。

アンドロイドを育てているわけではありませんから
みんなが違っていて当然です。
時代の変化をうまく取り入れながら
あまり社会通念や既成観念に捉われない
自分なりの子育ての形を見つけてもらいたいなと思います。


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ネットやゲームの依存を予防することの大切さ

2017-02-13 15:50:14 | ネット依存症
相変わらず話があっちに飛んだり、こっちに飛んだりして申し訳ないのですが
この3、4年、私が一番大きな危機感を持っているのは
やはり子供たちのネット依存症の問題です。

読まれた方もおられるかと思いますが
2月11日(土)の朝日新聞に
鹿児島の心療内科の医師増田彰則先生が
「ゲーム依存症 進む低年齢化 対策急げ」
という記事を投稿されていました。

その記事から引用させていただきますが
アメリカで「インターネットゲーム障害」(ゲーム依存症)が
新しい病態として記載されたのは、2013年だったそうです。

そして昨年の10月に、増田先生が
鹿児島県内の小中高生6千人の調査をされたところ
「厚労省の13年の調査(中高生の8%が依存症)から倍増し
中でも深刻なのは、小学校低学年の男子で
依存症の基準を満たす児童が15%もいた」となっています。

さらに増田先生の心療内科を受診した小学生から高校生620人のうち
100人がゲーム依存症で、350人が予備軍の睡眠障害。
「依存症100人の9割は遅刻常習か不登校で
7割が、やめさせようとする親に
暴言を吐いたり、暴力をふるったりしていた」と書かれています。

かねがねとても危惧していたことではありますが
やはりスマホやゲーム依存の低年齢化と患者数の増加は
私の予想を超えるものがありました。

そういう深刻な事態にならないためにはどうすればよいのか。
今の時期、進学や進級に伴って
「新しいゲーム機を買いたい」「スマホが欲しい」という話題が出ている
ご家庭も多いのではないかと思います。

増田先生のアドバイスによれば、大切なのは「家族の取り組み」

1.幼児期や小学校低学年まではゲームをさせないことが最善
2.医学的には、させても1日30分以内が望ましい
3.子供専用の機器を買い与えない
4.居間など家族の目の届く場所でゲームをさせる
5.午後9時以降はゲームをさせない

少なくとも小学生の間は、このように
親がきちんと管理ができる体制で、ゲームと付き合っていく必要があります。
このブログでは、インターネット依存治療外来がある
久里浜医療センターの「インターネット依存について」のサイトにリンクしていますが
その中の「インターネット依存はどのように治療するのか」の項目でも
繰り返し書かれているのは時間の使い方であり、時間管理の重要性です。

つまり小学生だけではなく、中学生も高校生も、大学生でも
ネットやゲームの依存を予防するのに何よりも大切なのは
時間を管理できる習慣を身につけるということです。
そのさいに、親が一方的に命令する形で決まりを作り
約束を破った時は厳しく叱るというやり方でうまくいくこともありますが
それで子どもが反抗的になったり、言うことをきかなくなった時に
同じやり方を続けていると、依存がより進行する場合も多いので
子どもが理解し、納得できるような形で
どうすればうまくいくかを一緒に考え
ていねいに話し合うことが望ましいのです。

アルコールでも、薬物でも、ギャンブルでも、ネット、ゲーム、スマホでも
依存症という脳の病気の領域に入ってしまったら
普通の日常生活を送れるように回復するのだけでも
ものすごく長い時間がかかり、回復できないケースも多いです。
子どもの時、あるいは中高生や大学生などの若い頃から
そういう状況になってしまったら、本人はもとより家族にとっても
想像を絶するくらい大変なことです。

特にネットやゲーム、スマホの依存については
久里浜医療センターの記事にも「確立した治療法はない」と書かれていて
今はまだ相談できる施設や医療機関もごくわずかしかありません。

ですから、子どもさんがネットやゲームの時間を守れない
夜遅くまでネットやゲームをやっているというような状況に気づいたら
なるべく早い段階でよく話し合って
「睡眠時間はしっかりとる」「夜中にスマホやゲームをしない」
「食事中や入浴中はスマホやゲームをしない」など
少しでもスマホやゲームから離れる習慣を増やすことで
依存を予防する、状況を深刻化させないことがとても大切です。

増田先生の記事は
「ゲーム依存症は子供の脳を壊す。国を挙げて早急に対策を立て
実施する時期にきている」
これは、ギャンブル依存症でも、薬物依存症でも
専門家の方たちが、もうかなり以前から繰り返し提言されてきましたが
ほとんど実現はしていません。
その現実を見ても、とにかく予防が第一なのです。
とにもかくにもまずはしっかりした知識を持って
早い時期からの予防に取り組んでいただけたらと願います。

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小学生にスマホは必要か

2017-01-26 16:15:54 | ネット依存症
数日前の地方紙に「我が家の「スマホ」法を作ろう」というタイトルで
子どもがスマートフォンを持つ上での問題点についての記事が出ていました。

内閣府の2015年の調査によると、小学生の
スマートフォン所有率は24%、約4人に一人で
スマホを購入した理由については「子どもの所在地の確認」と並んで
約3割の親御さんが「子どもにせがまれて仕方なく」という答えでした。

これについて、スマホ・ケータイ安全教室インストラクターの方が
「子どもの言うままにすぐに買わず、まずはリスクやルールについて
話し合ってほしい」と助言されています。

スマホを使うためのルールで、特に大切なのが時間と場所で
小学生の場合は、情報の安全性や時間の管理という面で
親の目の前でしか使わないようにすることが基本なので
「1日1時間、親が在宅している時間にリビングで使う」という感じです。

この時間の問題では、小学生では9割以上が持っている
ゲーム機の利用の状況が参考になるかと思います。
現在ゲーム機でのゲームで、決めた時間がちゃんと守られているケースは
スマホを持っても当面は大丈夫だと思いますが
ゲーム機のゲームで時間を守れず、家庭でトラブルになっているような場合は
まずは自分で時間の管理がちゃんとできるようになるまで
スマホを持たせるのは保留しておいたほうが無難です。
時間の管理ができないまま、スマホを使い続けていると
依存の状態になり、勉強する意欲をなくして不登校の原因にもなります。

またインターネットに接続する際のリスクは
① 有害サイトへのアクセス
② 個人情報の漏洩
③ 誹謗中傷やネットいじめ などがあって
これらについては、子どもだけにまかせるのではなく
親子で一緒に勉強して、しっかり話し合っていく必要があります。

「子どものインターネット利用 本」などで検索すると
「小学生のスマホ免許」「中学生のスマホ免許」(遠藤美季著)というような
それぞれの年齢に適した参考書籍が出版されていますので
参考にされるとよいのではないかと思います。

うちの子どもたちは、ファミコン世代です。
当時も「ゲームはやらせません」という親御さんもおられました。
けれど私は、自分が、親の「テレビは置かない」という厳しい教育方針やら
ヘンテコな家庭環境やらの影響もあって、協調性に乏しく
ひがんだり、いじけたり、何かと屈折してしまったことを自覚しているので
子どもたちには、あまり極端な親の価値観の押し付けはせずに
育ててやりたいと思いました。

けれどファミコンの頃は、TV接続だったので
そうそう何時間もゲームだけでTVを占領することはできず
ゲームをするのは下校してからのせいぜい1、2時間という感じでした。
ですからゲームをめぐって親子喧嘩になった記憶はほとんどありません。
子ども部屋には、ゲームができるTVは置いてなくて
代わりにマンガが山ほどありましたから
ご飯を食べて、宿題やお風呂を済ませたら、あとはマンガを読んで寝る感じでした。
小中学生の日常としては、そこそこバランスが取れていたと思います。

