昨日の朝日新聞夕刊に、「凄腕つとめにん HOYA開発部 フェロー 木谷明さん 自前の遠近両用レンズ、時を忘れ研究」という記事がありました。
さまざまな分野で、卓越した仕事をしている方を紹介するコーナーです。
木谷明さんは、めがねレンズの開発にたずさわってきました。
1946年に、樺太で生まれ、富山で育ち、鉄腕アトムの科学の世界にあこがれて東京理科大学に進学します。
大学で物理を学び、光学の世界へ進みます。
眼鏡メーカー「HOYA」に就職しました。
当時、遠近両用めがね用で境目がない「累進レンズ」は、フランスからの輸入品でした。
夏になると、フランスの会社は休暇に入り、必要な数のレンズが届かなくなります。
年々、価格も上がってきました。
「自前で開発したい」と言うと、「面倒なことをやりたがる新人が来た」と話題になりました。
「なんとか開発したい」と、1人で研究を始めました。
外国語を直訳したような特許文献が唯一のてがかりです。
10年近く、100本以上のプログラムを組み合わせ、複雑なソフトの開発に取り組みました。
パズルを解くように夢中になり、時間のたつのも忘れました。
1987年、累進レンズの発売を開始します。
価格は、フランス製の半分です。
予想した量の3倍の注文が来ました。
訪れた眼科で、「最近は安くて良い老眼鏡が出たのでありがたい」というおばあさんと医師との会話が聞こえてきました。
自分の仕事が評価されたようで、嬉しくなりました。
孤独な開発作業を、つらいと思ったことはありません。
若い頃、「君は趣味で仕事をしている」と工場長に言われ、「ありがとうございます」と頭を下げると、「褒めていない」としかられました。
レンズの世界は、激しい開発競争の世界です。
開発途中に、他社に先を越されたときもあります。
他社製品を徹底的に研究し、独自の技術を開発し、ユレやゆがみを大幅に減らすレンズを設計しました。
そのレンズで、「眼鏡界のアカデミー賞」と言われるフランスのシルモドール賞を受賞しました。
「人間は脳でものを見ています。目に入る光の計算だけで、いい眼鏡が作れない」
設計者として200種類以上のレンズを生み出してきました。
今年9月に定年退職になりましたが、技術力を請われ、再雇用されました。
視力は1.0です。
8年前に、手元の本を見ようとして、顔を遠ざけたのに気がつきました。
開発した遠近両用めがねをかけてみると、便利と感じ、驚きました。
「自分だけは老眼にならないと、根拠のない自信がありました。でも、いいレンズを作るには、早く老眼にならなきゃね」
--------------------
1つのことに集中して開発、研究される姿は、かっこいいと感じます。
「アイデアは、寝る前や移動中、トイレの中でひらめくことが多い。毎晩、枕元にはメモ帳と鉛筆を忘れない」と、記事にありました。
さまざまな分野で、卓越した仕事をしている方を紹介するコーナーです。
木谷明さんは、めがねレンズの開発にたずさわってきました。
1946年に、樺太で生まれ、富山で育ち、鉄腕アトムの科学の世界にあこがれて東京理科大学に進学します。
大学で物理を学び、光学の世界へ進みます。
眼鏡メーカー「HOYA」に就職しました。
当時、遠近両用めがね用で境目がない「累進レンズ」は、フランスからの輸入品でした。
夏になると、フランスの会社は休暇に入り、必要な数のレンズが届かなくなります。
年々、価格も上がってきました。
「自前で開発したい」と言うと、「面倒なことをやりたがる新人が来た」と話題になりました。
「なんとか開発したい」と、1人で研究を始めました。
外国語を直訳したような特許文献が唯一のてがかりです。
10年近く、100本以上のプログラムを組み合わせ、複雑なソフトの開発に取り組みました。
パズルを解くように夢中になり、時間のたつのも忘れました。
1987年、累進レンズの発売を開始します。
価格は、フランス製の半分です。
予想した量の3倍の注文が来ました。
訪れた眼科で、「最近は安くて良い老眼鏡が出たのでありがたい」というおばあさんと医師との会話が聞こえてきました。
自分の仕事が評価されたようで、嬉しくなりました。
孤独な開発作業を、つらいと思ったことはありません。
若い頃、「君は趣味で仕事をしている」と工場長に言われ、「ありがとうございます」と頭を下げると、「褒めていない」としかられました。
レンズの世界は、激しい開発競争の世界です。
開発途中に、他社に先を越されたときもあります。
他社製品を徹底的に研究し、独自の技術を開発し、ユレやゆがみを大幅に減らすレンズを設計しました。
そのレンズで、「眼鏡界のアカデミー賞」と言われるフランスのシルモドール賞を受賞しました。
「人間は脳でものを見ています。目に入る光の計算だけで、いい眼鏡が作れない」
設計者として200種類以上のレンズを生み出してきました。
今年9月に定年退職になりましたが、技術力を請われ、再雇用されました。
視力は1.0です。
8年前に、手元の本を見ようとして、顔を遠ざけたのに気がつきました。
開発した遠近両用めがねをかけてみると、便利と感じ、驚きました。
「自分だけは老眼にならないと、根拠のない自信がありました。でも、いいレンズを作るには、早く老眼にならなきゃね」
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1つのことに集中して開発、研究される姿は、かっこいいと感じます。
「アイデアは、寝る前や移動中、トイレの中でひらめくことが多い。毎晩、枕元にはメモ帳と鉛筆を忘れない」と、記事にありました。