昨日の朝日新聞に、「おやじのせなか 水谷修さん 「いいんだよ」に感謝」という記事がありました。
「夜回り先生」として知られる水谷修さんは、実父は知らないものの、大学の教授の人柄で、「信頼する」ことが分かったのだそうです。
水谷さんのご両親は、水谷さんが3歳のときに離婚し、お母さんはお父さんの写真を全部処分し、話もしてくれなかったので、お父さんの顔も名前も知らずに育ちました。
お父さんに捨てられたと憎んでいました。
お母さんは横浜で先生をしていましたが、1人では育てることができなかったので、山形県の祖父母の家に、小学校6年生まで預けられました。
外で、父親と子どもが手をつないでいるのを見ると、その手を引き離したくなったそうです。
「おやじを憎む半面、その代わりも求めていました。上智大学の学生時代に出会ったのが、文学部哲学科の教授だった渡辺秀先生です」
水谷さんは、1975年に大学に入ってすぐ、ドイツに留学し、欧州を放浪して2年ほどで帰国しました。
もう大学の籍もないだろうと夜の街で遊びほうけていました。
ある日、自宅に電話すると、「待っている人がいらっしゃるから、すぐ帰ってきなさい」と言われました。
朝4時頃に帰り、自分の部屋に入ると、スーツ姿で布団で寝ている人がいます。
男性は、むくっと起き上がって、「おかえり。大学に戻っていらっしゃい」と言ってまた寝てしましました。
それが渡辺先生でした。
水谷さんは、中学、高校時代は70年安保闘争の時代で、大人はみな敵だと思っていました。
でも、渡辺先生の一言を聞いて、待ってくれている人がいると心にしみました。
初めて信頼できる大人に会えた気がしました。
それから、渡辺先生の授業をすべて受け、先生の研究室でコーヒーを入れる係をし、先生と哲学をはじめたくさんの話をしました。
先生は、生き方学問について指示されたことはなかったそうです。
水谷さんが無断でニーチェの研究を始めたときも、受け入れてくれました。
「いいんだよ」と一番言ってくれた人でした。
水谷さんは、今も、週1、2回、街に「夜回り」に出て、ドラッグや売春に走らないよう、子どもたちに話しかけていらっしゃいます。
「どんな子であれ、決してしかりません。じっと話を聞いて、「いいんだよ」と受け入れ、いいところを褒めます。渡辺先生という「おやじ」から学んだことです」
-----------
若者は、認められることが嬉しいのではと思います。
最初に、「こうあるべき」という姿を決めるより、渡辺先生や水谷さんのように、まず、「いいんだよ」と受け入れる寛容さも必要なのではと感じました。
「夜回り先生」として知られる水谷修さんは、実父は知らないものの、大学の教授の人柄で、「信頼する」ことが分かったのだそうです。
水谷さんのご両親は、水谷さんが3歳のときに離婚し、お母さんはお父さんの写真を全部処分し、話もしてくれなかったので、お父さんの顔も名前も知らずに育ちました。
お父さんに捨てられたと憎んでいました。
お母さんは横浜で先生をしていましたが、1人では育てることができなかったので、山形県の祖父母の家に、小学校6年生まで預けられました。
外で、父親と子どもが手をつないでいるのを見ると、その手を引き離したくなったそうです。
「おやじを憎む半面、その代わりも求めていました。上智大学の学生時代に出会ったのが、文学部哲学科の教授だった渡辺秀先生です」
水谷さんは、1975年に大学に入ってすぐ、ドイツに留学し、欧州を放浪して2年ほどで帰国しました。
もう大学の籍もないだろうと夜の街で遊びほうけていました。
ある日、自宅に電話すると、「待っている人がいらっしゃるから、すぐ帰ってきなさい」と言われました。
朝4時頃に帰り、自分の部屋に入ると、スーツ姿で布団で寝ている人がいます。
男性は、むくっと起き上がって、「おかえり。大学に戻っていらっしゃい」と言ってまた寝てしましました。
それが渡辺先生でした。
水谷さんは、中学、高校時代は70年安保闘争の時代で、大人はみな敵だと思っていました。
でも、渡辺先生の一言を聞いて、待ってくれている人がいると心にしみました。
初めて信頼できる大人に会えた気がしました。
それから、渡辺先生の授業をすべて受け、先生の研究室でコーヒーを入れる係をし、先生と哲学をはじめたくさんの話をしました。
先生は、生き方学問について指示されたことはなかったそうです。
水谷さんが無断でニーチェの研究を始めたときも、受け入れてくれました。
「いいんだよ」と一番言ってくれた人でした。
水谷さんは、今も、週1、2回、街に「夜回り」に出て、ドラッグや売春に走らないよう、子どもたちに話しかけていらっしゃいます。
「どんな子であれ、決してしかりません。じっと話を聞いて、「いいんだよ」と受け入れ、いいところを褒めます。渡辺先生という「おやじ」から学んだことです」
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若者は、認められることが嬉しいのではと思います。
最初に、「こうあるべき」という姿を決めるより、渡辺先生や水谷さんのように、まず、「いいんだよ」と受け入れる寛容さも必要なのではと感じました。