今自分に小学生の子どもがいて、スマホを買うとか買わないとかいう問題が
起きたらどうするかと想像することがあります。
一つは、前に書いたように、小学生の間はゲーム機だけにして
自分で時間のコントロールができるように、しっかりと訓練をしていくという方法。
もう一つは、親のいうことをまだしも素直に聞く小学生の段階で
スマホを通じて、ゲームだけではなく、インターネット全般について
少しづつ親子ともに学習をしていくという方法です。
この場合は、親もインターネットの使い方についての
正確な知識と、それを分かりやすく子どもに伝える表現力が必要になります。

小学生にスマホを買うにあたっては
ルールやリスクについて話し合うにしても
このように、まずは親の側に正確な知識が必要です。
内閣府調査によると、小学生のスマホ所持で
「フィルタリング(閲覧規制)」をしている割合は31.1%で
出会い系サイトや交流サイトで被害にあった子どもの9割が
フィルタリングを利用していなかったというデータがあります。

小学生にスマホを与えるかどうかは
「子どもにせがまれた」というような受け身な姿勢ではなく
家庭で十分に話し合う必要がありますし
買ったら買ったで、親も責任を持って
子どもさんが安全に、適切に使えるように
学んだり、教えたり、話し合ったりする必要があるのです。
子どもさんの年齢が低いほど依存のリスクは高いですから
与えっぱなしでは、あとあと後悔することになります。

けれど、もはやこうしたIT機器と無縁に生きていくことはできない時代になっていますから
もしも小学生にスマホを買うのであれば、親御さんにそれなりの覚悟があれば
早い段階から、親子で一緒にIT機器との上手な付き合い方を身につけていく
よいチャンスと言えなくもないのかもしれません。
依存症という言葉を、小学生の時から知って成長する
希望的に考えれば、それが20年後30年後に良い結果を生むかもしれませんから。
ただし全ては親御さんのがんばり次第ということにもなるのですが。

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ポケモンGO お金に関する問題点

2016-07-18 17:21:30 | ネット依存症
日本でも今月中に配信されるのではないかと
かなり話題になっている「ポケモンGO」
今日は「ひるおび」でも取り上げられていました。

番組の中では、私が前回のブログで書いたようなことも
取り上げられていましたが
ネットで検索していたら、このゲームについての
お金の問題が書かれた記事を見かけましたので
その要約を少し書きたいと思います。

ポケモンGOはアプリ自体は無料でダウンロードできます。
ただすでに配信が始まっているアメリカで

「11才の子どもさんがポケモンGOで遊んでいて
わずか2日間で、データ使用量が
契約している1か月のデータ通信プランの75%を超えたという通知が来た」

ポケモンGOが、データ通信量を食うのは
GPSを使ったゲームだからだそうです。

私はスマホを持たないので、このあたりは
実際に使われている方のほうが詳しいだろうと思います。
定額で契約していても、それを超えた場合は追加料金がかかります。
ポケモンGOで遊び始めたら、翌月とんでもない電話代請求がきたということに
ならないように、データ通信量をチェックしておくほうがいいかもしれません。

プレーのタイプによっては、1時間のデータ使用量が2MB~8MGになり
1日6時間以上行うと、データプランのアップグレードが必要に
なる可能性があるということです。

それを回避する方法としては、携帯のモバイルデータ通信経由ではなく
WiFiなどのネットワークにログオンできるように
スマホを設定しておくと書いてありましたが
ガラパゴスな私の頭では、よくわかりません。

ぜひネットに詳しい方がさらに補完してくださり
情報をシェアしてくださることを願っています。

もう一つは、<アイテムのアプリ内購入に注意>という点です。
アプリ自体は無料ですが、ゲーム内のアイテム
モンスターボールやおこう、しあわせタマゴといったアイテムは
ポケコインを購入して、そのポケコインで手に入れる仕組みになっていて
(モンスターボールは地道に探せば無償でも入手できるらしいですが)
100ポケコインが120円?
小中高生までは、こうしたゲーム課金は
ある程度親が管理することができますが
ゲームに夢中になって、どんどんお金をつかってしまう危険性があるのは
大学生や社会人だと思います。

オンラインゲームの課金の問題は、ギャンブル依存症とも共通点が多く
もうかなり前から問題になっているものですが
ポケモンGOの、あまりのヒートアップぶりに
このゲームにも同様の危険性があることを知っておいていただければと思います。

追加で、このゲームは、カメラとGPS機能を同時に使うので
かなり電池を消耗するのだそうです。携帯用の充電器がバカ売れという
ニュースもありました。
さらに今日は、政府が「遊び方についての注意点」を発表という
異例の対応。たかがゲームの何がそんなにと思うような、私のような人間は
もはや生きる価値がない時代になりつつあるように思います。


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ポケモンGO 進化するテクノロジーにどう向き合うか

2016-07-14 16:48:49 | ネット依存症
もう子育ての現役を終えて何十年にもなるし
ゲームというものに全く興味がないので
そのあたりの情報は、ネット依存アドバイザーのトリーさんのブログ
「ネット依存、スマホ依存から小中学生を守るために」を参考にさせていただいています。

そのトリーさんの最新記事「歩きスマホよりもっと危ないものが」で
スマホの無料ゲームアプリ「ポケモンGO」の危険性に言及されています。
ゲーム音痴の私は、この記事だけではピンとこなかったのですが
今日の昼のTVのニュースバラエティでも取り上げられました。

アメリカなど海外ではすでに配信されて、爆発的な人気になり
発売元のひとつである任天堂の株価が一気に2倍にはねあがったとか。
どうやら日本でも近日中に配信されるようですが。
どういうゲームなのか、TVで実際の映像が見られたので、やっと分かりました。

そもそもこのゲーム、スマホのGPS機能を応用してあるとのことで
街の中とか道路とか、公園とか池とか、海とか山とか
とにかく「外を出歩かないと成り立たないゲーム」なのです。
歩いているうちに、スマホの画面のどこかに
ポケモンのキャラクターが現れて、それをゲットする。

当然歩きスマホの危険性も大きいですが
とにかく場所を移動すればキャラが出てくるので
運転をしながらゲームをする人が出てくる可能性もあるし
TVでは「他人の敷地に侵入するとか、
美術館など禁止されている場所でもやってしまう」とかの
いろいろな事故や事件が想定されていました。

ポケモンは、特に日本では小学生に人気があって
しかも無料ですから、親御さんもついつい気軽に「いいよ」ということに
なりかねませんが、こうしたゲームの性質をちゃんと理解して
果たしてコントロールできるものなのかどうかを
しっかり考えて、話し合うべきことは親子で話し合ってから
導入するようにされるほうが、まだしも無難ではないかと思います。

「歩きスマホは危ない」と言われているのに「スマホ見ながら
歩かなければ成立しないゲームっていったい!」と
私のように、頭がガラパゴス(ちなみに携帯もガラケー)
の人間は、怒り心頭ではあるのですが。

けれどこういう新しい、とても対応の難しい事態が起きてきた時こそ
よい機会ですから、親御さんもぜひいちはやく情報を入手して
しっかりした知識を持ってください。
いたずらに不安がって、頭ごなしに禁止したり、注意を浴びせるのではなく
子どもさんとていねいに話し合って、コミュニケーションを築いてください。

クラフトのプログラムを通して学んだ、一番大切なことは
「人と人とのコミュニケーション」でした。
まずはこれがうまくいくことで、親が言いたいことを理解してもらうことも
スマホやゲームについてのルールを作ることもできるのではないかと思います。
「叱責や小言、説教を繰り返すだけでは、ほとんど効果がない」というのは
依存症の人に向き合う場合だけではなく、あらゆる人間関係に言えることです。

