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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

わう!WOWOW

2017-07-30 11:07:13 | 社会・生活
梅雨明けとともに、福岡は連日34度を超える猛暑が
続いています。今回は、タイトルからして、あまりの暑さに
頭のネジが、2,3本飛んじゃったというようなタイトルですが。

25年前、ハマりにハマった、アメリカドラマの「ツイン・ピークス」
最終話で「25年後に会いましょう」というセリフがあったのですが
25年目の今年、続編ができて、WOWOWでの放送が決定。

すでにケーブルを入れているので、この上WOWOWというのは
いかがなものかと、ずいぶん我慢をしたのですが
PCでどのサイトを開いても、何かの呪いのように
「ツイン・ピークス The Return」の広告がついて来る。
ついに根負けして、7月1日にWOWOWに加入するはめになりました。

「ツイン・ピークス」については
ぶっちゃけ誰にでもお勧めできるドラマではありません。
登場人物はみんな変ですし、現実と非現実の境が限りなくあいまいで
観ればみるほど、ざわざわした不穏で嫌ぁ~な気持ちになること請け合いです。
けれど、別にグロが売りの、スプラッターなドラマではないので
ただただ心理的な気持ちの悪さ、不快な感じが好きという方にはいいと思います。

「ツイン・ピークス」はともかく、WOWOWの素晴らしいところは
去年封切られた映画を、じゃんじゃん放送してくれること。
「貞子VS伽椰子」「残穢ー住んではいけない部屋」「葛城事件」
「日本で一番悪い奴ら」「シン・ゴジラ」「クリーピー偽りの隣人」
洋画では「オデッセイ」「デッドプール」「帰ってきたヒトラー」
「ブラック・スキャンダル」など、一度観たことがある映画も含めて
「これ、ちょっと観たいかも」という映画が、サクサクと録画できています。

映画というのは、最初に観た時は、どうしてもストーリーを追っかけてしまうので
好きとか嫌いに関係なく、できることなら3回くらいは観たいのが本音です。
2回、3回と観ると「ああ、こんなシーンがあったんだ」とか
「こんなセリフがあった」という、細部に気がつきます。
すると、ファーストコンタクトでは今いちだった映画でも
「ああ、これ意外といいじゃん」ということになることもあります。
また何年かたって観たら、よくなることもあります。

この前娘と「どうしたら、自分の好きな映画とか本とかがこんなのって
分かるようになるか」という話をしていました。
「ひと月に一冊も本を読まない人が約30%いる」という話から
「でも、本屋に行っても何を読みたいか分からないっていう人も
いっぱいいるじゃん。どうしてだろうね」と娘が言うので
「映画とか本はね。とにかく数をこなすしかないんじゃないかな。
面白くないと思っても、とにかく観る。そうして、いっぱい観たら
だんだん自分が好きなのが、どういう感じってわかってくると思うよ。
面白くないからとか、難しいからって、そこでやめてしまったら
それ以上にキャパが広がらないからね」

偉そうなことを書いてますが、何となくたくさん映画を観るだけで
私なんかは、そこから一歩も前進していません。

かなりのシネフィルであり、たくさんの優れた映画のレビューを残された
作家伊藤計劃さんのもうひとつのwebサイト「spooktale」の中に
こんな記事がありました。

「中学生の時、ぼくは「(映画の)パンフレットのあらすじを書く
職業」があったらそれにつきたいなあ、などと、今思えば実に
アホらしい空想にふけっていたものだった」

伊藤さんは、自分の子供のころの夢を「アホらしい」と自嘲されていますが
私はこれを読んで「ああ、これは全然かなわないな」と思いました。
いっぱい映画を観ていても「美しいあらすじ」を書きたいなんて
考えたこともなかったからです。後年、あれほどクオリティの高い小説を
書く土台、基礎になったものがなんなのか、ちょっと分かった気がします。

今さら何をどう後悔しても間に合わないのですが
やっておけばよかった、もっと勉強すればよかったと思うことが
今になっても、次々に出てきます。
けれど私はとにかく言葉が好きで、書くことが好きですから
つたない文章ではありますが、生きている限り
こうしてつれづれに思うことを、書き続けていきたいと思います。
読んでくださる方々には、もう感謝の気持ちしかありません。


