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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

通院日 落語そして怪談

2017-03-25 13:26:33 | 癌のこと
先週の火曜日は通院日でした。今回はCT検査。
そしてダンナが公休だったので、車に乗せてもらって
先生の説明も一緒に聞きました。

結果は「患部の腫瘍の増大と、肝臓の腫瘍も若干増大」
肝臓は告知された時から、画像でもはっきりわかる病変がひとつあって
その回りに、小さな怪しい影が、星のようにぱらぱら散っていたのが
今回その中の一つが、はっきりした形に育っていました。
肝臓は、腹水がたまるなどの、明らかな症状が出るまでは
これといって自覚症状がないので、特に対処法もありません。

けれど、骨とか脳とか肺とかの転移だったら
痛みもとても強いし、もっといろいろ症状が出るはずで
今でも、我慢できないほどの苦しい症状に悩まされることもなく
毎日普通に生活していられる私は、とても幸運なのだと思います。

いつも通り、ホルモン剤のフェマーラと
痛み止め2種類(ワントラム、頓服のトラマール、ロキソニン)
軟膏2種類(ロゼックスゲル、麻酔剤のキシロカインゼリー)そして胃薬2種類の
お薬セットを処方していただいて、終わりでした。
「あの、次は5週間後で」
最近歯医者さんも行ってるので、なんだか病院通いばかりしてるみたいです。
そこで先生がおおらかなのをよいことに、こっそり1週間延ばすのに成功(コラッ!)

以前ツタヤにDVDを借りにいった時に、ダンナが「落語」と言ったので
最近ケーブルで落語の番組を録画して、ダンナの休日は、落語を聞きながら晩ご飯を食べています。
私も落語のような語り芸だったら、しゃべりのテンポが
いい具合にゆったりしていて、それでいて真打の落語家さんとかは
なんともいえない味のある、音楽のようなリズム感があって、心の底から笑うことができます。
免疫力アップにもよさそうです。

なんて言いながら、先週「時そば」という落語を聞いていたら
本当に久しぶりに、むらむらと怪談話を書きたくなりました。
数年前から、某巨大小説投稿サイトでホラー小説を書いて
たまに賞に応募したりもしていたのですが
最近はブログ以外は、書くことからすっかり遠ざかっていました。

それが「時そば」の落語を聞いていて、連想ゲームのように
小泉八雲の「怪談」に出てくる「のっぺらぼう」の話を思い出したのです。

「のっぺらぼうに出会った男が、息もたえだえ、夜泣き蕎麦の屋台を見つけて
蕎麦屋の亭主に、自分が見たことを話そうとすると、なんとその亭主の顔が」というお話。
人気のない川べりに店を出している蕎麦屋
亭主の正体が分かった瞬間、ふっと屋台の灯が消えるというあれ。
いいなあ、好きだなあこういうの、と思います。

小学校の時に、楳図かずおの「へび女」シリーズを読んで以来
最近SF小説にハマったのを除けば、生涯ほぼホラー一筋でやってきましたが
人が残酷に殺されるスプラッター系は好きではありません。
一番好きなホラー小説は、小野不由美さんの「屍鬼」と「東亰異聞」ですが
実は時代物や土俗のホラーを書くのには、ものすごく知識がいるのです。
病気をして、すべてにおいて、ぐうたらになったこともあって
すっかりモノ書きから離れていましたが、落語のおかげで、久々に書きたいなと思いました。

ただ私が書くものは、悲しいくらい今風ではありません。
最近の若者の小説は、ほとんどが、ゲームのノベライズっぽいのだったり
異世界転生物が主流です。
けれど以前に書いたものが、もう一年以上ほったらかしていたのに
先日久々に見てみたら、2000アクセスを超えていて、すごく感激してしまいました。
巨大サイトなので、好きなように好きなものを書いていても
それなりに読んでくれてる人はいるようです。
そろそろ桜も咲きそうですし、ルナの5回目の命日ももうすぐだし
しばらく向こうの世界に漂っていたいなと思います。

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ギャンブル依存症に新説?

