SEUN KUTI & EGYPT 80 / MANY THINGS
今更な感じですが、まだ続いてるんです、この企画。
と言う訳でフジロック・ベスト5、第3位! シェウン・クティ&エジプト80です!
最終日、オレンジ・コートのトリを務めたシェウン・クティ&エジプト80。メイン・ステージを尻目にその遥か最奥のステージで繰り広げられたアフロビートの饗宴。ディープでした。
何がディープって、まず見た目。前列中央にあまりにも精悍過ぎる首領シェウン・クティ。このシェウン・クティが体をくねらせながら歌い、踊り、バンドを指示します。この男が野外に映える! そしてその両横にはカウベル的なものをキンコンと叩き続ける人と、丸いものをジャラジャラ言わせる人が、ただひたすらそれだけに没頭している。その後ろにはマルチなパーカッショニストが一人と、ギターにベース。さらにその後ろにホーン隊、ドラムス、2人の女性コーラスが配置されているという大所帯。この大所帯振りがいかにもアフリカな感じ。
しかも後方一番端に陣取った女性コーラス隊がことのほかディープ。コーラスというよりダンサーと言ったほうが良いかもしれません。曲によっては簡単な振り付けがあったりしましたが、8割方は腰を振ってる。それも物凄い速さとキレで。とんでもなく細かい動き。しかも6割方は観客にお尻を向けている。で、これが格好良いんですよ!何か凛々しいんです。しかもこの凛々しいキレが終演まで衰えませんからね。私は割りとこの二人の女性に目が釘付けでしたね…。ちなみにフジ公式サイトのアーティスト・データによりますと、この2人の内1人はアニクラポ・クティ姓なので、ひょっとしてシェウンのご家族でしょうか?
もちろんディープなのは見た目だけではありませんよ! とにかくリズムが強力。ドラムスに複雑に絡み合うパーカッション類は流石にアフロ。ですがバタバタとした印象はなく、それは鋼のように強靭、且つ鞭のようにしなやか。それがドロドロと延々に繰り替えされる反復リズムの応酬。そこに怒涛のごとくホーンリフが被さってくる。このホーンの入り方にはゾクゾクとさせられましたね。まるでジェイムズ・ブラウンのファンクのような…。
さて、シェウン・クティの父親は言わずと知れたフェラ・クティ。アフロビートの創始者と言われる偉人です。アフロビートとは、広くアフリカンなリズム、と言う意味ではなく、ハイライフと呼ばれる西アフリカ産のカリプソ風味なジャズから音楽活動を始めたフェラ・クティが、ブラック・パワーの精神やファンクからの刺激を受け完成させた唯一無比の音楽です。もちろん西洋からの影響が強いとは言え、あくまでもアフリカの大地に根ざしたアフロビートなのです。
で、このアフロビート、ジェイムズ・ブラウンからの影響が特に強いと言われます。今回、この継承者であるシェウンのライヴを観て、特にリズムとホーン隊の絡みに強くJB印を感じさせられました。それはCDで聴くよりだんぜん顕著。シェウンの合図によってホーン・リフが繰り返される「Na Oil」の格好良かったこと!! もちろん他の曲でもホーン隊は大活躍でした。陶酔感でドロドロなリズムにグワッとホーンが入ってくる瞬間に強烈なファンクネスを感じるんです。この興奮はライヴならではでしたね。さすが本物のアフロビートです!
このとんでもないアフロビートを叩き出すエジプト80は、父フェラが80年代に率いていたバンドです。このバンドを末息子のシェウンが引き継いだというところに、何となく“アフロビート”という家督を譲られた感じがしますよね。彼らの体に染み付いたグルーヴこそ、フェラの時代、まだバンドがアフリカ70と名乗っていた時代から、メンバー・チェンジを繰り返しながらも脈々と続いて来た本物のアフロビートなのです。
曲目についてはもう記憶の彼方というか、知っているような、知らないような、みんな同じ曲のような…、そんな感じだったかもしれません。ですがこのグルーヴに、男らしく匂うシェウンのヴォーカルが呪文のように紡がれ、それを囃すように女性コーラスが続き、さらにホーン隊が次から次へと畳み掛けてくる。その魔力的な祝祭感。ただそれをひたすら体感し続けてるだけで身も心も解放されていく感じ。それだけで素晴らしいのです!それはアフリカ奥地で繰り広げられる祭司のようでもあり、悪魔のようなファンク地獄のようでもある。恐るべきアフロビート絵巻。ディープ過ぎる…。
それはまるで、苗場の山が揺れるかのようでした。
~関連過去ブログ~ お茶のお供にどうぞ!
09.08.02 フジロック・ベスト5 第5位!
09.08.05 フジロック・ベスト5 第4位!
09.07.23 フジロック現地リポート 出発
09.07.24 フジロック現地リポート 初日
09.07.25 フジロック現地リポート 二日目
09.07.26 フジロック現地リポート 最終日
09.07.27 フジロック現地リポート さらば
今更な感じですが、まだ続いてるんです、この企画。
と言う訳でフジロック・ベスト5、第3位! シェウン・クティ&エジプト80です!
