殺人的な暑さの中、怒涛の引っ越しが終わって
なんとか新居に落ち着きました。
前回愚痴をつらつらと書いて、親しい人たちに心配をかけてしまった
ことをお詫びします。ほんとに、なんてことはないささいなことで
たまに堤防が決壊するように、がらがらと崩れます。人間は弱いです。
やっと荷ほどきも終わって、本やファイルが日の目を見ました。
それで今回から「動機づけ面接法」のことに戻ります。
動機づけ面接法は、英の臨床心理士のミラー氏とロルニック氏等
が中心となって開発した、カウンセリングアプローチです。
本来カウンセリングとは、相談に来た人(クライアント)が抱える
悩みや心の問題を、カウンセラーが援助的に関わりながら、クラ
イアントの人間的な成長をうながすという主旨は、どの方法でも
共通しているようです。
この動機づけ面接法の場合は、前にも書いたように、病気になるまで
待たずに治療につなげようとしていること(早期発見、早期治療)
これまでのカウンセリングよりも、よりクライアント中心に
考えられていること、さらにクライアントが、行動を変えようと
する段階で、見守るだけでなく、変化の方向に、カウンセラーから
積極的に働きかけることなどが大きな特徴です。
具体的に言えば、依存症になってしまうと、回復にすごく時間
がかかることや、学校中退、就職や結婚の失敗、犯罪といった
その人の人生そのものが根底から崩れてしまうので、今はお酒や
ギャンブルをやめるための、具体的な動機がない人や、全てを
失って底つきの状態になっていない人でも、行動を変えるための
動機を引き出して、依存対象から離れられるように誘導するカウン
セリングです。
次に、よりクライアント中心であるとはどういうことかと言うと
お酒にせよ、ギャンブルにせよ、止めるかどうか迷っている
クライアントの気持ちを「否認」や「抵抗」とは見ずに
「両価性」つまり正反対の行動に心をひかれて、迷っている
人とみなして、その抵抗に逆らわない、まずは対決しないで
傾聴するという方法を取ります。
この部分を実際の会話にするとこんな感じです。
「先生、俺、酒我慢できん」
「うん、わかった。お酒飲みたいのね」
けれど「それじゃあ、飲んでいいよ」ということでは
ありません。
さらに「でも、このままお酒飲み続けたら、病気になるから
やっぱりお酒は止めようね」でもないのです。
当然のことながら、容認はだめ、反論もだめということで
ここから先の話法が、とても難しくなります。
この前のブログで、この面接法の基本的な態度を
子育てと関連して書きましたが、相手の気持ちに共感することは
ただ同調することや、迎合するのとは根本的に違います。
子育てで言えば、誤った共感は単なる甘やかしになるのと
同じです。
さらに、「でも~」といった反論はだめ。つまり対決技法は逆効果
ということです。これは依存者は、おおむね勝ち負け思考にと
らわれていて相手の言うことを聞くのが嫌いなので、命令とか説得
は受け入れないからです。万が一言い負かされて表向きは分かった
ような顔をしても、内心は負けたことが悔しくて悔しくて「あいつの
言うことなんか絶対聞くもんか」と完全に逆効果になることがあります。
そこで動機づけ面接法では、まずは相手の考えに逆らわないことで、
クライアントに、落ち着いて求める目標や実現したい人生を考える
状況を作り出すことからスタートするわけです。
長くなりますので、次回に続きます。
余談ですが、引っ越しの荷造りも、今まで住んだ家の掃除も
1週間かけて、ほぼ一人でやりました。ダンナがやってくれたのは
古い小物の家具の解体と、唯一PCの荷造り(前夜遅くまで
PCをやってたから)
「背中に、私は末期ガンってロゴの入ったTシャツ着とこうかな」
とみんなに言って回ってるのは、明らかにダンナに対する嫌がらせ。
でも、それも子どもに言わせると「お母さんは言い方が遠まわしやから
お父さんピンとこんとよ。はっきり言えばいいのに」
そもそも、それができていたら、人生そのものがこんな風にはならな
かったかもしれません。今さら気づいても遅いか。
なんとか新居に落ち着きました。
