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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

依存者の家族(3)

2009-06-10 21:01:17 | 依存症
ギャンブル依存症患者の末路は
「精神病院か刑務所」と言われます。
ギャンブルをしたいという欲求のみに心が支配されて
人間性が失われ容易に一線を越えてしまうということは
次のデータからもうかがえます。

・ATM補充の現金着服、JA高崎元支店長逮捕「パチンコや飲み代などに使った」
・大垂水峠で「走り屋狩り」で少年11人摘発」「奪った金はパチンコやたばこに 使った」
・Aコープ契約社員が140万円着服/福島「飲食やパチンコなどの遊興費に」
・尾花沢市職員また横領「消費者金融から200万円の借金返済やパチンコなどの 遊興費に充てた」
・1週間前に解雇…元派遣39歳、鉄パイプ手に1万円強盗「最後の給料10万はパ チンコに」
・笠岡市土地開発公社の元係長、横領容疑で逮捕 525万円を着服 「パチンコや 競馬に使った」
・母親が娘2人の首絞め心中図る「夫がパチンコ三昧で生活が苦しかった」「夫か らDV」
・パン万引で高校生誤認逮捕 愛知県警、2時間後に釈放
 「パチンコ店にいた高校生を誤認逮捕」「真犯人らしき三人はパチンコ店に」
・由利本荘市元嘱託職員の市税着服して再逮捕 53万円を着服 /秋田「借金の返 済やパチンコ 」
・個室ビデオ店に強盗 1万4000円奪う 大阪日本橋 容疑出頭
 「奪った現金を早速パチンコですってしまったので出頭した」
・教諭がパチンコ中に盗難被害=解答用紙、駐車中の車から-名古屋
・コンビニ強盗容疑で無職の男再逮捕 千葉、長野、山梨県内でのコンビニ強盗でも 起訴されている
 「仕事や住むところがなく、ホテル代やパチンコ代がほしくてやった」
・ひったくり40件、被害400万円か=高齢女性狙う、男逮捕-警視庁「借金返 済やパチスロ に使った」

今年の3月にあるサイトに掲載されたものです。パチンコが誘因となった
犯罪の多さに驚かされます。社会的にそれなりの職業や立場にいる人たち
も含まれています。ギャンブルが、どれほど社会に深刻な問題を引き起こ
しているかがかいま見えます。このようにギャンブル依存症は人間の倫理
性、道徳性、善悪の判断力などのすべての人間らしさを奪ってしまうので
す。このことは当然家族の大きな不安の種になります。
 依存症の一般的な対処法として、家族は依存者を助けてはい
けないといわれます。借金の肩代わりをしたり、債務整理を勧めたりす
るのは逆効果で、本人が作った借金はあくまでも本人に何とかさせるの
が原則なのです。ヤミ金が家に押しかけて死ぬほど恐い思いをする、そ
れによって本人に底つき感が生まれることこそ回復への道筋なのだと。
それを家族が何とかしようとすると、共依存だと言われます。

理屈としてはわかっても、例えば衝動的にヤミ金からお金を借りたらど
うなるか、会社の金に手をつけて仕事をクビになったら、最悪数万円の
返済に追い詰められて犯罪に走ったら、と家族がそんなことに巻き込ま
れるのはあまりにも理不尽だと思います。本人が自殺でもしてくれるの
が、一番妥当で穏当な解決法なのですが、皮肉にも本人はギャンブルで
ストレスが解消できている上に、自分を責めるというような人間らしさ
が失われているのでなかなか自殺などはしません。(回復期には自責の
念にかられての自死もあるらしい)原則論ではどうにもならない現実が
そこにはあります。今回個人再生の手続きをして、ダンナはさほど労せ
ずして借金の問題を解決したことが果たしてよかったのかどうか、正直
なところどこまでいっても答えは見当たりません。


依存者の家族(2)

