福島原発1号機で地震の当日にメルトダウンが起こり
燃料の大半が溶融していたことがわかった。
これに関連する共同通信の記事
「東京電力福島第1原発1号機の原子炉建屋内で東日本大震災発生
当日の3月11日夜、毎時300ミリシーベルト相当の高い放射線
量が検出されていたことが14日、東電関係者への取材で分かった。
高い線量は原子炉の燃料の放射性物質が大量に漏れていたためとみ
られる。
1号機では、津波による電源喪失によって冷却ができなくなり、原
子炉圧力容器から高濃度の放射性物質を含む蒸気が漏れたとされてい
たが、原子炉内の圧力が高まって配管などが破損したと仮定するには
あまりに短時間で建屋内に充満したことになる
東電関係者は「地震の揺れで圧力容器や配管に損傷があったかもしれ
ない」と、津波より前に重要設備が被害を受けていた可能性を認めた。
関係者によると、3月11日夜、1号機の状態を確認するため作業員
が原子炉建屋に入ったところ、線量計のアラームが数秒で鳴った。建
屋内には高線量の蒸気が充満していたとみられ、作業員は退避。線量計
の数値から放射線量は毎時300ミリシーベルト程度だったと推定さ
れる」
つまり少なくとも東電の関係者は地震の起きた11日の夜には1号機
の圧力容器が損傷している可能性を知っていたということなのか。
このブログでリンクしている「福島原発の現状のデータ」のサイトは
保安院の発表に基づいているが、1号機の原子炉の水位はずっと
1.70メートル(28.3%)露出となっていて昨日も変わっていない。
「全ての燃料が溶けて圧力容器の底にたまっている」と発表があった
のにこれは一体どういうことなのか。
こうしたいろんな疑問について小出先生のサイトに次のような問答
が掲載された。
(リスナーから、今回の1号機のメルトダウン報道に関連し、東電は
地震直後から分かっていて隠してきたのではないかという意見。どうか?)
この事故における東電のデータの出し方には二つの問題。一つは知りなが
ら隠していたこと。二つ目は東電も事態があまりにひどくて知りえないま
まだったことがあること。東電が分かっていて隠していたのか、正確な
データを用いなかったために判断を間違えたか、どちらか。
・(東電も知り得なかったとしたら?)
そちらの方が余計に深刻。どちらも深刻なこと。
・(東電も事態が分かっていなかったとしたら、お手上げ状態というこ
とではないか?)
そうだ。専門家にとっては信頼できるデータがすべてであり、命だ。
1号機の水位について東電は燃料棒上端から1700ミリとずっと言
い続けており、それに基づいて私は分析してきた。そしてこれまでの
推測はそれに基づいたものだった。それが今回、全部露出していたと
言い出した。
・圧力容器の底に穴があいていると思う。溶けた燃料がそこから格
納容器に落ちているはず。東電が今言っている、水位がとても低く
て燃料がすべて露出していたということ自体も、信用していいのか
どうか分からない。
・(細野さんは2号機、3号機もメルトダウンしている可能性を前
提に工程表を見直すとしているが?)
当然だ。2号機も3号機も溶け落ちている可能性はあると思う。
・(3月11日に観測された放射線量から爆発の可能性は判断でき
なかったか?)
当時1時間あたり300ミリシーベルトという情報もあったと聞く。
そのような数字が出ていたのであれば、水素爆発の予想はできたはず。
それは周辺住民に言わなければいわなかった。私も含め、そういうデ
ータを知らなかったため、爆発の様子を見て驚愕した。本来であれば
データを時々刻々提供しなければいけなかった。
・(これを隠さずに出していれば、逃げるべき人たちが逃げられた?)
そうだ。
・(情報の出し方に大きな原因があった?)
