癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

ギャンブル依存者559万人

2012-08-26 11:25:53 | ギャンブル依存症
前のブログに「09年の厚生労働省の研究調査で
日本の成人男性の9.6%、同じく女性の1.4%がギャンブル依存症で単純計
算で男性は483万人、女性は76万人、計559万人。同書によると、そのう
ち約8割(約447万人)がパチンコ依存症」というジャーナリスト佐々木
奎一さんのブログの記事を引用させてもらった。

「へぇー、一応調査をしてるんだ」とも思ったが、この数字を把握しても
政治がなんのリアクションも起さないことにも唖然とした。
このブログを書き始めた4年前、ギャンブル依存症のことを知るために
参考にした精神科医で作家の帚木蓬生先生の著書「ギャンブル依存と
たたかう」の初版が発行されたのが2004年。その中では患者数は
推定200万人とされている。それから5年経って、倍増どころか、
すでに3倍に達しているということだ。
私はこのブログを書き始めてから、400万人という数字を見かけ
確実な根拠があったわけではないが、以後推定400万人と書いて
きたが、現実にはそれもとっくに越えていることになる。

私と一緒に働いているパートの女性は、家族揃ってパチンコが趣味。
けれど前に簡単に依存症の話もしたし、私の家庭の事情も知っている
ので、私の前ではあまりおおっぴらにパチンコの話はしない。けれど
先日何かの拍子に「もしパチンコ行けんやったら、多分もう仕事とか
もせんでぐだぐだしていると思う」と人に話しているのが耳に入った。

「パチンコに行けなかったら仕事もしない」
この思考回路が依存症でなくて、何を依存症と言うのだろうと私なんかは
思うが、こんな感じの依存症の人はいまやごまんといるということなのだろう。
ギャンブルによる借金もなく、ひと月働いた給料の範囲でギャンブルをして
いる分には、かろうじて依存症の範疇には入らない。
彼女の家はダンナさんが建設関係なので月収は共稼ぎで40万近くあり
家賃もなくてこどもももう独立している。たとえ夫婦で月に10万
パチンコに使ったとしても生活には困らない。

しかし年収が少なくて子育てをしているような家庭の人間が
ギャンブルしたり、ギャンブルで借金を作ったりしたら
生活自体が破綻する。以前親がギャンブルをする家庭は子どもの
教育水準が低いという話があった。家族の誰かがギャンブル依存症
で、借金があったりすると、その返済に追われてこどもの
教育費に回すお金がない。あるいは貸金業法の改正で、去年から
年収の30%以上の借り入れはできないから、たとえば進学費用を
借りたいと思っても審査が通らないといった問題も出てくるだろう。

お母さんがパチンコ依存症という方のブログを読んでいて、母親が
闇金のようなところから借金をするために、娘の携帯番号や勤め先
を書類に書くようなことをして、とうとう娘さんたちは、お母さんに
居場所がわからないところに引っ越したというような話を読めば
自然に涙が出てくる。ギャンブル依存症の人間の周囲には、必ず
こうして巻き込まれた家族がいて、だから被害者の数はすでに
1千万人を越えているのではないかと思う。これで何一つ変わらず
更に日々患者を増やしていくような現状は、あまりにも異常だ。

しかしここまで業界と癒着して利権を貪ってきた政治家たちは下手に
業界を規制しようとすれば、しっぺ返しを食らう可能性があるから
まったく身動きができない。業界の広告費をあてにしている
マスコミにとって、ギャンブル依存症の話題はタブーだ。
だから規制もされず、ギャンブル依存症に関する情報も
ほとんど流れず、患者ばかりがどんどん増え続けることになる。
この状況の深刻さを一人でもいいから知ってもらいたいと思う。

ギャンブル依存症は、いつそうなったのか本人にはわからない。
そしてかかってしまったら取り返しがつかない。
この病気にならないためにできることはただひとつ。
「今日はギャンブルをやらない」という毎日を積み重ねていくこと。
世の中はなべて「健康志向」「健康ブーム」だ。
病気をしない、健康に過ごすためのノウハウや食品や薬品で
あふれかえっている。
肉体や内臓はいろんな手段で補強も修繕もできるが
実は人間の脳はそういう具合にはいかない極めて脆弱な器官であることを
私は依存症の問題を通じて学んだ。
そんな人間の脳を守るたった一つの方法といえば
それがどれほど魅力的に思えても
得体の知れない危険なものには近づかないということなのだろうと思う。



