先日ダンナが遅番だったので、一人でご飯を食べながら
アメリカドラマの「クリミナルマインド」を観ていました。
「クリミナルマインド」は、犯人の心理を分析しながら
凶悪事件を解決していく、プロファイラー系の犯罪ドラマ。
その中で、捜査を監督する女性上司に
部下が「あんた、酒の匂いがするぜ。捜査をぶち壊す気か」
と怒るシーンがあり、ラストシーンでは
プロファイラーチームのボスが彼女に
「(アルコール依存症であることは公にはしないので)
すぐに入院して治療を受けてください」と申し渡します。
少し前に放送されていた「スコーピオン」というドラマでは
ハーバード大を出た天才心理学者がギャンブル依存症という
ものすごい設定があって「えっ、これって心理学でギャンブル依存症は
治せないっていう皮肉なのかな」と愕然としましたが。
彼は仕事でカジノなんかに行くと、賭けたいという衝動を抑えられないので
心拍数を察知して警報を出すアプリをスマホにダウンロードして
ストップをかけていました。(そんなアプリあるのか?)
アメリカのドラマで、依存症は、こんな風に
日常会話にいくらでも出てきます。
犯罪者だけでなく、捜査をする刑事や捜査官が依存症という
ケースも多くて「えっ、この人も!」とびっくりすることもあります。
これはドラマの話ですが、ラグビーの日本代表が南アフリカ戦に勝利した
直後に、全日本のヘッドコーチをされていた
エディー・ジョーンズさんが出演された「プロフェッショナル」が
NHKで再放送されていました。
その時にエディーさんが
「以前に指導した選手で、どうしても集中力が続かない選手がいて
個人的に事情を聞いてみたら、父親がギャンブル依存症で借金もあった。
それで父親には治療施設を紹介し、ラグビーに集中できるようにした」
と話されたのが、試合の結果より、五郎丸ポーズより何より
ものすごく印象に残りました。
社会で生活していく上で守らなければならないルールを守れない。
違法薬物の使用や飲酒運転などの
明らかな違法行為はもちろんですが
仕事中に飲酒をするとか、パチンコに行くとかの行動があれば
「これは依存症だ」と周囲の人が即判断できる
それが「依存症」という病気が、社会に広く理解されているということです。
さらに欧米では、そういう依存症者の受け皿になる
相談機関、治療施設が、ある程度整備されているのです。
だからエディーさんのように第三者が相談を受けた場合でも
どう対応すればいいかが分かっていて、治療につなげる手段もある
これが「依存症に対応できるシステムができている」ということだと思います。
日本の現状がどれほど遅れているかがよく分かります。
飲酒運転で事故を起こしている人間に対して「依存症の可能性があるので
受診をするように勧める」なんていうピンポケ対応の
お役所のニュースなんか聞くと「だめだ。こりゃ」と絶望的な気分になります。
そんな現状で話を広げると何が何やらわからなくなりそうなので
今まであまり触れませんでしたが
ギャンブル依存症を考える会の田中紀子さんが
人気コメディアンの逮捕を受けて、性依存症の問題に言及されています。
性依存症は、性行為そのものに依存する場合もありますが
のぞきや痴漢、窃盗、盗撮など、性にまつわる行動がコントロールできなくなる依存症です。
薬物、アルコール、ギャンブルはもちろん
ネットやゲーム、性、買い物や浪費、男女や親子などの人間関係と
ある物質なり、行為なりに異常に執着し、やり続けて止めることができない
それは依存症の大きな特質です。
私がこれまであまり話を広げなかったのは
「何でもかんでも依存症にする」と反発する方がおられるのでは
ないかと考えたからです。
けれど、かなり昔のブログで書いたことがあるのですが
私は、人間は依存するものだと思っています。
仕事でも、ペットでも、宗教でも
趣味といわれるものもたいてい一種の依存です。
けれどそれが、法律を破ったり、周囲に甚大な迷惑をかけたり
正常な社会生活ができなくなったら病気の領域になり、依存症になります。
だから、ありとあらゆる依存症が存在するのは当然のことです。
ある特定のものや行為に過度に依存し
実生活で色々な不具合が起きているにもかかわらず
自分では止めることができない、脳がコントロールする機能を失っていれば
そこからが依存症という病気です。
そのボーダーラインを超えないためには
他の病気と同じで、早期発見と早期の治療が必要です。
依存症は決して特別な異常な病気でもなんでもありません。
今の社会では、一億総依存症といってもいいくらい
ポピュラーな病気だと思います。
政治はもちろんのこと、医療機関の認知も、医療体制の整備も
依存症についての情報の共有も
何もかもが全然追いついていません。
以前に大物ミュージシャンの薬物事件のおりに
ダルクという薬物依存症の回復施設についてや
「今後は医療機関で治療を受ける」ということが
とても特別なことのように報道されていましたが
実はそれが正しい方法で、当たり前のことになるべきなわけです。
そういう状態で、青少年のスマホ依存が広がっていますから
今わたしたちができることは
ひとりひとりが依存症についての色々な知識を集め、共有して
できれば病気の領域に入る前の段階で
コントロールを取り戻せるような方法を知ることや
もしも進行しているのならば
進行や悪化をどうすれば止められるのかを理解することだと思います。
本当なら、そこに医療の専門家や、相談機関や自助グループの経験者
セラピスト、カウンセラーといった、依存症という病気の知識を持つ人たちに
介入してもらって、客観的に冷静に説明してもらえば
依存症者本人も、少なくとも自分が病気なのだと受け入れることが
もっとできやすくなる気がしますが
どうすればそれができるのか、どこならそれができるのかといった情報も含めて
すべてが不足しているので、そこはどうしようもありません。
というわけで、取りあえずは自分たちで、できることから何とかするしかない。
それが日本の現状です。
アメリカドラマの「クリミナルマインド」を観ていました。
「クリミナルマインド」は、犯人の心理を分析しながら
凶悪事件を解決していく、プロファイラー系の犯罪ドラマ。
その中で、捜査を監督する女性上司に
部下が「あんた、酒の匂いがするぜ。捜査をぶち壊す気か」
と怒るシーンがあり、ラストシーンでは
プロファイラーチームのボスが彼女に
「(アルコール依存症であることは公にはしないので)
すぐに入院して治療を受けてください」と申し渡します。
少し前に放送されていた「スコーピオン」というドラマでは
ハーバード大を出た天才心理学者がギャンブル依存症という
ものすごい設定があって「えっ、これって心理学でギャンブル依存症は
治せないっていう皮肉なのかな」と愕然としましたが。
彼は仕事でカジノなんかに行くと、賭けたいという衝動を抑えられないので
心拍数を察知して警報を出すアプリをスマホにダウンロードして
ストップをかけていました。(そんなアプリあるのか?)
