ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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フジロック・ベストアクト第4位! part2

2012-09-22 15:30:34 | フジロック
SEUN ANIKULAPO KUTI & EGYPT 80 / FROM AFRICA WITH FURY: RISE

超個人的フジロック・ベスト5。いや今年はベスト6なんですけどね。しかも第4位が3組いるという…。

という訳で、今回は第4位、その2組目。  シェウン・クティ&エジプト80!!!!

これは凄かった! なにせグリーン・ステージで真っ昼間からアフロビート2時間ですからね。普通に考えたらシェウン・クティはオレンジもしくはヘヴンのトリでしょう? 実際に09年に出演したときはオレンジのトリでした。それが今年はメイン・ステージですからね。しかも2時間。これは快挙、いや暴挙か? なにせ日高社長も「チャレンジ」と語ってましたからね。それはまだ詳しいタイムテーブルが発表される前、 テレビ朝日で放送されたフジロック特番でのこと。さらに日高社長は「最低でも2時間の枠を作る」「ひたすら踊っていられるという体験をして欲しい」とも語っていました。アフロビートがメインで2時間!?これにはたまげましたね。実際にタイムテーブルが発表されて、午後1時から3時までというシェウン・クティの枠を確認し、あらためて「フジロックって凄いな!」と感動したものですよ。だってヘッドライナーのノエル・ギャラガーより長いんですから!

さて、7月28日、土曜日の真っ昼間。フジロックのメイン・ステージに登場したシェウン・クティ&エジプト80。観客はちゃんと集まるのか?そして盛り上がるのか?そんな心配をよそに、圧巻なステージを繰り広げてくれました。シェウンは相変わらず精悍そのもの。ステージ上でしなやかに体をくねらせ、歌い、サックスを吹くその姿には黒々としたオーラがあって、何かゾクゾクさせられましたね。そしてそんな彼があのエジプト80(シェウンの父であり、アフロビートの創始者と讃えられるフェラ・クティが生前に率いたバンド)を仕切る姿には、アフロビートの継承者としての貫禄が溢れている。そして彼らの繰り出すリズムがまたエグイ! ファンキーなグルーヴがポリリズミックにうねりまくり、そこにホーン隊が絡んでくる。ドラムス、ギター、ベースなど近代的な楽器が躍動する一方で、巨大な木の幹のような大きな太鼓を馬乗りになって叩いてる人や、球体のパーカッションを持って踊りながらひたすらジャラジャラ鳴らしてる人などが、いかにもアフリカンな香りを漂わせてくる。いや最もアフリカンだったのは2名の女性ダンサーかもしれませんね!

黒い肌に派手な色柄の衣装を纏い、顔にはペインティングを施し、頭から体までジャラジャラとビーズで飾り付けられている。そんな彼女達のダンスと言えば、大半は観客に背を向けてお尻を上下に激しく振っている。しかももの凄い早さと切れ味で。これが格好良いんですよ!痺れまくりでしたね。もちろんそれだけじゃないですけどね。ちゃんと振り付けもあったりするんですが、泥臭いというか、素朴というか、原始的というか、それがまたアフリカ臭を際立たせているんですけどね。また飾り気のまったく無い“合いの手”のようなバック・コーラスも土着臭プンプンでした。

私は出来るだけ近くで観ようとモッシュピットの中で観ていたんですけど、間近で観るアフリカ軍団の迫力と言うのは半端無い。でも前の方に居ると、「グリーンステージでのアフロビート」という巨大さを実感出来ないので、一旦モッシュピットを出て、後方まで一回りしてきたんです。なんか感動的でしたね。あの緑に囲まれたフィールドに轟くアフロビート。まさに山にこだまし、大地が揺れるようでしたよ! そしてそのビートを浴びるように、フィールドを埋め尽くすフジロッカーズ達が思い思いに踊っているその光景は、やはり日本一のロック・フェス!! っていうかこんなロック・フェスが日本で実現していることが奇跡的ですよね~。

曲目については正直、よく覚えていません…。「Mr. Big Thief」、「Slave Masters」「The Good Leaf」あたりは演りましたね。まあとにかく何所を切ってもアフロビートな訳ですよ!延々と続く濃密グルーヴにただただ身を任すのみ。シェウンの唸るような歌声と呪術のように繰り返される反復フレーズ。まるでじゃれあうように踊る女性ダンサー、彼女達が発する独特の“合いの手”がさらに中毒性を誘う。スピリチュアルな神秘性が感じられたスローな曲は「Rise」だったかな? シェウンの吹くアルト・サックスによるブレイクが沸きに沸いた「You Can Run」も印象的でしたね。

本編はおよそ1時間45分くらいだったでしょうか? 2時間枠の割には早く終わっちゃったな…という感じでしたが、それでも1時間45分ですからね! 天晴ですよ!その間、踊り続けた観客達も見事。しかもまだ踊り足りない、もっとアフロビートに浸かりたい!とばかりに鳴り止まない拍手。そして再びステージに帰ってきたシェウン・クティ&エジプト80の面々。アンコールは「Mosquito Song」。私もこの頃には最前列かぶり付きで楽しんじゃいました。格好良かったです!!

アンコール込みでおよそ2時間。まさに、3日間で最も熱かったステージ!!