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「忍びの国」通院日 そしてヤフオクドーム

2017-07-18 10:39:31 | 社会・生活
先週の月曜日は、娘に強要されて(というのは冗談ですが)
映画「忍びの国」を観てきました。
娘には、伊藤計劃さんの「ハーモニー」と「屍者の帝国」に
付き合ってもらったので、そのお返しと
自分でチョイスすると、息を止めて観るような映画ばっかりになるので
たまには「楽しく」観れるものを観るのも体によさそうだからです。

そう言えば、小説も映画も、いわゆる歴史改変系(万城目学さんとか)には
ほとんど縁がなくて、なかなか新鮮でした。
感想は「伊勢谷友介さん、すてき!」
どんな映画に出ても独特の存在感があって、本当にいい俳優さんだと思います。
あと、でんでんさん(笑)

そして火曜日は通院日。
通院日の前の週、夜中にいきなり38度7分の熱が出て
次の日から、左の腕が真っ赤になってぱんぱんに腫れ
ぱらぱらと湿疹が出ました。
実は、この症状は、1か月くらい前にも出て
その時も4,5日でおさまったので
通院日までもう1週間もないし、まあいいかと放置して
娘からも、福島の友達からも怒られました(笑)

おそらく原因は、左のわきまで広がっている腫瘍。
リンパの転移部分と合体して、リンパ浮腫になっているから。
ですから、これで終わりにはならず、何回も繰り返すような予感がしたので
今回は、主治医の先生に、ていねいに病状を説明しました。
診断は「リンパ管炎」
リンパ管が詰まっていることで起こるということで
「熱が出たら、病院に来てくださいね。抗生剤を飲んだほうがいいので」と。
はい、次からは横着をせずに、ちゃんと受診します。

そして水曜日は、ヤフオクドームの「楽天VSソフトバンク戦」
正直、そろそろ野球観戦はしんどいなと思っていたのですが
ダンナは、今月のシフト表が出た時点で
連休があったので、即チケットを予約したらしい。
それを聞いて内心「え”―っ」と思いましたが
映画には行けるのに、野球にはいけないと言うのも
なんか自分勝手な気がして、これまた「まっ、いいか」

「ステージ4」というブログでも書きましたが
ステージ4の乳がんを告知されていても
本当に十人十色で、お仕事を続けられている方や
中には、海外旅行に行かれるような方もおられますから
自分が何をできるかは
その都度自分の体と相談して行動していいように思います。

自分が末期がんだ、重大な病気なのだというほうに
あんまり気持ちを持っていきすぎると
だんだん病人らしくなってしまう
そういうこともあるような気がしますから
できることはできる、できないことはできないで
本当に体がきついとか、具合が悪い時は
周囲にも正直にそう言うことにしています。

最近出てきた背中の痛みや違和感は
いつもあるわけではないのですが
なんとなく息苦しい感じはあって、ドームへ行く途中の
地下鉄の階段を上がっている時に、息があがってアップアップ。
先を行くダンナに「ちょ、ちょっと待って」

ダンナは高校時代サッカーやってたスポーツマン系なので
一応「前みたいには歩けないから、ゆ~っくり行ってね」と念を押していても
すぐ忘れて、ペースが速くなる。
やっぱりこういう時は「末期がん」っていう
大きなロゴのあるTシャツを作って着ておいたほうがいいような気がします。

残念ながら、ソフトバンクは負けてしまいましたが
無事三日間の予定をクリアできました。
ちょうど3年前の今頃は、全力で引っ越し準備をしていました。
今、あれをやれと言われたら、もう絶対に無理ですが
自分ができる範囲で、できることをと
目標を低く低く設定すれば、まだできることはある、そんな毎日です。

