ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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ダイアナ・ロス@日本武道館

2015-01-09 19:30:49 | ソウル、ファンク
1月7日、日本武道館にてダイアナ・ロスを観てまいりました!!

1曲目「I'm Coming Out」のイントロが鳴ると同時に、まだそのステージに姿を現していないダイアナ・ロスの声、「アイム、カミ~ン♪」と歌うその声が響き渡り、驚くほど昔のままの、ラヴリーでスイートなその歌声に、あ~、本物のダイアナ・ロスがやってきた!と早くも昇天気味の私。そしてステージに登場したダイアナは、まさにソウルの女神でした!!


正直な話、今回のダイアナ・ロスの来日公演が発表されたとき、我が目を疑う程驚きました。私はスプリームス時代からソロ時代も含めてダイアナ・ロスが大好きではありますが、恥ずかしながら近年の彼女の活動状況に付いてはまったく追いかけていなかったのです。ある意味、現役を引退しているような状態と勝手に思い込んでいたのです。なので今回の来日は私にとってまさに寝耳に水のサプライズであり、それと同時に現在のダイアナ・ロスってどうなの?っていう、なにせ70歳ですからね、少々心配になったり。

昔のように明るく溌剌としたダイアナ・ロスではないでしょうし、声も変わってしまったかもしれません。選曲もバラード中心のアダルトなしっとりとした感じになるのかな?なんて思ったり、その他もろもろの覚悟をして私はコンサートに臨んだのです。

ですが、蓋を開けてみれば、ダイアナ・ロスの若々しいこと!!


まずその変わらない歌声に驚きました。甘くセクシーでチャーミングなあの歌声。まさしくダイアナ・ロスです!とても70歳の声には聴こえません。笑顔を絶やさず茶目っ気のある仕草もまさにダイアナ・ロス。屈指のダンスナンバー「I'm Coming Out」から始まり、序盤から「My World is Empty Without Me」、「Baby Love」、「Stop! In the Name of Love」、「You Can't Hurry Up」、「Love Child」とスプリームス時代の名曲を立て続けに披露。私も立ち上がって踊りながら楽しみました。「Stop! In the Name of Love」ではあのお決まりの「Stop!」のポーズを一緒にやりましたし、そして何と言っても「You Can't Hurry Up」。私この曲大好きなんです。まさかダイアナの生歌で聴ける時が来ようとは!あのリズムとあの歌声、まさに60年代にタイムスリップですよ!。もちろん昔のように歌えない部分もあったでしょう。ですがそれが気にならない程、エヴァーグリーンな名曲とダイアナの歌声は、完全無欠の魅力を誇っているのです。

もちろん曲とダイアナだけではなく、それを支えるバックバンドも素晴らしかったです。ギター、ベース、ドラムス、パーカッション、キーボード、さらにホーン隊とコーラス隊が付く大所帯。ふくよか且つキレのあるグルーヴと、華やかでありながら味わい深いサウンドで、ダイアナ・ロスの華麗な音楽絵巻を彩っていました。

そして中盤からは「The Boss」、「Touch Me in the Morning」、「Upside Down」、「Love Hangover」とソロ時代の名曲オンパレード。個人的は「The Boss」が嬉しかったですね。もうイントロが聞こえた瞬間に、まさにキター!!って感じで、目がうるうるしちゃいました。そして爽快なダイアナの歌声!ホント参りました。

さらに「Love Hangover」からほぼ切れ目なしに「Take Me Higher」、「Ease on Down the Road」と続く。アップテンポなダンスナンバー攻勢にもうほとんど武道館が巨大ディスコのような雰囲気に。しかしオープニング以降、これほどまでにアップテンポの曲を連発してくるとは想像だにしていなかったので本当に驚きました。そして嬉しかったですね!これぞダイアナ・ロスですよ!

それにしてもまさか「Ease on Down the Road」をやるとは思いませんでした。この曲はダイアナ・ロスが主演した映画「ウィズ」からの曲。この映画は黒人版「オズの魔法使い」でマイケル・ジャクソンも出演していたんですが、商業的には失敗作だったんですよね。で、この曲はダイアナとマイケルのデュエットでシングル・カットされたんですけど、まさかライヴで聴けるとは思いませんでした。しかもこれがもの凄くライヴ映えしまして、やたら盛り上がってました。あらためてこの曲、好きになりましたね!

