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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

自分(あるいは家族)は依存症か? その2

2010-03-31 16:57:17 | 依存症
このサイトでリンクさせていただいている方々は
みんなうちと同じようにご主人が
ギャンブル依存症というパターンですが
それぞれの経過を読んでいても
本人が病気だという自覚を持つことが
どれだけ難しいかがうかがえます。

うちの場合も「治す」「治る」と言っている時点で
ギャンブル依存症がどういうものか分かってないのが歴然なのですが
ここを突き詰めていくと「なぜ治らないのか」という
明確な科学的根拠を示すのが難しいというところに行き着きます。

ギャンブル依存症の20のチェック項目にしても
犯罪でいえば状況証拠みたいな感じで
体の病気みたいに「痛みがある」「熱がある」「吐き気がする」
という明快な自覚症状とはかなりニュアンスが違う。
患者自身が否定しようと思えばいくらでも否定できる。
ギャンブル依存症の場合患者自身が医療機関を受診してくる例が
他の精神病に比べて極端に少ないというのも分かるような気がします。

しかも精神医療の専門家による病気の解明が一向に進まない。
いえ、それ以前に公的な機関による疫学調査が行われていないために
病気の実態を把握することすらできていない。
現在地域の精神医療福祉センターなどでは
「アルコール依存症」や「うつ病」などについては
相談窓口が設置されたりして病気としての対応がされていますが
ギャンブル依存症についてはサンプリング調査さえ行われてはいない。

様々な犯罪や社会現象の背後にギャンブルの影が見え隠れするのに
政治もマスコミもまるでタブーであるかのように
(大口の献金先やスポンサーを怒らせたくないから
明らかにタブーなのはみえみえですが)
その点については見事なまでに沈黙している。
何一つ前進がないまま歳月が過ぎていく感じです。

このブログをずっと読まれている方は
おそらく何度も同じことが書いてあると思われるかもしれません。
けれど私はこういう病気を生み出して放置し
むしろ病気の蔓延を助長さえしている感のある
政治や社会の仕組みについて
言葉にはできないほどの憤りを感じているので
依存症の家族を抱えて
本人よりもむしろ自分自身が絶望し死を考えておられるような方が
万一このブログに目に止められた時に
例えば借金の問題ならば相談できる機関がある
依存症の問題ならばGAやギヤマノンがあるということを
少しでも知って最悪の決断をしないでほしい
その一念でブログを書き続けています。

表の世界ではまるで封印でもされているかのように
情報が公開されないギャンブル依存症について
理解し解決していくわずかな端緒になれば……
ただそれだけです。

心の病について考える

2010-03-24 18:08:43 | 依存症
今はギャンブル依存症についての書籍は
ずいぶん豊富になった。

しかしそれらを読んでいるとだんだん袋小路に迷い込んだような
どうしようもない気分になってくる。

依存症から回復する道筋としては
自分のやってきたことを振り返る(棚卸し)
自分が迷惑をかけたり傷つけたりした回りの人たちに償う
などと書かれているが
そもそも自分の行動を客観的に分析できて
そんな宗教の修行みたいなことができるような人間が依存症になるのか
とつい思ってしまう。

そういう世界と対極の、勝っても金負けても金
社会の汚泥の底を這い回ることを
惨めだとも辛いとも思わない
(美しさとか崇高さとかいう精神的な価値観がもともとない)
からギャンブルにはまるのではないか。

それはさておき
先日「ネトゲ廃人」という言葉を耳にした。
ネットゲームにはまりこみ
仕事も辞めて家に引きこもってゲームをするうちに
正常な社会生活が営めなくなってしまう
そういう状態を言うらしい。

社会の急激な変化に伴って
こころの病が飛躍的に多様化している。
精神衛生の現場はその現実に追いついていない。
ギャンブル依存症の相談に行ったら
医師に「バカにつける薬はない」と言われたという話も見かけた。
こいう状況の中で
私のようなド素人が依存症について理解するために
悪戦苦闘しているというのは
あまりにも理不尽な話だ。

凶悪な犯罪を犯した犯人に
あまり馴染みのない病名がついて減刑される。
要は誰にでも病名をつけようと思えばつけられる
正常というものの基準が限りなくあいまいな
そんな世の中になっているのではないか。




