JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

あなたが裁く! 「罪と罰」から「1Q84」まで  森 炎 著

2014-09-21 14:16:23 | 


図書館で司法関係の棚は昔はもっと見ていたけれど、しばらくご無沙汰していたから面白そうだと思う本を見つけた。

小説と映画を題材にしてそのストーリーからそれが刑事裁判としてなっとくできるかを解説した読み物です。書いているのが元裁判官の弁護士、森 炎という人だから、説明も的確なものだと思う。
ただ広く刑事事件の判定をわかるように(裁判員制度の啓蒙の為)することが本来の目的のようで、ちょっと堅いところが残念だけれど、これを冗談にしちゃうと目的がかなわなくなってしまうのだろう。

「ウエスト・サイド物語」に始まって「1Q84」24の事件が題材で、殺人事件がおもなので、死刑についての判定などが主になっている。
エミール・ゾラの「テレーズ・ラカン」やレマルクの「凱旋門」などのなじみないものや、ジョージ・スティーヴンスの映画「陽のあたる場所」なんか一寸古いのがあるけれど見たことあるものは話を思い出す。
スピルスバーグのデヴュー作「激突」のエンド、はどれくらいの罪なのかとか、リチャード・キンブルで有名な「逃亡者」はモデルとなるサム・シェパード冤罪事件というのがあって、妻殺しの冤罪がどうして起こったのか、冤罪を防ぐにはとか解説は興味深い。

カミュの「異邦人」の主人公ムルソーが死刑になったけれど、そりゃないぜとか、東野圭吾の「容疑者Xの献身」は実に迷惑な献身だよな、なんてちょっと軽めに読みました。
コメント
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