血圧が低いので、今月は上が95の下が55でした。
この猛暑で、8月になったら、下が30くらいになってそうですが
とにかく生きて夏を越せればよしとします。

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人間にできることとできないこと

2017-07-14 15:17:19 | 社会・生活
乳がんを告知された年の秋に
宮崎、熊本、そして福岡にいる子育て仲間4人で、原鶴温泉に行き
その時、朝倉の三連水車と周辺にある野菜や果物の直売所などを観光しました。
静かで、のどかで、実り豊かな朝倉の里。

先週、その朝倉市や東峰村、大分の日田市などを
記録的な豪雨が襲い、たくさんの人が亡くなられ、甚大な被害が出ました。
現在も、気温が35度を超える猛暑の中
避難生活を余儀なくされておられる方が多数おられ
心からお見舞いを申し上げます。

病気になるまでの15年間、露天の八百屋さんで働いていました。
一日に9時間近く戸外にいるので
天気の変わり方には嫌でも敏感になります。
ほとんどの商品を外に置いているので
特に雨には神経質にならざるをえません。

パラパラと降り始めたら、雨に濡らせない商品、切り花とか果物
袋詰めにしたじゃがいもとか玉ねぎなんかを
全力で、雨がかからないところに避難させなければなりません。
野菜や果物の入った段ボール箱も、濡らすと底が抜けますから
もう一人のパートさんと二人で
10キロ、20キロの箱を抱えて
何度も全力疾走するという、はたから見たら
ドタバタコントみたいな仕事でした。

そんな何ともアナログな仕事をしていた私が
気候の変化に気づいたのは、仕事を辞める7、8年前です。
「雨の降り方がなんか違う」というのが初めでした。
曇って、うだるような蒸し暑さが続いたと思うと
いきなり真っ黒い雲がわいて、ひやりとする風が吹きます。
するとほんの数分で、空の底が抜けたような
滝のような雨が降り出しました。

昔ながらの夕立だと、黒い雲がわいているほうを見て
あとどれくらいで降り出すか予測が立てられるのですが
この予測不能の雨には、何度も泣かされました。
商品だけでなく、避難する間に自分も全身ずぶぬれで
帰り道に、ぽたぽた雨を垂らしながらスーパーで買い物してると
なんとも悲しい気持ちになったものです。

その頃から「ゲリラ豪雨」という言葉が
天気予報にも登場するようになりました。
雨と同様に風の吹き方も変わりました。
これまた予測不能の突風が吹くようになりました。
直射日光に当てられない野菜や果物も多いので
簡易テントを3台建てていたのですが
重りをつけていても、テントが持っていかれるような
強風が吹くようにもなって、テントが飛ぶと危険なので
おかしな風が吹いたら、テントも即撤収。
最後の数年は、そんな具合で、なんともせわしない状況でした。

仕事の話は、過ぎてしまえば笑い話でもすみますが
こういう不可逆な天候の変化、気温の変化が
今回のような大きな災害の原因になっているのは間違いないようです。
人間の力、科学の力、どんなテクノロジーを駆使しても
人間にはできないことがまだまだとてもたくさんあると思います。
それは、依存症のような脳のメカニズムに関わる話でも
癌のような、完璧な治療法がみつかっていない病気も同じです。

そうしたことを、不可抗力だと言ってしまうのは簡単ですが
もしもその一因が、人間のやっていることにあるとしたら
やれオリンピックだ、経済成長だと
お金儲けだけを目指して、前のめりに爆走するよりも以前に
人間にできること、できないことは何なのか
やらなければいけないこと、やらないほうがいいことは何なのかを
そろそろ少し落ち着いて、じっくり考えなければいけない
そういう時期に来ているのではないかと思います。

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乳がんステージ4

2017-07-02 16:28:01 | 癌のこと
先々週、市川海老蔵さんの奥様、小林麻央さんが旅立たれました。
乳がんが進行して、ステージ4の告知を受け
闘病されながら、愛する家族への思いを切々とブログにつづられたことで
多くの人たちの同情と共感を集められました。
若くして、幼いお子様たちを残して亡くなられたことは
どれほどか無念であったろうと、心からのお悔みを申し上げます。

