ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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Tedeschi Trucks Band @東京ドームシティホール

2019-06-17 08:09:34 | フェス、イベント
6月15日、東京ドームシティホールにて、テデスキ・トラックス・バンドを観てまいりました!

最新作「SIGNS」を引っさげて、3年ぶりの来日となった今回のツアー「SIGNS 2019 TOUR」。6月11日の大阪公演から始まり、東京は6月14日から週末3連チャン。私が見たのはその中日でした。

ほぼ定刻、拍手喝采に包まれるなか、メンバー達が登場。ドラム×2、ホーン×3、コーラス×3、キーボード、ベースという大所帯。中央にはエメラルドグリーンのようなワンピースが眩しいスーザン・テデスキ。膝上のミニ、胸元もセクシーな流石はスーザン姐さん!!その向かって左隣にデレク・トラックス。こちらは髪を後ろで結い、黒系の地味な出で立ち。いかにもデレクらしい。

まるでウォーミングアップのように緩く始まったその耳慣れた下降するコードはいきなりデレク&ドミノスの「Anyday」。挨拶代わりのようにデレクのスライドが絡む。もう、この時点でTTB最高だな!って感激しちゃいましたね。そしてジワジワとギアを上げていき、バーン!!とあのリフへ傾れ込む。一気にホーンやオルガンが爆発。さあ、南部の宴の始まりです。歌うはマイク・マティソン。第一声がスーザン・テデスキでは無かったのは意外でしたが、そもそもマイクはデレク・トラックス・バンド時代のリード・シンガーだった人ですからね、古くからのファンには嬉しい始まり方でしたね。もちろん途中からスーザンも歌う。サビの高揚感と2人のめちゃくちゃソウルフルな歌声に、グイグイ引き込まれていく。そしてデレクのギターが唸りを上げる!天翔るスライド!のっけから強力!!ツイン・ドラムを中心にしたふくよかなリズムも最高!!

ホーン隊が絡む後半のファンキー・ジャムに大興奮だった「Laugh About It」、カントリー・テイストと交差するゴスペル・フレイヴァーが滲みる「Hard Case」、ムーディーな「Don't Drift Away」など、芳醇なグルーヴと、ソウルフルなフィーリング溢れる演奏に、序盤から悶絶必至。スーザンの力強くもハスキーな歌声にも痺れまくり!!

そして再びマイク・マティソンがフィーチャーされての「Get What You Deserve」ですよ!デレク・トラックス・バンド時代からのレパートリーで、まるで古いデルタ・ブルースのようなステイルですが、デレクとマイク、そして盟友ドイル・ブラムホールIIによる共作曲。デレクのミシシッピ・スタイルのスライドがギンギンに炸裂!そしてマイク・マティソンが吠える!!

教会のようなオルガン・ソロに導かれるように始まった「Sweet Inspiration」。ダン・ペン&スプーナー・オールダム作のスワンプ名曲ですが、彼らのライヴを3月に観たばかりでしたので、ここに南部コネクションが繋がった感じがして、嬉しかったですね〜。コーラス隊のふくよかなハーモニーと、後半のソウルフルな掛け合いが最高でした。女性シンガーさん、良い声してましたね〜。

さらにオールマン・ブラザーズ・バンドの「Don't Keep Me Wonderin'」。これは先日亡くなられたコフィ・バーブリッジに替わって鍵盤を任されるゲイブ・ディクソンがリード・ヴォーカル。彼が若きグレック・オールマンのような瑞々しい歌声を聴かせてくれたのも印象的でしたが、何と言っても全編で炸裂するデレクのスライドですよ!今回のライヴは、本当にスライド三昧でした。これまでのライヴでは、スーザンがもっとギター・ソロを弾いていたり、デレクが弾いてもスライドを使わない曲が案外多かったりとかあったのですが、今回は、ほとんどの曲でたっぷりとスライド・ソロを弾いてくれました。そのフィーリングというか、フレージングも相変わらず神懸かってましたし、ぶっとい鳴りの音色がまた最高でしたね。なんて言いますか、ノイズの乗りに痺れました! そんなデレクの神懸かりスライドの中でもこの曲は特に格別でした。南部印でしたし。そりゃあ、オールマンですからね!!

ステージ後半で印象的だったのがスローブルース「How Blue Can You Get?」。BBキングですよ!! スーザンの力強いヴォーカルに痺れましたね。そしてギターソロ。イントロのギターソロはデレクが弾いて、中間のギターソロをスーザンが弾く。デレクの弾くブルースは彼らしくしなやかで流麗、一方のスーザンの方が無骨でプリミティヴなブルースフィーリングを感じさせてくれたりして、盛り上がりました。スーザン入魂のブルース、凄く良かったです!