前回愚痴をつらつらと書いて、親しい人たちに心配をかけてしまった
ことをお詫びします。ほんとに、なんてことはないささいなことで
たまに堤防が決壊するように、がらがらと崩れます。人間は弱いです。
やっと荷ほどきも終わって、本やファイルが日の目を見ました。
それで今回から「動機づけ面接法」のことに戻ります。
動機づけ面接法は、英の臨床心理士のミラー氏とロルニック氏等
が中心となって開発した、カウンセリングアプローチです。
本来カウンセリングとは、相談に来た人(クライアント)が抱える
悩みや心の問題を、カウンセラーが援助的に関わりながら、クラ
イアントの人間的な成長をうながすという主旨は、どの方法でも
共通しているようです。
この動機づけ面接法の場合は、前にも書いたように、病気になるまで
待たずに治療につなげようとしていること(早期発見、早期治療)
これまでのカウンセリングよりも、よりクライアント中心に
考えられていること、さらにクライアントが、行動を変えようと
する段階で、見守るだけでなく、変化の方向に、カウンセラーから
積極的に働きかけることなどが大きな特徴です。
具体的に言えば、依存症になってしまうと、回復にすごく時間
がかかることや、学校中退、就職や結婚の失敗、犯罪といった
その人の人生そのものが根底から崩れてしまうので、今はお酒や
ギャンブルをやめるための、具体的な動機がない人や、全てを
失って底つきの状態になっていない人でも、行動を変えるための
動機を引き出して、依存対象から離れられるように誘導するカウン
セリングです。
次に、よりクライアント中心であるとはどういうことかと言うと
お酒にせよ、ギャンブルにせよ、止めるかどうか迷っている
クライアントの気持ちを「否認」や「抵抗」とは見ずに
「両価性」つまり正反対の行動に心をひかれて、迷っている
人とみなして、その抵抗に逆らわない、まずは対決しないで
傾聴するという方法を取ります。
この部分を実際の会話にするとこんな感じです。
「先生、俺、酒我慢できん」
「うん、わかった。お酒飲みたいのね」
けれど「それじゃあ、飲んでいいよ」ということでは
ありません。
さらに「でも、このままお酒飲み続けたら、病気になるから
やっぱりお酒は止めようね」でもないのです。
当然のことながら、容認はだめ、反論もだめということで
ここから先の話法が、とても難しくなります。
この前のブログで、この面接法の基本的な態度を
子育てと関連して書きましたが、相手の気持ちに共感することは
ただ同調することや、迎合するのとは根本的に違います。
子育てで言えば、誤った共感は単なる甘やかしになるのと
同じです。
さらに、「でも~」といった反論はだめ。つまり対決技法は逆効果
ということです。これは依存者は、おおむね勝ち負け思考にと
らわれていて相手の言うことを聞くのが嫌いなので、命令とか説得
は受け入れないからです。万が一言い負かされて表向きは分かった
ような顔をしても、内心は負けたことが悔しくて悔しくて「あいつの
言うことなんか絶対聞くもんか」と完全に逆効果になることがあります。
そこで動機づけ面接法では、まずは相手の考えに逆らわないことで、
クライアントに、落ち着いて求める目標や実現したい人生を考える
状況を作り出すことからスタートするわけです。
長くなりますので、次回に続きます。
余談ですが、引っ越しの荷造りも、今まで住んだ家の掃除も
1週間かけて、ほぼ一人でやりました。ダンナがやってくれたのは
古い小物の家具の解体と、唯一PCの荷造り(前夜遅くまで
PCをやってたから)
「背中に、私は末期ガンってロゴの入ったTシャツ着とこうかな」
とみんなに言って回ってるのは、明らかにダンナに対する嫌がらせ。
でも、それも子どもに言わせると「お母さんは言い方が遠まわしやから
お父さんピンとこんとよ。はっきり言えばいいのに」
そもそも、それができていたら、人生そのものがこんな風にはならな
かったかもしれません。今さら気づいても遅いか。
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