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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

総量規制 現在の状況(2)

2010-06-15 17:45:23 | 債務整理
前回のブログに書いた金融庁の有識者会議の議事録
その最新回の中で
全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会の本多という委員さんの
次のような発言がある。

「それから、過払い金返還については、前にも私は一回言いましたけれども
貸金業者にやっぱり自主的に返還を促進させるという措置をぜひ講じていた
だきたいというふうに思います。過払い金返還の発生事由をやっぱりわか
りやすく示したパンフなどを掲示し、貸金業者の店頭やATMのところに
も掲示するとか、そういうことをぜひやっていただきたいというふうに思
っています。貸金業者の利用者が1,376万人というふうに言われています。
平均的な利用者が6.2年、10年以上が28%と言われていますね。利息制限
法で計算を引き直しますと、債務は確実に減っている。さらに7年以上支
払っている方がいらっしゃいますので、その方々は確実に過払いになって
いると思われます。したがって、これはぜひそのようにしていただきたい
なというふうに思っています」

この話のポイントは
現在消費者金融などを7年以上利用している人のほとんどは実は債務が
確実に減っているという点がひとつ
もうひとつは本来なら業者のほうが自発的に引き直して計算をし
違法に取得した利息を利用者に返還すべきと主張している点だ。

もちろん業者がそんなことを自主的にやるはずもなく
金利引下げといった場当たり的な対応でお茶を濁していて
これまで過当に取得した利息については
借り手が何らかのアクションを起こさない限り
知らん顔でやり過ごすことになるのだろう。

これも前のブログで書いたがこの頃よく見かける過払い金返還というのは
必ずしもお金が返ってくるということではない。
現在の債務から払い過ぎた利息を引いて債務を圧縮するという場合もある。
この債務整理をやれば借金は減るが新たな借り入れは
もちろん出来ないしローンも組めず
決まった収入の範囲で残債を返していくという
まさに我が家のように崖っぷちの状態になる。

しかしこのもうどこからも借りられないし
遊ぶなんていうレベルじゃない経済状況は
ギャンブル依存症の人間にとっては
刑務所に入ってるのと似たようなもので
完全にギャンブルを遮断するという点では
それなりに意味があるのだろう。

債務整理をした人が病気で働けなくなったらどうするか
あるいはまだ学齢の子どもがいて
進学などの費用をどうするかといった
多重債務者のいわばセイフティネットについても
労働金庫や生協などが対応できるように
論議はされているようだ。
ただギャンブル依存者の場合はそういう救済策があるということを
知らないほうがいいだろう。
とにかく余分なお金が一円もないという
背水の陣で日々を生きていくほうがわずかでも
回復の可能性があるように思う。

総量規制 現在の状況(1)

2010-06-08 14:25:54 | 債務整理
貸金業法の改正で総量規制が実施され
6月以降年収の3分の1を超える借り入れはできなくなる
という話は今までにも何度か書いた。
原則専業主婦は借り入れが出来なくなり
有職でも主婦の場合は夫の同意書が必要になる。

うちの場合もそうだったが
ギャンブルで借金をしている人間の多くは
複数の消費者金融で借金して
こっちで借りてあっちに返す自転車操業をしていることが多い。
この総量規制が実施されれば
年収の3分の1を超えて借り入れをしている人は
おそらくどこからも新規の借り入れができなくなり
その時点からどうしようもない状況に陥るのではないか。

そういう事態にどう対応すればいいのか
そんな情報や案内はどこからも出てこない。

金融庁のHPに多重債務者対策本部有識者会議の議事録が
平成19年度の第一回から全部掲載されている。

http://www.fsa.go.jp/singi/tajusaimu/index.html

この中には借り手が困ってヤミ金に手をだすのではないかという懸念が
度々提示されている。
ギャンブル依存症の人間には物事を論理的に解決しようという意識や能力がない。
ギャンブルのせいでそういう風になったのか
もともとがそういう性質だからギャンブルにはまるのかは定かではないが
ともあれ借りることができないとなると
親や兄弟、配偶者、友人知人と自分の周囲の人間に頼り
それでもダメとなればヤミ金、そして返せなくなって犯罪ということになる。
こんなものに関わった回りの人間はたまったものではない。

