昨年の8月に、佐々木奎一さんのブログから
「09年の厚生労働省の研究調査で日本の成人男性の9.6%、
同じく女性の1.4%がギャンブル依存症で単純計算で男性は483万人
女性は76万人、計559万人。同書によると、そのうち約8割
(約447万人)がパチンコ依存症」という記事を引用させてもらった。
559万人という人数は、日本の成人人口8千万人の約7%にあたる。
人口の比率による完全な単純計算だが、私が住んでいる市の総人口は
約150万人、その7%はおよそ10万人にものぼる。
厚生労働省が3年前に把握した数字がこれで
把握できていない潜在的な患者を考えるとすでに10%
成人の人口の10人に1人といっても決して誇張ではないように思う。
ギャンブル依存症の「完治しない、放置すると進行する
脳の機能障害」という病態を考えると
帚木蓬生先生が「このままでは社会の土台が腐っていく」と
強く警鐘を鳴らされるのもうなづける深刻で甚大な問題なのだ。
ところが事態の深刻さに比べて
「ギャンブル依存症」という病気に対する認識はおそろしく低い。
本人が自分はギャンブル依存症だと認めることが難しいのに加えて
家族もそのことを認めることができない。
多くの場合「お金にルーズ、意思が弱い、人間的な欠陥」と
いうように本人の性格の問題として理解してしまっている。
この認知度の低さは、一つは病気の深刻さに比べて
情報の量があまりにも少ないことによるものだが
もう一つはこれまで書いてきたように
「薬物依存」や「アルコール依存」などに比べると
本人や周囲の人間が「病気」と認識できるような
具体的な症状が出ないことが
この病気に対する対応を遅らせてしまっているのだと思う。
ギャンブル依存症に限らず、人間の脳や心に大きな変化や異常を起こし
しかも正常と異常の線引きがとても難しい「依存」の問題は
近年爆発的に増加し、多様化している。
すでにWHO(世界保健機構)で病気と認定されている
酒、ニコチン、ギャンブルの他にも
買い物やセックス、ネット、ゲーム、携帯(近頃はスマホ依存という新種も)
ギャンブルと似たもので宝くじなども依存症になりうる。
しかしこうした依存症全般についての医学的な解明は進んでいないし
治療や対処の仕方も確立されていない。
一体どうすればいいのかというような現状だが
私はどの依存症の場合も「自分でコントロールすることができない」という
その一点では同じだと考えている。
コントロールができないから、日常生活で色々な問題が生じる。
どういう問題かといえば、大きく分けて
やらなければいけないことができなくなるという点と
やってはいけないということをやってしまうというこの二点だ。
やらなければいけないこととは仕事とか勉強とか家事であったり
支払わなければいけないお金であったり、家族との約束であったりする。
逆にやってはいけないこととは、浪費であったり借金であったり
色々な意味での嘘をつくことであったり
更に悪化すれば犯罪行為であったりする。
依存の対象がなんであれ、何かに依存することでこれらの問題が生じてくれば
その人は依存症という病気なのだと考えていいのではないかと思う。
なぜ今さらこんなことを書くかというと、依存症の種類に限らず
家族が依存症の人間と向きあう時に、まずはそれが病気なのだという
明確な認識を持つことがとても重要だと思えるからなのだ。
説得したり、怒ったり、泣き喚いたりすることで
家族の癌が治ると考える人はいないはずだ。
依存症の家族に向き合うというのも、そういうものなのだと私は思う。
「完治はしない。けれど進行を止める、あるいは遅らせることはできる。
ただ本当の意味でそれができるのは患者本人だけだ」
今のところこれだけが依存症という病気について分かっている事実だ。
このように書いている私自身も生身の人間だから
「これで家族に絶望するなというほうがおかしい」と
そういう思考になると激しい欝の状態に陥ることもままある。
それでも全国には現在進行形で
ギャンブル依存者が引き起こした借金とか犯罪とかもろもろの問題に
死ぬほど苦しんでいる人たちがたくさんおられることを思えば
そういう人たちが、一日でも早くこのブログにリンクしているような
いろいろな情報源に巡り合うことでたとえわずかでもいいから
明日を生きる望みを見出してもらえればとただそれを願うのみなのだ。