そして本編ラストは「Idle Wind」。サイケっぽい雰囲気の曲ですが、ライヴでは長尺化され、まさにこの日のハイライトでした。本来ならコフィのフルートが入るんですけど、それが聴けないのがとても残念でしたが、何となくその鎮魂のようにも聞こえたスピリチュアルな演奏。中でもデレクの異国情緒漂うエギゾチックなフレージングによる、ジワジワと上げていくスライド・ギター・ソロが圧巻でしたね。まるで何処までも高く飛翔していくような。これそデレク・トラックス!!破格の高揚感にまさに昇天でした。そしてタイラー・グリーンウェル&J.J.ジョンソンによるツイン・ドラム・ソロへ。これぞジャム・バンドの真骨頂ですね。ホント、最高でした!!!

鳴り止まない拍手にアンコール。曲は「Shame」。最新作からの曲で、ホーン・リフが格好良い曲。そして待ってましたの「Space Captain」。ジョー・コッカーのスワンプ・ロック。大好きな曲です。終盤はケビ・ウィリアムズのフリーキーなサックス・ソロからデレクのスライドとエリザベス・レアのトロンボーンとの掛け合いソロがあったりと、ジャム的展開に。いやもうホント、このまま終わらないで欲しい〜!!って思いましたけど、そういう訳にも行かない訳で。

およそ2時間弱、これぞライヴ演奏!という圧巻のステージでしたね。まさに現行最高峰のライヴ・バンドですよ!また次の来日を楽しみにしています。



この日のセットリストは以下のような感じだったかな?

6月15日(土) 東京ドームシティホール
01. Anyday
02. Laugh About It
03. Hard Case
04. Don't Drift Away
05. Get What You Deserve
06. I'm Gonna Be There
07. Sweet Inspiration
08. Don't Keep Me Wonderin'
09. Let Me Get By
10. Just As Strange
11. How Blue Can You Get?
12. Idle Wind
Encore
13. Shame
14. Space Captain

既に記憶が曖昧ですので、間違っていましたらごめんなさいね。





ちなみに、その前の3公演のセットリストをネットから拾ってみましたところ、以下のような感じだったようです。


6月11日(火)大阪 あましんアルカイックホール
01. Shame
02. Part of Me
03. Don’t Know What It Means
04. The Letter (The Box Tops / Joe Cocker cover)
05. Down in the Flood (Bob Dylan cover)
06. Somebody Pick Up My Pieces (Willie Nelson cover)
07. High & Mighty
08. Laugh About It
09. Hard Case
10. Get Out of My Life, Woman (Allen Toussaint cover)
11. Midnight in Harlem
12. I Want More
13. How Blue Can You Get? (B.B.King cover)
Encore
14.Bound for Glory

やっぱりカヴァーに目がいきますが、ボブ・ディランにウィリー・ネルソンですか!?


6月12日(水)名古屋 Zepp Nagoya
01. Signs, High Times
02. Do I Look Worried
03. I'm Gonna Be There
04. When Will I Begin
05. Keep On Growing(Derek and the Dominos cover)
06. All the World
07. Leaving Trunk(Sleepy John Estes cover)
08. The Sky Is Crying(Elmore James cover)
09. I Walk on Guilded Splinters(Dr. John cover)
10. Let Me Get By
11. Show Me(Joe Tex cover)
Encore:
12. Don't Keep Me Wonderin'(The Allman Brothers Band cover)
13. Made Up Mind

この日は7〜8の3連チャンが凄い!そして本編ラストの「Show Me」ですよ。これもライヴならではの展開が期待出来る曲なので、生で聴きたかったですね〜。



6月14日(金)東京 東京ドームシティホール
01. Signs, High Times
02. Do I Look Worried
03. Don't Know What It Means
04. The Letter (The Box Tops / Joe Cocker cover)
05. Down in the Flood (Bob Dylan cover)
06. Somebody Pick Up My Pieces (Willie Nelson cover)
07. High & Mighty
08. Part of Me
09. Shame
10. Midnight in Harlem
11. I Pity the Fool (Bobby “Blue” Bland cover)
12. I Want More
Encore
13. Statesboro Blues (Blind Willie McTell cover) (with Don Was)
14. Made Up Mind

東京初日のこの日は何と言ってもデュアン・オールマンの名演で知られる「Statesboro Blues」に、来日中だったドン・ウォズがベースで参加というサプライズ。今回の来日ツアーを通じて、これがハイライトだったでしょうね。観たかった〜!!





いやはや、ステージごとにこれだけセットリストが違うんですから、流石としか言いようがありませんね。私は1ステージしか観れませんでしたが、複数回観てこそ、本当のTTBの凄さが分かるのかもしれません。次回は是非、2回、3回、観に行ってみたいものです。


さて、6月16日のツアー最終日はどんな感じだったのでしょうか?セットリストが分かりましたら、また比べてみたいと思います。