それはさておき上記の膨大な議事録を全部読んだわけではないが
最近のにざっと目を通して「なるほど」と思ったことを書いてみる。

まず3分の1を越えているからといって
すぐに「全額返せ」といういわゆる「貸しはがし」のようなことは
原則やらないことになっているようだが
これも貸金業協会に加入している業者の場合で
加入率が50%をきっているという状況では
協会に加入していない中小零細の貸金業者については
なんともいえないということ。

しかし複数の業者から何年も借り入れをして
その間返済してきたお金には過払い分の利息が含まれている。
だから元本が例えば30万円で全然減ってなくても
払い過ぎの利息を計算しなおして元本から差し引くことができる。
過払いというのは実際にお金が返ってくるということではなくて
今ある借金を軽減できる可能性だと理解すればよいと思う。

複数の借り入れが全部行き詰った状態というのは
もうすでに自力で解決できるラインを超えている。
21年の時点で「すべての都道府県で多重債務相談窓口が
整備され、また市町村でも約90%には相談窓口が整備され
ている」というように総量規制に向けてすでに公的な対策が
とられている。だから、本人であれ家族であれ
とにかく公的な機関に相談をすることが第一歩だと思う。

以前は弁護士さんや司法書士さんに直接相談ということでもよかったが
近頃はこうした専門家の中に高額な報酬を請求するという問題が
起きてきていて何だか誰でもいいというわけにいかなくなっているようなのだ。
公的な相談窓口につながれば
たとえ支払いができなくて業者の取り立てなどが起こった場合も
適切なアドバイスを受けることができるはずだ。
この問題は長くなるので二回に分けて書いていこうと思う。

一年経ちました

2010-01-25 17:50:43 | 債務整理
気がつけばこの前ブログを書いてからはやひと月近く経ちました。
ほぼ毎日ブログを書かれている方を見ると
「偉い!」「凄い!」と思ってしまう自分がいます。
年のせい、体調が、あるいは仕事のせいと、何かと言い訳して
さぼっていることにちょっと自己嫌悪。

多重債務を解決しましょうと呼びかけるTVCMを
みかけることが多くなりました。
500万円近かった主人の債務を司法書士さんにお願いして
個人再生の手続きをしてもらい100万円に圧縮。
月々3万円を積み立て3ヶ月ごとに約9万円を債権者に振り込んで
返済をしていく生活が始まってもうすぐ1年になります。

その他に書士さんへの報酬も月々分割で支払っていますから
総額で5万円ほどを返済関係に当てています。
この返済には利息はつかないので
すでに35万ほどは返済が終わり
あと二年間この形で帰し続けていきます。
書士さんからは「もし返済が滞ることがあれば
債権者との合意が取り消されて
債務が全額元に戻っても文句は言えなくなるので
必ずきちんと返済してくださいね」と念を押されています。
以前の金融やカード会社に返済していた頃からすれば
おそらく返済の額は3分の1くらいに減っているはずです。
給料から返済することができず
その分を借金で返済するといういわゆる自転車操業をやったことが
借金が短期で雪ダルマ式に増えた大きな原因でもありました。

給料日に二人の給料を合わせて
そこから経費を引き残りで生活するという
本当なら当たり前のやりくりができるようになって
一年ということでもあります。
もともとダンナに渡した小遣いがすぐになくなり
「ガソリン代」「床屋」など色々な口実で
お金を要求されることにほとほと嫌気がさして
ダンナの給料から最低限の生活費を貰い
あとは自分が働いて足りない分を補うようにしたことが
間違いのもとでもありました。
争うことが大嫌いな性格が裏目に出たわけです。

今でもダンナに対して文句めいたことを言うことは
ほとんどありません。
私が何か言うからギャンブルをしないというようなことではなくて
普通に仕事ができてご飯が食べられ
寝起きができる暮らしのありがたさを自分の心で分かること
それが依存症のダンナにとっては
人間らしさを取り戻すための第一歩です。

債務整理が終わりました

2009-06-03 14:43:37 | 債務整理
この前ブログを書いてから
気がつけばもう4ヶ月も経ちました。
仕事、寝る、仕事、寝るみたいな毎日でも
細かな変化は起こります。
また少しづつ書いていこうと思います。

三月の半ばに
ダンナの個人再生の手続きが終わったと
書士さんから連絡があって
二人で事務所に行きました。
最終的に360万の債務を
100万に圧縮してもらうことで
債権者全ての合意を得て
これから3年間月々約3万円づつを返していきます。
(実際にはその都度手数料がかかるので
3ヶ月に1回9万円を振り込むことになりました)
それと書士さんへの報酬もまだ払い終えていないので
そちらもあと10ヶ月1万円ずつ払っていくことになります。

