Mette Henrietteと出会ったのは2016年でもう7年がたった。彼女の名前を冠したECMデヴュー作は2枚組、まるで聖職者のようにストイックにサックスに接しているように感じた。
「Mette Henriette」
次はどんなあアルバムなのだろうと楽しみにしたのだけれど、次がなかなかでない。まだかまだかと思っているうちに7年がたったら、やっと出たということで見逃さないでよかった。
デヴュー作はピアノ、チェロとのトリオと弦楽の多いアンサンブルの組み合わせで、トリオの方が彼女の要素、アンサンブルがその展開のような形だったが、今回のアルバム、そのトリオの方と同じメンバのトリオだった。
全15曲でこれも前作と同じ。やはり彼女がとらえる世界が出来上がっていて、ものトーンの不可思議な部屋に迷い込んだような感覚になる。その部屋には15の抽象的な現代彫刻がおかれ、こちらはそれを眺めていくというようだ。全曲彼女の作品、ある意味統一された色彩で作られている。サックスの音色の方は、しっかりと研鑽をつんっだことを感じる。わあたしは日本のクラシック・サックス・プレーヤーの上野耕平の音を想い浮かべた。
アート的なものは苦手という人には受けないかもしれないけれど、世界はいろいろに見えるものだと思う。
前作ではアンサンブルの方が刺激的で、どちらかというとそちらにおどろいたので、ぜひ次は何年もたたないうちに、アンサンブルの演奏を出して欲しい。
Drifting / Mette Henriette
Mette Henriette(ts, composition)
Johan Lindvall(p)
Judith Hamann(violoncello)
1.The 7th
2.Across the floor
3.I villvind
4.Cadat
5.Chasse
6.Drifting
7.Oversoar
8.Rue du Renaud
9.Indrifting You
10.A Choo
11.Shedda, Fas