2017-03-17 16:00:09 | ギャンブル依存症
先日久しぶりにWikipediaの「ギャンブル依存症」の項目を読んで
ちょっとびっくりしました。
以前にはなかった内容が、あちこちに付け加えられていたからです。

実はカジノ法案が成立した時に
ちょっと気になる話が出ていました。
それは「これからギャンブル依存症の実態調査をする」というのと
今使われている「ギャンブル依存症の診断基準は正確さに欠ける」という話です。
その時に「それは厚労省が2014年に発表した536万人という調査結果を
一旦白紙にするってことかな」と疑問に感じたのです。

そこでWikipediaの記事ですが
「ギャンブル障害にはタイプⅠ(単純嗜好型)タイプⅡ(他の精神障害先行型)
タイプⅢ(パーソナリティ等の問題型)の3つのタイプに分けた対応が
提案されており、他の精神障害の併存が相当にあると推測される」とあり
こういう併存型のタイプは、精神科での治療が優先され
「有効な治療薬はなく、認知行動療法が最も有力と考えられる」
とされています。

つまり、ギャンブル依存症の人には、
他の精神障害が先行していたり、パーソナリティ障害などを併発しているケースが
かなりあるので、その場合は、精神科で治療を受けて
認知行動療法をすることが有効ということになります。

もう一つは「2000年以降の研究では、自然回復が多数あり
進行的、不可逆的な障害という認識が改められつつある」という点です。

長年ギャンブル依存症の臨床や研究を続けられてきた田辺先生や帚木先生の
「ギャンブル依存症は進行性の病気で、治癒はない」という説は
以前のもので、最近の研究結果では
ギャンブル依存症は治るということになってるということでしょうか。
さらに「ギャンブルを断つことを最優先すべき群は
ギャンブル障害の10%から60%と見積もられ
必ずしも脱ギャンブリングが治療上必須とはいえない」という
これまで、ギャンブル依存症から回復するための
絶対条件とされた部分が大きく修正されています。

この説を主張されているのは
久里浜医療センターの河本先生で、先生の主張については
私も2015.3.4のブログ「依存症は治るのか治らないのか」で書きました。
河本先生は「薬なしで8割治る欲望充足メソッド」というのを提唱されている先生です。

2015年の時点では、臨床をされているギャンブル依存症の患者さんの中に
治った人がいるので、ギャンブル依存症は治ることがあるというニュアンスでしたが
Wikipediaの記事では「ギャンブル依存症は治る病気であり
治療にあたって、必ずしも脱ギャンブルは絶対的な条件ではない」というように読めます。

河本先生は、国内の依存症治療の最前線ともいえる久里浜医療センターで
ギャンブル依存問題にも積極的に取り組んでおられる先生ですから
その先生の研究や学説が国の「ギャンブル依存症対策」に
反映される可能性は十分にあるように思えます。

「依存症は治るのか治らないのか」でも書いたように
現在ギャンブル依存症者の回復に取り組んでいる施設やGA、ギヤマノンでは
「ギャンブルを止め続けることが回復で、ギャンブル依存症には治癒はない」
という考え方が基本になっています。

そこにこういう新説が出てきて
もしもそれが国の「ギャンブル依存症対策」の指針となるようなことがあるなら
現在ギャンブル依存症の回復に関わっておられる
全ての関係者とも、十分に討議を重ね、これらの説の明確な根拠を示し
お互いに共通の認識を作り上げていかないと
回復施設や、GAや、ギヤマノンの人たちが
嘘を言っている、誤ったことを言っているということにもなりかねません。

もちろんWikipediaの記事の信ぴょう性ということもあるのですが
「ギャンブル依存症対策」をめぐっては
このように何かと「ん?」と思うことが多いもので
気がついた点があれば、その都度書いていこうと思います。


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6度目の3.11

2017-03-11 16:04:45 | 社会・生活
毎年3月11日が近づいてくると
わけもなく不安になり、仏壇に手を合わせて
「どうか今日も一日何事もなく、無事に終わりますように」と祈る。
福島には、今も友人一家が暮らしているから
3.11には関係なく、とにかく二度とあんな大きな災害が起こらないようにと
ただただ日々祈るしかない。

東北は2月の終わりに、久しぶりに大きな地震があって
その後も震度3程度の揺れは続いたらしい。
大きな地震があると「前震じゃないといいんだけど」とメールがくる。
あの地震や津波や原発事故を経験した人にしか分からない
不安や恐怖は今も続いていて、それは多分完全になくなることはない。

現在でも12万人を超える方が避難されていて
福島から県外に避難されているという人も多い。
そんな中で、福島から避難されている人たちが
大人も子供も、いわれのない差別やいじめを受けているという
ニュースに胸が痛むだけでなく、どうしようもない怒りを覚える。

東日本大震災の後も、各地で地震や災害が起こり
その都度亡くなられた方や、避難生活を余儀なくされた方もたくさんおられる。
地震も災害も予測するのは難しいから
どこで暮らしていても、被害にあう可能性は、私たち全てに平等にある。
同様に再稼働が始まった原発も、あれだけ重大な事故が起きた以上
また起きる可能性は、決してゼロではない。

こうして思うことはたくさんあるが、部外者の私に言えることは少ない。
このブログでは、震災と原発事故が発生して以来
いわき在住のジャーナリスト安竜昌弘さんのブログ「いわき日和」をリンクしている。
ここには、あの日、そしてその後何が起こったかがつづられている。
3.11から現在まで続く、貴重な証言だと思う。