最近海外のドラマを見ていて気付いたことがあります。
イジメにあった娘の話を聞いたお母さんが、まず最初に
しっかりとうなずいて「分かるわ」というのです。
「あなたの気持ちはよく分かる」というこの動作と言葉が
子どもに安心感を与えて、コミュニケーションを円滑にするのだなと思えました。

もともと日本では、夫婦にしろ、親子にしろ
日常生活で、ひんぱんに会話をするという習性があまりありません。
両親がそういう状況で大きくなっていけば、
次の世代もそういうスタイルしか知りませんから
どこまでも「会話がない」という負の連鎖にもなりかねません。
実は先日観ようかどうしようか迷った「葛城事件」という映画が
どうもそうした「家族の崩壊」を描いたものだったようですが
それを観た人のレビューに「自分の家庭とそっくりだった」とあって
胸が痛くなりました。この前の「ゲーム依存の息子を
自分の人生から抹消したい」という話を読んだ時も
「そこまでいく前に何とかできなかったのか」という忸怩たる思いがありました。

私なんかには、もはや動物としての人間の適応範囲を超えているとしか思えない
テクノロジーの進化によって、これまではなかった新しい問題が次々に起こってきます。
今までどおりのやり方、考え方では、乗り切れなくなっています。
どうか頭を柔らかくして、現代の社会での子どもとの向き合い方を
勉強もし、考え、よさそうなやり方は試してみてください。
もちろん親だけですべての問題をカバーできるわけではありませんが
少なくとも小中学生の間は
「親が自分のことを愛してくれている、守ってくれる
話を聞いてくれる 相談に乗ってくれる」というのは
大きな安心や気持ちの安定ににつながるものだと思えます。
この社会の、怒涛のような変化を止めることはできませんが
自分を変えること、自分が変わることで、少しづつ
人と人との関係性を変えることは
決して不可能ではないと思います。




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ネット依存を「新生活習慣病」ととらえて対策を考える

2016-03-07 16:22:18 | ネット依存症
今日、このブログでリンクをしている
エンジェルアイズのサイト内の「Can You Save?」というブログで
大変興味深い記事を見かけたので、少し長いですが引用させていただきます。

以下引用です。


<先日地方でお話をさせていただいた際に「オンラインゲーム依存」と
「その他のネット依存」は違うとお話しました。
 その時はうまく説明が出来なかったのですが、「オンラインゲーム依存」は
dsm-5で「オンラインゲーム障害」としてその強い依存が認められています。

 その他の依存(コンテンツ・つながり・情報)については現在のように
「長時間のネット利用」が「常態化」している現状では「依存」と呼ぶことが
多少違和感を感じるためオンラインゲーム依存とは分けた方がいいと思うのです。

 コンテンツ依存やつながり依存も、長時間の利用によって心身の健康被害や
家庭でのトラブルなど様々な問題はありますが、少し表現も考えていきたい
ところです。そんな中子どものネットリスク教育研究会の大谷先生とお話する
機会があり、ネット依存を「新生活習慣病」として3月11日に青森で講演をされる
と聞き、現状にあったネーミングだと感じました。
最近の講座の際には「ネット依存」だけではなく「新生活習慣病」という言葉も
利用しています。

(中略)

一般化しているネットはまり状態を新生活習慣病とすれば、様々な分野からの
取り組みができるかと思います。

 ネットはオンオフの切り替え、「セルフコントロール」できてこそ、人にとって
社会にとって有効なものです。親には、使わないという選択より、上手に使いこな
す子どもになってもらうために、ネットを使う前の体験の引き出しづくりや、人間
関係をしっかりと築ける力と、与える時期の見極めなどの考えながら準備をしてほしいです>

引用ここまで

弘前大学教育学部の大谷良光先生という方が「オンラインゲーム依存」以外の
ネットやスマホの依存を「新生活習慣病」という視点で考えてはどうかと
提案されているというお話です。

実は私も今までこのブログの中で、ネット依存については
ごく一部を除いて「依存症」という表現を使わないようにしてきました。
それは、いわゆる診断基準がはっきりしないということもありますが
ネットやスマホの場合は、上記のように
ゲーム、コンテンツ、つながり、情報と依存しているものの性質が違うこと、
ゲームでは、課金の問題が生じれば、ギャンブル依存症の要素が加わること
従来の依存症の治療の基本である「依存対象と縁を切る」という方法が困難なこと
などから、今の段階で「ネット依存症」という言葉を多用するのを控えていました。

何よりも、欧米に比べて「依存症」についての認識や情報や理解が
まったく普及していない日本で
「ネット依存症」という言葉だけがひとり歩きをすると
今子どもさんたちの、ネットやスマホの問題で悩んでいる親御さんたちに
過剰な不安や反応が起きて、事態をより悪い方向へ向かわせるのではないか
という心配もありました。

そんな中で見つけた今回の記事。
今や子どもたちだけでなく、多くの世代で常態化している
「長時間のネット利用によって生じてくる様々な問題」を
「新生活習慣病」という視点でとらえ
特にそれによって出てくる体の不調
(視力の低下や眼科的な病気、睡眠や運動の不足
集中力の低下、姿勢の問題や、それに伴って起きる体の異常)
を防ぐための具体的で有効な方法を考えていくというのは
画期的なのではないかと思います。

「依存症」というアプローチでは
いったい何十年経ったら有効な対策が出てくるのか、こないのか
まったく見当がつきません。
それは薬物やギャンブル依存症の現状を見ても明らかです。
昨日も桑田さんがゲストのスポーツニュースの中で
キャスターの方が、清原選手の話題で「アメリカでは選手の回りに
選手のメンタルや家族の問題、薬物の問題に関するアドバイザーがいて
問題が起きれば、専門の治療期間につなげる」と言われたのを
もう一人の女性のキャスターが「もちろんそれも大事ですが」と
すぐさま話題を変えたのに、私がブチぎれました。
「いや、そこやろう。そこが一番大事なとこやろう。
その話を広げろよ。このクソ女」(失礼しました。でもキレたらこんな感じです。
ただし家族にこういう言いかたをしたことはありません)

ですから、ぜひこの「ネット依存、スマホ依存」を「新生活習慣病」という
観点でとらえて、早急に具体的な対策を立てるという考え方を
なるべくたくさんの方にシェアして、支持していただきたいと心から思います。

ただ、今私が患っている、治癒の可能性がないがんの治療方法もそうですが
依存や依存症の治療、回復についても
100%正解という方法はなく、すべての人に対して有効という方法もありません。
まずはできそうなことからチャレンジしていく
そのための選択肢は、どういうスタイルであれ
一つでも多いほうがよいのです。

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親と子のコミュニケーションの形

2016-02-19 16:22:50 | ネット依存症
前回書いた大阪スマホサミットの中で
高校生たちの感想が「小学生がヤバい」だったのには笑ってしまいましたが
たった4、5才しか年の違いがなくても
最近の、小学生のスマホ(ゲーム機器含め)保有率の高さや使い方について
高校生からさえ、そういう反応が起こるということは知っていただけたらと思います。

小学生や中学一年生で、スマホやゲーム機器を使う場合には
やはり最初に、使う時間や、いつ使うか、夜はどうするかなど
家庭のルールを決めておくことが大切です。

私の話は、相変わらずあちこち飛びますが
親子のコミュニケーションとひと口に言っても
親も子も、ひとりひとり違いますから
すべて同じようにこれというわけにはいかない難しさがあります。

親御さんがとても厳しく育てても、親の願いどおりに
本当にきちんと育っていくお子さんもいます。
これは多分、親御さんが子どもに愛情を注ぐツボみたいなものを
よく心得ておられて、子どもさんもそれを分かっている
理想的なコミュニケーションができているのだと思います。