アメリカのドラマで、依存症は、こんな風に
日常会話にいくらでも出てきます。
犯罪者だけでなく、捜査をする刑事や捜査官が依存症という
ケースも多くて「えっ、この人も!」とびっくりすることもあります。
これはドラマの話ですが、ラグビーの日本代表が南アフリカ戦に勝利した
直後に、全日本のヘッドコーチをされていた
エディー・ジョーンズさんが出演された「プロフェッショナル」が
NHKで再放送されていました。
その時にエディーさんが
「以前に指導した選手で、どうしても集中力が続かない選手がいて
個人的に事情を聞いてみたら、父親がギャンブル依存症で借金もあった。
それで父親には治療施設を紹介し、ラグビーに集中できるようにした」
と話されたのが、試合の結果より、五郎丸ポーズより何より
ものすごく印象に残りました。
社会で生活していく上で守らなければならないルールを守れない。
違法薬物の使用や飲酒運転などの
明らかな違法行為はもちろんですが
仕事中に飲酒をするとか、パチンコに行くとかの行動があれば
「これは依存症だ」と周囲の人が即判断できる
それが「依存症」という病気が、社会に広く理解されているということです。
さらに欧米では、そういう依存症者の受け皿になる
相談機関、治療施設が、ある程度整備されているのです。
だからエディーさんのように第三者が相談を受けた場合でも
どう対応すればいいかが分かっていて、治療につなげる手段もある
これが「依存症に対応できるシステムができている」ということだと思います。
日本の現状がどれほど遅れているかがよく分かります。
飲酒運転で事故を起こしている人間に対して「依存症の可能性があるので
受診をするように勧める」なんていうピンポケ対応の
お役所のニュースなんか聞くと「だめだ。こりゃ」と絶望的な気分になります。
そんな現状で話を広げると何が何やらわからなくなりそうなので
今まであまり触れませんでしたが
ギャンブル依存症を考える会の田中紀子さんが
人気コメディアンの逮捕を受けて、性依存症の問題に言及されています。
性依存症は、性行為そのものに依存する場合もありますが
のぞきや痴漢、窃盗、盗撮など、性にまつわる行動がコントロールできなくなる依存症です。
薬物、アルコール、ギャンブルはもちろん
ネットやゲーム、性、買い物や浪費、男女や親子などの人間関係と
ある物質なり、行為なりに異常に執着し、やり続けて止めることができない
それは依存症の大きな特質です。
私がこれまであまり話を広げなかったのは
「何でもかんでも依存症にする」と反発する方がおられるのでは
ないかと考えたからです。
けれど、かなり昔のブログで書いたことがあるのですが
私は、人間は依存するものだと思っています。
仕事でも、ペットでも、宗教でも
趣味といわれるものもたいてい一種の依存です。
けれどそれが、法律を破ったり、周囲に甚大な迷惑をかけたり
正常な社会生活ができなくなったら病気の領域になり、依存症になります。
だから、ありとあらゆる依存症が存在するのは当然のことです。
ある特定のものや行為に過度に依存し
実生活で色々な不具合が起きているにもかかわらず
自分では止めることができない、脳がコントロールする機能を失っていれば
そこからが依存症という病気です。
そのボーダーラインを超えないためには
他の病気と同じで、早期発見と早期の治療が必要です。
依存症は決して特別な異常な病気でもなんでもありません。
今の社会では、一億総依存症といってもいいくらい
ポピュラーな病気だと思います。
政治はもちろんのこと、医療機関の認知も、医療体制の整備も
依存症についての情報の共有も
何もかもが全然追いついていません。
以前に大物ミュージシャンの薬物事件のおりに
ダルクという薬物依存症の回復施設についてや
「今後は医療機関で治療を受ける」ということが
とても特別なことのように報道されていましたが
実はそれが正しい方法で、当たり前のことになるべきなわけです。
そういう状態で、青少年のスマホ依存が広がっていますから
今わたしたちができることは
ひとりひとりが依存症についての色々な知識を集め、共有して
できれば病気の領域に入る前の段階で
コントロールを取り戻せるような方法を知ることや
もしも進行しているのならば
進行や悪化をどうすれば止められるのかを理解することだと思います。
本当なら、そこに医療の専門家や、相談機関や自助グループの経験者
セラピスト、カウンセラーといった、依存症という病気の知識を持つ人たちに
介入してもらって、客観的に冷静に説明してもらえば
依存症者本人も、少なくとも自分が病気なのだと受け入れることが
もっとできやすくなる気がしますが
どうすればそれができるのか、どこならそれができるのかといった情報も含めて
すべてが不足しているので、そこはどうしようもありません。
というわけで、取りあえずは自分たちで、できることから何とかするしかない。
それが日本の現状です。
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