ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

ドクター・ジョン 安らかに

2019-06-07 23:33:42 | ニューオーリンズ
6月6日、ニューオーリンズ・ミュージックの象徴的存在、ドクター・ジョンが亡くなられました。77歳でした。

最近は、ライヴはもちろん公の場に姿を現すことが無く、体調が心配されていただけに、訃報の覚悟はしていたとは言え、やはりその喪失感は計り知れません。

ドクター・ジョンの「GUMBO」でニューオーリンズ音楽の洗礼を受けたという人は数えきれない程いらっしゃるでしょう。かく言う私もその一人な訳ですから。

「GUMBO」でセカンドラインのリズムに目覚め、「GRIS-GRIS」でヴードゥーの妖しさに洗脳されたのです。


実はこれらの作品、故郷ニューオーリンズに帰れなかったドクター・ジョンが、変わりゆくかの地を悲しく思い、音楽やコンセプトを通じ、一部だけでも残しておきたいという思いで制作された作品だとか。

ドクター・ジョンのその思いは、ニューオーリンズも、その土地の音楽も知らない我々にも、色々なことを教えてくれました。

街や音楽は、時と共に進歩し変わっていくものです。だからこそ驚きに溢れ、新鮮味を感じさせてくれるのでしょう。ですが同時に失われるものも多く、寂しくもあります。

ドクター・ジョンが亡くなられ、また一つ、とても大きな、ニューオーリンズの音楽が失われてしまったように思います。残念でなりません。

でもきっと、彼の長い音楽人生は、色々なところに種を蒔いていることでしょう。


ドクター・ジョンさん、これまで沢山の素晴らしい演奏を、ありがとうございました。

安らかに。