けれど、私もそうでしたが、普通はなかなかそううまくはいきません。
気持ちがかみ合っていないのに、親が高圧的な態度で接すると
反抗的になるとか、表面だけ言うことを聞いているふりをして
問題が起きても親に言わないとか、嘘をついたりするようになります。

サミットの中にも「一方的に決められるのはいや。相談して決めているならいい」
という声がありました。
やはり、たとえ小学生でも「相談して決めてほしい」というのが本心なのだろうと思います。

そこで先日書いたクラフトのプログラムの「成功の秘訣」の

・ 相手よりも言葉数を少なくしましょう
・ 先回りして考えすぎないようにしましょう

などは子どもと話をする場合にも、役に立つ方法だと思います。
ネットやスマホについては、親御さんが心配になるような情報が多いです。
けれど「あれも、これも」と考えて、長々と話しても
小学生や中一くらいの子どもには理解できないし、下手をすると
一番大切なことは何なのかが分からなくなってしまう恐れがあります。

自分のご家庭の場合、どうしても守ってほしいことは何なのかを
小学生の場合なら、小学生に理解ができて、実行できそうな範囲で
中学生なら、もう少し幅広く、中学生が抱えそうな問題に対応できるレベルで
なるべくシンプルに、冷静に話し合っていただきたいと思います。

最初から全てを想定して、子どもにも理解させた上で
ルールを作るというのは現実的ではありません。
決め事が多すぎると、守れないことも増えますから
むしろ何か起きたら、それに応じてその都度
問題に対応できるルールを決めるほうが衝突や対立が少なくてすみます。

それよりもむしろ大切なのは、どう対処したらいいか分からない
問題が起きた時に、まずは親に相談をする
それができる環境を作ることだと思います。

スマホサミットでは、高校生から「親や先生に相談しても
有効な方法が教えてもらえない。あてにできない」という意見も出ています。
子どもたちが、ただ怒られるだけ、禁止されるだけだから
親にも先生にも相談できないと思ってしまうのは
何が起きるか分からないネットの世界に対応するのにも
例えば「自分は依存なんじゃないか」というような悩みを抱えた場合にも、大きな問題です。

ずっと家族の依存症や、依存の問題と関わってきて
まずは、自分の思っていることを、自分の身近な人に話せること。
ものすごくシンプルに考えれば
それがすべての基本のように思えるのです。
何か、すぐに役に立つ解決法を教えてほしいわけじゃない
ただ黙って、自分が悩んでいることや困っていることを聞いてほしい
そこを封じ込めてしまうと
様々な問題が、別の形で出てくるような気がします。


ですから、例えば子どもがスマホのことで困っている時に
まずは黙って聞いてあげて、分からないことだったら
一緒に調べてあげるとか、考えてあげることができれば
そこでいいコミュニケーションが出来るのではないかと思います。

そしてスマホやネットの問題をきっかけに、小学生の時期から
親子で冷静に丁寧に話し合って、ひとつひとつの事柄に向き合うという
良いコミュニケーションを築くことができていれば
たとえばイジメなどの問題がおきてきた時でも
「親に相談すれば、何とかなるんじゃないか」と
子どもさんが思うようになってくれていれば、しめたものです。

「理想論を言うのは簡単だ。でも現実はそんなに甘くない」と皆さんに怒られそうですが
先日からクラフトのプログラムをやっていて
「自分が今までやってきたことは、行動や考え方は大きく間違ってはいないが
でもやり方がマズかった」ということを認識させられました。
子育てにしても同じで、方法は一つではありません。

厳しくてうまくいく場合もありますが
ずっとそのままうまくいくかといえば
中学までは大丈夫だったのに、高校に、あるいは大学に行ったら
社会人になったら、うまくいかなくなったという場合もあります。

厳しくしてもうまくいかない時は、他のやり方を試してみると
案外スムーズにいくこともあるのです。
自分の家庭に、親子に、夫婦に合うコミュニケーションの取り方を
柔軟な発想で色々試してみる、うまくいきそうなやり方を見つける
それがとても大切なのだろうと思います。


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最初が肝心! 小学生から知るネットとの付き合い方

2016-02-14 10:44:37 | ネット依存症
先週は、月曜がクラフト勉強会の2回目
火曜日が通院日、木曜と昨日は、子どもが家に来てと
珍しく色々あって、考えることもたくさんあったのですが
前回から、子どもさんのスマホのことについて書いていますので
しばらく続けていきたいと思います。

このブログでリンクをしている、河合塾の「キミのミライ発見」というサイトの
7.情報・モラルというところに
「15000人の青少年「スマホアンケート」驚きの結果」という記事が
アップされています。

これは2014年に、大阪府の中高生が
兵庫県立大学の、竹内和雄先生のサポートを受けて
大阪の15000人の小中高校生の、スマホ使用についてのアンケートを行い
その結果をもとに、中高生たち自身が
スマホの適切な使い方を議論し
そこから考えたスマホの使い方を
「OSAKAスマホ宣言」として発表した経過をまとめたものです。

これから、子どもさんにスマホを買おうと考えておられる方は
ぜひこの記事には目を通していただきたいと思います。
実際に、スマホを使っている子どもたちに
どういう問題が起きてきているのかを
アンケートの結果から知ることができます。

この記事の中で、特にポイントと思われる点を考えてみました。

まずは小学生のスマホ使用率です。
このアンケートでは、小学生の五人に一人がスマホを持っていました。
それと、スマホを持たなくても、ゲーム機や音楽プレーヤー(iPodなど)で
ネットに接続できる小学生が、小学生で半数以上に上りました。

この結果を見ると、スマホを含めて、ネットの使い方についての指導は
小学生の間にやるべきであり、小学校の3年生から4年生くらいまでには
ネットやスマホを使うための、最初のルールを作っておく必要があるということです。

このアンケートの結果を見ると、15000人の小中高生の中で
スマホを使っている子どものほうが、持っていない子どもやガラケーの子に比べて

・寝る時間が遅い(12時より遅くに寝る子が6割を超える)
  時間が遅くなる原因は「たくさんの人とラインをやっているから」や
  「モンスト、パズドラ、ツムツムなどのゲームをやっていると
   時間がどんどんたってしまう」というのが、圧倒的に多いようです。

・イライラする
 イライラする理由は「ラインの既読が気になる」というものや
 「寝るのが遅くなって、睡眠時間が少ないのでイライラする」などが上げられています。
 睡眠時間の減少や、夜遅くまでネットをやることの悪い影響は
 気分の問題だけでなく、頭痛とか肩こり、疲労感など、全体的な健康への悪い影響になります。

・勉強への影響
 おそらくは、これが一番親御さんにとっては関心が大きいかと思いますが
 スマホを使用している子どもの「勉強に自信がある」の割合は19.1%と
 持っていない子どもやガラケーの子に比べて、かなり低くなっています。

この3つのポイントは、すべてつながっていると思います。

「ネット(スマホ)をやる時間が長い→睡眠時間が短い→体の疲れやイライラ→集中力が落ちる」
という悪循環を、子どもたち自身も自覚していることが分かります。
こういう風に書くと「それは大変だ。スマホなんか絶対買わないぞ」と思われる
親御さんもおられるかもしれません。
けれど、子どもたち、特に小中学生がスマホを欲しがる一番の理由は
ラインやゲームを通じての、学校の友達とのつながりなのではないかと思います。
それを禁止することは、子どもの現実の人間関係に影響してきます。

とても悩ましいところですが
何度も書いているように、これからの時代は
こうした様々なIT機器と関わらずに暮らしていける社会ではありません。
どれだけ早い時期から、上手な付き合い方を身につけるかであり
スマホやネットを使うことで、起こってくるマイナス面を
子どもさん自身が、どれだけ自分で回避する、コントロールできる力を身につけるかだと思います。