先ほど言った一つ目の隠すという方の典型だ。
この小出先生の分析でほぼ正しいのではないかと思う。東電も
政府も、原発の事故に様々な思惑をからめて、それらを国民の
安全より何より優先させたということなのだろう。
それにしても公表されているデータの適当さは一体どういうこと
か。保安院は「東電が言ったんだから」と責任を転嫁し、東電は
そもそも「自分たちは国策に基づいて国の言った通りにやってきた
んだ」と責任逃れをし、最後の負担は結局税金や電気料の形で
国民が負担することになるのだろう。どうせリスクを負わなければ
ならないのなら命のリスクまで背負わされる原発はいらないんじゃ
ないかと心から思ってしまう。
薬害エイズ、B型肝炎、ギャンブル依存症、どれも自分たちの
利権を最優先し、問題が起こっても責任を取らない。非を認めない。
そういう人たちが社会の上にいて、こういう事態に対しても
「すぐにどうこうというわけじゃないんだから、なんか問題が出た
時だけやっておけばいいんじゃないの」
そんな感じで子どもたちの被爆も、現場で作業をしている人たちの
安全管理も、原発で被害を受けた人たちへの保障も、まさにその場
しのぎの対応に終始し、今後さらに重大な事象が起きた時の被害や
様々な形での二次被害を拡大させ続けていくのではないかととても
危惧している。
燃料の大半が溶融していたことがわかった。
これに関連する共同通信の記事
「東京電力福島第1原発1号機の原子炉建屋内で東日本大震災発生
当日の3月11日夜、毎時300ミリシーベルト相当の高い放射線
量が検出されていたことが14日、東電関係者への取材で分かった。
高い線量は原子炉の燃料の放射性物質が大量に漏れていたためとみ
られる。
1号機では、津波による電源喪失によって冷却ができなくなり、原
子炉圧力容器から高濃度の放射性物質を含む蒸気が漏れたとされてい
たが、原子炉内の圧力が高まって配管などが破損したと仮定するには
あまりに短時間で建屋内に充満したことになる
東電関係者は「地震の揺れで圧力容器や配管に損傷があったかもしれ
ない」と、津波より前に重要設備が被害を受けていた可能性を認めた。
関係者によると、3月11日夜、1号機の状態を確認するため作業員
が原子炉建屋に入ったところ、線量計のアラームが数秒で鳴った。建
屋内には高線量の蒸気が充満していたとみられ、作業員は退避。線量計
の数値から放射線量は毎時300ミリシーベルト程度だったと推定さ
れる」
つまり少なくとも東電の関係者は地震の起きた11日の夜には1号機
の圧力容器が損傷している可能性を知っていたということなのか。
このブログでリンクしている「福島原発の現状のデータ」のサイトは
保安院の発表に基づいているが、1号機の原子炉の水位はずっと
1.70メートル(28.3%)露出となっていて昨日も変わっていない。
「全ての燃料が溶けて圧力容器の底にたまっている」と発表があった
のにこれは一体どういうことなのか。
こうしたいろんな疑問について小出先生のサイトに次のような問答
が掲載された。
(リスナーから、今回の1号機のメルトダウン報道に関連し、東電は
地震直後から分かっていて隠してきたのではないかという意見。どうか?)
この事故における東電のデータの出し方には二つの問題。一つは知りなが
ら隠していたこと。二つ目は東電も事態があまりにひどくて知りえないま
まだったことがあること。東電が分かっていて隠していたのか、正確な
データを用いなかったために判断を間違えたか、どちらか。
・(東電も知り得なかったとしたら?)
そちらの方が余計に深刻。どちらも深刻なこと。
・(東電も事態が分かっていなかったとしたら、お手上げ状態というこ
とではないか?)
そうだ。専門家にとっては信頼できるデータがすべてであり、命だ。
1号機の水位について東電は燃料棒上端から1700ミリとずっと言
い続けており、それに基づいて私は分析してきた。そしてこれまでの
推測はそれに基づいたものだった。それが今回、全部露出していたと
言い出した。
・圧力容器の底に穴があいていると思う。溶けた燃料がそこから格
納容器に落ちているはず。東電が今言っている、水位がとても低く
て燃料がすべて露出していたということ自体も、信用していいのか
どうか分からない。
・(細野さんは2号機、3号機もメルトダウンしている可能性を前
提に工程表を見直すとしているが?)
当然だ。2号機も3号機も溶け落ちている可能性はあると思う。
・(3月11日に観測された放射線量から爆発の可能性は判断でき
なかったか?)
当時1時間あたり300ミリシーベルトという情報もあったと聞く。
そのような数字が出ていたのであれば、水素爆発の予想はできたはず。
それは周辺住民に言わなければいわなかった。私も含め、そういうデ
ータを知らなかったため、爆発の様子を見て驚愕した。本来であれば
データを時々刻々提供しなければいけなかった。
・(これを隠さずに出していれば、逃げるべき人たちが逃げられた?)
そうだ。
・(情報の出し方に大きな原因があった?)
先ほど言った一つ目の隠すという方の典型だ。
この小出先生の分析でほぼ正しいのではないかと思う。東電も
政府も、原発の事故に様々な思惑をからめて、それらを国民の
安全より何より優先させたということなのだろう。
それにしても公表されているデータの適当さは一体どういうこと
か。保安院は「東電が言ったんだから」と責任を転嫁し、東電は
そもそも「自分たちは国策に基づいて国の言った通りにやってきた
んだ」と責任逃れをし、最後の負担は結局税金や電気料の形で
国民が負担することになるのだろう。どうせリスクを負わなければ
ならないのなら命のリスクまで背負わされる原発はいらないんじゃ
ないかと心から思ってしまう。
薬害エイズ、B型肝炎、ギャンブル依存症、どれも自分たちの
利権を最優先し、問題が起こっても責任を取らない。非を認めない。
そういう人たちが社会の上にいて、こういう事態に対しても
「すぐにどうこうというわけじゃないんだから、なんか問題が出た
時だけやっておけばいいんじゃないの」
そんな感じで子どもたちの被爆も、現場で作業をしている人たちの
安全管理も、原発で被害を受けた人たちへの保障も、まさにその場
しのぎの対応に終始し、今後さらに重大な事象が起きた時の被害や
様々な形での二次被害を拡大させ続けていくのではないかととても
危惧している。