私も麻央さんのブログは何度か拝見しました。
私自身は、あまり病気のことをていねいに書いてはいませんが
ブログ村の「乳がんステージ3・4」のカテゴリーには参加して
他に、全部のステージの方の「乳がん」のカテゴリーもありますから
たくさんの、乳がんで闘病中の方のブログを読ませていただいています。

麻央さんの病状や、亡くなられるまでの経過が
ブログを通じて、マスコミに取り上げられ
とても大々的に、そして詳細に繰り返し報道されたことで
「ああ、乳がんのステージ4ってこうなんだ」と
たくさんの人たちが思われたのではないかと思います。

けれど、自分が実際に乳がんになり、同病の方のブログを読むと
ステージ4の乳がんでも、病気の経過も、治療の方法も、日常の生活も
まさにケースバイケースで、同じという人はほとんどおられません。
抗がん剤治療を受けて、副作用に対応しながら
可能な範囲で、家事をやり
幼稚園児から高校、あるいは大学生までの子供さんの世話を
されている方もおられるし、お仕事をされている方もいる
自分の目標である、何かの活動や趣味を続けておられる方もあります。

そして、そういう方たちの闘病ブログは
日常の暮らしの話題と同時に
どういう検査をして、その結果がどうだったか
どういうお薬を使って治療していて、その副作用や効果はどうなのか
治療やお薬について、主治医の先生とどういうお話をしたか
などがとても丁寧につづられているものが多く
もしもですが、自分や家族が乳がんになった時に
どういう治療を受ければよいのか、また受けたいと思うかを
考えたり、決めたりするのに、とても有用なものが多いと思えます。

ですから、私は、小林麻央さんのブログも
そういう、たくさんの、乳がんで闘病をされている方たちの
ブログのひとつとして受け止めていました。
麻央さんの病歴が、ステージ4のすべてではありません。
初発で、ステージ4と診断されても、5年を超えて
6年7年、中には十年近く闘病されている方もおられます。

もしも、小林麻央さんのブログをきっかけに
乳がんに関心を持たれたり、乳がんについて知りたいという方が
おられましたら、何かの折に
そうした多くの闘病ブログに触れていただけたらと思います。
ブログに綴られているのは、ひとつひとつが貴重な実体験です。
何年も前から、乳がんの闘病ブログを書かれている方はたくさんおられ
自分で熱心に専門的な知識を収集されて発信されたり
新しい薬や治療にチャレンジされている方もあります。
無名の人が書いたから意味がない
価値がないというようなことはまったくありません。
麻央さんのブログに光があたったことを機に
こうした多くの闘病ブログも
取り上げられるといいなと思います。

そういう先ゆく人の経験談を知ることで
万が一、自分や家族が乳がんになった時に
現代の医学で可能な治療の現実をリアルに知ることができて
どうすべきなのか、あるいはどうしたいのかといった判断に
生かすことができるのではないかと思えるからです。

私自身は、ステージ4は治らないということを理解したので
経済的な面と、なにより一日でも長く
普通に生活をしたいという思いで
ホルモン剤治療プラス緩和ケアという選択をして現在に至っていますが
20代30代の若い方に発症する乳がんと
私のように、閉経した後で発症する乳がんとでは
ホルモンの働き方などがかなり違いますから
もっと個別に対応できる治療法などの研究が進むといいなと思っています。

などともっともらしいことを考えつつも
先日読んだ、高村薫さんの「土の記」にあった
「(人間は)生きている間は生きるだけのことだろうに」という一文を
これからの座右の銘にしようかなと企んでいます。

23年前「だからって、捨てるところもないのが人生だ。
どこかへ、自分を引きずっていかなきゃならないんだ」(黄金を抱いて翔べ)
という言葉に死ぬほど感動して、この言葉をなぞるように生きてきました。

その高村さんが今おられる場所が「土の記」の地点なら
アイルランドのアルスターに降りしきる春の雨(リヴィエラを撃て)から
奈良の大宇陀の山間に降る驟雨(土の記)まで
高村薫という小説家の思考の過程に寄り添ってきた一読者としては
「生きている間は生きるだけ」という言葉は
やはり、今の私には、まさにこれ以外にはないと思える
なんともどんぴしゃの境地ではあったわけです。


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