親が一方的に命令をし、禁止をするというのは
有効なやり方ではなく、それによって生じてくる大きな問題があります。
このアンケートの中にある

「トラブルが起きた時『誰にも相談しない』という小学生が70%近く
いた」という結果です。ひごろの親との関係から、小学生の場合は
「親に言ったら怒られる、スマホやゲームを禁止される」という
不安や恐怖が一番に頭に浮かぶのでしょう。

勉強が、ということよりも、実はこうした点のほうが、より問題のように思います。
このあたりの、スマホやゲームについて、親はどんな風に対応するほうが良いのか
どういうルールを、どうやって作るべきかについては
次回に書いていこうと思います。

このあたりについては、やはりこのブログでリンクしている
ネット依存アドバイザーのトリーさんが
「ネット依存、スマホ依存から小中学生を守るために」のブログで
ご自身の家庭でのネットのルールや
実際に、小学生や中学生のお子さんと
どういうふうに話し合われているかを記事にしてくださっているので
ぜひそちらも参考にしていただけたらと思います。

2月から3月にかけてのこの時期は
子どもさんがおられるご家庭で
一番「スマホを買って」という話が出ているのではないかということを
念頭に置いて、この記事を書いています。
前回参加したクラフト勉強会で、講師の先生が
「依存症の治療も変化してきています」と言われました。
私もそれは感じています。
けれど、現実に依存の状態になってしまったら、回復することは
本人にとっても、家族にとっても容易なことではありません。

ですから、最初が何よりも肝心で
子どもさんと親御さんが、ちゃんと考えて話し合って
スマホやゲームと上手に付き合っていける環境を整える。
現在は、そのために、一番大切なのが、小学生の段階ということです。
ここできちんとした枠組みを作ることができれば
これから先に起こってくる問題をある程度は予防することができます。

もちろん中学の入学を機に、スマホを購入する予定というケースでも
知っておくほうがよいことがたくさんあります。
ですからこのブログだけではなく
ぜひ色々と勉強していただきたいと、心から願っています。



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子どもさんにスマホを買う前に

2016-02-06 15:36:19 | ネット依存症
先日配布された、福岡市の市政だよりで
市の精神保健福祉センターの
「アルコール・薬物・ギャンブルなどの依存症」の
電話相談、面接相談の告知の記事が目を引きました。

これまでアルコールと薬物に関する相談は
ほぼ毎月告知されていましたが
「ギャンブル依存症」と明記されたのは初めて見ました。
全国の都道府県の精神保健福祉センターのHPをチェックしても
「ギャンブル依存症」についての対応はバラバラなので
福岡市の取り組みは、先進的なのではないかと思います。

そこで、ネット依存の問題の相談も受け付けてもらえるかどうか
試しに電話をしてみました。
お聞きしたのは、相談を受け付けてもらえるのかということと
福岡市とその周辺で、ネット依存の相談ができる医療機関があるか、の2点でした。

私の質問に対する回答は
「ネットの場合は、どういう状況であれば依存症と判断できるかの
診断基準がまだ出ていません。同じ理由で、ネット依存に対応してもらえる
医療機関も、今の時点ではほとんどありません」ということでした。
ほぼ予想はしていたものの、がっかりしましたが
学校も含めて、公的な機関が、ネットやスマホの依存に対応するには
やはりまずは国の「診断基準」というお墨付きがない限り難しいということです。

今週は、引退した有名プロ野球選手の薬物問題が大々的に報道されていました。
番組によっては、依存症についての解説もしていましたから
依存症が「やめようと思ってもやめることができない病気」
「欲求や衝動が起きると、脳が自分の行動をコントロールする力を失うコントロール障害」
なのだということが、少し分かっていただけたのではないかと思います。

この依存症の性質は、薬物やアルコールだけでなく
ギャンブルやスマホやパソコン、買い物など
依存の対象がなんであれ共通しています。
薬物だけが特別ということではありません。
そして前にも書きましたが
私は、どんな依存症でも、その広がりには
社会的な要因が大きく関係していると思います。

後藤恵先生が、動機づけ面接法のセミナーの時に
「最初にアルコール依存症の自助グループである
アルコホーリクス・アノニマス(AA)が
作られた1935年当時は、お酒はたいへん高価なもので
アルコール依存症になる人はお金持ちに限られていた。
それが、安い蒸留酒(ウィスキーやバーボンなど)が作られ
簡単に手に入るようになって、アルコール依存症が一気に広がった」と話されました。

それはギャンブル依存症も同じで
特に日本で、500万人を超えるギャンブル依存症者を生み出したのは
日本中至るところ、それこそ津々浦々まで賭博場があるということが
大きな要因であることは間違いありません。

そして、パソコンやスマホなどのIT機器。
これは、パチンコ屋などのギャンブル場よりも
さらに身近にあり、24時間やろうと思えばいつでもやれる。
しかも、小中学生はもとより、最近では幼児でも
そうしたものに触れることができる環境になっています。
けれどそうした社会的な要因は、個人の力で変えることはできません。
個人に出来るのは、そういう社会の中で
自分に出来ることは何かを知ることなんだろうと思います。

これからは、進級や進学の季節です。
そうした区切りで「スマホを買って」という話が出ているご家庭も多いかと思いますが
何事も最初が肝心です。
子どもたちがスマホを上手に使うために
親子で知っておかなければいけないことや
話し合っておくべきことは、依存の問題だけでなく、とてもたくさんあります。

子どもがスマホを使う上で、知っておかなければならないことを書いた
信頼の置けるガイドブックも何点か発売されています。
子どもさんにスマホを買い与える前に
ぜひそうした書籍に目を通されてください。

私はダンナのギャンブル依存症と20年以上付き合ってきたせいで
どうしても依存症の話が中心になってしまうのですが
早期発見早期治療ももちろん大切ですが
予防ができるものなら、予防は何よりも大切です。

日本は依存症についての理解も、対応できる人や施設も
欧米に比べて半世紀以上遅れています。
今回の薬物事件も、欧米であれば、かなり以前から
「処罰よりも治療を」という認識が定着していますから
薬物依存が疑われた段階で
周囲の人が、本人にリハビリ施設に行って治療を受けるように勧め
リハビリのできる施設もありますから
入院治療を受けることができたのではないかと思います。

けれど日本では、本人の周囲にそういう知識を持った人もおらず
有名人が、法に問われない形で、治療できるような施設があるのかどうかも
ほとんど知られていません。

警察は、薬物依存の可能性をつかんだ後も
長い間尾行し、行動確認をした上で、ああいう形で逮捕する。
もちろん薬物を使うことは悪いことですが
こうしたやり方はとても残酷だと思います。
前のミュージシャンの時もそうでしたが
「見せしめ」として大々的に報道することで
薬物の使用への抑止力にしたいという思惑なのでしょうか。

ともあれ日本は薬物の問題でさえこのように
とても先進国などとは言えないのが現状なので
自分や家族を守るためには
必要な知識を持って、予防できるものは予防する
早期発見、早期治療、そしてなってしまったら
どうすれば回復できるのかまで
ひとりひとりが、自分でできることをやっていく。
そういう社会なのだということを分かっていただければと思います。

「なのに、なぜ「ニコチン依存症」だけ、大々的にCMするんじゃ。
タバコ吸ったからって、人殺したりする人間おらんやろうが。バッカじゃないの」と
TVを相手に毒づく私を見て「また始まった」とばかりに
ニヤニヤ笑っているダンナ。
そう、私のストレス発散は、怒っても実害のないものに八つ当たりすることです。
そして、未だにタバコを完全にはやめれていない私。
禁煙外来いこうかしらん。トホホ

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親が変われば子どもも変わる…?

