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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

分からないことが多すぎる

2011-09-25 14:26:03 | 原発事故
先日福島産の新米から国の暫定規制値と
同じ500ベクレルの放射性セシウムが検出されたとい
うニュースがあった。

しかしその前に東京電力福島第一原子力発電所の事故で
現在原発から外部に漏れ出ている放射性物質の量に関する
発表があって、それによれば1時間当たり最大で2億ベク
レル程度と評価し、新たな放出による敷地周辺での被ばく
線量は1年間に0.4ミリシーベルトされている。

6月下旬の段階では1時間当たり10億ベクレル程度と評
価されて、その結果、敷地周辺での被ばく線量は、最大で
1年間に1.7ミリシーベルトであったのが7月8月は
5分の1に減っているということだ。

5分の1といっても1時間に2億ベクレルということは
一日で48億ベクレル、ひと月で1440億ベクレルと
いうことなのではないか。数字が大きすぎて専門的な
知識のない人間にはこれがどういうことなのかさっぱり
理解ができない。こんな大量の放射性物質が放出され
続けていて被爆線量が年間0.4ミリシーベルトという
のは本当に妥当な数字なんだろうか。

こうした放射性物質の放出について、東京電力は、格納
容器の中に残っていたり、汚染水に含まれていたりする
放射性セシウムなどが粒子状になり、水の蒸発に伴って
放出されているとしているようだが、今回の原発事故に
ついては、本当に素人には分からないことが多すぎる。
500ベクレルで出荷停止の一方で、毎時2億ベクレルが
漏れているという事実をどう解釈すればいいのかが分
からない。

今回炉心溶融について調べていたら事故発生前に
独立行政法人原子力安全基盤機構というところが、
原子力防災専門官向け資料として作成した炉心溶融の
シュミレーションの動画があった。事故によって制御棒が
挿入されて原発は停止したが冷却機能が失われたという
今回の事故と全く同じ設定。そのシュミレーションによれば、
事故の発生から30分後には炉心の溶融が起こり、一時間後
にはメルトダウンした炉心が圧力容器の下部に到達
事故発生から3時間後には圧力容器の下部を貫通するとされている。
動画のアドレスはこちら。 

http://youtu.be/wwYk62WpV_s

そして福島原発の1号機から3号機までの全ての原子炉で
このシュミレーションの通りのことが起こった。
その間政府はメルトダウンさえ起こってはいない、圧力容器は
健全だと発表し続けた。隠蔽しきれない重大な事柄は、こっそりと
そして本当に素人にはどう判断すればいいのか分からないような
形でさりげなく報道される、これが3月11日以降の原発事故
に対する政府とマスコミの報道姿勢であることは今も変わっていない。


京大の小出先生は「事故直後、本当なら福島県民全員を避難
させるのが妥当なくらいの放射能の放出があった」という趣
旨のことを言われている。
それでは現在は何がどの程度危険なのか、私たちは一体どういう
状況に置かれているのか、ひとつひとつをちゃんと教えてくれる
人はいないものなのだろうか。

なぜブログを書き続けるのか

2011-09-18 09:07:23 | 依存症
このブログを読まれている方は「なんや、このおばさん
原発のこととか政治のこととか偉そうにあれこれ言って。何様なんや」と
感じられるかもしれない。
前にも書いたが私はもともとダンナがギャンブル依存症と分かるまでは
そういう病気があることも、そんな病気になるパチンコが
どういうものなのかも何ひとつ知らなかった。

子育てをしている間、休日になると昼間数時間買い物や
公園などに付き合って家まで私たちを送って
必ず「ちょっと出かけてくる」といなくなっていたダンナ。
たぶんパチンコだろうなとは思っていたが
私の中でのパチンコのイメージは昭和50年頃の
千円とか二千円で玉を買ってハンドルを手で回していた頃のまま。

借金という話が出始めたのが今から十二、三年前。
そこから坂を転げるように、返しては数年経って
更に借金が増えを繰り返し
四年前に債務整理に着手して初めて全てを知った。

1990年以降CR機という機械が導入されて
プリベートカード式から現在は台の横の機械に現金を直接
挿入する方式になっており
CR機が導入された当初はどうやら十万円を軽く越えるような
大当たりがあってこの頃から病気としての
ギャンブル依存症が多発し始めた。
それまで主に中年のサラリーマンの遊びだったパチンコが
その後十年ほどの間に主婦や学生などにも広がり
当然のことながら依存症の患者も男女や年齢を問わず
本人たちが病気だとは自覚しないままにあらゆる層へと拡大していった。
ネットでウィキペディアだけを見ても
その経緯や警察庁など政界との関わりの概要が分かるが
とにかく私はそういうことについて何一つ知らなかったのだ。

そして私は知らないことがどれほど恐ろしいかということを
ダンナが一生完治することはないと言われる
ギャンブル依存症という病気になって初めて身に沁みて知った。
政治が決して庶民のためになることをやっているわけではなく
国民を傷つけ苦しめるようなことだって平気でやるものだ
ということも。

だから今回の原発の事故についても
根っこにあるものは同じだと感じたのだ。
政治家や官僚や大企業が、自分たちの保身と利権利得のために
言うべきことを言わず、するべきことをせず
たくさんの人たちを被爆させ
海や大地を汚染させて大きな被害を生んだと。
そういう社会の仕掛ける陥穽はいまや至るところにある。