再生の手続きに入った時に
支払能力があることを裁判所に証明するために
月々三万円を書士さんの所に積み立てます。
これは受任してもらうと同時に
全ての返済がストップするので
それをこの積み立てに回します。
この積み立てが約半年分あって
それで書士さんへの報酬の約3分の2を払うことができ
残りの10万円ほどをこれから支払っていきます。

「もし返済が滞ると再生の合意が取り消されて
債務が元に戻りますから必ずきちんと返済してください」と
厳格な注意も受けました。
そういう現実を少しづつ認識できるようになることが
今のダンナにはとても大切なのだと思います。

去年私の掛け持ちの仕事がなくなって
毎月の生活費がギリギリで
日によっては財布の中に二、三百円しか
お金がないことがあって
ニュースで報道されるホームレスの人と
たいして変わりがない、それが我が家の現実でした。

何年もそういう現実から目を背けて
「大丈夫、返せるはず」という
何の根拠もないほとんど幼児的といってもいい
妄想(これも依存症の病態なのです)に支配されて
際限のない借金を重ね
気の遠くなるような額のお金を
パチンコ屋に捨ててきたこと
その感覚を普通に戻すことだけでも
随分と大変なことだと思います。

波乱万丈

2008-08-04 18:22:13 | 債務整理
このところ日雇い派遣で仕事を少し増やしたり
体調を崩したり
主人の残債を銀行ローンも含めて
今依頼している書士さんのところで
個人再生に切り替えてもらえることが
決まったのでその書類の準備をしたりと
相変わらずの波乱万丈な毎日です。

もちろん負うべきリスクが大きいことは
十分わかっていますが
受任をしてもらえて
全ての金融機関からの督促がなくなりました。
二十年以上ひたすら借金を返すために
働き続けたような日々だったので
精神的な負担はかなり軽減されました。

ダンナの会社の社長さんや
実家のお兄さんにも
ちゃんと話をしなければならなくなりました。
でもこれはダンナにとっては
よかったと思います。
回りの人に事情を知ってもらうというのは
「ギャンブルをしたい」という衝動が起こった時に
例えば会社のお金を流用したりしない
歯止めのひとつになるからです。

先日依存症の治療をどうするかという話をした時
ダンナの気持ちの中にいわゆる「底つき感」が
生まれていると感じました。
もう本当に家にはお金がない、ギャンブルをやるとか
やらないとかそういう次元の話ではないのだ
という事実をやっと少し実感している?

ただそれで本当に良くなるかというのは未知数です。
そんなに簡単な甘い病気ではないと思います。
でも私があたふたしても何がどうなるものでもない。
ダンナが自分でがんばると言っているから
それにまかせるしかありません。
治療が出来るのはこの世でたったひとり
患者本人だという、そういう病気なのです。

債務整理(4)

2008-07-07 12:56:09 | 債務整理
この前債務整理に関してわかったことと書きましたが
まず一つは
弁護士さんや司法書士さんに依頼して
過払い金が出た場合
減額分からの報酬と過払い金からの報酬
両方を取るところと
過払い金の報酬のみというところがあるということです。

例えば十年ほど借りている債務が50万あって
過払い金が30万出たとすると
50万円の10%5万と30万の20%の6万の
計11万(概算です)を弁護士さんや書士さんに払うところと
6万だけでいいところがあるということ。
また弁護士さんだから必ずしも報酬が高いというわけではないこと。

また多少時間がかかっても
依頼者の債務の全体を見て
任意整理、個人再生、自己破産の
どの方法が一番適切かを客観的に判断してくれる
弁護士さんなり書士さんを選ぶことが大切なのだと思いました。

私はどうしてもこの春お金が必要な事情があって
過払いが出るとその都度返金をしてもらえたので
依頼した書士さんには感謝していますが
主人の分はもう少しいろいろ調べて
任意整理以外の方法も可能な人を
選んだほうがよかったような気がします。
例えば個人再生などは手間がかかるので
なかなか受任してもらえないという噂を真に受けたのも
よくなかったように思います。
今回相談をした際に借金の原因がギャンブルだと
破産が認められないことがあるので
ダンナは個人再生を申請したほうがよかったのだそうです。

