アルコール、ギャンブル、薬物など
様々な依存症から回復するためには、自助グループに通って
ミーティングを続けることが、回復できる一つの大きな可能性であることは
今までにも何度も書いてきました。
ただ私自身が今回ギャマノンにも参加してみて率直に感じたのは
GAにしろ、ギャマノンにしろ、事前にそれがどういうものなのかを
おおまかでもよいから知った上で参加をしたほうがよいのではないか
ということでした。
まあ、これは性格なのかもしれませんが
自分のガンの治療を決める時も、お医者さんが勧めるからとか
回りの人がいいと言うからだけではなく
病気のことにしろ治療の方法にしろ
大体のことを知っておきたいと思って自分で調べました。
なので、余計なおせっかいかもしれませんが
ミーティングや12ステップの予備知識みたいなものを書いてみます。
AAやGA、NA 更にはそれぞれの依存症者たちの家族の自助グループ
の成り立ちと、そこで「回復のためのプログラム」として用いられる
「12ステッププログラム」について、私自身が理解した範囲ではありますが
ウィキなども参照しながらまとめていこうと思います。
まず現在あらゆる依存症からの回復をめざす自助グループの発祥は
アメリカのAA(アルコールアノニマス)にあります。
1935年にアメリカのビル・ウィルソンという人が、共に飲酒の問題を
抱えるボブ・スミスという外科医と出会いました。彼らは、自分たちが
抱える飲酒の問題を話し合うことで、それまで止められなかった飲酒を
止められるという事実を発見しました。
更にビルとボブは他の飲酒者を探し、アクロンとニューヨークで飲酒者の
共同体を作り、やがてそこでは回復者が100人を超えるようになりました。
そこでビルは、アルコール使用障害からの回復の経験を本にまとめ
その中で「どうやればうまくいくか」について、回復のための「12の
ステップ」というものを文書化しました。さらにこの本のタイトルを
「アルコール・アノニマス(無名のアルコール使用障害者たち)」にしました。
これが後に、あらゆる依存症からの回復をめざす団体の名前や、回復するための
指針である「12ステップ」の原点になりました。
たとえば現在ギャンブル依存症本人たちの自助グループGAのサイトに書かれている
ギャンブル依存症から回復するための「12ステップ」は次の通りです。
1. 私たちはギャンブルに対して無力であり、思い通りに生きていけなくなって
いたことを認めた。
2. 自分を越えた大きな力が、私たちの考え方や生活を健康的なものに戻してくれる
と信じるようになった。
3. 私たちの意志と生き方を自分なりに理解したこの力の配慮にゆだねる決心をした。
4. 恐れずに、徹底して、モラルと財務の棚卸しを行ない、それを表に作った。
5. 自分に対し、そしてもう一人の人に対して、自分の過ちの本質をありのままに認めた。
6. こうした性格上の欠点全部を、取り除いてもらう準備がすべて整った。
7. 私たちの短所を取り除いて下さいと、謙虚に(自分の理解している)神に求めた。
8. 私たちが傷つけたすべての人の表を作り、その人たち全員に進んで埋め合わせを
しようとする気持ちになった。
9. その人たちやほかの人を傷つけない限り、機会あるたびに、その人たちに直接埋め
合わせをした。
10. 自分自身の棚卸しを続け、間違ったときは直ちにそれを認めた。
11. 祈りと黙想を通して、自分なりに理解した神との意識的な触れ合いを深め、神の
意志を知ることと、それを実践する力だけを求めた。
12. 私たちのすべてのことにこの原理を実行しようと努力を続け、このメッセージを
ほかの強迫的ギャンブラーに伝えるように努めた。
正直なところ、最初にこの「12ステップ」を読んだ時は、もともとは英文で書かれた
ものを直訳してあるため、言い回しが独特であること、文中にしばしば出てくる「神」
という表現に拒絶反応を起こして、これが依存症の回復に有用であるとは感じません
でした。
その後自助グループについて説明してあるものを色々読んでそれが「どのような
宗教、宗派、政党、組織、団体にも縛られていない」集団であることを納得しました。
欧米の、キリスト教を信仰している人たちにとっては「神」という言葉は、とても
理解しやすいのだと思います。けれど日本人の場合は、なかなかそういうわけには
いきませんから、現在はどのグループの12ステップも「神」の部分を、日本人でも
受け入れやすいように「自分の理解している神」というように変更されています。
これはつまり、自分が人間を超えた大きな力だと感じることができるものなら
自分が信じている宗教の神であろうが、海や山や太陽や月などの自然であろうが
ご先祖さまであろうが、いわしの頭であろうが、それでO・Kということな
わけです。
自助グループのミーティングでは「今日は第○ステップについて話しましょう」
という感じで、それぞれが自分のことを話しますが、例えば「無力」
というテーマであっても、絶対にその趣旨にそわなければ駄目だということ
ではなくて、自由に自分の思いや近況について話すだけでもそれはそれで