もちろんダイアナ・ロス主演で大成功した映画もあります。その代表作は「ビリー・ホリデイ物語」。この日のステージでもビリー・ホリデイの「Don't Explane」を歌ってくれました。ダイアナ・ロスが歌う、ジャジーなブルースもまた格別に良いんですよね~。これにはうっとりでした。

そしてビターなブルースの後はダイアナのキャンディー・ヴォイスがポップに躍動する「Why Do Fools Fall in Love」。この展開も見事でしたね。この辺りはカヴァー曲が続いたんですけど、なんでも歌いこなす彼女の歌の上手さもまったくもって衰え知らず。ダスティ・スプリングフィールドの「The Look of Love」もしっとりとして素晴らしかったです。

そしていよいよ終盤。大ヒット曲「Theme from Mahogany (Do You Know Where You're Going To)」。やはりこれは名曲ですね。麗しいダイアナの歌声も最高。しかも最後はめくるめく展開から「Ain't No Mountain High Enough」へ繋がるというミラクル!うわ~!!って感じ。 正直、この曲に関しては、私はマーヴィン&タミーの方が好きなんですけど、流石にライヴでこれ聴くと感動しますね。このドラマチックな展開と、ダイアナのエモーショナルな歌声と語りにもう身も心も奪われまくりでした。

最後は「I Will Survive」。まさにライヴのためにあるような曲。熱い熱い演奏。ダイアナ・ロスの仕切りでバック・バンドのメンバーが次々にソロを回していき、盛り上がりも最絶頂を迎えて華々しく終了。まさに天晴なステージでした。

いや、もちろんこれで終わりではありません。アンコールに応え「If We Hold on Together」。やっぱりこれやらないとね。良い曲ですよね~。途中、観客席から自然な合唱がおこり、それに気がついたのか、ダイアナがマイクを客席に向けて嬉しそうにしているのも印象的でした。この曲をダイアナと一緒に歌えるなんて、感無量ですよね。しかしそんな感慨に耽っている間もなく、終わると同時に「I Will Survive」へ戻り、否応無しに盛り上がり、歓喜のうちに終了。

しかし拍手が鳴り止まない。再び戻ってきたダイアナを観客総立ちで迎える。そして「Reach Out and Touch (Somebody's Hands)」。あ~、まだこの曲があったか!最後の最後まで名曲が続く。ここでダイアナがステージから観客席に降りるというサプライズも。そして日本の観客達にお礼の言葉。英語なのでよく分からなくても感動的でした。最後に「See You Next Time!」って言ってたと思います。そしてまたしても「I Will Survive」に突入するという、ブラックミュージックならではの濃い展開に思わずニンマリ。

そして終わったあと時計を見てびっくり。1時間30分ぐらいしかやってないんです。確かにあっという間ではありましたけど、その充実度、満足度はまるで3時間ぐらいのライヴを観たような濃厚さでした。アンコール含めて21曲。ほとんどMCも無しに凝縮された1時間30分。この間、ダイアナ・ロスは、赤、黄色、紫、白、黒、と4、5回もお色直しをしています。しかも着替えがまた早い。ちょっと居なくなったかと思うと、すぐに目を見張るようなドレスに着替えて出てくる。その度に観客達がどよめく感じも面白かったです。私も途中からダイアナが居なくなるたびに今度はどんな衣装で出てくるのか、楽しみになってましたから。ダイアナは歌手になる前はデザイナー志望だったそうですから、ステージ衣装にも拘りがあるんでしょうね。衣装に合わせた大きな扇子を持っていたのも印象的でした。


それにしてもダイアナ・ロス。まったくもって素晴らしい!よくぞ来日してくれました。あの歌声、あの名曲、そしてあの姿、一生忘れません!!

いや、また来てくださいね!!




この日のセットリスト↓

01. I'm Coming Out
02. More Today Than Yesterday
03. My World is Empty Without Me
04. Baby Love
05. Stop! In the Name of Love
06. You Can't Hurry Up
07. Love Child
08. The Boss
09. Touch Me in the Morning
10. Upside Down
11. Love Hangover
12.Take Me Higher
13. Ease on Down the Road
14. The Look of Love
15. Don't Explane
16. Why Do Fools Fall in Love
17. Theme from Mahogany (Do You Know Where You're Going To)
18. Ain't No Mountain High Enough
19. I Will Survive
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20. If We Hold on Together
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21. Reach Out and Touch (Somebody's Hands)