理性をなくした人間に未来はあるか

2012-08-16 07:38:34 | 依存症
私は右とか左とかいう話が嫌いだ。
先日ある本を読んでいたら「今はもう理智の時代ではない」という
言葉があった。本当にそうだと思う。

昨日は67回目の終戦記念日だったが、韓国の大統領の過激な発言が
波紋を広げている。少し前にはオリンピックの男子サッカーで、韓国の
選手の政治的なパフォーマンスが問題にもなった。ここへきて韓国が
急に特に領土問題などで、日本に対する姿勢を硬化させてきたのは
韓国大統領の選挙向けのパフォーマンスという分析もある。

こういう問題ではネットなどでは極端な差別的発言が飛び交って、それは
それで冷静さを欠いていると思える。現在パチンコ業界の経営者のほとんど
は、韓国か北朝鮮のいわゆる在日の人で、だからこの問題は当然ギャンブル
依存症の問題にも連動してくるのだが、そのことをあまりブログで書かなか
ったのは、ヒステリックな在日批判のようなものにある種の嫌悪感を感じる
からだ。

しかしこの数日の韓国の挑発的な動向を見ていて思うのは「なぜこうも
執念深いのか」ということだ。終戦からすでに半世紀以上過ぎている。
日本も広島や長崎に原爆が投下された日を迎えたが「アメリカが」と
いう発言をする人はほとんどいない。これは日本が戦争に負けたからとか
戦後アメリカに占領されて洗脳されたとかそういう理由ではないと思う。
あるがまま、流れるまま、恨まず憎まず争わずは、日本人の、特に庶民の
国民性のようなものだ。他者を恨んだり憎んだりしてどうなるものでも
ないという一種の諦観のようなものが日本人のDNAには根深く浸透し
ているのだと思う。昨年の震災の後の、日本人の冷静な行動が賞賛を
浴びたが、あれは道徳心というよりは、むしろこうした諦観や一種の
無常観の発現ではなかったかと感じられる。

しかし韓国にしろ中国にしろ相手方はそういうわけにはいかない。
「子々孫々までこの恨み晴らさずにおくべきか」という勢いなのだ。
まあ、つまるところ最後はお金という話なのだろうから
専門家の人が言うように「相手の挑発に乗って、同じ土俵で問題を
エスカレートさせるべきではない」というのは正しいのだろう。


だが民間の、私たち一般人のレベルでは、さすがにもう少し現状を
認識して、大手の広告代理店と韓国の芸能界が手を組んで仕掛けた
韓流ブームなんかに浮かれるのはそろそろ終わりにしてもよいのでは
ないかと感じている。受信料を払い、民放とは違って公共性の高い
NHKまでが韓流ドラマをいくつも放送し、批判的な発言をした
芸能人が芸能界を追放されるような現状は、この韓国の動向を
見ると、逆に日本のほうが常軌を逸しているように思われる。

同じ理由で先日佐々木奎一さんというジャーナリストさんのブログに
こんな記事があった。

「パチンコ(以下、パチスロ含む)の売上は1995年の31兆円超を
ピークに、06年に27兆4,550億円と微減傾向をたどり、パチスロ規
制が完了した07年に22兆9,800億円と5兆円弱下がったものの、不況
下の2010年時点でもなお19兆3,800億円もの売上を出す巨大産業で
1991年からの20年間の売上は実に539兆6330億円に達する。

 そもそもパチンコ依存症の人は、一体、どれだけいるのか。
厚労省が09年に行った研究調査によると、日本の成人男性の9.6%、
同じく女性の1.4%がギャンブル依存症という。単純計算で男性は
483万人、女性は76万人、計559万人。同書によると、そのうち約
8割(約447万人)がパチンコ依存症なのだという」

争わない温和な国民性はいいが、ここまでくるとお人好しの上に
馬鹿がつくのではないか。汗水たらしてきつい思いをして働いた
自分のお金を、自分たちの国を孫子の代まで許さないというような
人たちにせっせと寄進してどうするという話ではある。
その上に依存症になれば生活は困窮し、家庭は崩壊し、老後の
年金やら生活保護のお金(本来は私たちが納める税金や保険料)
までを際限なく上納し続けるというまさに地獄の無限ループでは
ある。依存症が一生治らないことを考えれば、これはカモになっ
ているという状況を越えて、一生搾取し続けられる奴隷の人生
なのだ。そこに自分の安定した幸せな未来は存在しない。

誰かがなんとかしてくれるとあるがまま、流されるままはいいが
少しは世の中で起きていることや自分の行動を冷静に客観的に見て
考えなければならない正念場にきているのではないか。政治が
動かないならば一人一人が変わることしか、方法はないのだと思う。