庶民にとってこうした法曹の世界は
敷居も高くこちらには何の知識もありません。
今は過払い金返還が主流で
どうしても話がそれ中心で進みますが
それなりの過払い金が戻る場合はよいのですが
銀行などの金利の低いローンは残したまま
さらに残債が生じてしまうと
結局返済ができなくなってしまうので
やっぱり一に勉強、二に勉強ということなのでしょう。

多重債務の相談に行きました

2008-07-02 17:54:55 | 債務整理
このままでは早晩行き詰ることは眼に見えていましたので
公的な債務整理の機関に相談に行きました。
ダンナも同行しました。

龍之介の「蜘蛛の糸」くらいの感じではありますが
わずかに明日が見えてきたかな?
その分負わなければならないリスクも大きいですが。

よかった点は相談を受けてくれた人が
ギャンブル依存症に対するきちんとした知識と理解を
持っていてくださったことです。
普通の人にはまずここがまったく理解してもらえません。

説得すれば治る、説教すれば、罰を与えればというのが
普通の人の認識です。
脳の機能自体に大きな変化が起こっている
明確な精神病だということをわかってもらうのが至難の業です。
多分本人もそこまで自覚しているようには思えません。
ただ何となく私がそういうからそうなのかなという
ぐらいの感じだと思います。

債務のことについては今回初めて分かったこともありますが
それはまた今度……。
このごろ読んだ吉田修一さんの「女たちは二度遊ぶ」という
短編集の中に「自己破産の女」という話があり
「自己破産ができるのは戻るべき場所を持たない人間」という
一節があってこういうのはやはり精神的にこたえます。

年齢的にももうどこをどうやり直すこともできないから
あとは死ぬだけというところにいるから
逆に先の見えない闇の中に踏み出すことができるのかもしれません。

債務整理(3)

2008-06-16 16:56:23 | 債務整理
ダンナの債務整理を書士さんに依頼して
そろそろ9ヶ月になります。

この前電話で教えていただいた経過では
2社が残債ありで月々2万5千円程度の
返済になりそうだということでした。

でも私の仕事が減って今月はすでに
子供の学資を借りた
国民金融公庫への返済が払えない状況になっています。
今思えば主人の名義の債務は
任意整理ではなく銀行の借り入れの分まで含めて
個人再生をしたほうがよかったのかもしれません。

最初の相談の時点では
「債務はほとんど残らない」という見通しだったので
あまり深く考えなかったのです。

いずれにしてもこのままでは再び破綻が
目前に迫っているので
公的な多重債務の相談機関に相談に行きます。
週の半分も遊んでいられるような状況ではないので
職探しもしなければいけないのですが
余分に働くと今度は税金、年金、保険料と
公的なお金の出費が増えて
働いた分はほとんどその支払いに当てなければならなくなります。
「弱者からはとことん搾り取る」
政治の本音はここにきてはっきりしてきました。

どちらにどう転んでも
出口のないトンネルの中。
与党も野党もかなりの数の議員と警察官僚が関与し
甘い汁を吸い続けたパチンコ業界との癒着。
未だにどこにも突破口のない闇の力がこういう事態を招き
現在進行形で被害者を増やし続けていることを思えば
やはりこの国に未来はないと思えてなりません。

債務整理(2)

2008-05-27 18:01:36 | 債務整理
管理人のりょうです。

昨日から債務整理のことについて書いていますが
すべてが順調だったわけではありません。

ダンナの債務のうち
十年来金融会社に返済を続けた分は
利息は大きかったのですがほとんど過払いにはなりませんでした。
債務整理に当たっては
債権者に対してこれまでの取引履歴というものを請求し
それをもとに引き直し計算が行われます。
その過程でどうやら途中完済のあるなしや
次に借り入れた時期や金額が債務の減額や過払いの有無に
大きく影響してくるようです。
だから単純に金額と年数だけでは比較ができず
結果はまさにケースバイケースというわけです。

またこの過程は弁護士さんや書士さんに依頼しているので
依頼者がその詳細を知ることはできません。
けれども債務整理はもとより個人でやることは難しいし
結果としては債務が大幅に減少したことで
状況は八ヶ月前に比べれば劇的に好転したわけです。