「09年の厚生労働省の研究調査で日本の成人男性の9.6%、
同じく女性の1.4%がギャンブル依存症で単純計算で男性は483万人
女性は76万人、計559万人。同書によると、そのうち約8割
(約447万人)がパチンコ依存症」という記事を引用させてもらった。
559万人という人数は、日本の成人人口8千万人の約7%にあたる。
人口の比率による完全な単純計算だが、私が住んでいる市の総人口は
約150万人、その7%はおよそ10万人にものぼる。
厚生労働省が3年前に把握した数字がこれで
把握できていない潜在的な患者を考えるとすでに10%
成人の人口の10人に1人といっても決して誇張ではないように思う。
ギャンブル依存症の「完治しない、放置すると進行する
脳の機能障害」という病態を考えると
帚木蓬生先生が「このままでは社会の土台が腐っていく」と
強く警鐘を鳴らされるのもうなづける深刻で甚大な問題なのだ。
ところが事態の深刻さに比べて
「ギャンブル依存症」という病気に対する認識はおそろしく低い。
本人が自分はギャンブル依存症だと認めることが難しいのに加えて
家族もそのことを認めることができない。
多くの場合「お金にルーズ、意思が弱い、人間的な欠陥」と
いうように本人の性格の問題として理解してしまっている。
この認知度の低さは、一つは病気の深刻さに比べて
情報の量があまりにも少ないことによるものだが
もう一つはこれまで書いてきたように
「薬物依存」や「アルコール依存」などに比べると
本人や周囲の人間が「病気」と認識できるような
具体的な症状が出ないことが
この病気に対する対応を遅らせてしまっているのだと思う。
ギャンブル依存症に限らず、人間の脳や心に大きな変化や異常を起こし
しかも正常と異常の線引きがとても難しい「依存」の問題は
近年爆発的に増加し、多様化している。
すでにWHO(世界保健機構)で病気と認定されている
酒、ニコチン、ギャンブルの他にも
買い物やセックス、ネット、ゲーム、携帯(近頃はスマホ依存という新種も)
ギャンブルと似たもので宝くじなども依存症になりうる。
しかしこうした依存症全般についての医学的な解明は進んでいないし
治療や対処の仕方も確立されていない。
一体どうすればいいのかというような現状だが
私はどの依存症の場合も「自分でコントロールすることができない」という
その一点では同じだと考えている。
コントロールができないから、日常生活で色々な問題が生じる。
どういう問題かといえば、大きく分けて
やらなければいけないことができなくなるという点と
やってはいけないということをやってしまうというこの二点だ。
やらなければいけないこととは仕事とか勉強とか家事であったり
支払わなければいけないお金であったり、家族との約束であったりする。
逆にやってはいけないこととは、浪費であったり借金であったり
色々な意味での嘘をつくことであったり
更に悪化すれば犯罪行為であったりする。
依存の対象がなんであれ、何かに依存することでこれらの問題が生じてくれば
その人は依存症という病気なのだと考えていいのではないかと思う。
なぜ今さらこんなことを書くかというと、依存症の種類に限らず
家族が依存症の人間と向きあう時に、まずはそれが病気なのだという
明確な認識を持つことがとても重要だと思えるからなのだ。
説得したり、怒ったり、泣き喚いたりすることで
家族の癌が治ると考える人はいないはずだ。
依存症の家族に向き合うというのも、そういうものなのだと私は思う。
「完治はしない。けれど進行を止める、あるいは遅らせることはできる。
ただ本当の意味でそれができるのは患者本人だけだ」
今のところこれだけが依存症という病気について分かっている事実だ。
このように書いている私自身も生身の人間だから
「これで家族に絶望するなというほうがおかしい」と
そういう思考になると激しい欝の状態に陥ることもままある。
それでも全国には現在進行形で
ギャンブル依存者が引き起こした借金とか犯罪とかもろもろの問題に
死ぬほど苦しんでいる人たちがたくさんおられることを思えば
そういう人たちが、一日でも早くこのブログにリンクしているような
いろいろな情報源に巡り合うことでたとえわずかでもいいから
明日を生きる望みを見出してもらえればとただそれを願うのみなのだ。