2015-05-09 14:50:38 | ネット依存症
前回はネットやスマホに依存する傾向が高い
青少年について書きましたが
実は依存傾向が中くらいの段階の生徒が
割合から言えばもっとも多く、過半数を占めています。

何度も言うようですが、ネット(スマホ)依存といっても
依存しているコンテンツ(SNS、ゲーム、動画 ets)は様々で
依存している理由も、また色々だと思います。

つい最近も、総務省の「高校生のスマホ利用」についての
追跡調査の結果が発表されていましたが
「ひまさえあればスマホをやっている」生徒の割合が
4割を超えていて、ネット(スマホ)で何をやっているかでは
動画投稿サイトを見る(22.9%)SNS関係(18.1%)オンラインゲーム(10.8%)
が主なもので、スマホをやっていることで減った時間は
睡眠時間、学習時間、テレビを見る時間などでした。

さらに依存傾向が中程度の生徒の30%以上が
「自分はネット依存だと思う」と感じていました。
けれど私はこの「起きている間中スマホをやっている」
「ひまさえあればスマホをやっている」というのを見て
あることに思い当たりました。

実は私は、親の方針で、小学校の頃は
家にテレビがありませんでした。
昭和30年代の後半から40年代の初め
全国的に、急激にテレビが普及した時代です。
友だちの家には、みんなテレビがあるのに
自分だけがないというのは、小学生にとっては相当にキツい状況で
何度も親にかけあってはその都度却下され
私の「人生は何事も自分の思い通りになんかいかない」という
超マイナーな思考は、この時期にほぼ確立されたと
いってもいいくらいです。

けれど、そういう幼少期を過ごしたので
今でも自分からTVをつける習慣はあまりありません。
けれどダンナは、起きた瞬間にはもうTVをつけています。
ちなみにダンナの実家でも
居間に人がいる時は必ずTVがついています。
日本中の家庭のTVの視聴状況がどうなのかは分りませんが
この「何となくTVをつけている」という状態は
実は、ひまさえあればスマホで動画を見ている若者と
変わらない気がするのです。

そしてこの大人のTVとの関わり方や若者のネットの使い方は
言いかえれば「ヒマな時間に、他にすることがない」ことの
表れでもあります。
不快に思われる方もあるでしょうが
まずは親御さん自身が、家庭内の娯楽はTVだけ
家族で話題にするのもTVで得た情報だけという生活をしていないか
振り返ってみてください。

もちろん親にしてみれば「ヒマなら勉強しなさい」ということに
なるのですが、子どもにしてみたら
休日の父親の趣味は、ごろ寝かTVかパチンコみたいだと
「あんたに言われたくない」みたいなことにもなるわけです。

子どもになめられないためには親もがんばる必要があると
書きましたが、子どもに勉強と言うからには
親もやっぱり生涯勉強という姿勢を持つことが大切だと思います。

本当は、勉強は楽しくないわけではありません。
言われたことを言われた通りに覚えたり解いたりするだけだと
大して面白いものではありませんが
自分で好きなことを好きなように学ぶのは楽しいことです。
最近映画のブログを書くようになって
他の方の映画ブログを読む機会が増えました。

いやぁ、本当にすごい人はすごくて
博識な方、観察力の鋭い方、文才のある方がたくさんおられます。
ただ「面白かった」「感動した」などと
書いている私など、ほとんど小学生の作文のレベルです。
伊藤計劃さんの映画レビューを読んだ時にも感じたのですが
こうしたものすごく内容の濃い映画レビューが、すらすら出てくるのだとしたら
その人たちの脳はいったいどんな構造なのだろうと考えてしまいます。
たかが映画、されど映画です。

子どものスマホ依存は、確かに心配ではありますが
それをきっかけに、自分自身の生き方、考え方、
子どもとの向き合い方を捉え直す機会でもあるように思えます。
依存症の問題一つにしても、学び始めたらきりがありません。
つまるところ、社会における人の心や脳の問題ですから
手を広げれば、政治、経済、歴史、社会、文化
さらに科学や医療全般に関わってきます。

そして、こうして未熟ながら依存症について
有用と思われる情報を発信していくためには
取り込んだ情報を整理していかなければなりません。
今の時代は、ありとあらゆる情報が混在していますから
実はここが一番難しく、苦手なところでもあります。

これは、自分の、ガンという病気についてもまったく同じで
そうした情報を元に、自分はどうするか、何ができるのかを
考えて決めていかなければなりません。
依存の問題にしろ、ガン治療にしろ、すべての人が
これで100%大丈夫という解決策はないように思います。
けれど自分なりの、自分が納得できる対処法を探すことはできます。

親が子どものスマホの問題にばかりとらわれて
過剰に反応し「スマホばかりしてないで勉強しなさい」と繰り返すのは
得策ではないし、悪循環になる可能性もあります。
さらにひどくなれば、まずは家族の側の治療が必要になる場合もあります。

スマホを巡って子どもさんとの関係がひどく悪くなっている場合には
いったんスマホや勉強といった問題からは手を離して
まずは子どもさんがちゃんとご飯を食べてるか
夜はある程度睡眠が取れているか、日常の生活の中で
笑顔を見せているかといったことに気を配り
指示や命令ではない、普通の会話が成り立つような努力をしていただけたらと
思います。依存と付き合うこと、それは急がば回れなのです。






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スマホ依存 親にできることは

2015-04-26 13:21:47 | ネット依存症
最近ではネットでも「スマホ依存」に関するニュースを
見かけることが、かなり増えました。

特にスマホや携帯を所有する中高生をお持ちのお宅では
「スマホをやる時間が長い」「勉強時間や睡眠時間が減ってる」
「おかしな動画サイトを見ているのではないか」など
心配の種が山積みで、ついつい子供に小言を言って
親子間のスマホをめぐるトラブルが相当増えているのではないかと思います。

最近見かけるスマホ依存に関する記事では
「長い時間やっているからといって
即依存症というわけではない」という点が
強調されているものもあります。
そう言われても具体的な区切りが示されなければ
ますますどうすればいいのか分からなくなります。

そもそも依存症については
どの依存症も、病気かどうかの線引きがとても難しいのです。
前にも書きましたが、実生活に支障がでているもの
つまり、生活のリズムが乱れて学校へ行けなくなったとか
引きこもりの状態になって、家族とのコミュニケーションが取れない
という場合には、おそらく病気の領域に入っており
スマホやPCを無理に取り上げたり
家族の力だけでなんとかしようとすると
むしろ事態を悪化させてしまうことがあるので
本人が受診を拒むような場合は
まずは親御さんが専門の医療機関や相談機関で
望ましい対応の仕方を学んでいく必要があると思います。

ネット依存の目安については
昨年総務省が高校生のスマホ依存について
かなり詳しいサンプル調査を行いました。
詳細は「総務省、ネット依存」で検索すると見ることができます。

それによれば、一日4時間以上スマホやネットを利用している
依存度が「高」に該当する生徒の割合は約15%弱なのですが
特徴的なのは、この割合が
友人関係や、親や、学校生活への満足度とほぼリンクしていることです。

どういうことかと言うと、
ネットへの依存傾向が高い生徒の意識調査では、不満を感じている割合が
友人関係で18.9% 親子関係で26.5% 学校生活で42.3%です。
これがネット依存傾向が低い生徒では
友人関係で4.8% 親子関係で9.8% 学校生活で15.1%とかなり違います。

さらに依存傾向の高い生徒ではSNSでよくやりとりをする友達が93.1人と
圧倒的に多いにも関わらず、実生活での友達は
「やや少ない」「とても少ない」が50.7%と過半数を超えています。