「人間は、自分たちが見たいものしかみない」

TVをつけると流れてくる、ハイテンションなしゃべりや
意味不明な笑い声を聞くたびに、首をかしげたくなる。
暗いもの、悲しいもの、辛いものからは目をそむけて
一見明るく、楽しそうに見えるものばかりに目を向けることは
そうでない場所で生きなければならない人間を切り捨てて
まるで存在しないかのように、抹消しようとすることにならないだろうか。

楽しいものをみることが悪いとは思わないが
脳天気で、中身のない悪趣味なバカ騒ぎを、楽しいとは思えない。
作っている人たちは、これを本当に面白いと思っているのか
疑問に思うが、私の感覚が今の時代に合わないのかもしれない。

昨年福島の友人夫婦が福岡に来てくれて
別れ際に、ダンナさんが「福島の人間は、がんばってって言わないんだよね」と
言いながら固い握手をしてくれた。
日々生きている現実の重さには「がんばろう、がんばって」では
きっと釣り合わないものがあるのだ。

一年、また一年と月日が経つほどに
本当は語りたい言葉をたくさん胸の中に抱えていながら
「終わったことだから、復興してるから」と言われれば
それを外に出すことがどんどん難しくなっていくのではないか。

終戦記念日が近づくと、戦争を語り継ぐことが大切だと言われるように
あの震災や原発事故も、当事者だけの問題なのではなく
たとえモニター越しにではあるにせよ
リアルタイムでそれを体験した私たちは、傍観者であっていいわけがなく
その現実の一端を、語り継ぐ必要があるのだと思う。

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歯医者さんに通院中

2017-03-09 13:08:26 | 社会・生活
乳がんの経緯でも明らかなように
自分のことは、お金のこと、家族のこと、仕事のことが全部片付いてから
と先延ばしして、もうひとつ、どうにもならなくなったのが歯です。

さすがに虫歯はどうしようもないので
たまに治療していましたが
それ以外はほっぽらかしだっった上に
ヘビースモーカーなどの不摂生が重なり、もうぼろぼろな状態で
先日弱っていた歯が一本折れました。

これ以上放置して、がんが進行してから悪化したら
手のつけようがなくなりそうなので
一念発起して、悪いところをすべて治すことにしました。

家族が依存症の問題を抱えると
そのことで手一杯になって、ギャンブル依存症であれば
特にお金の心配が常につきまとうし
自分のことよりは、まずは子供のことが優先するので
病院とか美容院とか、自分の趣味とか
とにかく自分のことにお金を使うことができなくなります。
そのために、ギャンブル依存症者の家族は
セルフネグレクトなどという
これまた、ありがたくない病名をつけられてしまいます。

歯医者さんの待合室で、順番待ちをしている時に
ふっと「こうして心配なく、歯医者さんに行けるようになったのは
がんになって、保険金をもらえたのが大きいよなあ」と思いました。
まあ、それも、本来ならがんの治療に使うべきお金を
本を買ったり、映画を観たり、歯医者に行ったりと
横領まがいのことをやっているわけですが
それでもお金の心配をせずに、歯医者さんにいける人生というのが
妙に新鮮だったのです。

けれど、だからといって、最近は
自分がものすごく大変な人生を生きてきたんだ
というふうには思わなくなりました。
古くからの友人と話していても
依存症者を抱える家族の方と話しても
ネットで他の方の書かれたブログを読んだり
ネットのお友達との交流でも
誰もがみんな、それぞれの大変さを抱え
それと向き合いながら、一生懸命に生きておられるのが分かります。
だから、自分の人生が人より大変で
人より不幸というわけではないと思えるようになりました。
この年になってやっと、自分の回りが
ちゃんと見えるようになったということなのかもしれません。

ダンナがギャンブル依存症になって
それまでは、まったく知らなかったいろんなことを学んで
何もなければ、一生出会うことがなかった人たちとも出会えて
さすがに、ダンナのおかげとまでは思えませんが
それでも悪いことばかりじゃなかった
良いことや役に立つこともたくさんあったと、今は素直にそう思えます。

以前は、ただがむしゃらに、あれをやって、これもやってと欲張って
しゃかりきに動き回っていましたが
病気になってからは「今やらなければいけない、一番大事なこと」を
落ち着いて考えることができるようにもなりました。
それで、現在の最優先事項が歯の治療というわけです。
3月は、ジャパンマック福岡のセミナーの案内をいただいていたり
やりたいことも幾つかあったのですが
体調と相談して、歯医者さんに専念することにしました。
桜が咲く頃には、終わるのではないかと思います。

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