よいという感じです。これはステップセミナーという発表会の場合も同じです。
自助グループには、暦が長いから、短いからということや、誰がリーダー
というような上下関係はいっさいなく、自分の発言を否定されたり、批判
されたりはしません。またこうすればうまくいくというようなアドバイス
や指導も、基本的にはミーティングの中ではありません。
けれど何にせよ分からないことがあれば、ミーティングの前や後に
たずねることはできるようになっています。多くの自助グループでは
マンツーマンで、キャリアのある人が後から参加したメンバーの相談
に乗ってあげることができるスポンサー、スポンシーという仕組みを
取り入れています。
12ステップについては、各自助グループで、ステップの内容を更に
詳しく説明した副読本が用意されています。その内容を全て正しく
理解できて、それぞれのステップをちゃんと実践できたら、確かに
回復することができると思える内容です。ただ独力で、もしそれを成し
遂げることができたらお釈迦様のレベルです。そもそもそんな人が依存
症になるのかという話です。そこで、お釈迦様レベルでない凡人として
は、仲間と支えあって回復をめざすのが一番確実な方法ということ
になるわけです。それゆえのミーティングなのです。
この12ステップの意義を、医師の箒木蓬生先生は、医師の立場から
「人間らしい行動をつかさどる前頭葉の鍛錬」と述べておられます。
さらに「前頭葉が学習したものは、そんなに長続きしません。学習を
止めるともとの白紙に戻ります。この意味で、語学の学習と似ており
いったん学習を休むとまたたく間に能力が低下します。ですから大切
なのは繰り返しの自助グループ参加なのです」とも説明されています。
またビルの妻、ロイス・ウィルソンは、アルコール依存者の友人と家族
への支援を専門に行なうアラノンの創設者で、これが現在のアラノン・
ギャマノン・ナラノンなど依存症者の家族の自助グループの原型です。
依存症者の家族もまた自分たちの回復のための12ステッププログラム
に基づくミーティングに出席することで、依存症者の問題から手を離し、
自分自身のために健康な人生を取り戻す努力を続けていくことになります。
私自身がまだまだ自助グループや12ステップ、ミーティングについて
は勉強中です。その過程で理解した範囲のことを書いています。
もしも「これは間違っている」と思われるような点があれば、ご指摘
いただけたらありがたいです。(なお私としては、ジョークとして
書いている部分への突っ込みは、ご容赦ください)
様々な依存症から回復するためには、自助グループに通って
ミーティングを続けることが、回復できる一つの大きな可能性であることは
今までにも何度も書いてきました。
ただ私自身が今回ギャマノンにも参加してみて率直に感じたのは
GAにしろ、ギャマノンにしろ、事前にそれがどういうものなのかを
おおまかでもよいから知った上で参加をしたほうがよいのではないか
ということでした。
まあ、これは性格なのかもしれませんが
自分のガンの治療を決める時も、お医者さんが勧めるからとか
回りの人がいいと言うからだけではなく
病気のことにしろ治療の方法にしろ
大体のことを知っておきたいと思って自分で調べました。
なので、余計なおせっかいかもしれませんが
ミーティングや12ステップの予備知識みたいなものを書いてみます。
AAやGA、NA 更にはそれぞれの依存症者たちの家族の自助グループ
の成り立ちと、そこで「回復のためのプログラム」として用いられる
「12ステッププログラム」について、私自身が理解した範囲ではありますが
ウィキなども参照しながらまとめていこうと思います。
まず現在あらゆる依存症からの回復をめざす自助グループの発祥は
アメリカのAA(アルコールアノニマス)にあります。
1935年にアメリカのビル・ウィルソンという人が、共に飲酒の問題を
抱えるボブ・スミスという外科医と出会いました。彼らは、自分たちが
抱える飲酒の問題を話し合うことで、それまで止められなかった飲酒を
止められるという事実を発見しました。
更にビルとボブは他の飲酒者を探し、アクロンとニューヨークで飲酒者の
共同体を作り、やがてそこでは回復者が100人を超えるようになりました。
そこでビルは、アルコール使用障害からの回復の経験を本にまとめ
その中で「どうやればうまくいくか」について、回復のための「12の
ステップ」というものを文書化しました。さらにこの本のタイトルを
「アルコール・アノニマス(無名のアルコール使用障害者たち)」にしました。
これが後に、あらゆる依存症からの回復をめざす団体の名前や、回復するための
指針である「12ステップ」の原点になりました。
たとえば現在ギャンブル依存症本人たちの自助グループGAのサイトに書かれている
ギャンブル依存症から回復するための「12ステップ」は次の通りです。
1. 私たちはギャンブルに対して無力であり、思い通りに生きていけなくなって
いたことを認めた。
2. 自分を越えた大きな力が、私たちの考え方や生活を健康的なものに戻してくれる
と信じるようになった。
3. 私たちの意志と生き方を自分なりに理解したこの力の配慮にゆだねる決心をした。