ここから見えてくる、依存傾向の高い生徒像をまとめると
現実の生活(学校の友達や学校生活、家庭生活)に対して満足感がなく
現実の友達が少なく、ネットでSNSやオンラインゲームなどを通じての
知り合いが多いタイプということになります。

この依存傾向が「高」の生徒の場合は
当然依存症に移行する可能性も大きくなりますが
こういう場合は、依存する本当の原因、動機に目を向ける必要があります。
とはいっても、親は専門家ではありませんから
現実の生活に適応できず、生き辛さを抱える子供に
カウンセリングして、我が子の問題を解決するなんてことはできません。
「生兵法は大ケガのもと」ということわざもあります。

それでは、親は何もできないのか
ただ手をこまねいて傍観するのかと怒られそうですが
親にだってできることはあります。

思春期の子供は、何が何でも親に逆らいたい、言うことを聞きたくないと
思っている反面、親に愛されていないと感じるとすぐに傷つきます。
一方親だって、お釈迦様じゃないんだから
いつも優しく微笑んでいるというわけにもいきません。
人間同士なのだから、当然衝突もするし、喧嘩もある。
その距離感の取り方はすごく難しいのだけれど
けれど最後の最後は、我が子を無条件に受け入れることができる
その度量の深さが必要なのだろうと思います。

勉強やスポーツで、それなりの成果を出せて
クラスでもリーダーシップを取れるような子どもの場合は
思春期を乗り切るのは、それほど難しくないのかもしれません。
けれど、そういうタイプの子供は大体1割くらいで
それ以外の多くの子どもたちは
理想と現実のギャップに悩みます。

勉強だけではなく、可愛いとか可愛くないとか
かっこいいとか、そうじゃないとか
友だちがいるとかいないとか
モテるとかモテないとか
ありとあらゆることが悩みの種になります。
それに加えて、人類のブラックボックスとも言うべき、性の問題もあります。
たとえ親子でもこのあたりはさっぱり分りません。

このように、依存の原因になるものも経過も多種多様なので
親のがんばりだけで全て解決できるようなものではありません。
そして現実の生活に適応できず、ネットに逃避し、依存していて
依存度が高い子どもの場合は、禁止されるほど依存が強くなることもあります。

子どもにいろいろ聞いても思春期の子供は
親に本当のことを話したりはしません。
それをしつこく問い詰めたり叱責すれば
子どもは逃げ場がなくなるので、ますます心を閉ざしてしまいます。
そういう場合は、子どもの表情やしゃべり方や動作で
子どもの気持ちを推察して、追い詰めないことが大事です。

親が子供に自然な笑顔を見せることで
優しい言葉をかけてあげることで
子どもにとって家庭が居心地のいい場所になり
子どもの気持ちのあり様も
少しづつ違ってくることもあるかもしれません。

それはただの甘やかしになるのではないかと
思われる方もあるかもしれませんが
後藤惠先生の「動機づけ」のお話の時に
「人間は依存するものだ。依存は悪いことではない」という前提で
「それでも人間同士はお互い様という関係が理想」なのだと言われました。
親子でも、親だけが一方的に子どもに献身する
子どもはそれに依存するという関係性
あるいはその逆というのではなく
最終的には、お互いが相手に望んでいることをなるべく実現できるように
根気よく話し合い、努力し合って
最終的にはハーフハーフの関係を構築することが
親子のみならずすべての人間関係の理想ではあるのだろうと思います。
「親になる」「親である」ということには
とても多くのものが求められているなと、改めて思います。

と相変わらず最後は具体性に乏しい話ですみません。





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青少年のスマホの利用に対する大人の責任

2015-04-05 11:19:08 | ネット依存症
今日ヤフーのニュースに次のような記事が出ました。

「スマホやめますか、それとも信大生やめますか」

4日の信州大学の入学式で、山沢清人学長が8学部の新入生約2千人に
こう迫られたのだそうです。
そして記事は次のように続いています。

「山沢学長は、昨今の若者世代がスマートフォン偏重や依存症になっている風潮を憂慮。
「スイッチを切って本を読み、友だちと話し、自分で考える習慣をつけ、物事を根本から
考えて全力で行動することが独創性豊かな学生を育てる」と語りかけた」

まさに、と言う感じです。社会的に影響力のある立場の方が
こういう風に、はっきりと警鐘を鳴らしてくださるのはとてもいいことです。
それもこれも、せっかく一生懸命に受験勉強をして、希望の大学に入学できたのに
スマホ依存になり、勉強や、有意義な人間関係がおろそかになって
将来をだめにしてしまう学生が、信州大学のような国立の大学でも
増えてきているからではないかと思います。

一方、統一地方選挙が始まって、あいも変わらず
時代錯誤で迷惑極まりない大音量の選挙カーが走り回っていますが
「子育て支援」とか「子どもたちの明るい未来」とかいった
何一つ具体性のない抽象的なスローガンを叫ぶ候補者はいても
「地域で子どもたちのスマホや携帯使用を規制してはどうか」
といった、今の時代の問題に沿った具体的な提案をしてくれるような
候補者はおそらく今回も現れないのでしょう。

ギャンブルにしてもそうですが、様々な業界の利権が、とんでもなく複雑に
絡みあっていますから、法的に罰則や拘束力のある規制を作るのは
たぶん無理なのだろうと思います。
けれど、問題は青少年に関わることですから
何もせず、放置しておいていいわけがありません。
声を上げる、問題提起する、実現可能な対策を考える
これは大人の責任だと思います。
とはいっても、スマホをめぐる問題は
親と子どもだけで解決できることばかりではありません。

子どもがスマホの何にハマっているのかによって違いますが
Lineのようなコミュニケーションツールで
学校の友人とのやり取りが、度が過ぎているというような場合は
わが子だけ禁止するのは難しいし、それで他の問題も生じますから
親たちや先生、政治家といった大人たちがちゃんと介入して
クラス単位、学校単位、あるいは市町村単位で
少なくとも、小中学生については、夜間の利用を止めようといった
呼びかけや働きかけを根気よく続けていくなどの対策が必要だと思います。
少数ではありますが、そういう取り組みを始めた自治体もあるのです。

今日はもう一つこんなニュースもありました。


東京都の調査で、子どものスマートフォン(スマホ)の依存に6割が
不安を抱えているというものです。

「昨年12月の、小4から高3の保護者を対象の調査で、
スマホか携帯電話をもつ子どものうち
スマホをもっている割合は全体で52・8%。
小学生17・2%、中学生54・8%、高校生86・2%だった。
また、そのうちの約4割はフィルタリングなどの有害サイト対策を
していなかった」

ろくに社会経験もなく、世の中のことを何も知らない小学生や
中学生が、LineやSNSや、その他のインターネットで
どこの誰とも分からない人間と関わることの危険性
住所や名前、電話番号といった個人情報を扱う時の注意
オンラインゲームとお金の問題
更に、何でもありのネットの世界で、何が有害なのか
そうしたことに、まずは親自身が
子どもを納得させられるだけのちゃんとした知識と
それについての親としての意見を持って子どもと向き合い
根気よく、スマホ利用のルールを作っていく努力が必要です。

やみくもに「危ないからダメ」では
インターネットなんかにだけは、妙に精通している
今どきの子どもには太刀打ちはできません。
私は「フェイスブックは実名でしか登録できないのか」に興味があって
やってみたら実名でなくてもできました。
(意味がないのですぐ解除しましたが)
実名かどうかをチェックする機能はないのです。
このように実はネットの世界というのはあまり信憑性がありません。

新年度ということで、スマホデビューしたお子さんも多いでしょうが
とにかく最初が肝心ということは、すでに色んなところで言われています。
親の責任、大人の責任というのは、
「あれはダメ、これはダメ、ああしなさい、こうしなさい」と
口やかましくガミガミ言うことではないと思います。
なぜそれがダメなのか、なぜそれをやったほうが良いのかといった
子どもが知らないことを、子どもが理解できる言葉で
きちんと教えてあげることなのだと思います。

