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水素爆発と水蒸気爆発・緊迫する3号機の状況

2011-05-18 08:19:38 | 社会・生活
原発の事故が起こってからたびたび出てきた言葉に
「水素爆発」と「水蒸気爆発」というのがある。
政府(東電と保安院も含む)は今までに起こった全ての爆発が
水素爆発だと発表した。前に水素爆発を調べて、燃料を覆っている
ジルコニウムという金属が溶けて水と反応し水素が発生して
爆発したというメカニズムは何となく理解できたが
実は圧力容器の中で発生した水素が何故建屋の中にたまって
爆発したのか、水素はどこから建屋にもれたかは未だによく理解できていない。

更に水蒸気爆発。ただ何となく水蒸気爆発は水素爆発に比べて
何倍も危険なものだというイメージはあっても
具体的な意味や水蒸気爆発のメカニズムがわからずにいた。
そしたら小出先生の発言まとめサイトに
音楽プロデューサー小林武史さんとの対談があってその中で
こう説明されていた。

「炉心と言われている部分の燃料棒は4メートルあります。
例えば1号炉について言うと、東京電力は昨日の段階で70%
損傷していると発表していました。燃料棒がずらっと並んで
いる構造なので、上の方はボロボロになって下の方に崩れ落
ちていくという、そういう状態だと思うんです。それから炉
心部というところにウランの大部分は残っている状態で、一
部が溶け始めているといわれている。ここで冷却に失敗して
全体が溶けてしまえば、溶けて落ちる、いわゆるメルトダウ
ンということになってしまうんですね。その時に炉心はどこ
にあるのかというと原子炉圧力容器という巨大な圧力釜があ
るのですがそのなかに入っているんですね。厚さが16cmくら
いの鋼鉄の容器ですけれども。炉心がもし溶けて落ちるとき
に、圧力容器の底に水が残っているとすると水の上に溶けた
溶融体が落ちていくということになる。そういう時に水蒸気
爆発が起きるんです。そうすると圧力容器が壊れると私は思
っていますし、圧力容器のすぐ外側には放射性物質を閉じ込
める最後の擁壁である格納容器というのがあるのですが、そ
れは比較的ペラペラの容器ですのでそれも壊れると思います」

これは4月28日の記事なのでメルトダウンは起こってないと
いう前提で対話されている。しかしここで示唆されているのは
メルトダウンが起これば水蒸気爆発は起こりうるということだ。
この数日政府は1号機から3号機の全てでメルトダウンが起きた
可能性があると発表した。それなら3月の12日から15日の
間に1号機から4号機で立て続けに起こった爆発は全て本当に
水素爆発だったのか。特に15日に各地で高い放射能が計測
されたことや、最終的にレベル7と認定するに至った何万テラ
という単位の大量の放射能は、いつどこから何故放出されたのか。

今朝これを書いたあとに3号機で注水した水が十分に燃料に
届いてない可能性があると報じられた。3号機では先日から
炉内の温度が上昇する状態が続いていて「この状態が続いた
場合、燃料が発する高熱によって、圧力容器の底が抜ける可
能性がある深刻な事態」になっているという。
地震後にメルトダウンや水素爆発が起こった時期は、風が
太平洋の方向に吹いていたことが、大量の放射性物質の、
陸地への拡散を回避できたのだという。ただ風はいつも
海へ向かって吹くわけではない。重大な危機はまだ続いて
いて予断を許さない状況は変わっていないと思う。

重大なことを政府が直ちに国民に伝えるわけではないことが
はっきり分かった以上、原発からの距離に関わらず乳幼児や子ども、
妊娠中の女性はできる限り被爆を防ぐ努力を続けてほしいし
それ以外の人も拡散予測や風の向きに留意して雨に濡れないなどの
被爆を避ける注意を続けていってほしいと思う。


*一部分を抜粋しましたがこのサイトでリンクしている小出先生の
発言まとめサイトの小林氏との対談では原発事故のことが
丁寧に解説されています。ぜひ一読してください
また福島原発の現状のサイトの保安院発表のデータは
信憑性に疑問があると感じました。拡散予測などは
海外のデータも確認していただけるようにお願いします。