自分(あるいは家族)は依存症か? その1

2010-03-14 13:16:21 | 依存症
今日驚くべき数字を目にした。
ギャンブル依存症の患者の数が推定400万人だという。
しかもそれがパチンコやスロットの業界側から出た数字らしい。

私が参考にした帚木蓬生先生の「ギャンブル依存とたたかう」の
初版が出たのが2004年、それから5年で倍増していることになる。
しかし昨年の朝日新聞の特集記事には100万人とあった。
どうしてこれほど開きがでるのだろうか。
それはおそらくギャンブル依存症に対する認識や理解の違いによるものだ。

私の同僚も夫婦でパチンコをする。
彼女には端的に依存症の話もした。
しかし相手の反応は「借金をしないから病気ではない」という感じだった。

以下はG.Aのサイトから転記させていただいた依存症のチェック項目で
7個以上該当すれば依存症の可能性がある。

1.ギャンブルのために仕事や学業がおろそかになることがありましたか?


2.ギャンブルのために家庭が不幸になることがありましたか?


3.ギャンブルのために評判が悪くなることがありましたか?


4.ギャンブルをした後で自責の念を感じることがありましたか?


5.借金を払うためのお金を工面するためや、お金に困っている時に何
とかしようとしてギャンブルをすることがありましたか?


6.ギャンブルのために意欲や能率が落ちることがありましたか?


7.負けた後で、すぐにまたやって、負けを取り戻さなければと思うこ
とがありましたか?


8.勝った後で、すぐにまたやって、もっと勝ちたいという強い欲求を
感じることがありましか?


9.一文無しになるまでギャンブルをすることがよくありましたか?


10.ギャンブルの資金を作るために借金をすることがありましたか?


11.ギャンブルの資金を作るために、自分や家族のものを売ることが
ありましたか?


12.正常な支払いのために「ギャンブルの元手」を使うのを渋ること
がありましたか?


13.ギャンブルのために家族の幸せをかえりみないようになることが
ありましたか?


14.予定していたよりも長くギャンブルをしてしまうことがありましたか?


15.悩みやトラブルから逃げようとしてギャンブルをすることがありましたか?


16.ギャンブルの資金を工面するために法律に触れることをしたとか、
しようと考えることがありましたか?


17.ギャンブルのために不眠になることがありましたか?


18.口論や失望や欲求不満のためにギャンブルをしたいという衝動にか
られたことがありましたか?


19.良いことがあると2・3時間ギャンブルをして祝おうという欲求が
おきることがありましたか?


20.ギャンブルが原因で自殺しようと考えることがありましたか?

しかしもし家族が疑念を持ってこのチェックをやらせようとしても当人は
おそらくほとんどの項目を否定する。依存症は「否認の病」だから。
そこで病気に結び付けられるもっとも明確な症状が「借金」ということに
なるのだろうが、本当に借金をしなければ病気ではないのか。

私の経験上休日になればなにかと口実を作ってギャンブルをしに行く
あるいは家計が苦しいことがわかっていながら
それでもギャンブルをするという状況ならば
もう100%依存症だと考えて間違いないと思う。
そこで例えば夫婦喧嘩をして行けないとなると
ふてくされる、機嫌が悪くなる、くどくどと愚痴を言う
こどものことなど見向きもせず
つまらなそうにTVやゲーム、携帯ばかり。

何を見ても聞いても楽しいとも思えなければ感動もしない
自分が向かい合うべき現実(仕事や家庭)での問題や障害に
きちんと向き合うことができないから
不平や不満を感じそれが更なるストレスになり
この世で本当に楽しいと思えることはギャンブルだと感じ
常にギャンブルに癒しと逃避を求める
頭の中がそういう状態になればもう立派な病気と認定していいと思う。

家族として暮らしていると
こういう状況を病気だとは思わず本人の性格として捉えてしまう。
どこからが病気でどこまでがそうでないのかの線引きが
とてつもなく難しいのだ。
患者本人にとってはなおさらのことで
自分がとんでもない病気だということを
受け入れるのは容易なことではないだろう。(続く)