goo blog サービス終了のお知らせ 

癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

放射能の量について 2

2011-03-20 10:05:45 | 社会・生活
前のブログに書いた文科省発表の数値で
こんな続報が出た。(ソースは時事通信)

文部科学省は16日、福島県内各地で測定した放射線量を発表した。
福島第1原発から約60キロ北西にある福島県庁付近で同日午前、
1時間当たり18~20マイクロシーベルトを観測した。
 通常の約360~400倍に相当し、24時間屋外にいた場合、一般
の人が1年間に浴びる法律上の線量限度1000マイクロシーベルト
に2日間で達する計算になる。同省は「時間帯や風向きによって
数値が変動する可能性があり、さらに調査の必要がある」として
いる。庁舎内は1.5マイクロシーベルトで、屋外の約8%だった。
 同省は測定車両を用い、午前8時ごろから午後2時ごろにかけ18
カ所を調査した。屋内退避指示が出ている原発から20キロ余り離
れた地点では15日午後9時ごろ、最大で330マイクロシーベルトを
記録したが、16日に同様に20キロ余り離れた地点で観測した値は
10~13マイクロシーベルト。25~30キロ地点は7~80マイクロシ
ーベルト、30~60キロ地点では13~80マイクロシーベルトだった。
                 (引用ここまで)

報道ではしばしば数値が減ったことを強調しているふしがあるが
本当に大事なことはどうやら「風向き」のようだ。

【3月16日 AFP】東北地方太平洋沖地震による東京電力の福島第1原
子力発電所の事故を受け、世界の気象学者たちは放射性物質の拡散
に影響する原発付近の風向きを注視している。

 世界気象機関(World Meteorological Organization、WMO)によ
ると、福島第1原発で爆発が起きた12日と13日の風は、それぞれ北東
と東に向けて吹いていた。原発から太平洋に抜ける方向だ。「この
時の福島県沖の気象状況から判断すると、放射性物質は陸地の方向
には拡散しなかったとみられる」と、WMOの防災プログラムの責任
者は語る。

 米国海洋大気庁のモデリング・プログラムを用いて放射性物質が
飛散する可能性がある地域を予測した米国の気象学者、ジェフ・マ
スターズ氏は、放射性物質のほとんどは日本の東北地方の太平洋岸
にある福島第1原発から東の太平洋方向に拡散し、少なくとも5日間
は太平洋上空を浮遊するとみているが、人体に有害となる放射性物
質が7日間以上も大気中を浮遊し続けて2000マイル(約3200キロ)
を超えて拡散する可能性は、ほぼないだろうとみている。

 一方、フランス気象局予報部門のシリル・オノレ氏はAFPの取材に
「日本は温帯に位置するため、風はおおむね西から東に向かって吹く。
だが、気団(温度や湿度などがほぼ一定の空気のかたまり)や雲は
何かに囲われているわけではないので、乱気流が起きれば垂直方向
にも水平方向にも風の吹く方向に拡散していくだろう」と話し、
放射性物質を含んだ微細なちりが福島第1原発から広範囲に広がる恐
れがあると指摘した。(引用ここまで)

福島在住の友人も「問題は風だ」と話していて、数値の増減も拡散
する地域も常に風向きを考慮することが必要のようだ。
距離や放射能の量に加えて、その日の風向きで風下に位置する地
域では屋外での活動をなるべく控えることが大切と思われる。
更に前のブログでも触れたが風向きによって拡散が予想される
地域では特に妊婦さんや乳幼児は極力外気に触れない注意が必要
で雨や雪に濡れないことも。

風評被害とも言える状況で被災地に物資が届かないなどの問題が
生じているためかひどくあいまいな報道が行われているが
特に重要なことは知識のある専門家が丁寧に説明してほしい。

全てがうやむやなままに「野菜や牛乳から放射能」などという
報道をするとまたそこでみんなが精神的にパニックになって
際限のない疑心暗鬼に陥り、生産地や生産者が困窮するという
二次的、三次的な被害を次々に生み出していくのではないのか。
一般の人の放射能についてのイメージは原爆でありチェルノブイリ
であろう。みんなの心理が狼少年の話のようになっていくのは
とても恐いことだ。「放射能は恐い。被爆すれば死ぬ」と考えている
一般の人たちに、政府もメディアももう少し丁寧に誠実に向き合って
ほしいと心から願う。