4. 恐れずに、徹底して、モラルと財務の棚卸しを行ない、それを表に作った。
5. 自分に対し、そしてもう一人の人に対して、自分の過ちの本質をありのままに認めた。
6. こうした性格上の欠点全部を、取り除いてもらう準備がすべて整った。
7. 私たちの短所を取り除いて下さいと、謙虚に(自分の理解している)神に求めた。
8. 私たちが傷つけたすべての人の表を作り、その人たち全員に進んで埋め合わせを
しようとする気持ちになった。
9. その人たちやほかの人を傷つけない限り、機会あるたびに、その人たちに直接埋め
合わせをした。
10. 自分自身の棚卸しを続け、間違ったときは直ちにそれを認めた。
11. 祈りと黙想を通して、自分なりに理解した神との意識的な触れ合いを深め、神の
意志を知ることと、それを実践する力だけを求めた。
12. 私たちのすべてのことにこの原理を実行しようと努力を続け、このメッセージを
ほかの強迫的ギャンブラーに伝えるように努めた。
正直なところ、最初にこの「12ステップ」を読んだ時は、もともとは英文で書かれた
ものを直訳してあるため、言い回しが独特であること、文中にしばしば出てくる「神」
という表現に拒絶反応を起こして、これが依存症の回復に有用であるとは感じません
でした。
その後自助グループについて説明してあるものを色々読んでそれが「どのような
宗教、宗派、政党、組織、団体にも縛られていない」集団であることを納得しました。
欧米の、キリスト教を信仰している人たちにとっては「神」という言葉は、とても
理解しやすいのだと思います。けれど日本人の場合は、なかなかそういうわけには
いきませんから、現在はどのグループの12ステップも「神」の部分を、日本人でも
受け入れやすいように「自分の理解している神」というように変更されています。
これはつまり、自分が人間を超えた大きな力だと感じることができるものなら
自分が信じている宗教の神であろうが、海や山や太陽や月などの自然であろうが
ご先祖さまであろうが、いわしの頭であろうが、それでO・Kということな
わけです。
自助グループのミーティングでは「今日は第○ステップについて話しましょう」
という感じで、それぞれが自分のことを話しますが、例えば「無力」
というテーマであっても、絶対にその趣旨にそわなければ駄目だということ
ではなくて、自由に自分の思いや近況について話すだけでもそれはそれで
よいという感じです。これはステップセミナーという発表会の場合も同じです。
自助グループには、暦が長いから、短いからということや、誰がリーダー
というような上下関係はいっさいなく、自分の発言を否定されたり、批判
されたりはしません。またこうすればうまくいくというようなアドバイス
や指導も、基本的にはミーティングの中ではありません。
けれど何にせよ分からないことがあれば、ミーティングの前や後に
たずねることはできるようになっています。多くの自助グループでは
マンツーマンで、キャリアのある人が後から参加したメンバーの相談
に乗ってあげることができるスポンサー、スポンシーという仕組みを
取り入れています。
12ステップについては、各自助グループで、ステップの内容を更に
詳しく説明した副読本が用意されています。その内容を全て正しく
理解できて、それぞれのステップをちゃんと実践できたら、確かに
回復することができると思える内容です。ただ独力で、もしそれを成し
遂げることができたらお釈迦様のレベルです。そもそもそんな人が依存
症になるのかという話です。そこで、お釈迦様レベルでない凡人として
は、仲間と支えあって回復をめざすのが一番確実な方法ということ
になるわけです。それゆえのミーティングなのです。
この12ステップの意義を、医師の箒木蓬生先生は、医師の立場から
「人間らしい行動をつかさどる前頭葉の鍛錬」と述べておられます。
さらに「前頭葉が学習したものは、そんなに長続きしません。学習を
止めるともとの白紙に戻ります。この意味で、語学の学習と似ており
いったん学習を休むとまたたく間に能力が低下します。ですから大切
なのは繰り返しの自助グループ参加なのです」とも説明されています。
またビルの妻、ロイス・ウィルソンは、アルコール依存者の友人と家族
への支援を専門に行なうアラノンの創設者で、これが現在のアラノン・
ギャマノン・ナラノンなど依存症者の家族の自助グループの原型です。
依存症者の家族もまた自分たちの回復のための12ステッププログラム
に基づくミーティングに出席することで、依存症者の問題から手を離し、
自分自身のために健康な人生を取り戻す努力を続けていくことになります。
私自身がまだまだ自助グループや12ステップ、ミーティングについて
は勉強中です。その過程で理解した範囲のことを書いています。
もしも「これは間違っている」と思われるような点があれば、ご指摘
いただけたらありがたいです。(なお私としては、ジョークとして
書いている部分への突っ込みは、ご容赦ください)
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