先日TVであるお母さんが、息子さんが親を拒否し始めたのが
5年生くらいからと言っておられるのを聞いて
私は自分の子どもが親離れしたと実感したのは
中学に入った時でしたから、少し驚きました。

最近の子どもたちは、それこそネットやら、友だちやらの影響で
一部分だけ、何かいびつに大人になっている傾向がありますから
そうして背伸びをする時期も早まっているのかもしれません。
ですから親もうかうかとはしていられないのです。

私は、ある意味放任主義な子育てをしましたが
それでも、ここ一番というところは
子どもに迎合する必要はないと思っていますし
子どもになめられない程度には
親もがんばらなくてはいけないと考えています。

指図や指示をするだけで、親自身が無知だったら
子どもが納得するはずも、言うことを聞くはずもありません。
さらに親の生き方や考え方が言ってることと違う場合も
子どもにはすぐに見抜かれます。
反抗するだけならまだしも軽蔑されたりしたら終わりです。

子どもに何かを望む前に、まずは自分の生き方が
考え方と一致していることのほうが重要です。
子育てをしていた頃、なりての少ない地域の役員を
十年以上やっていました。
学校の役員さんをやる人は、まあまあいるのですが
見返りの少ない地域の委員はみんなが敬遠します。
でも親が「やりたくないことはやらない」という考えでは
子どもに「やりたくないことでも、やらなければいけないことは
世の中にはたくさんある」と言うことはできません。

理想主義なんていう美しいものではなく
「何も自分がそれをしなくても」というほうへばかり
敢えて飛び込んでいきますから、ある意味無茶苦茶です。

スポーツにまったく何の知識も興味もないのに
引き受け手のない体育委員をやった時は
婦人バレーのルールの説明会に行って
「アタックって何ですか」と質問したら
会場にいた人がみんな信じられないとばかりに私の顔を見て
一人が「あなた、どこの町内の人?」と聞かれ
後々までの語り草になったりもしました。

それならそうで、ママさんバレーとかやってる人が
率先して引き受けてくれればよいのですが
誰もやらないから引き受けたわけですから
文句を言われる筋合いはありません。
「私でだめだというなら、そう言う
あなたがやるべきでしょう」と
売られたケンカは喜んで買います。

子どもたちが私の行動に何となく不安を感じるのは
その辺りがトラウマになっているのかもしれません。
でもそれを反面教師にしてくれて、
何事にも冷静に、理性的に人生を生きてくれるなら
それはそれで願ってもないことではあります。




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青少年のネット依存と動機づけの考え方

2015-02-15 15:45:38 | ネット依存症
昨年から何回か依存症についてのセミナーに参加しました。
その中で、私が一番「なるほど」と思えたのが「動機づけ面接」の理論でした。
ちなみに、この「動機づけ」という考え方は
それまで「12ステッププログラム」なんかについては
反応が薄かったダンナが、ある程度理解してくれたのには
ちょっとびっくりもしました。

このところ子どもを持つ親御さんたちにとって
一番深刻な問題になっているのが「ネット依存」だろうということは
以前にも紹介したトリーさんの「ネット依存、スマホ依存から小中学生を
守るために」というブログなどを読むとよく分かります。

「子どもが勉強もせずスマホばかりやっている」「依存症なのではないか」
と心配し、悩んで解決法を探しても、私も前に書きましたが
「無理に取り上げたり、禁止するのはよくない」「ルールを決めて」
といったアドバイスくらいで、あまり役に立たないと
思われている方が多いかもしれません。

青少年のネット依存、スマホ依存に「動機づけ」の考え方を使うというのは
今のところは、医学的に実証されているわけではありません。
けれど、今から症例を集めて、臨床をやって、それから対処法を決める
なんて悠長なことをやっていたら、とても間に合わないと思います。

ですから、依存症の治療に、一定の効果を上げていて
家庭でもやろうと思えばできないことはない知識として紹介します。
一口に「依存」といっても、段階があります。
スマホの利用について、多少約束を守らなかったとしても
親御さんとの話が普通にできている場合は
おそらくそれほど心配することはないと思います。

けれど約束しても時間を守らない、夜遅くまでやっている
注意をすると返事をしない、反抗する、
何をやっているのか言わない、隠すなどという状況にある場合
親御さんは、どう対応すればいいのか、困り果ててしまうわけです。

「動機づけ」の考え方の基本は
「批判しない、怒らない、愛情が伝わる話し方をする」です。
依存症の人(クライアント)と治療者の関係では
対立したり、指示をするというアプローチは
クライアントの抵抗を助長して
より依存に向かわせる結果になることが分かってきました。

さらに以前は、クライアントの「止めたくない」という気持ちは
自分が病気だということを「否認」していると言われていましたが
「動機づけ」の理論では、このような状態を
クライアントは二つの気持ちの間で揺れている(やりたい、でもやめなければ)
「両価性」と解釈するようになりました。

そしてこの「やめなければ」とか「変わりたい」という気持ちを引き出すために
クライアントの気持ちに寄り添って、本人に自分で考えてもらう
自分で選択してもらうということなわけです。
批判をせず、怒らず、本人に落ち着いて考える習慣をつけてもらうのには
時間がかかります。根気もいります。

何より親御さん自身が、それまでの子育てのやり方や考え方を
大きく変えなければならない可能性があります。
更にこの方法が、全ての子どもさんに最適かどうかは分かりません。
ただ子どもさんが、親に対して心を閉ざし始めているような場合は
残された少ない可能性の一つとして
難しいですが、やってみる価値はあるように思います。


具体的には、スマホを使う時間などのプランを本人に考えてもらう。
例えば 平日だったら、いつ、どれくらい
    休日だったら、いつ、どれくらい
    夜はどこに置く。ひと月に料金はどれくらいまで。
などのきまりを、何パターンか考えてもらって
その中から、どれならうまくいきそうかを選ぶ。
一定期間やってみて、それでうまくいかなかった時は、
他のパターンに変えてみる。

というように、あくまでも「自分で考えて、自分で決めて実行する」
という習慣をつけていき、その結果についても批判したり怒ったりするのでなく
「それじゃあ、次はどうすればやれそうだと思う?」というように
親は建設的に、前向きで短い助言をするのにとどめ
本人が自分で考え、実行できる力を伸ばしていくことがとても大切です。

後藤恵先生の「動機づけ」のお話の中で、治療者、支援者とクライアントの間で
「命令されなかった」→「わかってもらえた」→「いい人だ」
という流れになって、お互いの関係性が円滑になるという部分などは
とても心に残りました。

夫婦でも、親子でも、先生と生徒などでも
一方的に指示をされるだけ、批判や叱責をされるだけという関係では
人は、豊かな人間性や人間関係を築いていくことはできないどころか
心を閉ざし、孤立し、次第に病んでいきます。
家庭が、家族が、そういう風になっていくのは、本当に辛いことです。

「ネット依存」の問題に限らず
小学校の高学年から中学時代にかけて
親が子どもに過度に干渉せず、愛情を持って見守り
必要な時は適切な助言をし、子どもの自主性をしっかり育てることは
その後の長い親子関係を良好なものにするために
とても大切なことだと思います。
長々と書きましたが、一番大切なことは「急がば回れ」です。
そして「北風と太陽」のお話を思い出していただけたらと思います。

トリーさんのブログ「ネット依存、スマホ依存から小中学生を守るために」を
リンクしました。トリーさんは、昨年ネット依存アドバイザーの資格を取られ
ご自身小学生、中学生のお子さんのお母さんでもあるので、ブログでより
具体的なアドバイスを発信されています。




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