何よりも事実を知らなければ自衛することができない。
それが私がこのブログで身の程知らずにも
政治や社会に言及し続ける理由でもある。
ギャンブル依存症は身近に依存を助ける共依存者がいるから
などという極めて狭義の解釈を私は認めない。
決して家族だけが悪いわけではない。
そういう仕掛けを作って助長してきたシステムの問題なのだ。
現に韓国ではだいぶん前に
「社会生活への影響が大きい」ことを理由に
法律で禁止され店舗も撤去されている。
政治が本腰を入れさえすれば
なくしてしまうことだってできないことではないということは
韓国の例で証明されているのではないか。

しかし日本では業界の衰退を食い止めるために
「1円パチンコ」という少ないお金でも遊べる方法が考案され
とにかくパチンコをしないことだけが
ただ一つの回復の方法である患者を
何とかパチンコから離れさせない手段が講じられていて
水面下では規制を緩和する法律や換金の合法化、業界の上場など
完全に逆行する気味の悪い動きが続いている。

国にはお金がないと言い、増税と言うが
生活保護費や年金を受け取ったその足で
ギャンブルをしに行く人も多いという話を聞く。
何のことはない。税金をあの機械に捨てているだけのことだ。
被災地でパチンコが人気というニュースも見かけた。
仕事がない、楽しみがないということで
失業手当や補償金を捨てにいくようなことはどうか止めてほしい。

軽い気持ちで始めたことが
ギャンブル、借金、犯罪と連動していくことも
アルコール依存、セックス依存、薬物と
取り返しのつかない負の連鎖に陥ることもある。

本人に病気だという自覚がなく当面有効な治療法もないから
状況はごく短い間に際限もなくわるくなる。
やがては自分自身だけでなく家族や自分の身の回りの人たちを
終生続く煉獄に突き落とすことにもなるということを
とにかく知ってほしいと思う。




自分たちの選択に責任を取る

2011-09-11 08:49:43 | 原発事故
相変わらず考えることが多すぎて
ということはあまりにも問題が多すぎるということなのだが。
新政権が発足した途端に「放射能をうつしてやる」発言で
辞任に追い込まれた大臣。
それをまたぞろ政争の具にしようとする野党。

昨日NHKでは震災から半年のスペシャル番組を放送していたので
冒頭のところをしばらく見ていた。
仮設の抽選に当たらないので未だに避難所で生活する人。
生活のメドが立たず食料の配給に頼っている人たち。
地震や津波で壊れた住居の2階で生活する人たち。
そして先の見えない放射能と向き合う原発事故で被災した人たち。

そこからはミクロな視点で捉えればほとんど前進していない
復旧復興の姿が浮かび上がってくる。
つまり個人のレベルで考えると
震災と津波と原発事故の被害はそれほど
多岐多様な様相でその個別の状態さえ把握はできていない
ということなのだ。

それを把握するためのちゃんとした命令系統も
確立されていなければ、独自に復興を進めようと
意欲的に取り組んでいる自治体の要請に答える
予算を下ろすこともできてはいない。
そんな状況の中でトップが変わりまた新しい組織ができ
それがちゃんと機能するようになるのは
一体いつのことなのだろう。

そもそも自民党政権の最後の辺り
次々に総理が替わるようになった頃から
日本転覆を企む闇の組織が暗躍してるんじゃないだろうかと
妄想を膨らませたりもしていたが
今回の経済産業大臣みたいな自爆型も散見するから
要するに今の政治家さんたちの資質が
「もはや国の体を為していない」と評されるくらい
低いということに尽きるのかもしれないが。
「福島の再生なくして日本の再生なし」
そんなキャッチコピーなんかに実効性はない。

ここまでくると政治の無能無策よりも
もっと大きな不安と疑問が湧き上がってくる。
それはそもそもこの国に復旧復興に取り組めるようなお金が
今現在あるのか、ないのかということ。
2次補正、3次補正ともっともらしいことを言っているが
法案を通したところで財源がないのなら意味はない。
増税という話も出てきたが、一応まだ法治国家だから
それも「はい、明日から税金上げますよ」なんて
無茶苦茶ができるわけではない。
法案が通って来年から増税したとしても
実際に税収があるのはまだ半年以上も先の話。
そこに持ってきて法人税の増税には円高株安などを理由に
財界から待ったがかかる。

被災して生活のメドが立たない人たちに
そんな悠長な話に付き合っていられるような時間的な猶予はない。
たとえ仮設住宅に入居できていてさえ
東北の仮設では冬を越すのは難しいという話は当初からあった。
原発事故にしてもそうだが
人間の命がかかっている問題に政治がこれほど
冷淡冷酷な対応をするのでは
もう民主主義の国家とは言えないだろう。

そしてそういう政治の荒廃は人の心を荒ませる。
何が恐いといって一番恐いのはそのことだ。
しかし責任のなすりあいやエゴや
一番弱い立場の人間に犠牲を押し付けるという流れでは
事態が悪くなることはあっても良くなることはない。

原子力発電にせよそれを推進した自公政権にせよ
民主党政権にせよつまるところそれを選択したのは
自分たちなのだという全ての問題の原点を
見据えて一人一人が自分たちの選択に責任を取る
そういう覚悟をしなければもう国が崩壊する以外にない
日本は今そういうところに来ているのではないだろうか。