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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

猫と「OUT」

2010-04-26 15:29:02 | ねこの話
猫は相変わらず生きてます。
ちなみに猫の寿命をググってみたら
何と37年というのがありました。青森かどっかで。

前は人間の食べてるものに
あんまり関心を持たなかったのが
今はちょっと油断するとお皿の焼き魚とかに
かぶりつこうとしたり
何となく呆けて食欲だけ残った認知症の年寄りみたい。

しかも起きてる間はしょっちゅうギャーギャー鳴いてる。
昔TVドラマの「OUT」で
渡辺えり子のお嫁さんに「よしえー、よしえー」と叫んでる
寝たきりのお姑さんがいて、ついそれを連想してしまいます。

「OUT」では深夜の弁当工場でパートをしている主婦の一人が
ギャンブルと女に狂ったダンナを絞め殺してしまう。
友人の主婦が死体をバラバラにして捨てるのを手伝う。
この作品に対する「面白ければいいというものではない」という
批評を目にしたことがあるが
私にはそれをきっかけに死体を解体するビジネスに踏み込んでいく
香取雅子というヒロインの
どこにも行き場のない気持ちも
生活保護を受けながら寝る間を惜しんで働き
寝たきりの義母の世話をしているのに
これでもかこれでもかというように窮状に陥り
それが人間として許されないことだと十分分かっていながら
生きていく金を得るために雅子を手伝うヨシエの気持ちも痛いくらいわかる。
作者は決して衝撃的な展開で読者をひきつけようという姑息な思惑で
こういうストーリーや人間像を設定したわけではないと思う。

ギャンブル依存者の最後は
1.犯罪者になる
2.精神病院に入る
3.死ぬまで回復し続ける(ギャンブルをやらないでいつづける)
のいずれかだと言われている。
言うまでもなく3はとても難しい。

そしてこのような依存者の家族を抱える人間は
雅子やヨシエのように常に出口のない
闇と向き合う人生を送ることになる。

数日前、お金に関するバラエティ番組で
今大人気の評論家勝間和代氏が
「知識のある者が知識のない者から搾取するのが
資本主義の一面」というような発言をしていて
ギャンブル依存症はその典型的なものだ。
知識があってもいったん落ちてしまえば
現状を打開するのは容易なことではないが
知識がなければ破滅するまで搾取されるのみならず
対処のしようのない病気までしょいこまされる。
先日も「年金が出たからパチンコ屋は
年寄りばっかりだった」という話を小耳にはさんだ。

ギャンブルの害はもはや老若男女を問わない。
年寄りだったら依存症にならないというようなものでもない。
なってしまったら治らないのだから
なけなしの金をパチンコやスロットの機械に捨て
食うや食わずでひと月暮らすという地獄に落ちることになるのだ。

そういう社会の仕掛けた陥穽に落ち込まないためには誰もが

「今日一日はギャンブルをやらない」

という毎日を続けていくこと、それしかないのだと思う。


総量規制と依存症の問題

2010-04-14 18:22:44 | 依存症
先日のブログで政治のことに言及すると
思考がどんどん落ちていくのが自分でも分かる。

政治に特別思い入れのないごく普通の人でも
現状には不安を感じていることが
TVのインタビューなんか見ていても伝わってくる。
子ども手当てなんかにしても
明らかに参院選を意識して
とにかく早く金を配れとばかりの性急さに
首をかしげている人や
もう少し時間をかけて丁寧に
検討したほうがいいと思っている人のほうが
割合的には多いような気がする。

それじゃあ民主党ダメだから
やっぱり自民党にとはいかない。
自民党だって定額給付金の時に
まったく同じようなことをやったわけだし
要は一方で世界的に極めて流動的で不安定、不確実な
経済情勢の中800兆円もの借金を抱えて
しかも高齢化していく国の舵取りを
誰がやっても劇的に好転できる魔法なんかないのだ。

話は変わるが6月には改正貸金業法の施行で
年収の3分の1以上の借り入れができなくなることはもう確定している。
(原則銀行系のローンはこの規定にはあたらないが
銀行系であっても消費者金融が保証会社になっている場合も多いので
そのあたりはどうなるのだろう)
現在3分の1以上の借り入れがある人は
新たな借り入れができなくなる。
消費者金融はすでに専業主婦への融資を中止することを決め
現在借り入れのある人へは借り入れの額によっては
収入を証明する書類(源泉徴収や納税証明など)の提示を求めている。
働いていても主婦であればご主人の収入証明の提出などを
要求されることになると思う。
近々家族に内緒で借りていたギャンブルの借金などが
露呈するということにもなるのではないだろうか。

このブログで繰り返し書いてきたように
ギャンブルで借金を作った場合は
借金だけが問題なのではなく
背景にある「ギャンブル依存症」という
重大な脳の機能障害のほうがむしろ深刻なのだ。
「ギャンブル依存症」の大きな特徴は借金と嘘で
家族がどんなに問い詰めても
おそらくどこから幾ら借りているのか
ギャンブルにいくら使ったのかというようなことで
決して本当のことを言わない。
本人が自分がそういう病気だと認識するまででも
それこそ気の遠くなるような長い道のりだ。
そして認識したからといって
すぐに状況がよくなるわけでも治るわけでもない。
それでも…
少なくとも家族が「ギャンブル依存症」を病気だと認識し
正しい対応の仕方を少しでも理解することで
変えることができるものがある
ということを信じたい。