JAZZ最中

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上質グローバル・ポップス SEVEN SEAS / AVISHAI COHEN

2011-03-08 22:27:41 | 聞いてますCDおすすめ


アヴィシャイ・コーエンのピアノ・トリオのアルバム「Gently Disturbed」は結構気に入っていて、というよりそれ以前からのアヴィシャイの流れは気に入っていました。
そうしたら、前作はVocal中心ということを知りパスしたのでした。
ショップにいったら新しいのだろうアヴィシャイの名前はありますが内容はわかりません。ケース外観からはメンバーもわからないし、でも2作続いてはないだろうと購入しました。
あけてみてもメンバーわかりづらく、でも聴けばいいだけです。
前作がどのような作風だったかわかりませんが、牧歌的ピアノリズムからコーラスを入れながらのスタートは、ちょっとアンヴィエントな雰囲気も加わっています。
2曲目、ピアノはクラシックみたいなアルべジオバックに、民族的なメロディーをOUDが弾くのでしょう、vocalと重なると、コーエンが自分のアルバムでは基本にしている民族性を感じます。そこで演奏される短いベース・ソロはうなずきをしてしまう、コーエンらしさなのです。
3曲目がタイトル曲、ピアノを弾くShai Maestroってトリオのアルバムでも弾いていましたが、これが化けてきました。とても角をもった切れを示しだして、4曲目バッキングしていても、その切れが気持ちよく伝わります。
4曲目ではソプラノ・サックスのソロがJAZZ風味を出しますが、全体的にはとても上質なPOPではないでしょうか。まるでJAZZなどという範疇にはとらわれない、イスラエルの土地も大切にしながら、ブルックリンの風が吹いて、昔知っている音まで加わったような、コーエンだから出来るのような世界なのです。
POPみたいに聴いていることが出来ます、6曲目オリエンタルのPOPがラジオから流れているような感じさえ持ちますが、ホーンのセクションが入れば、“シカゴ”とかのブラス・ロックが加わってきて、これって幸せな方の世界が渦を巻いて合わさったような世界です。
8曲目はピアノ・トリオにオーボエみたいな(ソプラノでしょうが)アンサンブルが加わった落ち着いた形ではじまる曲、私ジャケットを見ながらアルバムタイトルは「Seven Seas」ですがなんだか山を思い浮かべてしまいました。
そしてその連想につらなるのが“シオンの山”9曲目イスラエルの人が理想とする様なところ、シオンをメンバー一丸になって演奏しているように感じます。(ここでもピアニスト注目です。)
9曲目は民族的vocalが軽やかに流れて終わります。
前作のvocalがどのようなのかわかりませんが、ここコーエンが作っている音楽は、JAZZとかの枠は関係ない、ジャケで遠く地中海に立っているようなかんじ、自分の風土とそこからの音楽空間をすべて織り交ぜたような、小説のような作品です。
ただその作品は、なんとも普遍的な哀愁と美しさを持っているのです。
コーエンがJAZZの枠から超えているところあるにしても、アルバムの演奏でのベースの響きは確固たる実力です。そこにこのような枠を超える力、これJAZZに規定することなく上質なPOP(音楽)です。


SEVEN SEAS / AVISHAI COHEN

Avishai Cohen(Vo, B, P)
Karen Malka(Vo)
Shai Maestro(P)
Amos Hoffman(Oud, El-G)
Itamar Doari(Per, Vo)
Jenny Nilsson(Vo)
Jimmy Greene(Ss, Ts)
Lars Nilsson(Flh), Bjorn Samuelsson(Tb), Bjorn Bholin(English Horn)
Rec. September and October, 2010, Sweden
(Emi France-Blue Note 9495492)

1. Dreaming (Avishai Cohen)
2. About a tree(Mark Warshavsky)
3. Seven seas (Avishai Cohen)
4. Halah (Avishai Cohen)
5. Staav (Avishai Cohen)
6. Ani Aff(Avishai Cohen)
7. Worksong (Avishai Cohen)
8. Hayo Hayta(Avishai Cohen)
9. Two roses(Mordechai Ze'ira)
10. Tres hermanicas eran(Traditional Ladino)


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4 コメント

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タイトルが素敵です (マ-リン)
2011-03-09 00:08:29

ジャケットを見ると ほんと山のように見えますね。波なのかな?!

どちらにしても
紹介文を読んでいると 聴いてみたくなります。
あちら こちらで 素敵なアルバムを紹介してらして たくさんメモしてます(笑)
返信する
ありがとうございます (monaka)
2011-03-09 17:43:52
マーリンさん、こんにちはmonakaです。
褒めていただいてありがとう。とても嬉しいです。というのもタイトル付けることが記事の中心みたいな感覚があって、タイトルがスッと決まったものは記事も読みやすいはずです。
現役ピアニスト名鑑の公開を始めます。記事ともつなげておきますので、面白そうなやつは辿ってくださいね。
返信する
Unknown (criss)
2011-06-16 19:24:35
monakaさん、こんばんわ。
monakaさんの如何にも好きそうな曲が並んでますよね。
この手の作品は好き嫌いがありますからねぇ。
僕は大好きですが。

続けて聴いていると気持ち悪くなりますが、たまに聴きたくなるアルバムですよね。
前作も似ていますが、曲は今回の方がよくできていると思いますよ。
ということで、こちらからもTBさせていただきます。
返信する
今日聞きます (monaka)
2011-06-16 21:49:36
criaaさん、こんにちはmonakaです。
アヴィシャイが独自の音楽を貫いている事に、JAZZとその周辺を生きるものが、独自性を維持できる事をしめしているみたいで、凄く応援しています。
音楽がそのパーフォーマーごとに全て個性とそて存在できる事を願っています。
TBありがとうございました。
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