昨日の夕方自殺率全国一の秋田の
多重債務者への取り組みのニュースをやっていました。
取引年数が短かい場合は
大幅な減額や過払い金が出る可能性はありませんが
専門家に間に入ってもらって債務整理をすれば
まず督促の心配がなくなります。
それに和解後は利息の支払いも全額カットされ
元金だけを分割で返済することになります。

ただ現在は過払い請求が多く
個人的に弁護士さんや書士さんに依頼しても
大幅な過払い金が見込めない場合は断られたり
例えば成功報酬が普通より低額だったりする
弁護士さんや書士さんの場合は
引き受けてもらえても解決までに
相当の時間がかかったりというような問題も
水面下では生じているようです。
だからもし自分の住んでいるところに
多重債務者向けの公的な相談機関や法テラスがあれば
そういうところに相談をしてみるのも
一つの方法かもしれません。

我が家の場合は金融、カード関係は一段落したものの
まだまだ実家や銀行に返す借金がいくつもあり
おまけに二つある私の仕事のうちの一つが
4月でなくなってしまいました。
覚悟はしていたものの収入激減に加えて
このところの物価の高騰、おまけに車検(ローンが組めない)と
まさにこれでもか、これでもかというように
無理難題が降ってきます。

考えていると、脳の細胞がピキピキと壊れていくような
感じが戻ってきてヤバイ。
落ちて行くと二ヶ月パチンコに行ってないという
ダンナに対する疑心暗鬼も強まり
なんで私ばかりという被害妄想もでてくる。
最後は悪いのは全部自分なんだという
自虐にはまってしまうわけです。
取り合えずこれ以上ひどくならないことを祈ろう


債務整理(1)

2008-05-26 11:26:10 | 債務整理
昨年の八月に電話で
司法書士さんに債務整理の相談をしました。

カード会社2社と消費者金融1社で180万ほどでした。
借りては返す生活をもう十年以上続けてきました。
借金の内容を見た書士さんが
「債務はほとんどなくなると思いますよ」と
言われるのを聞いて嬉しいというより
何だか力が抜けてぼんやりしてしまいました。

友達が教えてくれた通り
三年ほど前に法律が変わって
払いすぎた利息を元本の返済に充てることで
債務を解消することができたのです。
更に過払い金といって
元本を返済してもまだ残ったお金は
戻して貰えるので
それを書士さんへの礼金に当てることができます。

自分の債務の見通しがついたことを契機に
次はダンナの説得にかかりました。
こどもたちにも
家の経済状態をかくさずに打ち明けました。
整理をすれば新たな借金をすることはできなくなります。
背水の陣を引いて
借金の解決とダンナの依存症に取り組む覚悟を決めました。

ダンナの借金はカード会社2社と金融2社でおよそ500万
八ヶ月経って今月ほぼ結果が出たところでは
140万ほど債務が残ることになりました。
債務整理を始めてからカードや金融からは返済も督促もなくなり
精神的な負担は随分減りました。
でもダンナの里に6万返していることや
銀行にも5万ちょっと返していて
さらに4月からは子供の進学費用で借りた
国金の2万の返済が始まり
夫婦合わせても手取りで30万を切る収入では
家賃や光熱費、車の保険などを引くと
生活費はわずかしか残りません。

この7、8年私がかけ持ちで働いて
ダンナの扶養を外れているために
所得税や市県民税、国民保険など
公的なお金の未納も溜まって行く一方で
差し押さえの通告書を受け取る度に
たまに税務署の前で灯油でもかぶって
死んでやりたいという妄想にかられることもあります。

この頃ひんぱんに話題になるワーキングプアですが
真面目に働いている貧乏人が
なぜこれほど追い詰められなければならないのでしょう。
それでも私の年になれば、自業自得
いまさらやり直せる年でもないからと
まだあきらめもつきます。

若い人がそういう状況に追い込まれていて
未来に希望が持てないというのは
実は後期高齢者や消えた年金なんかよりずっと
深刻で悲惨な状態なのではないでしょうか。
非正規雇用で収入が少なく不安定
生活もできない、結婚もできないというのでは
結局保険や年金の財源となるお金もこどもの数も
減り続けていくわけですから
もう何年かすれば
今働いている人たちにその負担が上乗せされてくる。
せっせと道路なんか作っている場合ではないと思います。

映画「呪怨」のラストシーンさながら
人気の絶えた無人の世界に
ピカピカの道路だけが残っている
なんてことにならなければいいんですが