最終日、オレンジ・コートのトリを務めたシェウン・クティ&エジプト80。メイン・ステージを尻目にその遥か最奥のステージで繰り広げられたアフロビートの饗宴。ディープでした。
何がディープって、まず見た目。前列中央にあまりにも精悍過ぎる首領シェウン・クティ。このシェウン・クティが体をくねらせながら歌い、踊り、バンドを指示します。この男が野外に映える! そしてその両横にはカウベル的なものをキンコンと叩き続ける人と、丸いものをジャラジャラ言わせる人が、ただひたすらそれだけに没頭している。その後ろにはマルチなパーカッショニストが一人と、ギターにベース。さらにその後ろにホーン隊、ドラムス、2人の女性コーラスが配置されているという大所帯。この大所帯振りがいかにもアフリカな感じ。
しかも後方一番端に陣取った女性コーラス隊がことのほかディープ。コーラスというよりダンサーと言ったほうが良いかもしれません。曲によっては簡単な振り付けがあったりしましたが、8割方は腰を振ってる。それも物凄い速さとキレで。とんでもなく細かい動き。しかも6割方は観客にお尻を向けている。で、これが格好良いんですよ!何か凛々しいんです。しかもこの凛々しいキレが終演まで衰えませんからね。私は割りとこの二人の女性に目が釘付けでしたね…。ちなみにフジ公式サイトのアーティスト・データによりますと、この2人の内1人はアニクラポ・クティ姓なので、ひょっとしてシェウンのご家族でしょうか?
もちろんディープなのは見た目だけではありませんよ! とにかくリズムが強力。ドラムスに複雑に絡み合うパーカッション類は流石にアフロ。ですがバタバタとした印象はなく、それは鋼のように強靭、且つ鞭のようにしなやか。それがドロドロと延々に繰り替えされる反復リズムの応酬。そこに怒涛のごとくホーンリフが被さってくる。このホーンの入り方にはゾクゾクとさせられましたね。まるでジェイムズ・ブラウンのファンクのような…。
さて、シェウン・クティの父親は言わずと知れたフェラ・クティ。アフロビートの創始者と言われる偉人です。アフロビートとは、広くアフリカンなリズム、と言う意味ではなく、ハイライフと呼ばれる西アフリカ産のカリプソ風味なジャズから音楽活動を始めたフェラ・クティが、ブラック・パワーの精神やファンクからの刺激を受け完成させた唯一無比の音楽です。もちろん西洋からの影響が強いとは言え、あくまでもアフリカの大地に根ざしたアフロビートなのです。
で、このアフロビート、ジェイムズ・ブラウンからの影響が特に強いと言われます。今回、この継承者であるシェウンのライヴを観て、特にリズムとホーン隊の絡みに強くJB印を感じさせられました。それはCDで聴くよりだんぜん顕著。シェウンの合図によってホーン・リフが繰り返される「Na Oil」の格好良かったこと!! もちろん他の曲でもホーン隊は大活躍でした。陶酔感でドロドロなリズムにグワッとホーンが入ってくる瞬間に強烈なファンクネスを感じるんです。この興奮はライヴならではでしたね。さすが本物のアフロビートです!
このとんでもないアフロビートを叩き出すエジプト80は、父フェラが80年代に率いていたバンドです。このバンドを末息子のシェウンが引き継いだというところに、何となく“アフロビート”という家督を譲られた感じがしますよね。彼らの体に染み付いたグルーヴこそ、フェラの時代、まだバンドがアフリカ70と名乗っていた時代から、メンバー・チェンジを繰り返しながらも脈々と続いて来た本物のアフロビートなのです。
曲目についてはもう記憶の彼方というか、知っているような、知らないような、みんな同じ曲のような…、そんな感じだったかもしれません。ですがこのグルーヴに、男らしく匂うシェウンのヴォーカルが呪文のように紡がれ、それを囃すように女性コーラスが続き、さらにホーン隊が次から次へと畳み掛けてくる。その魔力的な祝祭感。ただそれをひたすら体感し続けてるだけで身も心も解放されていく感じ。それだけで素晴らしいのです!それはアフリカ奥地で繰り広げられる祭司のようでもあり、悪魔のようなファンク地獄のようでもある。恐るべきアフロビート絵巻。ディープ過ぎる…。
それはまるで、苗場の山が揺れるかのようでした。
~関連過去ブログ~ お茶のお供にどうぞ!
09.08.02 フジロック・ベスト5 第5位!
09.08.05 フジロック・ベスト5 第4位!
09.07.23 フジロック現地リポート 出発
09.07.24 フジロック現地リポート 初日
09.07.25 フジロック現地リポート 二日目
09.07.26 フジロック現地リポート 最終日
09.07.27 フジロック現地リポート さらば