ケインズの経済学って、学校で少し習ったんだけど、公共投資で赤字を膨れ上がらせていくだけなんじゃないの? なーんて疑問もってる人、いませんか?
幸福の科学の大川隆法先生は、『未来創造の経済学』(幸福の科学出版)で、著名な経済学者・ケインズの霊の言葉(「霊言」)を、次のように伝えておられます。
発展途上国や農村レベルの国家を工業国家に変えていこうとすれば、巨大投資が必要だ。それは、どうしてもしかたがないことなんだ。
税金を取ろうとしても、たいていの場合、貧しいからねえ、税金をそんなに取ることができない。だから、「まず、国債などで資金を集め、投資をして新しい産業をつくり、国民の所得を増やし、そのあと税収が増えてくる」というスタイルになることは事実だ。
そういう考え方は、例えば、企業などでも同じだろうと思う。会社を起こすときには、銀行からお金を借りて事業を始め、「できれば、三年か五年ぐらいで返したい」というようなスタイルが多いよね。「始めて三年ぐらいで採算を取り、黒字に変えていく」というかたちで、借入金をもとにしてやっていくのが、現代の経営スタイルだね。(中略)
まあ、こういう発想は、ある意味で、姿を変えたケインズ経済学だと思うね。
だから、ケインズ経済学の発想の根本は、やはり、インド省の役人としてインドに赴任し、現地で見てきた状況から出ているものだ。インドで産業をつくろうと思ったら、そうとうインフラ整備をしなければ無理なのは分かっているので、どこかから資金を引いてくる必要があるよね。
それは、借金が先行するように見える面もあるけれども、将来の国家目標として、「どういう国家に変えていくつもりか」という明確なデザインがあり、現実にそれをやってのけて、産業の振興を図り、税収を上げ、投資した資金の回収までしていくだけの能力があれば、やり遂げられないことはないだろう。
けれども、例えば、政治家が投資を行っても、一年や二年という短い期間で政権が替わり、その後の責任を取らないような状態が続く場合には、うまくいかない。(中略)
選挙のたびに、お金を撒くような政策ばかりやっていたのでは駄目なんだ。投資したあと、「税収を上げて、資金を回収し、国家の繁栄をつくっていく」という投資効果のところまで責任を持って見ているならばよいが、今は、目先の選挙のためだけに、「ばらまき」型でいろいろやったことが、国の借金を過剰に大きくするような状態になっていると思う。(中略)
でも、ドラッカーさんが言っている「目標管理」なんていうのも、基本的には似たようなものなんだよ。「結論として、会社をどういう姿に持っていくか」という目標を立て、そこから逆算して計画をつくり、現在やらなければいけないことをやっていくということだな。(中略)
したがって、ケインズ政策は、どちらかというと、王様が治める国とか、言葉は少し悪いけれども、帝政とか、専制君主制とか、あるいは、一党独裁が続いているような、どこかの悪い国のほうが(笑)、意外に効きやすい政策であることは事実だな。
国家レベルで巨大なケインズ政策が採られる場合は、だいたい、国全体が貧しいか、荒廃していることが多いだろう。そのように、挙国一致で取り組まなければいけないような場合に、役に立つ政策であるということだな。
(90~97ページ)
発展途上国を工業国家に変えるためには巨大投資が必要だから、まず国債などで資金を集め、投資をして新しい産業をつくり、国民の所得を増やし、そのあと税収が増えてくるというスタイルにするしかない。
しかし、1年や2年の短い期間で政権が替わり責任を取らない場合や、目先の選挙のためだけの「ばらまき」政策ではうまくいかない。
ケインズ政策は、帝政や専制君主制、一党独裁国家のほうが効きやすい政策であるし、挙国一致で取り組むべき場合に役に立つ政策である──。
本書では、あの超有名なケインズ先生ご自身から、直々に、ケインズ経済学の講義をいただいているわけです。
しかも現代の日本語でなめらかに講義してくださっていることで(ケインズ先生が高級霊である証拠でもあります)、その考え方のニュアンスや息づかいまで、手にとるように理解できる気がします。
大経済学者が、どんな体験をバックボーンにして、自らの経済学を創りあげてきたのか、その本音がどこにあるのか等々を、手軽な書物の形で学ぶことができるって、なんとぜいたくなことでしょうか。
というわけで、この書籍は、経済学に少しでも興味のある方すべてに、強くお勧めしたいと私は思っているのです。
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『未来創造の経済学』
大川隆法著 |
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