2009-06-08 17:48:13 | 依存症
五月の終わりに義母の三回忌に
出席したのがきっかけで
このところ気持ちの落ち込み方が
ひどくなっている。

NHKで細川貂々(てんてん)さんのコミックエッセイ
「ツレがうつになりまして」が始まったので1回目を見た。
うつはすでに国民病みたいになっていて
いまさら鬱病でなどと言うのも気が引けるほどだ。
だがギャンブル依存症の患者と暮らす家族は
常に様々な不安と向き合っているので
当然心に大きな負荷がかかり欝になる可能性が高い。

まず第一はギャンブル依存症の最大の特徴である「嘘と借金」
否認の病気といわれる依存症患者は
決して本当のことを言わない。
パチンコに行ったことも借金をしていることも
借金の額も自分に都合の悪いことは全て否定する。
これを繰り返すので家族は次第に
何が本当で何が嘘なのか分からなくなり
際限のない疑心暗鬼に陥ることになる。

次にギャンブル依存症はしばしば女性問題を併発する。
依存症の人の脳の状態を簡単に言えば
音や光で演出された派手な「大当たり」の経験によって
脳は快楽物質であるドーパミンを分泌させ
興奮状態を引き起こす。
この時、同時に脳の興奮を沈静するために
コルチゾールが分泌されるが
パチンコで強い刺激を与え続けると脳は極度に興奮
大量のコルチゾールによって一気に沈静化した体には
快感を得たいという欲求が生まれ
これを繰り返すことで衝動が抑えられなくなる。
この状態を繰り返すと、どんどんドーパミンの放出量が増え
ドーパミン放出スパイラル状態になってしまう。

前に快楽の質が同じと書いたが
どうやらこのように脳内物質のバランスが崩れた脳が
大量のドーパミンを欲するようになっているので
同質の快感を得られるセックスに走るということのようだ。

だがギャンブル依存症に関しては
こうした脳のメカニズムの解明すらまだ十分ではない。
病気の実態や治療法が分からないことに加えて
家族がどれほど怒りや不安不満を患者に訴えても
それが問題の解決に結びつかないために
家族は自らの思いを一人で抱え込むことになる。
加えて依存と共依存などを持ち出されたら
結局全ては自分が悪いのではないかと
これはもう鬱病まっしぐらなのである。
そうなると自分が精神的に持たないから
私はこの共依存という問題については棚上げにすることにした。

債務整理が終わりました

2009-06-03 14:43:37 | 債務整理
この前ブログを書いてから
気がつけばもう4ヶ月も経ちました。
仕事、寝る、仕事、寝るみたいな毎日でも
細かな変化は起こります。
また少しづつ書いていこうと思います。

三月の半ばに
ダンナの個人再生の手続きが終わったと
書士さんから連絡があって
二人で事務所に行きました。
最終的に360万の債務を
100万に圧縮してもらうことで
債権者全ての合意を得て
これから3年間月々約3万円づつを返していきます。
(実際にはその都度手数料がかかるので
3ヶ月に1回9万円を振り込むことになりました)
それと書士さんへの報酬もまだ払い終えていないので
そちらもあと10ヶ月1万円ずつ払っていくことになります。

再生の手続きに入った時に
支払能力があることを裁判所に証明するために
月々三万円を書士さんの所に積み立てます。
これは受任してもらうと同時に
全ての返済がストップするので
それをこの積み立てに回します。
この積み立てが約半年分あって
それで書士さんへの報酬の約3分の2を払うことができ
残りの10万円ほどをこれから支払っていきます。

「もし返済が滞ると再生の合意が取り消されて
債務が元に戻りますから必ずきちんと返済してください」と
厳格な注意も受けました。
そういう現実を少しづつ認識できるようになることが
今のダンナにはとても大切なのだと思います。

去年私の掛け持ちの仕事がなくなって
毎月の生活費がギリギリで
日によっては財布の中に二、三百円しか
お金がないことがあって
ニュースで報道されるホームレスの人と
たいして変わりがない、それが我が家の現実でした。

何年もそういう現実から目を背けて
「大丈夫、返せるはず」という
何の根拠もないほとんど幼児的といってもいい
妄想(これも依存症の病態なのです)に支配されて
際限のない借金を重ね
気の遠くなるような額のお金を
パチンコ屋に捨ててきたこと
その感覚を普通に戻すことだけでも
随分と大変なことだと思います。