●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●JAXA、イプシロンロケット試験機打上げ中止の原因究明状況を公表

2013-09-06 22:42:42 | ロケット
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、イプシロンロケット試験機打上げ中止の原因究明状況について次の点を明らかにした。

 イプシロンロケット試験機は、8月27日の打上げに向けて作業を進めていたが、打上げ時刻の約19秒前に打上げを中止した。

 【打上げ中止の経緯】

 ① 13時45分00秒の打上げに向け、打上げ時刻の70秒前に自動カウントダウンシーケンスを開始した。
 ② 打上げ20秒前に地上装置(LCS)からの信号でロケットの搭載計算機(OBC)を起動。1秒後にOBCがロケットの姿勢計算を開始した。
 ③ LCSでは打上げ19秒前から姿勢データの監視を開始したが、ロール姿勢異常を検知して自動停止した。

 【現時点での原因】

 現時点で判明している原因は以下のとおりである。今後、さらに詳細な原因究明を行う。
 ①地上装置による監視が、搭載計算機の姿勢計算開始より約0.07秒早かったため、地上装置が姿勢異常と判定し、自動停止した。
 ②異常データが示された場合に即座に自動停止がかけられるように監視時間を厳しく設定していたことに加え、搭載計算機と地上装置の時間のずれに配慮できていなかったことが原因。
 ③8月20、21日に実施したリハーサルでは、打上げ18秒前までのカウントダウンシーケンスを流してシステム全体の確認を実施したが、本件については以下の理由により検出することが出来なかった。
 8/20のリハーサルでは、初めてロケットを搭載した状態でランチャ旋回を実施して、姿勢データを取得した。その結果、地上装置の監視設定値が適切ではないことが判明したため、自動停止項目から除外した。
 8/21のリハーサルでは、監視設定値を適切に変更したが、天候不良によりランチャ旋回を行わず、カウントダウンシーケンスを模擬した。
 ④リハーサル終了後に、取得データの評価により監視設定値の妥当性を確認したが、約0.07秒の微小なずれまでには思いが至らなかった。

 【対応状況】

 本事象への対策として、搭載計算機と地上装置の時間のずれを考慮した監視時間に変更する方向で検討を行う。併せて、今回の事象を踏まえ、次回の打上げに向けて万全を期すために、信頼性統括を長とする独立点検チームを結成し、打上げ準備状況の徹底的な再点検を行っている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする